FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/07/06/15:16:25

今後も通商問題の行方には警戒が必要

トランプ米政権は、予定通り東京13時過ぎに340億ドル相当の中国からの輸入品に追加関税を課した。中国の強い反発は確実であり、世界第1位と2位の経済大国による本格的な貿易戦争が現実味を帯びつつあるが、為替市場はリスク回避とはならず、逆に円売り傾向が強まった。これは、関税発動は予定通りではあり、市場はすでに織り込んでいた。ただ、今後も通商問題の行方には警戒が必要となる。一方で、米欧の貿易摩擦は緩和の方向に動きつつある。昨日は、米国の自動車関税引き上げを避けるために、メルケル独首相が『関税引き下げの交渉に応じる用意がある』と述べた。欧州サイドの通商交渉には独以外の承認も必要であり、メルケル首相の意見が全て取り入れられるとは思えないが、欧州一の経済国が譲歩する姿勢をみせたことは大きい。 

 

日経平均株価:材料出尽くしで買い戻し優勢

前日の欧米株高を好感し米大統領が5日に対中追加関税発動を表明したが、第2弾の追加関税の明言を避けて貿易戦争への警戒感が和らぎ悪材料出尽くしで前日まで売られた景気敏感株中心に買い戻された。先物を売っていたヘッジファンドなど海外短期筋の買戻しが優勢となった。結局、前日比241円高の2万1788円と5日ぶり反発して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:上海総合株価指数持ち直しでドル買い

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、一時110.75円前後まで上昇した。ただ、米中貿易摩擦を巡る警戒感から伸び悩み110.70円を挟んでもみ合い相場となった。午後に、トランプ政権は知的財産権の侵害を理由に、中国から輸入するハイテク製品に25%の追加関税を課す制裁措置を発動した。これに対して中国商務省が『対中報復関税に報復せざるを得ない』との見解を示すと、ポジション調整などのドル売り・円買いが持ち込まれ、110.60円前後まで軟化した。ただ、下値を追う動きが限られると、日経平均株価の上げ幅拡大を眺めて110.97円までじり高となった。午後から上海総合株価指数がマイナス圏からプラス圏に転じたことも、過度なリスク回避の動きが後退して円売りが優勢となった。ユーロ/ドルは、週末を控えて持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.17ドル台乗せとなった。

 

FOMC議事録の内容:斬新的な利上げの必要性を確認

FRBは6月12-13日に開催したFOMCの議事録を公表した。その中で、斬新的な利上げの必要性が再確認された。議事録の中ではまた、多くのメンバーが新興市場や欧州を下方リスクとして見ており、貿易政策を巡るリスクが高まったと指摘している。さらに、過熱経済が、経済の下方リスクになるとの指摘も見られたほか、利回り曲線を監視していくことが重要だとの指摘もあった。また、下半期経済見通しを若干引き下げたことも明らかにした。FRBの利上げにも関わらず、短長期債の利回り格差は縮小基調を継続している。一段と平坦化が進んでおり、万が一逆転した場合、景気後退を示唆すると、FOMC高官や市場エコノミストが警戒している。一方、声明の中の『引き続き緩和的』との文言が協議されたことも明らかになっており、正常化に伴い、近くのフォワードガイダンスが取り除かれるとの思惑も根強い。

 

トルコは政権の閣僚人事と中銀の対応に注目

トルコ大統領選と総選挙では与党連合が勝利を収めた。与党公正発展党(AKP)は改選前の単独過半から議席を減らしたが、連立を組む極右政党の民族主義者行動党(MHP)と併せて過半数の議席を確保した。結果、新政権ではMHPがキャスティングボートを握るため、欧米との一段の関係悪化に伴いトルコが内向き姿勢を強める可能性が高まる。改正憲法施行に伴う『絶対的権力』を有する大統領の下、9日に新たな『エルドアン政権』が発足する。選挙を通過して悪材料出尽くしに伴い下落が続いていたリア相場は底打ちしたが、改革派閣僚のシムシェキ氏の処遇を巡る不透明感が重石になっている。足もとのインフレ率は一段と加速する中、中銀は24日に次期会合で大幅利上げを迫られる可能性もある。次期政権の閣僚人事と中銀の対応は今後の同国経済見ていく上で重要なポイントとなる。

 

米国市場では6月の雇用統計が公表

6月指標では米地区連銀の製造業傾向指数で、NY連銀指数の『雇用者数』が19.08と前月の8.7から2倍以上の改善となった。フィラデルフィア連銀指数でも『雇用者数』は30.4となり、前月の30.2から上昇した。ただ、非農業部門雇用者数の5月実績は前月比+22.3万人だが、完全雇用の状態に近づいていることから、雇用創出のベースはやや鈍化するとみられている。月間20万人超の雇用増が続くことは難しいとみられる。失業率については労働参加率の上昇は期待できないため、前月と同水準かやや下回る可能性がある。なお、平均時給は前年比+2.8%と予想されており、伸び率は5月実績を上回る可能性がある。

 

米国市場では5月貿易収支が公表

参考となる5月の前渡し貿易収支は▲648億ドルで赤字幅は4月実績の▲673億ドルから縮小した。前渡し貿易収支は緩やかに改善しているが、5月は輸入額増加の可能性があることから、貿易赤字額は4月実績の▲462億ドルと同水準になる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   5月独鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○15:45   5月仏貿易収支
○15:45   5月仏経常収支
○21:00   6月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比1.28%)
○21:30   5月カナダ貿易収支(予想:22億カナダドルの赤字)
○21:30   6月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化2万4000人/失業率5.8%)
○21:30   5月米貿易収支(予想:437億ドルの赤字)
○21:30   6月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化19万5000人/失業率3.8%/平均時給、前月比0.3%)
○23:00   6月カナダIvey購買部協会景気指数
○6-9日   6月ロシアCPI(予想:前月比0.4%)

 

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/07/05/15:16:01

日経平均株価は上海株安を嫌気した売り優勢

前場は米中両国の追加関税実施期限が6日に迫り投資家が様子見ムードを強め高値圏にある主力株への利益確定売りに押され軟調推移となった。米中両国による追加関税発動を控えて上海株安を嫌気した海外短期筋の先物への継続な売りに押され一時下げ幅を255円に広げた。結局、前日比170円安の2万1546円と4日続落で取引を終了した。

 

東京外国為替市場:下値では値ごろ感からのドル買いも強い

ドル/円は、米国の対中追加関税発動を控えて調整色が強まり、一時110.30円近辺まで下落した。国内輸出企業による大口のドル売り・円買いも観測された。ただ、下値では値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、110.40円台へ切り返した。午後は、日経平均株価の下げ幅拡大リスク回避のドル売り・円買いが再燃し、110.29円まで軟化した。しかし、休場明けとなる米国市場の動向を見極めたいとの雰囲気から下押しは限られると、ショートカバーが持ち込まれて110.60円台まで持ち直した。ユーロ/ドルは、米中貿易摩擦に対する警戒感からユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.1690ドル台まで上昇した。

 

ECBメンバーの講演発言に注意

欧州市場では、めるしゅECB専務理事、ノボトニー・オーストリア中銀総裁、バイトマン独連銀総裁の講演が予定されている。昨日は、ECB関係筋の話として『一部のECBメンバーは2019年末の利上げは遅すぎると認識している』と伝わった。ECBにはタカ派とハト派がいて、様々な意見が出るのは当然のことである。しかし、今回のようなリークが続くようであれば、2019年秋の利上げを市場に浸透させたい意向とも考えられる。本日はタカ派のバイトマン氏以外の2人の発言に注目が集まる。

 

カーニーイングランド銀行(BOE)総裁発言に注目

本日カーニーBOE総裁の講演が予定されている。政策金利が据え置かれた先月の金融政策委員会では3名の委員が0.25%利上げに賛成したことを受けて、8月2日会合での利上げ感想kが高まりつつある。市場の利上げ織り込み度は、1ヵ月前の5割弱から、現在は7割程度まで上昇してきた。タカ派のマカファーティMPC委員は8月待つをもって退任し、その後任がハト派とみられるハスケル氏の予定となっている。タカ派からハト派へのMPC委員の入れ替えを控えて、カーニーBOE総裁の発言に注目が集まる。

 

ホルムズ海峡封鎖の可能性は低いが原油価格の下支えに

イランメディアを引用する格好で、イラン革命防衛隊高官が、トランプ政権がイラン産原油の輸入停止を各国に呼び掛けていることを受け、イラン原油を事実上の禁輸となるならば、『我々は原油を輸送するいかなる船舶がホルムズ海峡を通過することを許さないだろう』と述べ、海峡の封鎖に踏み切るかの聖があると警告したと報じている。

 

米国市場では6月のADP雇用統計が公表

6月指標では米地区連銀の製造業景況指数で、NY連銀指数の『雇用者数』が19.08と前月の8.7から2倍以上の開園となった。フィラデルフィア連銀指数でも『雇用者数』は30.4となり、前月の30.2から上昇した。米国内での人手不足や減税硬貨、資源相場の上昇を受けた資源関連の新規採用などもあり、雇用指標は底堅さの持続が期待される。しかし、ドル高や金利上昇、世界経済の減速懸念などもあり、企業による雇用拡大計画にはマイナスとなる。

 

米国市場では米連邦後悔市場委員会(FOMC)議事要旨が公表

7月12-13日分開催されたFOMC議事要旨は、年4回の利上げシナリオの手掛かりを得られるかが焦点となる。慎重な意見が目立つ内容ならドル買いは低調になりやすい。

 

欧米イベント

○15:00   5月独製造業新規受注(予想:前月比1.1%)
○16:15   6月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比横ばい)
○19:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○19:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○20:15   バイトマン独連銀総裁、講演
○20:30   6月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:15   6月ADP全米雇用報告(予想:19万人)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万5000件)
○22:45   6月米サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
○22:45   6月米総合PMI改定値
○23:00   6月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:58.3)
○24:00   EIA週間在庫統計
○6日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6月12-13日分)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/07/04/15:11:46

日経平均株価は後場下げ幅縮小:日銀によるETF株の買い期待

前日の米国株の下落を嫌気して寄り付きから3桁の下落となった。また米国でIT株が弱かったこともあり、半導体関連の下げが大きかった。ただ、業績に安定感のあるディフェンシブ銘柄への買いや日銀によるETF株の買い観測が下げ渋りを誘った。もっとも今晩は米国市場が独立記念日で休場となり海外投資家の動きが鈍く方向感に乏しい展開に終始した。結局、前日比68円安の2万1717円と3日続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中貿易摩擦懸念からドル上値重い

ドル/円は、米中貿易摩擦に対する懸念から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、一時110.28円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時150円を超えたことも、リスク回避の円買いを支援した。しかし、下値では本邦実需勢からのドル買いも見られ110.40円付近へ切り返した。午後からは日経平均株価にらみながら110.40円前後でもみ合いとなった。米国では独立記念日で休場となるため、積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは、1.1665ドル前後で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコリラの上値を重くしている要因

3日に発表された6月トルコ消費者物価指数(CPI)が前年比15.39%と2003年10月以来の伸び率となり、市場はトルコリラ売りに傾いた。トルコリラ/円は、24円付近から23.60円台へ下落した。CPIの結果を受けて、7月24日のトルコ中銀政策決定会合で利上げとの思惑が高まった。しかし、先月に再選を果たしたエルドアン・トルコ大統領の公約で『当選した際には利下げする』とは真逆であり、中銀と大統領の対立が強まるとの警戒感がトルコリラ売りにつながっている。またトルコは、NATOに加盟していながらもロシアからミサイルシステムを導入しようとしている。これに対して、NATO加盟諸国から経済制裁が課せられる恐れも出てきた。対内外に問題を抱えるトルコの通貨の上値を重くする要因となっている。

 

米2-10年債の利回り曲線が平坦化:景気後退シグナル

IMF(国際通貨基金)によると、世界経済は2018年、2019年と3.9%成長が予想されている。しかし、2019年に世界経済が景気後退入りするリスクが著しく高まったと、ストラテジストは警告している。米国債の利回り曲線も一段と平坦化してきた。米2年債と10年債の利回り格差は3日に2007年9月以降ほぼ11年ぶり最小となった。短期債と長期債の利回りが逆転した場合、景気後退入りする兆候だと見られており、FOMCメンバーも含めて警戒されている。

 

米中による関税発動を控えて市場はリスク回避強まる

米中による関税発動を控えて、貿易協議にはあまり進展が見られず、貿易摩擦の深刻化が警戒されている。トランプ政権は6日に中国製品に対する25%の追加関税の第1弾を発動する計画となっている。この場合、中国も報復措置として同規模の関税を米国製品にかけると見られる。中国人民銀行が、易総裁を含め高官が『人民元を通商問題への対処として使用しない』『元の安定を維持する』と口先介入を実施した。下落を続けていた人民元が一旦反発し、円も連れ高となった。

 

メキシコ新大統領が試される:景気減速とペソ安を阻止できるか

先週末に行われたメキシコの大統領選では、新興左派政党のロペスオブラドール氏が与党・制度的革命党のミード前財務公債相などを破り当選した。同氏はトランプ米大統領に対して対等の立場を求める対米強硬派であり、現在中断しているNAFTA交渉においては継続する姿勢を示している。ただ、両者がこのまま何の衝突もなく落ち着くとは到底思えない。また、『国境の壁』についても依然として歩みよりは見られておらず、1日には初の電話会談を行った。トランプ米大統領は『関係は良好なものになる』と述べたものの不透明感は拭えない。メキシコは、インフレ高も懸念材料となる。直近のCPIは前年比で4.51%上昇と昨年9月に約16年ぶりの高水準を付けた6.66%上昇から落ち着きを見せいていものの、依然として中銀目標の2-4%を上回っている。中銀はインフレリスク軽減のために先月にも今年2回目の利上げを実施し、政策金利はここ9年で最高水準となっている。しかし、直近GDP成長率は前年比で1.3%増と4年はぶりの低成長を記録するなど、利上げは国内経済を着実に抑圧している。今後の米国とのNAFT協議次第ではさらにドル高・ペソ安が進む可能性があり、新大統領の手腕が試される。

 

欧米イベント

○16:50   6月仏サービス部門PMI改定値(予想:56.4)
○16:55   6月独サービス部門PMI改定値(予想:53.9)
○17:00   6月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:55.0)
○17:30   6月英サービス部門PMI(予想:54.0)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○米国(独立記念日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/07/03/15:15:32

豪準備銀行政策金利据え置きを決定

豪準備銀行(中央銀行)は開いた理事会で政策金利を1.50%に据え置くことを決定した。声明では、『低金利は引き続き豪経済を支援する』『金利据え置きは持続的な経済成長と合致する』『インフレ率はしばらく低水準にとどまる公算が大きい』との見解を表明した。早期の利上げの思惑は後退した。

 

日経平均株価:押し目買い入り引けにかけ下げ幅縮小

前日のNYダウが35ドル高の3日続伸を受け買いが先行し先物主導で上げ幅を100円超へ広げたものの、香港などアジア株の軟調や中国減速懸念を背景とした売りに押され下げに転じた。一時230円超へと下げ幅を広げたが安値では押し目買いに支えられて下げ幅を縮めた。結局、前日比26円安の2万1785円と小幅続落して取引を終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株の動向にらみの展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅が一時100円を超えたことに支えられ一時111.13円まで上昇した。しかし、米朝貿易摩擦に対する根強い懸念からドルの上値は重かった。その後、日経平均株価がマイナス圏に沈んだことやアジア株のさえない動きをながめて持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、110,76円まで下落した。午後は、日経平均株価が下げ幅を縮小すると、ショートカバーが入った111.00円近辺まで上昇した。上海総合株価指数が持ち直したことも、過度なリスク回避姿勢を和らげた。ユーロ/ドルは、ドイツの政局を巡る過度な懸念の後退で、ポジション調整などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1640ドル台へ切り返した。

 

中国で社債のデフォルトが急増

景気減速が見込まれる中で、債務不履行総額は2018年に入りすでに年間記録の4分の3を突破した。中国企業による年初来ので公募債の不履行は約165億元(約2740億円)とすでに16年に記録した年間ベースでの過去最悪の207億元に迫りつつある。中国の格付け会社、大公国際資信評価などによる格付けも記録的ペースで、社債市場を巡る緊張を巡る緊張が一段と強まるのは必至である。

 

6日の英国の閣僚との会合に注目:英ポンドに波乱も

EU首脳会議では6月末、英国のメイ首相に対し、EUからの合意なき離脱を回避するため、『非常に大きな』隔たりを克服する方法を提示するよう求めた。メイ首相に英政権内の対立を克服し、EUとの協議を前進させる最後通牒を行っている。その中でメイ首相は今週、EU離脱を巡る閣内と与党内の対立を終わらせることを目指した会合を行う。6日には閣僚らと会合を開く予定となっている。一定の歩み寄りと離脱の軟着陸シナリオが見られると、ポンド高やリスク選好の円安となりやすい。一方で、対立深刻化の物別れやメイ首相の退陣論の高まり、強硬離脱のリスクが警戒されるとポンド安やリスク回避の円高になる可能性も残る。

 

米国第2四半期のGDPはさらに下方修正も

米国商務省が発表した5月建設支出は前月比+0.4%となった。伸びは、4月+0.9%から鈍化し、予想+0.5%を下回った。4月分も+0.9%へ、+1.8%から半分に下方修正された。当初、4-6月期の国内総生産(GDP)は5%近くの成長が予想されていた。しかし、5月の消費が思ったほど伸びず見通しが下方修正されている。4月、5月の建設支出の結果を受けて、成長予想が一段と引き下げられる可能性がある。
一方で、製造業は好調で、建設主出の弱さを相殺した。米供給管理協会(ISM)が発表した6月ISM製造業景況指数は60.2と、2カ月連続で改善した。低下予想に反して、5月58.7から上昇し、2月来で最高となった。ただ、重要項目の新規受注は低下。雇用や価格も低下した。鉄鋼とアルミの関税がサプライチェーンの混乱を生み、出荷により多くの時間がかかっていることが明らかになった。建設支出の鈍化にもかかわらず、米商務省が発表する国内総生産(GDP)と類似したモデルを使用しているため、度々市場の注目となるアトランタ連銀の4-6月期GDP予想は4.1%へ引き上げられた。従来は3.8%だった。 

 

欧米イベント

○15:45   5月仏財政収支
○16:00   6月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.40%)
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.50%で据え置き)
○17:30   6月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.5)
○18:00   5月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
○18:00   5月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比2.7%)
○23:00   5月米製造業新規受注(予想:前月比横ばい)
○4日01:00   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○4日03:00   6月ブラジル貿易収支(予想:63億ドルの黒字)
○米株式・債券市場は短縮取引

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/07/02/15:13:36

日経平均株価:日経VI急上昇で咲きも尾売り加速

前場は、米国の保護主義貿易が世界景気減速につながるとの懸念や日銀6月短観の大企業・製造業景況感の2四半期連続悪化を嫌気した売りが優勢となった。午後からは、メキシコの大統領選で大衆迎合政策を掲げる新興左派候補の優勢が伝わったのをきっかけにNYダウ先物が下げ幅を広げたことを嫌気され、海外ヘッジファンなど短期勢の先物への売りを強めた。さらに、日経VI急上昇したことで投資家心理が悪化してさらに先物売りが加速し下げ幅は一時500円超へ広げた。結局、前営業日比492円安の2万1811円と大幅反落となり終了した。

 

東京外国為替市場:日経平均株価大幅安でリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏から一時プラス圏へ転じたことに支えられ、111.06円まで上げた。また、中国商務相が『中国は市場アクセスを大幅に拡大し、保護主義に反対する』との見解を示したことも、過度なリスク回避が後退し、円売りを誘った。午後は日経平均株価がの大幅安をながめてリスク回避の円買いが強まり、110.60円台まで押し戻された。米長期金利が小幅に低下したことも、ドル売りを誘った。ユーロ/ドルは、ドイツの政局先行く不透明感から持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.1638ドルまでじり安となった。

 

6月日銀短観:2期連続の悪化は5年半ぶり

日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観、6月調査)の大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は2期連続で悪化した。

・大企業・自動車のDIプラス15と7ポイント悪化、先行きもプラス13と2ポイント悪化

・銀行業のDIはプラス5と2ポイント悪化、先行きもマイナス1と6ポイント悪化

・大規模・全産業の18年度の設備投資額は前年比13.6%増(予想は9.3%増)

・『過剰』から『不足』を引いた雇用人員判断DIは全規模・全産業でマイナス32と前回から2ポイント上昇

世界経済の回復が続いていることから企業の業況感は高水準を維持する一方、米国の保護主義的な通商政策や資源価格上昇への懸念から頭打ち感が鮮明になるとの見方が強かった、米国が中国やEUなどと繰り広げる貿易摩擦は、日本経済にとっても不安材料となる。

 

メキシコ大統領選開票:対米強硬の左派政権誕生か

メキシコ大統領選の投票が締め切られ、開票が始まった。トランプ米大統領にメキシコへの『敬意を払え』と訴える対米強硬派の左派政権誕生がほぼ確実な情勢と見られている。地元経済の世論調査によると、3度目の出馬となった野党新興左派、国家再生運動(MORENA)のロペスオブラード元メキシコ市長が支持率54%で大きくリードしている。与党、制度的革命党(PRI)のミード全財務公債相が22%、野党中道右派、国民行動党(PAN)のアナヤ全党首が21%となっている。

 

欧州市場では5月ユーロ圏失業率が公表

4月実績は8.5%で3月実績の8.6%を下回った。ユーロ圏の失業率はさらなる低下が予想されているが、8%台でしばらくもみ合う状態が続く可能性がある。雇用情勢の改善は続いているものの、失業率が継続的に低下することは期待できないとの指摘もある。

 

米国市場では6月のISM製造業景況指数が公表

同じ6月分ではシカゴPMIが64.1となり、市場予想の60.0や前月の62.7を上回る底堅さを示した。参考となる5月実績は58.7となり4月実績の57.3を上回った。しかし、景況指数は今年2月の60.8がピークとみられており、再上昇の可能性は低いと見られる。6月については、『新規受注』と『生産』は若干低下し、『雇用』は横ばいと予想されており、全体の指数は5月実績をやや下回る可能性が高い。米国では6月後半にかけて株価が下落した。また、通商摩擦懸念や欧州や中国などの世界景気減速、ドル高などが要因となる。

 

欧米イベント

○16:15   6月スイス小売売上高
○16:30   6月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:61.0)
○16:50   6月仏製造業PMI改定値(予想:53.1)
○16:55   6月独製造業PMI改定値(予想:55.9)
○17:00   6月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:55.0)
○17:30   6月英製造業PMI(予想:54.0)
○18:00   5月ユーロ圏失業率(予想:8.5%)
○22:45   6月米製造業PMI改定値
○23:00   5月米建設支出(予想:前月比0.5%)
○23:00   6月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:58.1)
○2-3日   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)確報値
○カナダ(建国記念日の振替休日)、休場

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