★米国株式市場は上昇:利上げ終了観測が強まり買い優勢に
NYダウは294.61ドル高の36245.50ドル、ナスダックは78.81ポイント高の14305.03ポイントで取引を終了した。11月ISM製造業景況指数が予想を下回り金利の低下に連れた買いが強まり、寄り付き後は上昇した。その後、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長発言を受け、利上げ終了観測が一段と強まり相場は続伸した。長期金利の低下でハイテクも買い戻され、相場を支援した。終日堅調に推移し終盤にかけ上げ幅を拡大し、終了した。VIX指数は12.92から12.63へ低下した。
★NY外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢に
ドル/円は、11月米ISM製造業景況指数が46.7と予想の47.6を下回ったことが伝わると、円買い・ドル売りが先行した。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.1956%前後と9月8日以来約3カ月ぶりの低水準を付けたことも相場の重しとなり、一時146.66円と9月12日以来の安値を更新した。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は講演で「金融緩和の時期を推測するのは時期尚早」と述べ、早期の利下げ転換を織り込む市場をけん制。「適切だと判断すればさらに金融政策を引き締める用意がある」と従来通りの発言を繰り返した。当初はドル買いで反応し、147.84円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。市場では「警戒していたほどタカ派ではなかった」との見方があったほか、「来年、米消費や生産が減速する」と述べたことが材料視されたようだ。「米国で利上げ局面が終了したとの見方は根強く、ドルの戻りを売りたい向きは多い」との指摘もあった。
ユーロ/ドルは、今週発表されたユーロ圏インフレ指標が予想を下回ったことを受けて、この日も欧州のインフレ鈍化を意識したユーロ売りが先行した。ビルロワドガロー仏中銀総裁が「現時点では利下げを検討する用意はないが、2024年に利下げの問題を検討する可能性がある」「何らかの衝撃がない限り、利上げはもはや完了した」などと発言すると、欧州中央銀行(ECB)の利下げ転換が意識されて、ユーロ売りが加速し、一時1.0829ドルと日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、4時前には1.0893ドル付近まで下げ渋った。パウエルFRB議長が市場の早期利下げ観測をけん制しながらも、現行の金融政策を「十分に引き締め的」と表現し、「米消費や生産が減速する」との見通しを示したことでドル売りが進んだ。
★NY原油先物市場は続落:需要の先行き不安から売り優勢に
NY原油先物市場は73.93ドル‐76.76ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非OPEC主要参加国による枠組みOPECプラスは昨日開催の会合で、各国が自主減産により価格を下支えする方針を確認した。しかし協調減産の合意に至らず、価格下支えの措置に関する不透明感が残り原油相場を圧迫している。本日発表の米ISM製造業景況指数が弱い結果となったことも製造セクターにおけるエネルギー需要の先行きに対する不安を高め嫌気された。米国市場の前半までに76.76ドルまで反発したが、需要減少の思惑が広がり、後半にかけて売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で73.93ドルまで下落した。
★NY金先物市場は大幅に反発:米金利低下とドル安を好感した買い
NY金先物市場は2052.60‐2095.70ドルのレンジ相場となった。予想を下回った11月米ISM製造業景況指数を受けた米金利低下が支援材料となった。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味が増すとして買いを集めた。米金利低下を受けたドル安でドル建て金相場に割安感が生じたことも支えとなった。米指標悪化が、リスク回避資産である金を買う動きを促した面もある。ロンドン市場で2052.60ドルまで売られたが、米国市場の後半にかけて2095.70ドルまで買われた。米長期金利の低下を意識した買いが観測された。通常取引終了後の時間外取引では2090ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は続伸:不調な経済指標結果受け買い優勢に
米国債券市場で中長期ジーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.16%低い(価格は上昇)4.54%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.12%低い4.20%で終了した。11月米ISM製造業景況指数が予想を下回ったことで買いが広がった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が市場の早期利下げ観測をけん制しながらも、現行の金融政策を「十分に引き締め的」と表現し、「米消費や生産が減速する」との見通しを示したことも相場の押し上げ要因となった。利回りは一時4.1956%前後と9月8日以来約3カ月ぶりの低水準を付けた。
★米国株式市場はまちまち:米国のインフレ減速観測が追い風
NYダウは520.47ドル高の35950.89ドル、ナスダックは32.27ポイント安の14226.22ポイントで終了した。四半期決算の内容が好感されたセールスフォースが上昇し、相場を押し上げた。10月米PCE物価指数がインフレ減速を示す内容となったことも相場の追い風になった。一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。米長期金利が大幅に上昇したことで、高PER(株価収益率)のハイテク株には売りが出た。VIX指数は12.98から12.92へわずかに低下した。
★NY外国為替市場:タカ派発言受け米金利高でドル買い優勢に
ドル/円は、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「現時点では利下げについて全く考えていない」「米連邦準備理事会(FRB)が利上げを完了したかどうかを考えるのは時期尚早」と述べたほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「景気抑制的な金融政策はかなりの期間続くと想定」「インフレ圧力が続けば再び利上げの可能性もある」などと発言すると全般ドル買いが先行した。11月米シカゴ購買部協会景気指数が55.8と予想の45.4を上回ったこともドル買いを促し、一時148.51円と日通し高値を更新した。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買い・ドル売りが入ると147.72円付近まで伸び悩む場面もあったが、フィキシング通過後は再び強含み、148円台に乗せた。
ユーロ/ドルは、欧州時間発表の11月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を下回ったことを受けて、全般ユーロ売りが先行した。FRB高官の発言や予想を上回る米経済指標を受けて、FRBが早期に利下げに動くとの観測が後退すると全般ドル買いが活発化し、一時1.0879ドルと日通し安値を更新した。なお、FRBが金融政策を判断するうえで重視している10月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比3.5%上昇と市場予想通りの結果となった。
★NY原油先物市場は3日ぶりに反落:OPECプラスは追加減産で合意できず
NY原油先物市場は75.05ドル‐79.60ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非OPEC主要産油国による枠組みOPECプラスが本日開催した会合では、来年初に日量200万バレルに迫る自主減産を実施することで合意した。しかし、加盟国協調による追加減産ではなく、各国が自主的に減産枠を決めて原油価格を下支えする格好にとどまった。会合の結果発表後は売り優位となり、一時75ドル近辺まで下落が進んだ。ロンドン市場で79.60ドルまで買われたが、OPECプラスは追加減産について合意できなかったことから、一時75.05ドルまで反落した。通常取引終了後の時間外取引では主に76ドルを挟んだ水準で推移した。
★NY金先物市場は5営業日ぶりに反落:ドル高と米長期金利の反発を嫌気
NY金先物市場は2051.20‐2067.40ドルのレンジ相場となった。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁やウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が、現時点での利下げに否定的な考えや、状況により追加利上げの可能性もあることに言及した。米長期金利が上昇した。金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味が後退。米金利上昇を受けたドル高により、ドル建て金相場に割高感も生じて売りを誘った。アジア市場で2067.40ドルまで買われた後、米国市場の前半にかけて2051.20ドルまで反落。米長期金利の反発やドル高を意識した売りが観測された。通常取引終了後の時間外取引では2055ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は反落:米FRB要人によるタカ派発言で売り優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは反落(利回りは上昇)した。米2年債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は下落)4.70%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%高い4.32%で終了した。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁が「現時点では利下げについて全く考えていない」と述べたほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「インフレ圧力が続けば再び利上げの可能性もある」などと発言すると債券売りが優勢となった。
★米国株式市場はまちまち:米経済活動の減速の報告で上値重くなる
NYダウは13.44ドル高の35430.42ドル、ナスダックは23.26ポイント安の14258.49ポイントで取引を終了した。7-9月期国内総生産(GDP)改定値が予想以上に上方修正され約2年ぶりの高い伸びを記録したことを好感し、寄り付き後は上昇した。リッチモンド連銀のバーキン総裁が追加利上げの選択肢も除外したくないとの見解を示すと、相場は一時失速した。ただ、市場の来年の利下げ観測が根強く、さらにソフトランディング期待に再び買われた。しかし、終盤にかけ発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済活動の減速が報告されるとNYダウは上げ幅を縮小した。ナスダックは下落に転じまちまちで、終了した。VIX指数は12.69から12.98へ上昇した。
★NY外国為替市場:米利上げ局面終了との見方からドルの上値重い
ドル/円は、アジア時間に一時146.67円と9月12日以来の安値まで売り込まれた反動で買い戻しが先行した。米商務省が発表した7-9月期米国内総生産(GDP)改定値が年率換算で前期比5.2%増と速報値の4.9%増から上方修正され、予想の5.0%増を上回ったことが伝わるとドル買いが加速し、一時147.90円と日通し高値を付けた。ただ、節目の148.00円には届かなかった。米経済活動の3分の2超を占める個人消費が3.6%増と予想の4.0%増を下回ったほか、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数が2.3%上昇と予想の2.4%上昇を下回ったことが相場の重しとなった。米国で利上げ局面が終了したとの見方が広がる中、戻りを売りたい向きも多く、147.08円付近まで下押しした。なお、FRBがこの日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では「米経済活動は前回の報告書以降減速した」との認識が示されたほか、物価上昇については「地区全体でほぼ緩やかになったが、依然として高止まりしている」、労働需要については「引き続き緩和した」と伝わった。
ユーロ/ドルは、アジア時間に一時1.1017ドルと8月10日以来の高値を更新したあとだけに、欧米市場では利食い売りなどが出た。11月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回ったことで、欧州のインフレ鈍化を意識したユーロ売りも出た。米GDP改定値の上振れを受けてドル買いが強まると、一時1.0960ドルと日通し安値を更新した。
もっとも、米国での早期利下げを見込むユーロ買い・ドル売りが入ると、1.0995ドル付近まで下げ渋った。なお、バーキン米リッチモンド連銀総裁は「追加利上げの可能性を排除するつもりはない」「利下げについて議論するのは時期尚早」などと述べたほか、メスター米クリーブランド連銀総裁は「今後のデータ評価する上で政策は良い位置にある」「さらなる利上げが必要かどうかは経済状況次第」などと語った。
★NY原油先物市場は続伸:米長期金利低下とドル安を好感
NY原油先物市場は75.67ドル‐78.09ドルのレンジ相場となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫の発表を前に売りが強まった。しかし原油在庫の積み増し継続確認後は次第に戻した。30日開催予定の石油輸出国機構(OPEC)ほか主要産油国で構成される枠組みOPECプラスの会合を控えるなか思惑を背景とした買いが入りやすかった。米国市場の前半にかけて75.67ドルまで下げたが、米長期金利の低下やドル安を意識した買いが入っており、通常取引終了後の時間外取引で78.09ドルまで反発した。
★NY金先物市場は4日続伸:米長期金利の伸び悩みを意識した買い
NY金先物市場は2055.90‐2072.70ドルのレンジ相場となった。昨日のウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事による「インフレ率がさらに数カ月間低下し続ければ、政策金利を引き下げる根拠は十分にある」などの発言を受けた米金利低下が引き続き支援材料となった。金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味の高まりが底堅さにつながった。アジア市場の前半で2072.70ドルまで買われた後、ロンドン市場の序盤にかけて2055.90ドルまで反落した。ただ、米長期金利の伸び悩みを意識して米国市場の序盤に押し目買いが入っており、通常取引終了後の時間外取引で2070.80ドルまで戻した。
★米国債券市場は続伸:米利上げ局面の終了の思惑から買い優勢に
米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.06%低い(価格は上昇)4.67%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い4.25%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面の終了や来年以降の利下げの可能性が意識される中、この日も買いが続いた。
★米国株式市場は上昇:ハト派発言受け金利低下から買い優勢に
NYダウは83.51ドル高の35416.98ドル、ナスダックは40.74ポイント高の14281.76ポイントで取引を終了した。金利動向を睨み、寄り付き後はまちまち。アドビ集計のデータによるとネット通販の大型セール「サイバーマンデー」で1日の売上高として過去最高を記録したことが報じられ、相場を押し上げた。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事が利下げの可能性に言及すると、期待感を受けた買いにも拍車がかかり日中高値を更新した。しかし、7年債入札が不調に終わると金利先安感が後退し失速した。終盤にかけて上げ幅を縮小し終了した。VIX指数は12.69と前日比変わらずだった。
★NY外国為替市場:ハト派発言受け米長期金利低下でドル売り優勢に
ドル/円は、米国で利上げ局面が終了したとの見方が広がる中、全般ドル売りが先行した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「政策が好位置にあるとの確信を強めている」「インフレ率がさらに数カ月間低下し続ければ、政策金利を引き下げる根拠は十分にある」などと発言すると、米長期金利の低下とともに円買い・ドル売りが活発化し、一時147.33円まで下落した。21日の安値147.15円がサポートとして働くと147.71円付近まで下げ渋る場面があった。米7年債入札が低調となったことを受けて、米長期金利が低下幅を縮めたこともドル買い戻しを促した。ただ、戻りを売りたい向きは多く、買い戻しの勢いは長続きしなかった。なお、ボウマンFRB理事は「インフレ率の低下が停滞した場合には利上げを支持する」などと述べた。
ユーロ/ドルは、タカ派として知られるウォラーFRB理事が数カ月後の利下げの可能性を示唆すると、全般ドル売りが先行。節目の1.1000ドルを突破し、1.1009ドルと8月10日以来の高値を更新した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時102.61と8月11日以来の低水準を付けた。なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.3187%前後と9月20日以来の低水準を付けた。
★NY原油先物市場は5営業日ぶりに反発:米長期金利やドル安を好感した買い
NY原油先物市場は76.64ドル‐77.02ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)ほか主要産油国で構成される枠組みOPECプラスの会合を30日に予定するなか、ここまで4営業日続落してきたことに対する反動の買い戻しが入った。ドル安が進み、ドル建て原油相場の換算値を押し上げたことも支援となった。ちなみに予定されているOPECプラス会合は当初の26日開催予定から30日開催に延期されたもので、難航が予想されるアフリカ諸国など一部加盟国の協議内容次第で再び延期される可能性があるという。米国市場の序盤にかけて74.64ドルまで下げたが、米長期金利の低下やドル安を意識して77.02ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では76ドル台で推移した。
★NY金先物市場は3営業日続伸:米長期金利低下を好感した買い優勢
NY金先物市場は2031.60‐2064.20ドルのレンジ相場となった。米金利低下・ドル売り地合いのなか、5月17日以来の高値2063.6ドルまで上伸。ドル安はドルの代替資産とされることもある金の相対的な価値を高める材料にもなった。米国市場の序盤にかけて2031.60ドルまで売られたが、米長期金利の低下を意識して2064.20ドルまで買われた。ただ、その後は上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に2062ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は続伸:ウォラー米FRB理事のハト派発言受け買い優勢
米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.18%低い(価格は上昇)4.73%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い4.32%で終了した。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が数カ月後の利下げの可能性を示唆すると、債券買いが広がった。利回りは一時4.3187%前後と9月20日以来の低水準を付けた。米7年債入札が不調だったことを受けて売りが強まる場面もあったが、反応は一時的だった。
★米国株式市場は下落:景気への懸念が再燃して売り優勢に
NYダウは56.68ドル安の35333.47ドル、ナスダックは9.83ポイント安の14241.02ポイントで取引を終了した。サイバーマンデーで強いオンライン売り上げを期待した買いに寄り付き後は上昇した。ただ、10月新築住宅販売件数や11月ダラス連銀製造業活動指数が予想を下回り景気への懸念が再燃し、NYダウは下落に転じた。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ終了を織り込み長期金利が再び低下したためハイテクは一時買われたが終盤にかけ失速し、高値付近からの利益確定売りにおされ主要株式指数は下落で終了した。VIX指数は12.46から12.69へ上昇した。
★NY外国為替市場:米長期金利の低下がドルの重しに
ドル/円は、欧州時間に一時149.33円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値149.67円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の低下などが相場の重しとなり、一時148.55円と日通し安値を付けた。市場では「米利上げ打ち止め観測が広がる中、マーケットの関心は利下げへの転換時期に向いている」との指摘があった。なお、米5年債入札で底堅い需要が確認されると、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.3788%前後まで低下した。
ユーロ/ドルは、ユーロ円やユーロポンドなどユーロクロスの下落につれた売りが先行し、一時1.0925ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢になった。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると、1.0957ドル付近まで持ち直した。もっとも、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.0959ドルには届かなかった。
★NY原油先物市場は4営業日続落:需給ひっ迫懸念和らぐ
NY原油先物市場は74.06ドル‐76.23ドルのレンジ相場となった。アフリカ諸国の生産目標を巡る協議難航により26日から30日に延期となった石油輸出国機構(OPEC)と主要産出国によるOPECプラスの会合を前に調整の売りが続いた。会合では追加減産が検討されるとの見方があるものの、国際エネルギー機関(IEA)が先週、来年の石油供給がわずかながら過剰になるとの見通しを発表したことを嫌気したムードも続いている。需給ひっ迫の懸念は後退し、ロンドン市場で74.06ドルまで下落。ただ、米国市場の後半にかけて米長期金利の低下を意識した買いが入っており、一時76.23ドルまで買われた。通常取引終了後の時間外取引では75ドルを挟んだ水準で推移した。
★NY金先物市場は続伸:米金利低下を好感した買い優勢に
NY金先物市場は2001.40‐2018.90ドルのレンジ相場となった。米金利低下・ドル売りが先行した。ドル安によりドル建て金価格へ割安感が生じて相場の押し上げ要因になった。金利低下も、金利がつかない資産である金の相対的な投資妙味を増す材料に受け止められ底堅さにつながった。アジア市場で2001.40ドルまで売られた後、米長期金利の低下を意識して2018.90ドルまで反発した。ただ、その後は伸び悩み、米国市場の後半にかけて2006.10ドルまで値を下げた。通常取引終了後の時間外取引では主に2013ドルを挟んだ水準で推移した。
★米国債券市場は反発:良好な5年債入札結果が下支え
米国債券市場で中長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米2年債利回りは前営業日比0.04%低い(利回りは低下)4.91%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.08%低い4.39%で終了した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ打ち止め観測の高まる中、買いが優勢となった。米5年債入札で底堅い需要が確認されたことも相場の支援材料となった。