FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/06/01/15:15:38

日本新車販売台数と軽自動車販売台数

日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した5月の新車販売台数(軽自動車除く)は236,023台、前年比▲0.6%となった。4月は225,390台、前年比+0.5%だった。また、全国軽自動車連合会(前軽自連)が発表した5月の軽自動車新車販売台数は135,844台、前年比+0.6%となった。4月は140,765台、前年比+7.8%だった。

 

日経平均株価:引けにかけて利益確定売りに押される

前日のNYダウ250ドル安の反落や米国の保護主義を警戒した売りが先行したが、1ドル=109円台前半の円安を好感して自動車など輸出関連株に見直し買いが入り上げに転じた。ただ、週末を控えて利益確定売りに押され引けにかけてマイナス圏に落ち込んだ。結局、前日比30円安の2万2171円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:レジスタンスとして意識されていた109円台回復

ドル/円は、日銀が5~10年の国債買入れオペのオファー額を前回より200億円減額したことが円買いを誘い、一時108.71円近辺まで下落した。しかし、本邦実需などのドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、109.20円台まで値を上げた。イタリア情勢をめぐる過度な懸念が和らいでいることも、円売りにつながった。午後は、日経平均株価をにらみながら小幅値を下げ109.10円台でもみ合った。今晩発表される5月米雇用統計や5月ISM製造業景況感指数を見極めたいとの様子見ムードもあり、積極的な売買は見送られた。ユーロ/ドルは、本日スペイン下院でラホイ首相が不信任決議案が採決される見通しとなっており、可決される公算が大きいとの警戒感からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。また、米S&Pが一部ドイツ系大手銀行の格付けを引き下げたことこユーロの重石となった。

 

イタリアの短期での投資は根強く残る

市場では『イタリアの格付け見通しは今後悪化する可能性が高い』との見方が増えているが、イタリアが債務不履行の状態に陥ると見る向きは少ない。市場では『投資家の多くは長期投資には消極的だが、1年以内のタームでの投資意欲は強い』との指摘もあり、金利上昇の局面では一定規模の買い需要がありそうだ。イタリアの政局不安が短期的に払拭されるとは思えないが、何らかの事情でイタリア国債の需要が大幅に減少することがなければ、ユーロ/ドル急落の可能性は低いとみられる。

 

米国株の保有比率の引き上げ推奨が増加

米国株市場は4ヵ月前、2016年前半以来の調整という困難な局面に見舞われた。その市場をストラテジストらは今、世界でもっとも安全な投資先の一つと捉え始めている。バンク・オブ・アメリカは5月31日、新興国市場や欧州の混乱から打撃を受けた投資家に対し、米国株の保有比率を引き上げを勧めている。また、シティグループも先週、米国株に対する投資判断を強気に転じている。調査リポートでは、『米国はより良い業績修正、より力強い成長、顕著な設備投資サイクルを備えているうえ、株価は調整済みで、予想PERは16倍とバリュエーションも妥当だ』と指摘している。

 

米国では5月雇用統計が公表

4月の実績は、非農業部門雇用者数が前月比+16.4万人、失業率は3.9%に低下した。雇用者増加数は市場予想の+19.2万人を下回った。5月については20万人規模の雇用増は難しいものの、4月実績を多少上回る雇用増となる見込みであり、市場予想の+19万人増は妥当な数値となる。なお、平均時給については労働市場の需給関係が特に変わっていないことから4月実績の前年比+2.6%を上回る伸びとなるかが微妙なところとなっている。

 

欧米イベント

○16:30   5月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:62.5)
○16:50   5月仏製造業PMI改定値(予想:55.1)
○16:55   5月独製造業PMI改定値(予想:56.8)
○17:00   5月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:55.5)
○17:00   5月ノルウェー失業率(予想:2.2%)
○17:30   5月英製造業PMI(予想:53.5)
○21:30   5月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化19万人/失業率3.9%/平均時給、前月比0.2%)
○21:55   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○22:45   5月米製造業PMI改定値(予想:56.6)
○23:00   4月米建設支出(予想:前月比0.8%)
○23:00   5月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:58.2)
○2日03:00   5月ブラジル貿易収支(予想:71億5000万ドルの黒字)
○7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(カナダ・ウィスラー、2日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/31/15:16:08

5月20-26日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内投資家は、対外中長期債は7170億円の売り越しとなり、売り越しは3週間ぶりとなった。対外株式は2558億円の買い越しとなり、買い越しは9週連続となった。また、海外投資家は、対内株式は3800億円の売り越しとなり売り越しは3週間ぶりとなった。対内中長期債は2167億円の売り越しとなり、売り越しは2週連続となった。対内短期債は1兆4205億円の売り越しとなり、売り腰は2週間ぶりとなった。

 

国内投資家は、22日から円高傾向が強まったこともあり、早めに外国債券売りを持ち込んだものと思われる。海外投資家が国内株式を大幅に売り越しとなったことで、日本株の上値が重くなった。外国人投資家はSell in Mayで5月に高値を付けた後、6月は陰線引けとなりやすいこともあり、早めに日本株の売却に向かった可能性がある。また、5月16日前後からラマダン入りしており、この時期はオイルマネーが滞り日本株が下落しやすい時期となる。

 

日経平均株価:欧州に対する過度な警戒感が後退

欧州政局不安に対する過度な警戒感が後退し、欧米株式市場が買い戻された流れに沿って上げ幅を広げた。ただ、外国為替市場で円が底堅く推移したことから、さらに買われる展開にはならなかった。後場には海外短期筋の先物買戻しに一時上げ幅を200円超に広げた。しかし、欧州政治の先行き不透明感にユーロ/円の上げ渋りなどから上値追いの買いは手控えられた。結局、前日比183円安の2万2201円と3日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:月末絡みで実需筋の売買が交錯

ドル/円は、米長期金利が小幅に低下したことや日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことで、利食い売りなどに押されて108.54円近辺まで軟化した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。ただ、イタリアの政局をめぐる過度な懸念が後退していることもあり、下押しは限られた。午後は国内輸入企業のドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅拡大から108.80円台まで上げた。ユーロ/ドルは、月末に絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが持ち込まれ、一時1.168ドル近辺まで上げた。

 

欧州では5月ユーロ圏消費者物価指数が公表

参考となる4月実績は前年比+1.2%となった。5月についてはエネルギー価格が上昇していることから、総合指数は4月実績を上回る可能性が高い。ただし、域内の需要増に伴う物価上昇は限定的とみられる。なお、5月のコアインフレ率は4月実績の前年比+0.7%をやや上回る可能性が高い。

 

米国市場では4月の個人支出が公表

4月の小売売上高は、自動車などを除いたコアが伸び悩んだ。金利上昇を受けた各種ローン金利の切り上がりや、ガソリンなどの資源価格上昇、賃金回復ペースの鈍化などが個人支出にはマイナスとなりやすい。一方で、米国では4月にかけて税還付が進んだ。減税政策の影響や雇用改善の持続などもあり、改めて米国の個人支出が底堅さを示す可能性もある。

 

米国市場では5月のシカゴPMI(購買部協会・製造業景況指数)が公表

5月分の製造業景況指数では、NY、フィラデルフィア、リッチモンドなどの地区連銀調査で打たれ強さが示された。減税や在しえ出動の累積効果のほか、米トランプ政権による輸出振興策、米国内外の企業に対する米国内投資の促進策などもあって、景況指数は底堅さが持続する可能性がある。しかしながら、5月は米長期金利上昇とドル高、資源価格などの上昇が進んだ、いずれも製造業にとっては、マイナス要因となる。また、米国ではトランプ政権による貿易戦争への警戒感も根強く、シカゴPMIが期待ほど伸びない可能性もある。

 

米国では4月の中古住宅販売成約指数が公表

米国では4月にかけて金利が上昇したことで、連動して住宅ローン金利も上昇した。そのため、住宅市場には悪材料になりやすい。中古住宅は割安物件が減少してきたほか、供給不足や在庫不足なども販売にはマイナスとなる。

 

欧米イベント

○15:00   5月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○15:45   4月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   5月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%)
○16:00   4月トルコ貿易収支(予想:67億ドルの赤字)
○16:15   4月スイス小売売上高
○17:30   4月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30   4月英マネーサプライM4
○18:00   4月ユーロ圏失業率(予想:8.4%)
○18:00   5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.6%)
○18:30   4月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.7%/前年比4.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○19:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○20:30   5月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:00   4月南アフリカ貿易収支(予想:47億ランドの黒字)
○21:00   1-3月期インドGDP(予想:前年同期比7.4%)
○21:30   3月カナダGDP(予想:前月比0.2%)
       1-3月期カナダGDPP(予想:前期比年率1.9%)
○21:30   4月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.4%)
         個人所得(予想:前月比0.3%)
         PCEコアデフレータ(予想:前月比0.1%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:22万8000件)
○22:45   5月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:58.3)
○23:00   4月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.4%)
○24:00   EIA週間在庫統計
○1日01:30   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○1日02:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(カナダ・ウィスラー、2日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/30/15:15:13

日経平均株価:イタリアやスペインの政局不安から売り優勢

イタリアやスペインの政局不安に欧州財政不安が高まり前日欧州株やNYダウが全面安となったほか、外国為替市場での円高進行も重しとなり、一時420円を越す下げ幅となった。しかし、時間外取引NYダウ先物の反発や日銀の株式ETF買いに下げ渋った。結局、前日比339円安の2万2018円と大幅続落で取引を終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇でドル下げ止まり

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、一時108.77円までじり高となった。しかし、イタリアの政局先行き懸念から円売りは続かなかった。その後は、日経平均株価がさえない展開となったことで108円台半ばへ押し戻された。午後は、株価をにらみながら108.60円前後での狭いレンジでもみ合いとなった。月末に絡む本邦実需勢の売り買いが一巡したことで、商いは薄くなった。ユーロ/ドルは、急落した反動から持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが入り、1.15ドル台前半から1.15ドル半ばへと水準を切り上げた。一部のメディアが『イタリアのマッタレッラ大統領は真夏の総選挙を避けたい意向を示した』と報じられると、ユーロ買いにつながった。

 

マレーシアリンギが下落:インフラ投資停滞を懸念

マレーシアリンギは対ドル相場で下落し、一時1米ドル=3.99リンギ代を付け、1月中旬以来およそ4ヵ月ぶりのリンギ安・米ドル高水準となった。28日にマハティール首相がマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道の建設計画を中止すると発表した。マレーシア全土でインフラ投資が停滞し、経済成長に悪影響を与えるとの懸念からリンギ売り・米ドル買いが優勢となった。また、消費税廃止による財政悪化懸念も引き続きリンギ相場の重石となっている。

 

イタリアのリスクが周辺国にも波及

イタリア国債のデフォルト(債務不履行)に備えた保証コストを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドは、5年物が一時276ベーシスポイント(1bp=0.01% )まで急上昇し、トルコやブラジル、南アフリカを上回った。債務残高が欧州で2番目に大きいイタリアだが、格付け大手3社は投資適格級を付与している。もっとも、親欧州連合(EU)派とEU懐疑派との対立で再選挙が見込まれる中、同国の政治および財政リスクは高まりつつある。また、周辺国への波及も懸念されている。ポルトガルの5年物CDSは7ヵ月ぶり高水準となり、スペインのCDSも13ヵ月ぶりの高水準となっている。

 

進まない英国のEU離脱問題:6月後半の英国リスクに注意

EUは、アイルランドと英領北アイルランドとの国境に税関などのハードボーダー(物理的な壁)導入を回避する方策について、6月28-29日に開く首脳会議までに英側がより詳細な立場を示さない場合、離脱交渉が合意に至らず決裂する危険を示すはるかに強い警告を準備している。離脱交渉を前進させるには英政府が文書で確定的な提案を行うことが不可欠だと考えているが、メイ英首相はそのような案をまだ提示していない。

 

欧州リスクからの逃避資金が米2年債に

米国債相場が2016年以来最大の上昇を記録する中、2年債で強気姿勢に転じ、10年債の売りポジションは縮小した。イタリア政治不安の深刻化で金融市場が混乱する中、投資家は資金の避難先として米国債に向かった。米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、大口投機家は先週、米2年債で1年ぶりに買い越しに転じた。FRBの金融政策予想に最も影響を受けやすい2年債の利回りは、その数日前に10年ぶりの高水準に達していた。10年債は売りポジションが大きいものの、過去最大の規模からは縮小している。

 

欧米イベント

○15:00   4月独小売売上高指数(予想:前月比0.5%)
○15:00   4月独輸入物価指数(予想:前月比0.7%/前年比0.8%)
○15:00   4月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比6.55%)
○15:45   4月仏消費支出(予想:前月比0.2%)
○15:45   1-3月期仏国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.3%)
○16:00   5月スイスKOF景気先行指数(予想:104.7)
○16:55   5月独雇用統計(予想:失業率5.3%/失業者数変化▲1万人)
○18:00   5月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:0.2)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   5月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%)
○21:00   1-3月期ブラジルGDP(予想:前期比0.3%/前年同期比1.2%)
○21:15   5月ADP全米雇用報告(予想:19万人)
○21:30   1-3月期カナダ経常収支(予想:182億カナダドルの赤字)
○21:30   4月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.6%)
○21:30   4月カナダ原料価格指数
○21:30   1-3月期米GDP改定値(予想:前期比年率2.3%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.25%で据え置き)
○31日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/29/15:19:36

日経平均株価:欧州政治リスクを嫌気した売り優勢

イタリアやスペインなど欧州政治リスクに前日の欧州株式市場の下落などリスク回避の円買いに1ドル=109円割れの円高を嫌気して先物主導で下げ幅が拡大した。そのため、一時241円に下げ幅を広げたが個人投資家の押し目買いに下げ渋った。結局、前日比122円安の2万2358円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下を嫌気したドル売り優勢

ドル/円は、米長期金利の低下や日経平均株価の下げ幅拡大をながめて108.92円まで下落し、約3週間ぶりの安値をつけた。国内輸出企業から月末に絡むドル売り・円買いが観測された。ただ、下値ではドルの押し目買いが入り下げが一服した。午後は、日経平均株価が下げ幅を縮小すると、持ち高調整などのドル買い・円売りに109.10円台へ値を戻した。しかし、ブラード・米セントルイス連銀総裁が都内で行われた講演で『政策金利はすでに中立に近い水準であり、FRBはさらなる利上げに慎重になるべき』と発言したことからドルの上値が重くなった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台前半で方向感に欠いた値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

混迷深めるイタリア政局:ユーロの重石に

イタリアの次期首相に指名されていたフィレンツェ大法学教授のジュセッペ・コンテ氏は27日、財務相人事でマッタレッラ大統領と合意できなかったとして、首相就任断念を表明した。コンテ氏を首相候補に推薦した新興政党「五つ星運動」と右派政党「同盟」(旧北部同盟)はマッタレッラ氏に猛反発し、3月に続く総選挙の再実施を求めている。マッタレッラ大統領は28日、国際通貨基金(IMF)元高官の経済学者コッタレリ氏と面会した。再選挙を念頭に、コッタレリ氏を首相とするテクノクラートによる暫定内閣設置を目指すとみられている。ただ、五つ星と同盟が多数派を占める議会の信任を得られる可能性は低い。選挙管理内閣にとどまり、秋にも議会解散・総選挙となる可能性が高い。 

 

トルコ中銀の金利引き上げを好感:一旦トルコリラの買い材料

トルコ中銀が28日に新たな金融政策の枠組みを発表した。1週間物レポ金利を現行の8.00%から16.50%に引き上げ、6月1日から新たな主要政策金利とした。同時に翌日物借入金利(下限金利)を15.00%、翌日物貸出金利(上限金利)を18.00%とすることも明らかにした。今回の発表は金融政策の簡素化が目的とされている。今回の発表は実質的な政策金利とされていた後期流動性貸出金利の16.50%と同率であるため引き締めを行ったというわけではないが、金融政策の簡素化と今後も引き締め策を講じていく姿勢を市場に示した形となったため、リラ相場にとってはポジティブな材料となった。ただ、この措置を受けてエルドアン政権からの見解はまだ示されておらず、引き続き政府の対応を注視する必要がある。

 

ブラジルでは原油高とドル高でリスク回避の動きに

ブラジルの運転手組合による大規模ストライキが国内経済に甚大な被害をもたらしている。国営石油会社ペトロブラスが国際原油価格やレアルの対ドル為替に応じて燃料価格を変動する方針へ昨年7月に変更したが、足もとで原油高やドル高が進んだため、同社が燃料費を値上げしたことが事の発端となっている。値下げや連邦税減免を求めてトラックやバスの運転手組合が今月21日から主要幹線道路をトラックで封鎖したため、全国的に物流が停滞。ブラジルは鉄道網が発達しておらず、物流の60%が道路網を活用した輸送のため影響は深刻で、ガソリンスタンドには長蛇の列ができ、多くのガソリンスタンドで販売できる燃料がなくなっているほか、燃料不足で航空便は欠航が相次ぎ、病院では医薬品等が届かない状態となっている。今回の騒動でブラジル経済への打撃は必至としてブラジル株は大幅に下落した。週明け28日のボベスパ指数は、3,541.83ポイント下落(▲4.49%)し、75,355.84と昨年12月27日以来の安値を付けた。ブラジルレアルも2.5%近い下げとなった。

 

米国市場では5月消費者信頼感指数が公表

4月実績は128.7で3月実績の127.0を上回った。参考とる5月マークイット総合指数は55.7で4月実績の54.6を上回った。また、5月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は98.8で4月実績と同水準であることから、5月は4月実績に近い数値となる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:45   5月仏消費者信頼感指数(予想:101)
○17:00   4月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比3.9%)
○17:30   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○18:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:00   3月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.4%)
○23:00   5月米消費者信頼感指数(予想:128.0)
○30日00:30   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○30日01:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○30日01:00   クーレECB理事、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/05/28/15:18:22

日経平均株価:英米市場休場で商い薄く上値の重い展開

一旦中止となった米朝首脳会談の可能性が高まったことで、朝鮮半島緊張緩和期待から100円近く上げて始まったものの、英米市場の休場で流動性が低下するなか、追随する買いの動きが見られず伸び悩んだ。また、外国為替市場で1ドル=109円前半へ円高が進行したことでマイナス圏に沈んだ。午後からは底堅い展開となりプラス圏を回復して終了した。結局、30円高の2万2481円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米朝首脳会談の実施期待からドル底堅い

ドル/円は、日経平均株価っがプラス圏からマイナス圏に転じたことや原油価格の下落を嫌気したポジション調整などのドル売り・円買いに押され、一時109.32円まで下げた。また、国内輸出企業から月末に絡んだドル売り・円買いフローも観測された。しかし、6月の米朝首脳会談が実施されるとの期待から下値ではドルを買い戻す動きも見られ、109円半ば付近へ切り返した。午後からも日経平均株価をにらみながら109円台半ばを中心とした狭いレンジ内で取引された。本日は英米市場が休場ということもあり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、一本調子の下げに対する警戒感から利益確定や持ち高調整のユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.1727ドルまで上昇した。週末にイタリアのマッタレッラ大統領が、EU懐疑派のエコノミストの財務相就任を拒否したことも、ユーロ買い戻しにつながった。

 

米国に亜熱帯暴風雨『アルベルト』接近

米アラバマ、フロリダ、ミシシッピの3州は、亜熱帯暴風雨『アルベルト』の接近を受けて豪雨や高波が予想されるとして、非常事態を宣言した。アルベルトは勢力を強めながらメキシコ湾上を北上して米南東部へ接近、現地時間28日早朝にはフロリダ州パンハンドルに上陸する見通しとなっている。

 

イタリアがヘッジファンドのターゲットに

国際金融市場の弱点を突こうと物色しているヘッジファンドによって、いたらいアが格好のターゲットとなっている。ヘッジファンドによるイタリア国債の空売りは金融危機以降の最高水準に積み上がっており、ユーロ圏にくすぶる潜在リスクが改めて浮き彫りになっている。空売りは年初から増加傾向にあるが、ここ数日間に加速した。

 

さらに、イタリアで、新たな首相に指名されたジュゼッペ・コンテ氏が提示した閣僚候補が、任命権限を持つ大統領によって拒否された。コンテ氏は、首相を辞退する意向を示し、イタリアでは再び、政権発足も見通しがたたない辞退となっている。

 

米国の今週の焦点

米中貿易協議、NAFTA再交渉協議の行方や米朝首脳会談の行方が引き続き注目されている。また、米国の金融政策のカギをにぎる最新5月の雇用統計や、全米の製造業活動の動向を示す5月ISM製造業、103月期国内総生産(GDP)、次回6月のFOMCの材料となるベージュブック(地区連銀経済報告)の結果に注目が集まる。6月の追加利上げ確率は100%とほぼ織り込まれている。ベージュブックの中で、全米の経済が引き続き緩やかに成長し、インフレの圧力が見られ、雇用統計で雇用の順調な伸びが確認されると、追加利上げが正当化される。雇用統計では引き続き賃金に焦点が集まる。

 

5月22日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高

 

     (5月15日)   ⇒   (5月22日)

・円     :+3,680   ⇒   ▲2,767

・ユーロ    :+115,114   ⇒   +109,744

・ポンド    : +5,621   ⇒    +5,701

・豪ドル    :▲23,106 ⇒   ▲21,112

 

投機筋の円の持ち高は買い持ちから売り持ちに再び転じた。投機筋は一旦ポジションを傾けるとある程度の期間そのポジションを積み上げていくのが常套なのだが、このとろこ買い持ちになったり、売り持ちになったりと非常に珍しい現象と言える。投機筋も相場観がつかみ難い地合いとなっていると言える。ユーロの買い持ち高は減少傾向にあるものの、依然として高水準付近にとどまっていることから、戻りではやれやれの売りが入りやすく上値を重くしている。また、一段のユーロ安となると、ポジション解消によるユーロ売りが入りやすく値崩れする可能性もある。

 

欧米イベント

○16:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○英国(スプリング・バンク・ホリデー)、米国(メモリアルデー)、休場

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