FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/08/02/15:12:01

日経平均株価:好業績銘柄を中心に幅広く買われる

米国株安は悪材料視されず、寄り付きから200円を超える上昇となった。すぐに節目の27500円を超えてきたことから、先週金曜の大幅安は月末要因との見方が強まり、買いが買いを呼ぶ展開となった。好決算の発表が相次いでいることも手伝い、業績好調銘柄を中心に幅広く買われる展開になった。また、中国・上海株などアジア株式市場の上昇も投資家心理を明るくした。結局、前営業日比497円高の2万7781円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好も狭いレンジ内でのもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸出勢などのドル売り・円買いが先行し、109.60円付近まで下落した。30日に発表された6月米個人消費支出(PCE)コアデフレータ―が予想を下回り、FRBのテーパリング観測がやや後退していることもドルの重石となった。ただ、今晩に発表される7月米ISM製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気もあり、下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価の大幅高や上海総合株価指数の持ち直しを眺めたリスク選好の円売りが見られ、109.70円付近へ戻した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.18ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

タンカー攻撃でイスラエルとイランの緊張感高まる懸念

中東オマーンの沖合で7月29日、日本企業が所有するタンカーが、何者かによる攻撃を受け、イギリス人とルーマニア人の船員2人が死亡したと、イギリスに拠点を置くこのタンカーの運航会社などが明らかにした。イスラエルのメディアによると、この船舶運航会社は、イスラエル人が経営するグループ企業の1つだという。イスラエルのベネット首相は1日、会見で『イランが、イスラエルを狙い無人の航空機を使ってタンカーを攻撃した』と述べて、イラン側による攻撃だと主張し、強く非難した。一方、イランの国営通信によると、イラン外務省のハティーブザーデ報道官は1日の記者会見で、『イスラエルは、イランに対する根拠のない主張をやめるべきだ。イスラエルこそが地域を不安定にしている』と述べて、関与を否定した。

 

トルコの景気回復期待はあるもののインフレ率上昇が足かせ

7月トルコ経済信頼感が18年のトルコショック前の水準まで回復したことや、外国人観光客数が着実に増加したことなどを市場は好感している。また一部通信社によるアナリスト調査でも、トルコ経済が第2四半期にしっかりと成長したことや、今後の更なる成長拡大を見込む向きが多く、景気回復への期待感の高まりがリラの支えとなっている。そのため、3日に発表される7月トルコ消費者物価指数(CPI)が大きな材料となる。前月比は前回からの鈍化予想だが、前年比では6月の17%半ばから18%台まで加速が見込まれている。予想通りであれば19年5月以来の物価上昇率となり、現行の政策金利が19%であるため、実質金利マイナスへの警戒感が高まる。

 

南アでのロックダウンの水準引き下げは時期尚早との声も

南アの新型コロナウイルスの状況は、感染者数と陽性率が抑えられていることで、先週からロックダウンの水準を4から3に引き下げられた。しかしながら、死亡者数は増えており、専門家の間からは規制緩和は時期尚早との声が多くでている。一部では、暴動を受けて南ア政府が国民の不満のガス抜きを行うための緩和ではないかという声も上がっている。

 

メキシコ自体の格下げへと進展するリスク:国営石油会社ぺメックスの格下げ

米格付け会社ムーディーズが巨額債務を抱える国営石油会社ペメックスの格付けを『Ba2』から『Ba3』に引き下げたことを発表した。その要因としては、石油とガスの生産量の伸びが管理目標を下回っていること、燃料生産を増やす見通しについて今後3年間で悪化していること、政府の支援に頼り過ぎていることを挙げている。そして、今後格上げへと上方修正するヒントとして、①流動性を強化すること、②適度な生産成長を実現するのに十分な設備投資を内部資金で賄うこと、③債務削減のためのフリーキャッシュフローを生み出す企業の能力とした。先日にはヨリオ財務次官が政府支援については継続する意向を示すなど、政府に頼りきりの体質は全く変わっていないようであり、ぺメックスの更なる格下げ、さらにはメキシコ自体の格下げへと進展する可能性も出てきた。

 

米連邦債務上限の適用停止措置が期限切れ

7月31日に、連邦債務上限の適用停止措置が期限切れとなり、8月1日から復活していることで、債務上限引き上げを巡るバイデン米政権・民主党と野党共和党との攻防にも要警戒となる。イエレン米財務長官は、連邦政府の債務上限を早急に引き上げるか、上限適用を停止するよう議会に要請するとともに、このままでは8月中にも米国が債務不履行(デフォルト)に陥る深刻なリスクがあると警告している。米国は、第2次世界大戦以降、98回も債務上限を調整してきており、今回の99回目の債務上銀引き上げも最終的には合意に到達することになるが、協議が難航した場合は、2011年8月の米国債格下げショックの再現もありえることで要警戒となる。

 

米インフラ包括法案は上院採決に向け前進

5500億ドル(約60兆3200億円)規模の米インフラ包括法案は、上院議員による文面の最終調整が1日にほぼ終了した。今週中の上院での可決に近づく重要な一歩となる。
上院のシューマー民主党院内総務は同法案について、『数日中に』上院採決の準備が整う見通しだと述べた。交渉に当たった超党派のグループが1日午後、2701ページにおよぶ法案を綿密にチェックし若干の修正を行った。共和党の交渉担当者の一人であるロムニー上院議員は記者団に対し、『両党間に意見の相違はない。細かい点を全て正しているだけだ』と話した。法案成立に必要となる下院での審議は、夏の休会明けの9月以降になる。

 

米国市場では7月ISM製造業景況指数が公表:予想:60.7

6月実績は60.6にどどまり、5月実績を下回った。深刻な原材料と労働力の不足が影響した。7月については6月時点の状況と大きく変わっていないことから、景況指数の改善は期待できない。新規受注は引き続き高い水準を維持する見込みだが、6月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月独小売売上高指数(予想:前月比2.0%/前年比3.0%)
○15:30   7月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%)
○15:30   6月スイス小売売上高
○16:00   7月トルコ製造業PMI
○16:30   7月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:66.0)
○16:50   7月仏製造業PMI改定値(予想:58.1)
○16:55   7月独製造業PMI改定値(予想:65.6)
○17:00   7月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:62.6)
○17:30   7月英製造業PMI改定値(予想:60.4)
○22:45   7月米製造業PMI改定値(予想:63.1)
○23:00   7月米ISM製造業景気指数(予想:60.8)
○23:00   6月米建設支出(予想:前月比0.4%)
○3日03:00   7月ブラジル貿易収支(予想:89.75億ドルの黒字)
○カナダ(市民の日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/30/15:11:48

日経平均株価:NYダウ先物の反落や中国安を嫌気した売り優勢

新型コロナウイルスの感染拡大が警戒された。そして、決算発表後にアマゾンが時間外取引で下落するとNYダウ先物が軟化したほか、中国株が反落したことなどが嫌気された。全体相場は引き続き上値が重いが、決算発表でサプライズのあった銘柄などが物色された。結局、前営業日比498円安の2万7283円と1月6日以来およそ半年ぶりの安値になった。

 

東京外国為替市場:109円台半ばでもみ合い相場が継続

ドル/円は、本邦輸入勢などから月末に絡むドル買い・円売りが持ち込まれ、19.60円付近まで上昇した。ただ、今晩の米国株動向を見極めたいとのムードもあり、積極的な上値追いは手控えられた。その後は、日経平均株価の下げ幅拡大がリスク回避の円買いを誘い、1009.50円付近まで緩んだ。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら109.50円台を中心とした狭いレンジで取引された。本日は米FRBが物価統計として重視している6月米個人消費支出(PCE)コアデフレーターの発表を控えているため、上下に動きにくかった。ユーロ/ドルは、1.18ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国当局は市場に配慮:投資家の警戒感は継続

中国ハイテク株は29日、当局がダメージコントロールに乗り出したことを受け、最近の急落から幾らか持ち直した。しかし投資家は、規制圧力の高まりが将来の企業収益を圧迫しかねないとの警戒を解いていない。中国の国営メディアは28日、中国株を盛んにもてはやした。一方、事情に詳しい関係者によると、規制当局トップは世界の金融機関に対し、中国政府は今後、政策を導入するにあたって市場への影響に配慮すると内々に伝えた。

 

欧州市場では4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が公表

1-3月期は前年比-1.3%だった。個人消費がさえない結果となったことから域内の経済成長率は前年同期比マイナスとなった。4-6月期については、ワクチン接種の拡大で個人消費の持ち直しが予想されていること、ユーロ圏製造業とサービス業購買担当者景気指数(PMI)の回復具合などを考慮すると、経済成長率は前年同期比でプラスとなる可能性がある。

 

トルコ中銀発表のインフレレポートではインフレ見通しを上方修正

昨日トルコ中銀が発表した四半期インフレレポートでは、年末インフレ見通しを従来の12.2%から14.1%に、2022年末も前回7.5%から7.8%に引き上げた。足もとのインフレ高止まりを考えると上方修正は当然ではあるが、6月消費者物価指数(CPI、前年比)は17%台とまだ現状とは開きがある。トルコ中銀は『年末には著しいインフレの低下が見込まれる』との見解も示したものの、政府の物価対策に手詰まり感があるなか、『期待通りに低下』にはどうしても疑問符がつく。まずは、来週発表される7月トルコCPIが注目される。

 

南ア大統領が内閣改造の可能性を示唆

昨日ラマポーザ南ア大統領が内閣改造の可能性を示唆した。これに対してムボウェニ南ア財務相は『積極的に若い人材を活用するべきだ』としたものの、『大統領が必要としてくれる限りは、財務相として働く』と述べている。また、財務相は自分が現職でいる限り『債務危機に陥ることはない』とも発言している。財政状況に非常に厳しいことで、財務相は国民や政権内から度々批判を受けているが、憎まれ役という立場を理解し今後も財政政策に対しては厳しい態度で臨みそうである。もし、大統領が人気回復のためだけで、財務相を交代させた場合は国際的には厳しい評価を受ける可能性がある。

 

メキシコは信用格付けを損なう可能性:ペソ相場にも影響

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは国営石油会社ペメックスの格下げを発表したが、メキシコのソブリン格付けについても『ペメックスへの政府支援は現時点で国内GDPの約1%分に達しており、ペメックスがさらなる支援を必要とする場合、メキシコの信用格付けを損なう可能性がある』と警告した。現時点でムーディーズはメキシコの外貨建て長期債務格付けを『Baa1(見通しはネガティブ)』としているが、今後格下げの可能性が高まればペソ相場にも大きな影響を与えることになる。

 

FRBの早期緩和縮小観測が後退

米商務省が発表した4-6月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+6.5%となった。伸びは1-3月期+6.3%に続き2四半期連続で6%台の成長となり、昨年7-9月期来で最大となったものの、予想+8.5%を大幅に下回った。1-3月期も+6.4%から+6.3%へ下方修正された。一方、同期個人消費速報値は前期比年率+11.8%と、1-3月期+11.4%から鈍化予想に反して伸びが拡大した。過去最大となった昨年7-9月期以降で最大となった。先週分新規失業保険申請件数も依然40万件台と減少ペースが遅い。経済活動の再開で需要が急増しているにもかかわらず、企業は人手不足やパンデミックの影響を受けた半導体不足などが影響し生産が思ったように進んでいない。成長ペースを妨げている新たな証拠となった。米連邦準備制度理事会(FRB)は緩和縮小の条件として、物価安定と最大雇用というFRBの2つの責務達成に経済が一段と近づくことを挙げている。

 

欧米市場イベント

○14:30   4-6月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.8%)
○14:30   6月仏消費支出(予想:前月比1.4%)
○15:45   7月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.1%/前年比1.0%)
○16:00   7月スイスKOF景気先行指数(予想:130.0)
○16:00   6月トルコ貿易収支(予想:29億ドルの赤字)
○17:00   7月ノルウェー失業率(予想:2.9%)
○17:00   4-6月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比2.0%/前年同期比9.6%)
○17:00   4-6月期独GDP速報値(季節調整前、予想:前年同期比9.6%)
○17:30   4-6月期香港GDP速報値(予想:前期比▲0.8%/前年同期比7.8%)
○18:00   6月ユーロ圏失業率(予想:7.9%)
○18:00   7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.0%)
○18:00   7月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比0.7%)
○18:00   4-6月期ユーロ圏GDP速報値(予想:前期比1.5%/前年比13.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○20:00   4-6月期メキシコGDP速報値(予想:前期比1.7%/前年比19.8%)
○21:00   6月南アフリカ貿易収支(予想:520億ランドの黒字)
○21:30   5月カナダGDP(予想:前月比▲0.3%/前年比14.8%)
○21:30   6月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.4%)
○21:30   6月カナダ原料価格指数
○21:30   6月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.7%)
       6月米個人所得(予想:前月比▲0.3%)
       6月米PCEデフレーター(予想:前年比4.0%)
       6月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.6%/前年比3.7%)
○21:30   4-6月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.9%)
○22:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○22:45   7月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:64.6)
○23:00   7月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:80.8)

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/29/15:14:11

日経平均株価:アジア株好調で好決算銘柄が物色

米連邦公開市場委員会(FOMC)という注目イベントを通過したことで安心感が広がったほか、アジア株の堅調も好感され終始堅調な展開となった。ただ、その後は上値の戻り売りが警戒されるほか、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されており、全体的に伸び悩む展開になった。一方、物色面では、好決算銘柄がにぎわった。市場参加者の企業業績に対する関心の高さが伺えた。結局、前営業日比200円高の2万7782円と反発して終了した。7月第3週の海外投資家は、3週ぶりに3133億円の売り越しとなった。

 

東京外国為替市場:米FRBの早期の量的緩和縮小の慎重姿勢でドル売り

ドル/円は、本邦輸出勢などから月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、109.70円付近へ下落した。前日に行われたパウエル米FRB議長の定例記者会見で、早期の量的緩和縮小に慎重な姿勢が示されたことも、ドル売りにつながった。しかし、今晩発表される4-6月期米実質国内総生産(GDP)速報値を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、日経平均株価の底堅い動きや中国株高を眺めたドル買い・円売りで109.80円付近へ持ち直した。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、FRBの緩和的な金融政策が当面続くとの観測からユーロ買い・ドル売り基調が続き、一時1.1860ドル付近へじり高となった。

 

トルコではコロナ新規感染者が4週間で4倍以上

トルコでは、新型コロナウイルスの1日あたり新規感染者数が2万2000人を超えた。4週間で4倍以上も膨れ上がっており、専門家のなかには8月に4万人まで拡大すると予想する向きも見受けられる。感染抑制のため、再び行動制限策の導入が必要との声も高まっている。しかしながら夏の観光シーズンの途中でもあり、トルコ政府が制限策を講じれば、観光・サービス業の首を絞めることになってしまう。政府はワクチンを信じ、足もとの感染の広がりは見逃す可能性もある。感染状況次第では経済回復を大きく遅らせることにもなり、トルコの対策が注目される。

 

南アは暴動被害を受け政策金利の決定にも影響か

ダンガマンドラ南ア労働相は、今月上旬の暴動で被害を受けた企業や、失業者に対しての救済を計っていると述べている。暴動の影響でハウテン州とクワズールナタール州では合わせると約7万5000人が一時解雇や完全解雇につながる可能性があると報じられている。雇用の悪化も南ア準備銀行(SARB)の政策金利の決定に影響を与える。本日は南アからはマネーサプライや卸売物価指数(PPI)が発表されるが、両指標ともランドを動意づけるのは難しく、株式市場やコモディティ価格の動向に左右される相場になりそうである。

・6月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比2.00%)
・6月南アフリカPPI(予想:前月比0.4%/前年比7.3%)

 

メキシコ国営石油会社の格付け引き下げ:ムーディーズ

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは国営石油会社ペメックスの格付けを『Ba2』から『Ba3』に引き下げた。ムーディーズは今回の格下げについて『満期を迎える債務の影響で流動性リスクが高く、事業リスクも高まる』としている。ペメックスには国家のエネルギー戦略として多額の財政支援を行っている関係上、メキシコの格付けにも影響を及ぼす可能性が高く、今後の懸念材料として意識される。

 

米FRBはインフレよりも労働市場の状況が重要

注目のFOMCであったが、全体的にはあまりサプライズがなかったとの認識が強かったが、注視しておきたい点はいくつかあった。先ず、テーパリングについて正式に声明文に盛り込んできたことである。『QEを始めて以来、経済は目標に向かって進展してきている。委員会としては、引き続き今後の会合で進展状況を評価していく』と明言した。声明文に盛り込むまではいかないのではないかとの憶測もあっただけに、ある意味タカ派的な内容だったといえる。一方で、30分後のパウエルFRB議長の定例記者会見では、常に一番最初の質問者であるCNBCのスティーブリースマン記者が予想通りテーパリングについて問うと、時期などはまだ決まっていないが、労働市場の状況が一番重要であることを示唆した。完全雇用の詳細は避けたが、労働参加率なども含めた多元的な数字で判断しているとのことであった。市場はインフレ指標よりも、労働指標の重要性が増していることを確認することになった。また、もう一つの注目点は、テーパリングの方法についてある。市場では『MBSの減額から始める可能性が高い』との認識だったが、議長は『国債よりも先にMBSの減額を始めることへの支持は非常に少ない。MBSと国債は同時に減額させていくことになるだろう』との見解を表明した。その他では、全般これまでと同様の慎重な姿勢を崩さなかった印象である。いずれにしても、市場は今後、米雇用統計を中心とした米労働市場の動向に敏感に反応することは明らかである。解釈の難しいCPIやPCEコアデフレータよりもプライオリティが断然上になったことは言うまでもない。

 

パウエル米FRB議長は8月のジャクソンホール会議で講演予定

パウエル米FRB議長は28日、ワイオミング州ジャクソンホールで8月26-28日に開かれる年次経済シンポジウムに向け、講演原稿を執筆中と明らかにした。ただし、内容については明言を避けた。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で『ジャクソンホール会議について私が言えることは何もない。講演は行うつもりだが、中身については現時点で言いたくない』と応じた。市場では、ジャクソンホール会議の場でテーパリング(量的緩和の縮小)に関する詳細が発表されるとの観測もくすぶる。パウエル議長はこの日、テーパリングの時期やペース、配分を巡って初めて突っ込んだ議論を行ったものの、『時期に関しては何一つ決定していない』と述べた。

 

米国市場では4-6月期国内総生産(GDP)速報値:予想:前期比年率+8.1%

1-3月期は前年比-1.3%だった。個人消費がさえない結果となったことから域内の経済成長率は前年同期比マイナスとなった。4-6月期については、ワクチン接種の拡大で個人消費の持ち直しが予想されていること、ユーロ圏製造業とサービス業購買担当者景気指数の回復具合などを考慮すると、経済成長率は前年同期比でプラスとなる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   6月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比2.00%)
○15:45   6月仏卸売物価指数(PPI)
○16:30   6月スウェーデン失業率
○16:55   7月独雇用統計(予想:失業率5.8%/失業者数変化▲2.8万人)
○17:30   6月英消費者信用残高(予想:6.0億ポンド)
○17:30   6月英マネーサプライM4
○18:00   7月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:118.5)
○18:00   7月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲4.4)
○18:30   6月南アフリカPPI(予想:前月比0.4%/前年比7.3%)
○21:00   7月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.5%/前年比3.3%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:38.0万件/319.6万人)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率8.5%)
       4-6月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率10.5%)
       4-6月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率5.9%)
○23:00   6月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.3%/前年比▲3.3%)
○30日02:00   米財務省、7年債入札

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/28/15:11:28

日経平均株価:米国株に連れた売りや中国株さえず売り優勢

米国株式市場で6営業日ぶりに反落したことを受けて安く始まった後も、安値圏でのもみ合いが続いた。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感もくすぶった。割安感も意識され、押し目買いを支えに持ち直す動きもみられたが、200日移動平均線が抵抗線として意識され、戻りの勢いは続かなかった。朝方から小高く推移していたNYダウ先物が弱くなったほか、中国株の連日のさえない動きも警戒につながった。結局、前営業日比388円安の2万581円と4営業日ぶりに下落した。信用評価損率は21日申し込み時点でマイナス9.65%と、前週のマイナス8.15%からマイナス幅が1.5ポイント悪化した。悪化は2週ぶりとなった。

 

東京外国為替市場:109円台後半でもみ合い相場

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などからドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、109.91円付近まで上昇した。しかし、前日に米長期金利が低下したこともあり、追随する動きは見られなかった。その後は、日経平均株価の反落や中国株安を眺めたドル売り・円買いに109.80円付近へ押し戻された。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、109.80円前後でもみ合いとなった。米FOMC結果発表を控えて様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.18ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコ中銀のインフレレポートに注目

トルコ中銀が29日発表予定の四半期インフレレポートに対する思惑で、リラが上下に振らされる可能性もある。4月末の前回レポートでは、年末のインフレ見通しを9.4%から12.2%に上方修正した。高止まりする物価動向に対する中銀の見解が今回もポイントとなる。

 

IMFが南アの成長見通しを上方修正

昨日、国際通貨基金(IMF)は、2021年の南アの成長見通しを3.1%から4%に上方修正した。これは南アにとっては良いニュースだが、南ア準備銀行(SARB)の予想よりも下回ったままである。また暴動の影響などが加味されているかは不透明となっている。

 

米国株を2週ぶりに買い越しで5ヵ月ぶりに高水準:BofAセキュリティーズ

27日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は19~23日の1週間に米国株を28億500万ドル買い越した。2週ぶりに大幅買い越しに転じたことになる。この週は決算シーズンが本格化する中、23日にアメリカン・エキスプレスが市場予想を上回る好決算を発表したことで個人消費の回復が期待され、S&P500指数が週間で1.95%高となって2週ぶりに上げて史上最高値を更新した時だった。主体別動向ではヘッジファンド(HF)が6億2900万ドルの買い越しで2週ぶりの買い越しとなった。機関投資家は4億3700万ドルの売り越しで、3週連続の売り越しだった。個人投資家は7億1100万ドルの買い越しで、3週連続の買い越しとなった。企業の自社株買いは19億4700万ドルで、2週連続で10億ドルは上回って活況さった。傾向としては機関投資家以外の主体が買い越しとなり、全体の流入額が約5ヵ月ぶりの高水準に膨らんだ。

 

米5月S&P20都市住宅価格指数は17年ぶり最大の伸び

米5月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数は前年比+16.99%となった。伸びは4月+15.01%から予想以上に拡大し、2004年以降17年ぶり最大を記録した。同時刻に米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した5月FHFA住宅価格指数は前月比+1.7%となった。伸びは4月+1.8%から鈍化したものの予想は上回った。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合:予想は現状維持

ウイルス変異株の感染流行が経済活動に与える影響などについて議論されるとの見方が増えており、一部では『量的緩和策の縮小時期は来年以降になる可能性が高い』との声も聞かれている。インフレ加速を示唆するデータは揃っていないことから、量的緩和策の縮小を巡る議論がすみやかに進展する可能性は低いとみられる。

 

欧米市場イベント

○15:00   8月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:1.0)
○15:00   6月独輸入物価指数(予想:前月比1.5%/前年比12.6%)
○15:00   7月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○15:45   7月仏消費者信頼感指数(予想:102)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   6月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比3.2%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○29日01:00   6月ロシア失業率(予想:5.0%)
○29日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○29日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○米露、戦略的安定対話を開催(ジュネーブ)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/07/27/15:11:39

日経平均株価:上値も重く商いは盛り上がりを欠く展開

前日の米国株高を好感して始まった後、高値圏でのもみ合いに移行した。米連邦公開市場委員会(FOMC)や決算シーズンの本格化を前に、商いは盛り上がりを欠く展開となった。2万8000円近辺では利益確定売りも出やすく、上値は重かった。結局、前営業日比136円高の2万7970円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株安などを眺めリスク回避の円買い

ドル/円は、本邦輸出勢から月末に絡むドル売り・円買いが持ち込まれ、110.20円付近へじり安となった。上海総合株価指数やNYダウ先物がさえない動きとなったことも、リスク回避の円買いを誘った。午後に入っても軟調地合いが続き、110.17円付近まで下落した。ただ、前日の欧州市場でつけた安値110.13円に接近すると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いが入り、110.20円台へ値を切り返した。ユーロ/ドルは1.1805ドル前後でこう着相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコのCDSは高いながらも低下傾向:リラ買い要因

信用リスクを示すクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)を見ると、トルコ5年物国債CDSは374ベーシスポイント(bp)前後と依然として水準自体はまだ高い位置にいる。しかしながら3月末には480bp台だったことを考えると、落ち着きを取り戻しつつあると言っても良く、リラの買い戻し要因とも捉えられる。ただ気を付けたいのは、トルコで新型コロナウイルス感染が再び拡大していることである。1日あたりの新規感染者数が7月前半には5000人前後で推移していたところから、先週末には1万人台に乗せ、昨日発表では1万6000人を超えた。犠牲祭で人の流れが活発化し、今後も感染の広がりが加速する可能性は否定できない。

 

南ア準備銀行は利上げには慎重姿勢:ランド弱含みの要因

先週の南ア準備銀行(SARB)・金融政策委員会(MPC)は、市場予想通り政策金利は据え置かれたが、市場が予想していたよりもMPCが利上げにはかなり慎重姿勢を見せたのがサプライズとなり、MPC後ランドは弱含んでいる。MPCの前はナイドゥSARB副総裁は金利について『現在はマイナス金利の状態で、50ベーシス利上げしてもまだマイナス金利』と発言したこと。また、5月の消費者物価指数(CPI)が30カ月ぶりとなる5%台に乗り、MPC前日の6月CPIもSARBの目標レンジ(3-6%)の中心を上回ったことで、今回のMPCで利上げはなくても、年後半の利上げはあるのではないかという声が出ていた。しかしながら、MPCの声明で南アはインフレ抑制に自信を見せただけでなく、経済の先行きにも懸念を表明し、市場はタカ派が徐々に減ってきている。

 

ビットコインでの支払い受け入れとの報道を否定:米アマゾン

米アマゾン・ドット・コムは26日、同社が年末までに暗号資産(仮想通貨)のビットコインでの支払いを受け入れることを検討しているとの報道を否定した。ロンドンのCityA・M紙は匿名の『インサイダー』の情報として、アマゾンが年末までにビットコインでの支払いを受け入れると伝えた。これを受けてビットコインは一時14.5%上昇した。その後は押し戻され、直近では6%高の3万7684.04ドル。アマゾンの広報担当者は『この分野に対する関心はあるものの、暗号通貨に関する当社の具体的な計画を巡る憶測は事実ではない』と説明した。アマゾンは7月22日、デジタル通貨とブロックチェーン製品関連の求人情報を掲載している。

 

米国では実質金利が一時過去最低のマイナス:金融資産の下支えになりやすい

米金融市場で、名目金利から予想インフレ率を引いた実質金利が過去最低を更新した。足元ではインフレ圧力が強まっている一方、名目の米国債利回りは投資家の旺盛な需要を背景に低下(価格は上昇)基調にある。物価連動国債の取引から算出される米国の10年の実質金利は26日、一時マイナス1.12%まで低下し、1月などにつけていたマイナス1.11%を初めて下回った。2~3月には景気急回復や米金融緩和の修正観測を背景にマイナス0.5%台まで上昇していた。実質金利のマイナス幅が広がれば、企業や家計のあいだで借金をしてでも設備投資や住宅を購入した方がいいという判断が増えやすくなる。運用の面でも株式や金など別の金融資産におカネが流れやすくなる面もある。

 

米国ファンドに記録的な資金流入:上半期に100兆円流入

リフィニティブ・リッパーがまとめたデータによると、世界の投資家は今年上半期に、米国のミューチュアルファンドおよび上場投資信託(ETF)に純額ベースで9000億ドル(約99兆円)余りの資金を投じた。1992年以降のデータでは最高記録であり、今年1月~6月に投資家が世界の他地域のファンドに投じた合計金額を上回っている。
この資金流入を支えにして、米国株は記録的高値に押し上げられ、欧州やアジアの主要株価指数を上回る好調ぶりを示している。

 

米企業決算発表が本格化:調整株安となるリスクには注意

米国株市場では今週から月後半にかけて決算発表が相次ぐ。全体的にはITハイテク関連企業を中心として、良好な決算内容が期待されている。ただし、すでに米国株は好決算を織り込む形で6月以降も過去最高値更新が見られてきた。その意味で決算発表の前後では、一旦の好材料出尽くしや当座の収益回復『天井ピーク』思惑、事前期待比での失望などで、調整株安となるリスクには注意を要する。同時に今後の収益見通しに関しては、変異種などの感染再増加、根強い半導体不足などの供給制約、人手不足、素原材料価格の高騰、ITハイテク企業への規制強化圧力、米中の対立激化といった悪材料について、どの程度の悪影響が示されるかも注視される。

 

米国市場では7月CB消費者信頼感指数が公表:市場予想:124.5

6月実績は127.3と市場予想を上回り、2020年2月以来の高い水準となった。7月についても消費者の短期的な楽観傾向は変わっていないとみられるが、インフレ進行や新型コロナウイルス変異株の感染流行が懸念されており、信頼感指数は6月実績をやや下回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:30   黒田東彦日銀総裁、講演(日本記者クラブ)
○17:00   6月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比8.2%)
○20:00   6月メキシコ貿易収支(予想:17.00億ドルの黒字)
○21:30   6月米耐久財受注額(予想:前月比2.1%/輸送用機器を除く前月比0.8%)
○22:00   5月米住宅価格指数(予想:前月比1.6%)
○22:00   5月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比16.4%)
○23:00   7月米消費者信頼感指数(予想:123.9)
○23:00   7月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:20)
○23:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○28日02:00   米財務省、5年債入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

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