FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/14/15:19:30

日経平均株価:世界景気減速などへの警戒感を嫌気

日経平均株価は、日銀が発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)や、事前予想よりも悪かった中国の経済統計が主因となった。短観では大企業・製造業で足もとの見方こそ前回と横ばいだったが、先行きに関して設備投資業種などで見方が悪化し、関連銘柄を中心に大きく下落した。米中貿易摩擦による世界的な景気後退懸念が消えないないなか、投資家の慎重姿勢が改めてクローズアップされた。ヘッジファンドなど海外短期筋が先物への売りを進めた。結局、前日比441円安の2万1374円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いも過度な円高にはならず

ドル/円は、日経平均株価の大幅反落やアジア株安を嫌気したリスク回避のドル売り・円買いが進み、113.42円近辺まで下落した。米長期金利が低下したこともドルの押し下げにつながった。ただ、週末を控えて下値ではドルを買い戻す動きも見られ、113円台半ばでもみ合いとなった。午後は株価をにらみながら113円半ば前後で推移した。ユーロ/ドルは、1.1360ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の景気対策の効果は年明け以降に出てくる可能性が高い

中国国家統計局が発表した11月の工業生産高と小売売上高は、それぞれ市場予想に届かずやや弱い印象となった。中国政府が進めていた過剰債務の削減(デレバレッジ)の悪影響が残り、企業の生産活動や個人消費の鈍さが出た。しかし、中国共産党が7月の政治局会議で内需拡大方針を決めた後、地方政府の債券発行が増えるなど政策の方向転換が着実に進んでいる。景気対策の効果は年明け以降に出てくる可能性が高い。近く開催される中央経済工作会議では、インフラ投資拡大など具体的な景気下支え策が判明する見通し。足もとの弱い経済指標を受け、中国政府は景気刺激に動きやすくなる。

 

フランスもEU財政ルールに違反する可能性も

欧州連合(EU)が財政規律を巡って対立が続くイタリアへの対応に苦慮している。制裁手続き入りもちらつかせて2019年予算案の見直しを迫ってきたEUに対し、コンテ伊首相は12日、財政赤字幅を縮小する一方、バラマキ色の強い政策は維持する妥協案を示した。一方、フランスが反政権デモの沈静化のためにEU財政ルールに違反する可能性が高まるなか、EUの強硬姿勢を揺さぶる思惑がにじむ。EUがイタリアばかりを責める格好に映れば、『反EU』を掲げて支持を集めるイタリアのポピュリズム勢力をむしろ勢いづかせかねない。欧州委は制裁手続きの発動を見送るかどうか、慎重に見極める必要がある。

 

英離脱協議の次の関門は合意受け入れの採決

メイ首相は次期総選挙前の退陣を約束することと引き換えに党首不信任を乗り切った。だが、与党議員の117名が同氏の退任を要求するなど、予想を超える敵が身内に潜んでいることを確認した。離脱合意でEU側から大きな譲歩を引き出すことは困難とみられ、来年1月中旬に予定される合意受け入れの是非を問う下院採決は大差で否決される恐れがある。 否決直後には野党勢が内閣不信任案を提出する展開が予想され、今回メイ氏の退陣を要求した与党議員が野党勢に同調すれば、議会の解散・総選挙に発展しかねない。 離脱合意の再協議とより強硬な離脱を求める保守党政権か、基幹産業の再国有化を唱える労働党政権か、どちらも英国に対する不安を掻き立てる選択となる。

 

米国市場では11月小売売上高を公表

10月実績は前月比+0.8%と高い伸びを記録した。自動車や燃料、建設資材の増加が全体を押し上げた。ハリケーンの影響で、9月分の数字は低調だったことも影響した。11月は反動減となる可能性があるが、個人消費はまずまず順調とみられており、全体の売上高はやや増加する見込み。飲食店、自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドなどを除く売上高も増加する可能性が高い。

 

欧米イベント

○15:30   11月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比4.64%)
○16:00   11月独WPI
○17:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:15   12月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.7)
○17:15   12月仏サービス部門PMI速報値(予想:54.8)
○17:30   12月独製造業PMI速報値(予想:52.0)
○17:30   12月独サービス部門PMI速報値(予想:53.4)
○18:00   12月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:51.9)
○18:00   12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:53.5)
○18:00   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○18:30   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.50%で据え置き)
○20:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○22:30   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○22:30   11月米小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.2%)
○23:15   11月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
       設備稼働率(予想:78.6%)
○23:45   12月米製造業PMI速報値(予想:55.1)
○23:45   12月米サービス部門PMI速報値(予想:54.7)
○23:45   12月米総合PMI速報値
○24:00   10月米企業在庫(予想:前月比0.6%)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/13/15:15:23

日経平均株:米中貿易摩擦懸念後退を好感

前日のNYダウが157ドル高に反発したことや、米中貿易摩擦懸念後退を手掛かりに買いが先行した。また、円安やアジア株高も投資家心理の改善に寄与した。結局、前日比213円高の2万1816円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:株高を好感してドル買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅が200円を超えたことに支えられ、113.50円近辺まで上昇した。米長期金利が小幅ながら上昇したことこも、ドルの押し上げにつながった。ただ、前日につけた113.52円が上値の目処として意識されると、上げが一服した。午後は、株価をにらみながら113.45円を挟んでもみ合いとなった。来週予定されているFOMCのイベントを控え、上下に動きにくくなっている。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会を控えて動意に乏しく、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英ポンド乱高下の裏側:乱高下の主犯は人工知能(AI)?

英ポンドは相場は早朝乱高下した。投票の結果そのものはメイ首相の勝利に終わったが、ポンド相場はわずか2分ほどの間に上下に大きく揺れ動いた。メイ首相の信任投票の結果は、信任200票に対し、不信任117票でメイ首相が勝利した。この結果を受け、保守党はメイ首相に対する不信任投票の申し立てを向こう1年間できなくなる。しかし、好材料となるはずの今回の結果に対して、一旦ポンドは0.2%急騰したものの、次の1分後には0.6%も急落した。AIのアルゴリズムによる売買では、ニュースのヘッドラインが出た瞬間に自動的に売買が発動される。今回は最初の一方で『メイ首相の勝利』が伝えられると、『不信任の票数が市場の事前予想の100票以下を上回った』とAIが判断を修正し、今度は瞬時にポンド売りに転じた。急激な乱高下の後、ポンドは結局投票結果前とそう大きく変わらない値位置に戻った。今後も、重要なニュースが出れば即座にAiの売買注文が誘発され、人間のトレーダーにとって予測不可能な値動きが起こりやすい。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会を開催

政策金利は少なくとも2019年夏の終わりまでインフレ回復のために据え置くとの方針が維持されるほか、保有債券の償還期再投資も当面継続される見込みとなっている。7-9月期の域内成長率改定値は前期比+0.2%にとどまった。ドイツ経済の停滞、イタリアの財政不安などを考慮してECB理事会では、金融政策の急速な縮小を避けることで一致すると見られている。

 

FRBの保有資産に含み損が積み上がる:利上げ打ち止めの理由に

米FRBが抱える4兆1000億ドル(約465兆円)規模の債券ポートフォリオで含み損が積み上がっている。最新の四半期報告によれば、FRB保有証券の含み損は9月30日の時価基準で665億ドルとなった。純資産の391億ドルを大きく上回る事実上の債務超過となっている。しかしながら、FRBは普通の銀行とは異なり、保有資産を時価会計で処理しない。従って当局者らは理論上の損失が持つ意味を重視せず、『特異な非営利機関』として金融政策を運営、もしくは財務省に利益を納付する能力に影響はないと主張する。それでもトランプ大統領が、中国という貿易戦争の敵よりFRBの方が大きな問題だと批判する現状において、FRBの財政悪化という認識が広がるのであれば、議会や国民に対する立場を悪くするリスクがある。

 

米11月の物価指標では12月の利上げを後押しする結果

米労働省が発表した11月消費者物価指数(CPI)は前月比+0%となり、市場予想通りとなった。10月+0.3%から低下し、3月来で最低となった。前年比では+2.2%と、やはり予想に一致した。10月+2.5%から低下し、2月来で最低となった。一方、連邦公開市場委員会(FOMC)がインフレ指標として注視しているコア指数は前月比+0.2%となり、市場予想や10月の伸びに一致した。また、前年比では+2.2%となり、市場予想通り10月+2.1%から上昇した。 原油価格の下落で総合インフレは低下したものの、コア指数は上昇した。FOMCの段階的な利上げを後押しする結果となった。

 

欧米イベント

○16:00   11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比2.3%)
○16:45   11月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.2%/前年比1.9%)
○17:15   11月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.1%)
○17:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:30   11月スウェーデン失業率(予想:5.7%)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.75%で据え置き)
○18:30   11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比6.8%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:24.00%で据え置き)
○20:00   10月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比3.2%)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○22:30   10月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.9%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22万5000件/165万人)
○14日03:00   米財務省、30年債入札
○14日04:00   11月米月次財政収支(予想:1880億ドルの赤字)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、14日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/12/15:22:10

日経平均株価:米中貿易摩擦緩和期待から買い戻し

カナダ裁判所が中国ファーウェイ副会長の保釈を認め中国が米自動車輸入関税を引き下げ方針を示した。そのため、米中貿易戦争緩和期待に買いが広がりヘッジファンドや商品投資顧問(CTA)など海外短期筋の先物買いが続いた。結局、前日比454円高の2万1602円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は113円台半ばでこう着

ドル/円は、米中貿易交渉の進展期待から堅調となり、113.52円まで上昇した。日経平均株価の大幅反発や米長期金利が上昇したことも、ドル買い・円売りにつながった。ただ、メキシコ国境の壁建設予想を巡ってトランプ米大統領と民主党の上下両院トップの意見対立し、政府機関閉鎖の可能性が浮上していることから上げは一服し、113.45円を挟んでもみ合いとなった。午後は株価をにらみながら113.40円台を中心とした狭いレンジで取引された。今晩発表される11月米消費者物価指数を見極めたいとの雰囲気から、上下に動きにくくなった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台前半で小幅な値動きに終始た。欧州勢待ちの様相となっている。

 

メイ英首相は四面楚歌:もともとは離脱反対派

メイ首相は英国の欧州連合(EU)離脱に対して反対派でした。6月23日の国民投票ではEU残留に投票しましたが、結果は離脱となった。これを受けて当時のキャメロン首相が辞任し、保守党党首選に立候補した。当初は党首選に5人立候補したが、まるでダチョウ倶楽部のネタのように『どうぞどうぞ』と残りの4人は立候補を取り下げて、蓋を開けると立候補をしたのがメイ氏のみになってしまった。
 メイ首相の不幸はまだまだ続いた。2017年4月には野党・労働党の支持率が低いことで、解散総選挙に出た。最初は圧倒的に優位を保っていたものの、どんどん詰め寄られ単独過半数を失うという自体に巻き込まれた。この単独過半数を失ったことで、民主統一党(DUP)との閣外協力をせざる終えなくなったことも、現在のブレグジット交渉を複雑にしている。さらに、 遅々として進まないブレグジット交渉で、泥舟に乗ることを避けるため閣僚が次々と辞めている。 メイ英首相の提案した協定に関して、議会が承認する可能性が低下し、合意ない離脱の可能性が一段と強まっていることが警戒されている。さらに、昨日は英国与党保守党がメイ首相の不信任投票を採決することを要請した48の書簡が送られたとの噂で、政局不安がさらに深まった。BBCによると、まだ、投票実施条件となる48の要請書簡は集まっていないと報じており、情報が交錯している状態となっている。

 

影の欧州中央銀行(ECB)会合では金利引き上げ遅延の可能性を指摘

独経済紙ハンデルスブラット主催の影のECB会合では、2019年秋とみられているECBの金利引き上げが遅れる可能性を指摘している。ECBのインフレ目標は2%弱だが、影のECBは2020年までにインフレ率が1.5%の低下となる可能性があると指摘している。
 11月のユーロ圏インフレ率は2%前後だったが、多くのエコノミストは原油価格の上昇が主因と主張している。1年前の価格が低水準だったため、前年比では大幅な上昇となった。しかし、1年後はこの効果が剥落するとの見方だ。 加えて、第3四半期の独・伊の経済成長は鈍化。米中貿易戦争、英・欧州連合(EU)離脱や伊・EUの予算を巡る争いといった大きなリスクをいくつか抱えている。影のECBはECBが昨年9月に予測した成長よりも大幅に低い成長を予想している。金融政策を正常化の実現への疑念が増しているとしている。 明日13日のECB理事会でも、こうしたリスク要因が議論される可能性はある。

 

米国生産者物価指数(PPI)ではFOMCでの利上げを正当化

米労働省が発表した11月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.1%となり、10月+0.6%から低下したものの、市場予想0.0%を上回った。前年比では+2.5%と、予想通り10月+2.9%から低下し、1年ぶりの低水準に達した。
食料品とエネルギーを除いたコアPPIは前月比+0.3%となり、10月+0.5%から低下したものの、市場予想の+0.1%を上回った。前年比では+2.7%と、低下予想に反して10月+2.6%から上昇。7月来で最高となった。インフレ率の上昇で、ドル買いが強まった。

 

米国市場では11月消費者物価指数が公表

10月実績は前年比+2.1%となった。中古車価格の上昇率は2009年以来の大幅な伸びを記録した。11月については、通信、娯楽、パーソナルケア製品の価格低下は一服することや居住費、被服費も小幅に上昇することから、コアインフレ率は10月実績をやや上回る可能性がある。

 

欧米イベント

○17:00  11月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比5.1%)
○17:15   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○17:30   11月スウェーデンCPI(予想:前月比横ばい/前年比2.0%)
      コア指数(予想:前月比横ばい/前年比2.2%)
○19:00   10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比0.2%/前年比0.7%)
○20:00   10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.8%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   10月インド鉱工業生産(予想:前年同月比5.7%)
○22:30   7-9月期カナダ設備稼働率(予想:85.7%)
○22:30   11月米CPI(予想:前月比横ばい/前年比2.2%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○13日00:30   EIA週間在庫統計
○13日03:00   米財務省、10年債入札
○13日04:00   11月米月次財政収支(予想:1880億ドルの赤字)
○未定   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○12-13日   7-9月期ロシアGDP改定値(予想:前年比1.3%)
○コンテ伊首相とユンケル欧州委員長が会談
○メキシコ(聖母グアダルーペの日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/11/15:19:37

日経平均株価:根強い米中貿易摩擦懸念した売り優勢

米中貿易摩擦の根強い懸念や英国のEU離脱を巡る混迷など、外部環境の不透明感を背景にした売りが優勢となった。特に中国など世界景気の減速懸念を映し、素材や電子部品、半導体など景気敏感株の下落が目立った。結局、前日比71円安の2万1148円で続落して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株やアジア株をにらんだ展開

ドル/円は、前日の海外時間に急伸した反動から利益確定などのドル売り・円買いが持ち込まれ、』一時112.99円まで軟化した。日経平均株価の下げ幅が100円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら113.10円を挟んだもみ合いとなった。今晩の米国株価動向を見極めたいとの雰囲気から、積極的な売買は手控えられた。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易摩擦激化で注目される中国経済指標

中国に関しては、今週14日に主要な11月指標が公表される。貿易摩擦や世界減速による低迷が濃厚ながら、すでに一定の悪化リスクは織り込みが進んできた。最新11月分のPMIでは中国政府による内需刺激策や緩和的な金融政策などを受けて、『懸念ほどには悪化せず』という結果も見られている。同じ11月分の中国PPI(生産者物価指数)は前年比+2.7%となり、前月の+3.3%から5カ月連続の低下となったが、チャイナ・ショック時の2014-2015年にかけては-0.9%から-5.9%方向への急低下が観測されていた。当時に比べると、中国の生産部門での過剰供給や過剰在庫などによるデフレ圧力は抑制されている。ちょうど中国の経済動向や資源相場に先行性のあるバルチックドライ海運指数は、8月6日が直近最高となって先行急落となってきたが、11月20日を直近安値としてテクニカルな自律反発へと転じてきた。

 

ユーロ売り材料多く上値の重い展開

フランスの反政府デモがが同国景気を押し下げるとの見方が出てきているうえ、英国のEUからの『合意なし離脱』への懸念が再燃している。ECBのドラギ総裁が日本時間13日夜に予定している理事会後の記者会見で金融政策の正常化に慎重な姿勢を示せば、一段とユーロ売りが進む可能性が高い。

フランスのマクロン大統領は10日、19年1月から最低賃金を約8%引き上げると発表した。ただ、フランスでは今年1月の『富裕税』廃止以降、『金持ち優遇』といった政権批判がくすぶり続けており、最低賃金の引き上げ程度では、『批判をおさえるには不十分』と見られている。英国は10日、EUからの離脱案の議会採決を先送りすることを決め『合意なし離脱』への懸念が再び台頭している。19年予算案を巡るイタリアのコンテ政権のEUとの対立落ち着きどころが見えていない。ECBは13日の理事会で量的緩和の年内終了を確認する見通しだが、景気の先行き不透明感が強まっているため、ドラギ総裁が記者会見で金融政策の正常化に慎重な姿勢をみせればユーロには下押し圧力がかかりやすい。

 

欧州市場では13日にECB理事会が開催予定

現在は米FRBの利上げ停止観測でドル安の圧力が掛かっており、13日にかけては米欧の政策方向『乖離縮小』観測がポジション調整的なユーロ買い戻しを促す余地をはらんでいる。もっとも欧州経済は現在、英国のEU離脱混迷やイタリア予算案の迷走、仏政府批判デモと政治不安定化などで先行き不透明感が高まっている。ECB理事会では景気や物価への慎重見通しが示されるとともに、来年の利上げについても微妙な遅延が示唆される可能性が無視できない。前週には欧州の金融機関支援のため、『ECBが条件付き長期資金供給オペ再開の可能性を検討』といった報道もあり、緩和ペースの鈍化が根強いユーロの戻り売り要因として警戒される。

 

米国株の不安定から政策期待が高まる

米国では11月の中間選挙で民主党が議会下院の過半数を奪還しており、民主党が前向きなヘルスケアや、インフラ、低所得者支援などの整備・改革に関して政策期待が高まってきた。一方でトランプ米大統領による通商強硬姿勢には不安感が覆い続けるものの、2年後の米大統領選と議会選を踏まえると、『トランプ氏、民主党ともに、失業増加や年金運用に打撃となる株安を一段と煽るような政策ミスや政権攻撃はしない』という期待感は消えていない。すでに米FRBは、景気配慮による先行きの利上げ鈍化や休止を視界に入れ始めた。来年にかけては慣性的な景気減速の加速リスクが残るものの、これまでの記録的な高成長と企業収益増加のスピード調整的な『巡航速度化』にとどまる余地がある。IT・ハイテク株バブルは反動続落余地が残る一方、長期スパンで持続的な収益と安定配当で実績のある『配当貴族』関連の銘柄は、経済の安定成長化に即した安定的な収益と配当余力が期待される。

 

欧米イベント

○16:00   10月トルコ経常収支(予想:25億5000万ドルの黒字)
○17:30   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○18:30   11月英雇用統計(失業保険申請件数推移/失業率)
○18:30   8-10月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○19:00   12月独ZEW景況感指数(予想:▲25.0)
○19:00   12月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30   11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比横ばい/前年比2.5%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.1%/前年比2.5%)
○12日03:00   米財務省、3年債入札
○12日04:15   オアNZ準備銀行(中央銀行、RBNZ)総裁、議会に出席

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/10/15:14:08

日経平均株価:米貿易摩擦激化を嫌気した売り優勢

ナバロ米大統領補佐官が週末7日に通商協議が不合意なら関税引き上げを示唆し先週末のNYダウ558ドル安の大幅反落や米中貿易摩擦激化懸念に投資家心理が悪化した。一時下げ幅を500円超に広げる場面もあった。結局、前週末比459円安の2万1219円と反r無くして終了した。日銀が、ETFの買い入れをしたとすれば、年初からのETFの累計買入額が5兆7179億円となり、年6兆円ペースを突破する見込みとなる。市場では買い続けるとの見方があったが、どこまで上振れするか注目されている。

 

東京外国為替市場:米中貿易摩擦の長期化警戒感からリスク回避の動き

ドル/円は、米中貿易摩擦が長期化するとの警戒感から調整色が強まり、112.23円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時500円を超えたことや米長期金利が一時2.82%付近まで低下したことも、ドル売り・円買いを誘った。しかし、6日に付けた11.23円が下値も目処として意識されると下げ渋り、112.30円を挟んでもみ合いとなった。午後は、米長期金利の低下一服に支えられ、112.50円近辺へと値を戻した。ユーロ/ドルは、1.14ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル需要が減退するとドルの下落基調リスクも

現在のドルの底堅さは『年末特有の季節的なドル買い需要』が影響している側面がある。米国の多国籍企業や金融機関、各種ファンドによる年末決算に向けた海外収益の本国ドル転回帰のほか、欧州など米国以外の金融機関による年越えに向けたドル資金調達などが要因となっている。こうしたドル買い需要は12月後半から1月にかけて減退していく。ここ数年のドル/円は年末年始にかけてドルが下落基調に急転換するパターンが目立っており、今年も年末のドル買い需要の剥落などによるドル安転換の落とし穴に注意が必要となる。ちなみに今年も1月から3月にかけてドル安・円高が進んだ経緯がある。

 

マクロン大統領は黄色ベスト運動に対して火に油の一言

マクロン仏大統領は、地球温暖化対策の国際的な枠組み『パリ協定』を受けて、『脱炭素』経済への移行による雇用創出を宣言した。今年は、燃料税を、ディーゼル車の燃料となる軽油は7.6セント、ガソリン燃料は3.9セント引き上げ、来年1月からは、経由6.5セント、ガソリン燃料は2.9セント引き上げる方針を表明していた。社会主義国フランスは、税負担の対GDP比46.2%(2017年)は欧州で一番高い国だが、富裕層は減税、大衆層は増税というイメージが強まりつつある。トラック運転手達は、燃料税引き上げで生活が困窮する、と抗議の声を上げたのが『黄色ベスト運動』(黄色ベストは運転手のシンボル)となった。 マクロン仏大統領は、燃料税引き上げに抗議する運転手に対して、『電気自動車を買えばいい』と言い放った。電気自動車は高額で最低でも2万ユーロ(@130円=260万円)するらしい。フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネット(1755年-1793年)は、パンを買うお金が無い貧困に喘ぐ民衆に対して『パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない』と言い放ち、フランス革命によりギロチンで処刑された。

 

トルコ・ショックの動揺は去ったが依然不透明

夏場以降の『トルコ・ショック』に端を発する国際金融市場の動揺は、足もとでは落ち着きを取り戻している。リラ相場は一時最安値を更新したが、足もとでは底入れが進んでいる。ただし、足もとのリラ相場はショック直前の水準にとどまり、経済政策運営を巡る不透明なども理由に上値が重い展開となっている。足もとのインフレ率は頭打ちしているが、政策誘導に拠るところが大きい。原油価格の急激な調整は対外収支や物価にプラスの効果を与える期待されるが、政策への過度な依存が副作用を招くリスクもあり、結果的にリラ相場の重石になると見られる。足もとではリラ安を背景に来訪者数が上振れするプラス効果もあるが、観光セクターの規模を勘案すれば景気への効果は限定的である。他方、外貨建債務を抱える企業部門では債務負担の増大が企業マインドの重石となっている上、雇用悪化は家計部門のマインドを下押しするなど、景気への悪影響は必至である。インフレ率の鈍化は景気にプラスと見込まれる一方、財政悪化などの副作用を招き、原油安によるプラス効果を相殺するリスクもくすぶる。トルコは『ショック』を脱したが、正常化に向けた道のりは依然平坦ではない。

 

欧米市場イベント

○15:45   11月スイス失業率(季節調整前、予想:2.5%)
○16:00   11月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比3.1%)
○16:00   7-9月期トルコ国内総生産(GDP、予想:前年比2.0%)
○16:00   10月独貿易収支(予想:170億ユーロの黒字)
○16:00   10月独経常収支(予想:180億ユーロの黒字)
○18:30   10月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:105億ポンドの赤字/12億ポンドの赤字)
○18:30   10月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%/前年比▲0.2%)
      製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○18:30   10月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○22:15   11月カナダ住宅着工件数(予想:19万6000件)
○22:30   10月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲0.2%)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント
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