FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/09/27/15:16:45

日経平均株価:イタリア政府の予算案を巡る報道を受け売り優勢

26日まで開かれた米FOMCで追加利上げが決まったが、利上げ局面は終盤との見方から前日の米長期金利は低下し、NYダウは下落したため、日本株には利益確定売りが先行した。ただ、足もとの強気心理を映した買い意欲は根強く、日経平均は上げに転じる場面もあった。後場に約8ヵ月ぶり2万4000円台乗せでヘッジファンドなど海外短期筋の利益確定売りに押されたものの、押し目買いに支えられ下げ渋る展開となった。しかし、イタリア政府が19年予算案を巡る会合延期の可能性との報道が伝わると、ユーロが失速したことを受けリスク回避の動きが強まった。結局、237円安の2万3796円と9日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:イタリア政府の予算案を巡る報道でリスク回避の円買い

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価がマイナス圏から一時プラス圏へ転じたことに支えられ一時112.90円近辺までじり高となった。日米物品貿易協定協議中は、米国による自動車関税発動が回避される見通しとなったことも、円売りを誘った。しかし、FOMC声明発表後に米長期金利が低下し、日米金利差縮小が意識され伸び悩む展開となった。午後は日経平均株価の下げ幅拡大を受け、リスク回避の円買いを誘い112.60円近辺まで下げた。ユーロ/ドルは、一部メディアが『イタリア政府は2019年度予算案の会合の延期する可能性がある』と報じられたことが嫌気され1.1750ドル近辺から一時1.1690ドル台へ下落した。

 

FOMCの結果はほぼ予定通りのシナリオ

昨日は、FOMCが予定通り政策金利の引き上げを決定した。声明文からは『政策スタンスは引き続き緩和的』との文言を削除した。こちらを巡っては様々な解釈が生まれているが、『中立金利に近づいてきていることで、利上げ終了の目処が付いた』との、どちらかというと『ハト派的』な認識が大勢を占めることになった。ただ、同時に『経済・金利見通し』でのドットチャートでは、中立金利の参考水準となるはずのFF金利の長期的見通しの中央値が前回6月の2.875%から3.000%に上方修正されている。パウエルFRB議長は定例記者会見で『文言の削除は利上げペースの変更を意味するものではない』との見解を示した一方、『インフレは低く安定している』と慎重な姿勢も堅持した。結果的には、FOMCの3ヵ月に1回の利上げペースは今後も続き、予定通り12月のFOMCでは年4回目の利上げが行われ、来年は3回または4回の利上げを実施した後、2020年中には一応の目処をつけるといったメインシナリオを確認することになった。

 

アルゼンチン中銀総裁辞任でIFM支援の行方

アルゼンチン中銀はカプト総裁が辞表を提出した旨を25日に発表した。同氏は、今年4月末以降の通貨ペソ相場の急落に伴いIMF(国際通貨基金)への支援要請に追い込まれ、6月に前任に代わって総裁に就任したが、わずか3ヶ月余りで辞任した。 後任にはドゥホブネ財務相の側近であるサンドレリス副財務相が就任し、ドゥホブネ氏とのタッグでIMFとの支援協議が進むとみられる。ただし、先月末のIMF支援の前倒し合意にも拘らず、その後も協議が長引いていることから、事態が前進するかは見通しにくく、ペソ相場も不安定さが続くであろう。

 

ECBは米国の貿易戦争で中国が恩恵を受けると分析

欧州中央銀行(ECB)は、米国が他国と貿易戦争を始めた場合、報復合戦後に失うものが最も多いのは米国で、中国は恩恵を被るとの分析を明らかにした。ECBは、米国が全ての輸入品に10%の関税を導入し、他国が同等の報復関税を課した場合のシュミレーションを作成した。それによると、米国は貿易減少と消費者・投資家心理悪化の最大の影響を受ける見通しとなる。また、ECBは、米国の成長率が2%ポイント以上押し下げられると推定している。対照的に中国は、米製品が関税対象となっている国に対する輸出が増加することで恩恵を受けると想定されている。ただ、その恩恵は一時g的で小さく、心理への悪影響によって部分的に総裁されるとECBは見ている。

 

米国による貿易摩擦は依然深刻化

北米自由貿易協定(NAFTA)改定で10月1日の期限が迫る中、米国とカナダの見解の相違の溝は埋まらずにいる。ライトハイザー米通商代表部USTR代表は25日、米国はメキシコとの2国間協定を成立させる方向で進める可能性を指摘した。対中でもトランプ大統領は、国連総会での演説で25日、『中国による市場の湾曲、許容されるべきでない』と中国を批判し、グローバル化をあらためて否定した。トランプ政権はこれまでに総2500億ドルの中国製品に関税発動したのち、追加であらたに2670憶ドル相当の中国製品にも関税を発動し、全中国輸入製品に関税を発動することも辞さない構えでいる。 一方、中国政府は報復関税を発表した。現状で総額1100億ドル相当と、ほぼ全米国輸入品に関税を賦課している。今後は人民元安、米国債購入を控えるなどで報復対応する可能性もある。ただ、中国が一部製品の輸入関税を引き下げると発表したことは唯一プラス材料となる。

 

米国市場では4-6月期国内総生産(GDP)確保家が公表

改定値は、速報値から小幅に上方修正され、2014年第7-9月期以来の成長率となった。輸入や知的財産投資の修正などが反映された。確報値では、個人消費や貿易が改定値から若干上方修正される可能性がある。改定値で上方修正された知己財産投資の伸びは確報値では修正なしと予想されていることから、全体の成長率は改定値と同水準かわずかに上回る見込み。

 

欧米イベント

○15:00   10月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:10.5)
○17:00   8月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比3.9%)
○17:00   欧州中央銀行(ECB)月報
○18:00   9月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲2.9)
○18:00   9月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:111.2)
○18:30   8月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.5%/前年比6.0%)
○20:45   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:00   9月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%)
○21:30   4-6月期米国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率4.2%)
○21:30   8月米耐久財受注額(予想:前月比2.0%/輸送用機器を除く前月比0.5%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万件)
○22:30   ドラギECB総裁、講演
○23:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○23:00   8月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲0.4%)
○28日02:00   米財務省、7年債(310億ドル)入札
○28日02:00   プラートECB専務理事、講演
○28日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○28日05:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、あいさつ

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/09/26/15:15:13

日経平均株価:先物主導で配当権利落ちを埋める

9月末の配当権利落ち日にあたり安く始まったが、前引け間際に上げに転じた。米国株に対して日本株が出遅れており修正を期待した買いが入ったほか、このところの円安・ドル高基調で海外短期筋が株価指数先物に買いを入れたことも相場を押し上げた。先物への買いにより、値がさ株に裁定取引に伴う買いが入ったことが日経平均を押し上げ、155円程度とされる配当の権利落ち分を埋めた。結局、93円高の2万4033円と8連騰で終了した。

 

東京外国為替市場:一時113円超えも滞空時間短い

ドル/円は、米長期金利先行観から一時113.03円まで約2ヵ月ぶりの高値を付けた。しかし、113円台乗せの滞空時間が短かったことから、利食い売りなどに押されて112.90円付近まで小緩んだ。中間期末に伴う本邦輸出勢のドル売り・円買いも観測された。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数動向をにらみながら112.95円前後でもみ合う展開となった。FOMCの結果発表をや日米首脳会談などの重要イベントを控えて、上下に動きにくくなった。ユーロ/ドルは、明日発表されるイタリア2019年度予算案を見極めたいとの雰囲気もあり、1.1765ドル前後で小幅な値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日米首脳会談での正式合意目指す

26日の安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談での正式合意を目指す。日本は農産品も対象とする構えで、米国が検討中の自動車・同部品への追加関税の回避を図る。FFRに出席した茂木敏充経済再生担当相は、記者団に『ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と大きな方向については一致した』と語った。日本政府は、トランプ政権が検討中の自動車追加関税が発動されれば、国内経済に深刻な打撃が及ぶことを懸念される。安倍首相は首脳会談で、これまで拒んできた農産品の関税協議を検討課題に挙げ、トランプ大統領から自動車関税の適用除外の確約を得たい考えだ。

 

FOMCを控えての市場参加者の見方

FOMCを控えて、経済専門局CNBCが市場エコノミスト、マネーマネジャーなどを対象に実施した恒例のFED調査によると、46名の回答者のうち98%が今回の会合で政策金利であるFF金利誘導目標を25ベーシスポイント引き上げ2-2.5%のレンジとすると見ている。また、96%が12月にもさらに25ベーシスポイント引き上げると見ている。2019年は平均2回の利上げを予想。政策金利を2.75-3.0%まで引き上げると見ている。この水準からは意見が分かれる。50%が3回の利上げを予想している。2019年は平均2回の利上げを予想。政策金利を2.75-3.0%まで引き上げると見ている。この水準からは意見が分かれる。50%が3回の利上げを予想している。今回のFOMCでは、金利見通しの引き上げはあっても、引き下げはないだろうと見られており、ドル買い材料となりやすい。

 

米金利上昇と株高の共存はいつまで

米国を始めとした海外での金利上昇は、米国株や進行株を含めた世界株にはマイナス要因となっていく。記憶に新しい今年1-2月には米国債金利の上昇が『金利差拡大によるドル高・円安』にならず、『米国など株安によるリスク回避の円高』につながった。その意味でFOMC以降は海外での金利上昇と株高の共存が継続するか見極めていく必要がある。

 

米国市場では8月の新築住宅販売が公表

8月分では中古住宅販売が前月比で横這いとなり、伸び悩みとなった。在庫は3年ぶりの増加となっており、住宅価格の上昇や金利上昇などによる住宅販売の改善ペース鈍化が警戒されている。一方で米国では8月分で、雇用統計や平均賃金が増加した。若年層には雇用環境の改善を受けて、独立や新世帯の形成が見られている。先行きの金利上昇を警戒した駆け込み需要などもあり、改めて住宅販売が底堅さを示す可能性も消残っている。

 

欧米イベント

○15:45   9月仏消費者信頼感指数(予想:97)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○23:00   8月米新築住宅販売件数(予想:前月比0.5%/63万件)
○23:30   EIA週間在庫統計
○27日03:00  米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:2.00-2.25%に引き上げ)
○27日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○27日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○27日06:00   ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/09/25/15:13:47

日経平均株価:配当再投資の先回り買いで底堅い展開

前日NY株式市場が大幅下落したことを背景に寄り付きはマイナス圏で始まった。しかし、外国為替市場での円安・ドル高傾向や3月期決算企業の中間配当権利取り狙いの買いプラス圏に持ち直した。本邦年金などによる配当再投資目的の先回り買いが日経先物に散見された。ただ、前週末までの6営業日で1200円以上上昇したため、高値警戒感がくすぶっている。それに加えて、26日予定の日米首脳会談を控えて、自動車をターゲットとした日米貿易交渉を巡っては、過去に日本は痛い経験があるだけに上値追いとなる動きにはつながらなかった。結局、前営業日比70円高の2万3940円と7連騰で終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇にドル買は底堅い展開

ドル/円は、本邦輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ一時113.00円近辺でま上昇した。約2ヵ月ぶりの高値を付けた。米長期金利が3.09%台まで上昇しており、日米金利差拡大が意識されたことも、ドルの押し上げ要因となった。しかし、日米閣僚級貿易協議(FFR)や日米首脳会談を控えて、上値を追う動きは限定的となった。その後は、短期筋などから利食い売りも見られ112.80円台へ下押しした。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら112.80円台を中心とした狭いレンジでもみ合い相場となった。また、FOMC会合の結果を控えて様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは、1.1740ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ロシアプーチン政権の磐石に変化も

ロシア極東のハバロフスク地方とモスクワ東部のウラジーミル州で23日、知事選の決選投票が行われ、いずれもプーチン政権与党『統一ロシア』の候補が敗れる波乱があった。政権が6月に提案した年金支給開始年齢引き上げに対する不満などが選挙結果に影響を及ぼしたとみられ、プーチン大統領の支持率が急落する中、政権に打撃となる可能性が高い。

 

米双子の赤字が対GDP比で6.0%を上回るとドルが下落する傾向

米国の2018年第2四半期の名目国内総生産(GDP)は、20.41兆ドル(※実質18.51兆ドル)なので、対GDP比6%は、1兆2246億ドルとなる。 米国の2017年第3四半期から2018年第2四半期までの経常赤字は、3393.2億ドルであり、年率に換算した場合、約4524億ドルとなる。 米国の2018年度(2017年10月-2018年9月)の財政赤字は、8月時点で8981.12億ドルとなっており、1兆ドルの大台に迫りつつある。 2018年度の『双子の赤字』は、約1兆2374億ドルとなっており、過去のパターンでは、ドルが下落する状況となっている。

 

バンカメ・メリルの顧客は米株式を4週間ぶり買い越し

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの25日付けの顧客フローリポートでは、同社の顧客は9月17~21日までの1週間に米加部を4億7200万ドル買い越し、4週ぶりに買い越しに転じた。ETFの買い越し額が1月以来の高水準となる17億4100万ドルに膨らんだことが家人した。ただ、ETFを除けば9億2600万ドルの売り越しだった。テクノロジーセクターが11億2300万ドルの売り越しとなり、ハイテク株への売り圧力が強かった。テクノロジーセクターの売り越し規模は2016年1月以来の高水準で、同社が2008年に集計を開始して以来、1週間の売り越し規模としては過去6番目の大きさだった。主体別では、ヘッジファンドが4週連続、個人投資家が8週連続で売り越す一方、機関投資家は買い越した。企業は自社株買いによって3週連続の買い越しとなり、年初来の買い越し額は520億ドルを突破して2014年の年間買い越し額(450億ドル)を上回った。結局、米国の法人税減税で自社株買いをしていることが分かる。

 

中国からの全商品に60%の追加関税へ:ゴールドマンサックスレポート


 米国は24日、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対し、10%の追加関税を課す第3弾の制裁措置を発動した。これに対し、中国も同日、600億ドル相当の米国製品に5-10%の追加関税を課す報復措置を発動した。 米国は昨年、中国から5000億ドル相当を輸入しているのに対し、中国の米国からの輸入額は1300億ドル。ゴールドマンは、「トランプ大統領は何度も『対中貿易赤字を解消する』と発言しているが、この目的を達成するには中国からの全商品とサービスに短期間のうちに60%の追加関税を課す必要がある」と指摘している。

 

米国市場では9月CB消費者信頼感指数が公表

8月実績は133.4となり市場予想を大幅に上回った。また、先行指標的な9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は100.8に上昇した。8月のCB消費者信頼感指数では、今後6ヵ月でビジネス環境の改善や所得増加を予想する比率が7月から上昇していた。9月については、ミシガン大学消費者信頼感の数字が改善していることから、8月の133.4に近い高水準の指数となる可能性がある。

 

欧米イベント

○15:00   8月独卸売物価指数(WPI)
○15:45   9月仏企業景況感指数(予想:105)
○17:10   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:30   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○17:40   ブリハ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:00   7月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:00   7月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.2%)
○23:00   9月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:20)
○23:00   9月米消費者信頼感指数(予想:132.0)
○26日02:00   米財務省、5年債(380億ドル)入札
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○日米通商協議(FFR)
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、10月1日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/09/21/15:14:44

日経平均株価:円安伴いリスク選好の買い優勢

前日のNYダウが約8ヵ月ぶりに過去最高値を更新したことで投資家心理が一段と上向き幅広い銘柄が買われた。米中貿易問題への警戒感が和らいでおり、海運や非鉄金属など景気敏感株に買いが向かった。米長期金利の上昇を受けた利ざや改善の期待を受け、保険や銀行株などの金融株の上昇も目立った。さらに外国為替市場で1ドル=112円台後半まで円安が進行したことも輸出関連株の買い安心感を強めた。結局、前日比195円高の2万3869円と6日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高でリスク選好の円安継続

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ一時112.70円までじり高となった。米中貿易摩擦を巡る過度な懸念が後退していることもリスク選好の円売りにつながった。午後もこの流れは続き、日経平均株価の上げ幅拡大や米長期金利上昇をながめてさらにドル買い・円売りが強まり112.80円まで上げた。ユーロ/ドルは、1.17ドル台後半で方向感に乏しい展開が続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

OECDは中国の18-19年成長率の予想値を維持

経済協力開発機構(OECD)は、最新の世界経済見通しを発表した。中国の成長率については、18年が6.7%、19年が6.4%とし、5月時点の予想を維持した。人民元安がプラスに働き、米国の中国製品に対する追加関税措置の影響を緩和するとの見方を織り込んだ。一方、世界全体の成長率について、2018年、19年ともに3.7%と予想し、5月時点の予想からそれぞれ0.1、0.2ポイント下方修正した。米国を中心とする通商摩擦の激化を背景とした世界貿易の伸び鈍化に警戒感を示し、世界経済の成長はピークは過ぎた可能性があるとの見方を示した。

 

前日の米国経済指標は雇用好調も住宅と景気関連は低調な結果に

米国の8月中古住宅販売件数は534万件となり、増加予想に反して2016年2月以降2年ぶりの低水準となった前月と並んだ。また、同時刻に発表された米コンファレンスボードが発表した8月景気先行指数も前月比+0.4%となり、伸びは市場予想の+0.5%を下回り5月来で最低となった。米国労働省が発表した週次新規失業保険申請件数は前週比3000件減の20.1万件と増加予想に反して、前回20.4万件からさらに低下し、先週に続き49年ぶりの低水準を記録した。 失業保険継続受給者数は164.5万人となり、増加予想に反し、前回170.0万人から減少し、1973年以降45年ぶり低水準を記録した。

 

日米金利差から対円で続伸する可能性も

米国は良好な経済や雇用に加え、広範な税制改革や財政刺激策を講じ、さらに成長が強まると予想されている。利上げペース加速の思惑も浮上してきた。 米国金利先物市場で、25-26日に開催される9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は100%。12月の利上げ確率は年半ば時点で50%前後だったが、78%近くに上昇している。そのため、2018年あと2回の利上げが確実視されつつある。また、2019年の最初の利上げ予想が6月から3月に前倒しされている。 日米の金利格差はさらに拡大する可能性が強い。貿易協定を交渉中の米国のトランプ政権が過剰なドル高を望まないとの見方から年末にかけて、ドル弱気の見方が強まる中、ドルは唯一対円で続伸する可能性もある。年初来の高値113円39銭を突破すると、一段高となる可能性も残されている。

 

米国の対中関税制裁の影響を受ける半数は外資系企業

中国商務部は、米国が中国からの輸入品2000億米ドル分に課す第3弾の制裁関税について、電機、軽工業、繊維・アパレル、資源化工、農産品、薬品の6分野の製品に波及し、影響を受ける企業の半数近くが外資系との見方を示した。現在、困難に直面する国内企業や、中国に進出した外資企業を支援する措置を検討している。商務部の高峰報道官が20日の定例会見で明らかにした。第3弾関税は24日に発動する。中国は報復措置として、同日付で米国から輸入する600億ドル相当の製品に追加関税をかける。高報道官は、米国の一方的な保護主義策は米国と中国の企業や消費者の利益だけでなく、グローバルな産業チェーンとサプライチェーンの安全を損なうと批判している。 

 

欧米イベント

○15:45   4-6月期仏国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.2%)
○16:15   9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:53.3)
○16:15   9月仏サービス部門PMI速報値(予想:55.2)
○16:30   9月独製造業PMI速報値(予想:55.7)
○16:30   9月独サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○17:00   9月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:54.4)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.4)
○21:30   7月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.6%)
○21:30   8月カナダCPI(予想:前月比▲0.1%/前年比2.8%)
○22:45   9月米製造業PMI速報値(予想:55.0)
○22:45   9月米サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○22:45   9月米総合PMI速報値

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/09/20/15:12:09

日経平均株価:利益確定売りに押される

米中貿易摩擦に対する過度な警戒感が後退し、前日のNYダウが上昇したことで、投資家が運用リスクを取る姿勢を強めた。また、日本固有の新規買い材料に乏しいものの米長期金利の上昇を手掛かりとした金融株への買いや自民党総裁選での安倍3選への期待に先物への買い戻しが優勢となった。ただ、短期的な過熱感を意識した利益確定売りもかさんだ。結局、前日比2円だかの2万3674円と5日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:112円台前半でこう着相場

ドル/円は、上値の重さを嫌気した利益確定売りなどに押され一時112.10円近辺まで下げた。中間期末を控えた国内輸出企業によるドル売り・円買いも観測された。午後は日経平均株価が失速したことを眺めて112.08円近辺まで軟化した。しかし、心理的節目となる112.00円が意識されると下げも一服し、112.10円台を中心に狭いレンジ相場となった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台後半で小幅な値動きとに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ゴールドマン・サックス・グループが商品収入トップに返り咲き

今年1-6月(上期)に商品関連収入のトップ行に返り咲いた。ゴールドマンは数十年にわたりウォール街の有力な商品取引業者として君臨してきたが、天然ガスと電力関連の損失の影響で年間業績が株式公開後最悪となった昨年には初めてトップ3行から転落した。上位12行の上期商品関連収入は、21億ドル(約2360億円)と38%増加した。ゴールドマンとモルガンスタンレー、JPモルガンが首位を分かち合う一方、昨年3位だったシティクループはトップ3から脱落した。

 

前日の米経済指標:先行きの住宅関連指数に不安

米商務省が発表した8月住宅着工件数は前月比+9.2%の128.2万戸となり、市場予想123.8万戸を上回り5月来で最高となった。 一方で、住宅着工件数の先行指標となる8月住宅建設許可件数は前月比-5.7%の122.9万戸となり、市場予想131.0万戸を下回り、今後の住宅着工件数が減少する可能性が示唆された。 また、同時刻に発表された4-6月期経常収支は▲1015億ドルの赤字。経常赤字は、1-3月期の▲1217億ドルから縮小し2015年10-12月以降2年半ぶりの低水準となった。市場予想は▲1034億ドルも下回った。

 

EUと英国の離脱合意に程遠いとの懸念でポンド売り

ユンケル欧州委委員長は、欧州連合(EU)と英国が離脱合意に『程遠い』との悲観的な見方を示した。さらに、アイルランドのバラッカー首相も合意に向けた状況が3月時点と変わらず、アイルランドが合意ない離脱シナリオに苦しむ可能性を警告した。
先に、英国のメイ首相は、バルニエEU交渉官が提示したアイルランド国境問題を巡る妥協案を拒否したこともポンド売り材料となっている。

 

米国市場では8月中古住宅販売件数が公表

7月の実績は前月比▲0.7%、534万戸で2016年2月以来の水準に落ち込んだ。販売価格の中央値は26.96万ドルで前年同月比+4.5%だった。販売価格の上昇が続いており、販売件数は伸び悩んでいるとみられる。8月については、金利上昇の影響が表面化しつつあり、販売件数上昇の影響で販売件数は伸び悩む可能性がある。

 

欧米イベント

○16:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.75%に引き上げ)
○17:30   8月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.2%/前年比2.3%)
○17:30   8月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.4%)
○21:30   9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:17.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万件)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○23:00   9月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲2.0)
○23:00   8月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.5%)
○23:00   8月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.3%/年率換算535万件)
○21日00:15   バイトマン独連銀総裁、講演
○21日02:20   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○欧州連合(EU)非公式首脳会議(オーストリア・ザルツブルク)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ