FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/10/04/15:14:45

日経平均株価:日米長期金利の上昇を嫌気して利益確定売り優勢

日米での長期金利上昇で債券と比べた株式の割高感が意識され、株価指標面での割高な水準にある日用品など内需関連株を中心に利益確定売りが優勢となった。米長期上昇に伴い、新興国から資金が流出するとの警戒でアジア株が軟調に推移したのも嫌気され、日経平均の下げ幅を広げた。一時下げ幅を187円に広げた。結局、前日比135円安の2万3975円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:短期筋の利食い売りと本邦輸出勢のドル売りで上値重い

ドル/円は、高値警戒感から短期筋などが利食い売りを持ち込み114.27円近辺まで下げた。国内輸出企業によるドル売り・円買いも観測された。この流れは午後も続き、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めて114.21円近辺まで値を下げたが、明日の米9月雇用統計を見極めたいとの雰囲気もあり、下押しは限られた。その後は、米長期金利が7年3ヵ月ぶりの高水準となる3.22%付近へ上昇したことに支えられ114.30円台を中心とした狭いレンジ相場でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、米欧の金利差拡大を意識したユーロ売り・ドル買いが進み、一時1.1464ドル付近まで値を下げ8月20日以来の安値を付けた。

 

民主党中間選挙勝利ならトランプ大統領の納税申請書を精査

米民主党が11月の中間選挙で下院または上院の過半数議席を奪取した場合、トランプ大統領の納税申告所を精査する構え。申請書の入手権限を持つ可能性のある党内有力議員らが3日に明らかにした。民主党が下院で過半数を握った場合、歳入委員会の委員長に就任するとみられるリチャード・ニール(民主、マサチューセッツ)下院議員は、大統領の納税申請書を入手する考えを示した。トランプ大統領はこれまで自発的な公表を控えている。ニール氏は納税申告書の提出を求めるかとの質問に『イエスだ』と答えている。

 

米長期金利の水準訂正の動き

9月末にOFMCで公表されたドット・チャートが2020年中の利上げサイクル終了を示唆したことを受け、来年中にはトランプ減税の効果が薄れ、循環的な景気減速局面に入ると予想する市場参加者が多かったため、昨日の米長期金利上昇は意外性が強かった。米長期金利は、3%近辺で天井圏を形成していくとの見方が強かった。そのため、3%近辺で押し目買いしてきた投資家が、ポジション調整売りやヘッジ売りを強いられたことが米長期金利の急上昇につながった。このところの強い米経済指標や、パウエル米FRB議長が『中立レベルを超えるかもしれない』と発言したこともあり、3%近辺での水準感の見直しを迫られる結果となった。

 

新興国はトルコ・ショックの後は原油高の苦境

今夏の国際金融市場では『トルコ・ショック』に伴う動揺を受けて新興国で資金流出圧力が強まった。先進国による金融政策正常化の動きは新興国からの資金流出につながあると連想されやすい。そのため、金融市場の動揺が実態以上の売り圧力を招いた。ただし、足もとでは『トルコ・ショック』による影響が一巡しつつあるうえ、世界経済は引き続き拡大傾向を維持している。しかし、米国の対イラン制裁への懸念から原油価格が再び上昇してきた。原油輸入国では通貨安に伴う輸入物価の上振れも相まってインフレ圧力となる。経常赤字拡大など経済のファンダメンタルズの悪化につながる。結果として、インドやインドネシアでは通貨安圧力が再び高まり、通貨安阻止に向けた利上げに追い込まれている。

 

トルコショック時と何が違うのか

米長期金利上昇を受けて外国為替市場では米ドル高が進んでいる。米金利上昇とドル高になれば、数ヵ月前まではトルコなどの新興国懸念とリスク回避の動きになる要因だったが、直近ではそうなっていない。2018年の新興国波乱の象徴するトルコリラは3日、対米ドルで下げたが、取引範囲は1ドル=6リラ前後と9月下旬にかけてのレンジよりもまだ高い水準にある。対円でも19円前後の水準に安定している。新興国通貨はこれまで春と夏、米長期金利が3%台に乗せたタイミングで度々売り込まれてきた。今回と何が違うかだが、市場では『2019年にかけての米利上げを織り込んできたことや、ここにきて米政府の通商政策に対するスタンスが緩和したとの楽観論が出ていることが要因』との指摘がある。

 

欧米イベント

○20:30   9月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万3000件)
○22:15   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○22:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○23:00   9月カナダIvey購買部協会景気指数
○23:00   8月米製造業新規受注(予想:前月比2.1%)
○5日03:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.75%に据え置き)
○米財務省3年、10年、30年債入札条件
○中国(建国記念日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/10/03/15:18:31

日経平均株価:幅広い銘柄に利益確定売り優勢に

日経平均株価が最近の一方的な相場上昇で約27年ぶりの高値に対する警戒感から、個人投資家や短期筋から幅広い銘柄に利益確定売りが先行した。ただ、投資家の強気心理は根強く、前場中ごろ過ぎから円相場が対ドルで伸び悩んだのにつれて、日経平均も急速に下げ渋った。ただ、午後になると先物に利益確定売りが入り一時下げ幅を240円へ拡大した。結局、前日比159円安の2万4110円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:欧米勢待ちの様相となり狭いレンジ相場

ドル/円は、一部メディアが『イタリアは2021年の財政赤字目標について、対GDP比で2%を目指す』と報じられると、ショートカバーが入って113円台半ばから113.83円まで急反発した。日経平均株価が急速に下げ幅を縮小したことも、円売りを誘った。午後は、日経平均株価の下げ幅拡大をながめて持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、113.60円近辺まで下げた。もっとも、16:00に発表されるトルコ9月消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの雰囲気から下値を追う動きは限られ113.70円前後でもみ合った。ユーロ/ドルは、1.15ドル台後半で方向感の欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では8月ユーロ圏小売売上高が公表

7月の実績は前月比▲0.2%となった。通信販売やインターネット販売の増加が続いているものの、繊維・衣料品は減少している。8月については、通販・インターネット経由での販売増加が引き続き見込めることや雇用の拡大が続いていることから、7月に減少した反動で小売売上高はやや増加する可能性がある。

 

英保守党の党大会最終日によるメイ首相の演説に注目:過去2回はポンド安

英国中部バーミンガムで開かれている与党・保守党の党大会で2日、次期党首と首相の座を狙うジョンソン前外相が演説した。EUからの英国の離脱を巡り、7月にメイ政権が打ち出したEUとの関係を重視する離脱方針について、その方針では離脱後もEUの支配から抜け出すことにならないと強調し、『詐欺だ』と批判した。はたして本日閉幕する保守党大会でメイ首相がどのような発言をするのか、またポンドはどのような動きとなるのか市場参加者たちの注目が集まっている。メイ首相の演説は現地時間午前10時(東京時間18時)に予定されいる。

 

トルコの9月消費者物価指数(CPI)に注目

本日日本時間16時にトルコの9月CPIが公表される。8月に記録した約15年ぶりの前年比+17.9%を更に上回る+21.0%が市場予想となっている。インフレ率の急騰によるコスト高でトルコの不動産売上が減少との報道もあり、8月より上昇するとトルコ経済の鈍化が嫌気されやすい。そのため、トルコリラが売られやすくなる一方で、指標発表後には25日に金融政策決定会合を控えたトルコ中銀高官や、アルバイラク・トルコ財務相の発言が予想され、リラの買い戻し材料となるかが注目されている。

 

イタリアの財政問題絡みで連日ユーロのボラティリティが高い

イタリアのディマイオ副首相は2日、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率の目標について、EU当局者などから修正を求める声が上がっているものの、変更しない方針を示した。連立政権の一翼を担う『五つ星運動』党首であるディマイオ副首相は、ラジオのインタビューで『2.4%の目標から引き返さない。これは明確にする必要がある。1ミリメートルも変更しない』と述べた。またフランスとドイツの指導者がイタリア政府の崩壊を望んでいることを『疑う余地はない』と語った。一夜明けると一転して、イタリア紙コリエレ・テラ・セラは閣議の内容からポピュリスト政権はEUに譲歩し、2012年の財政赤字をGDPの2.0%に減らすことを約束するも込みと報じた。報道直後はユーロ独歩高となったものの、時間の経過と共にユーロ売りが強まっている。

 

★欧米イベント

○15:20   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○16:00   9月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比3.40%/前年比21.10%)
○16:50   9月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:54.3)
○16:55   9月独サービス部門PMI改定値(予想:56.5)
○17:00   9月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:54.7)
○17:30   9月英サービス部門PMI(予想:54.0)
○18:00   8月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.2%/前年比1.7%)
○19:30   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:05   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○21:15   9月ADP全米雇用報告(予想:18万5000人)
○22:45   9月米サービス部門PMI改定値(予想:53.0)
○22:45   9月米総合PMI改定値
○23:00   9月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:58.0)
○23:30   EIA週間在庫統計
○4日03:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○4日03:15   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○4日05:00   パウエルFRB議長、講演
○英保守党の年次大会でメイ首相演説(日本時間18時予定)
○ドイツ(統一記念日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/10/02/15:19:25

日経平均株価:高値更新から利益確定売りが優勢

前日のNYダウの上昇を受けて回遊性だったが、前日に終値で27年ぶりの高値を更新して達成感が出ており、短期筋の利益確定売りに押された。また、南シナ海の南沙諸島を巡る軍事的な米中緊張が伝わったことも売り材料となった。さらに為替市場で円安・ドル高基調に一服感が出ていることも売りを促した。しかし、後場には、押し目買いも入り上げに転じた。結局、前日比24円高の2万4270円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ハンセン株下落やイタリアの財問題懸念で円買い

ドル/円は、114円台定着に失敗したことで、持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて113.83円近辺まで押された。休場明けの香港ハンセン株が2%超下落したことや日経平均株価が急速に伸び悩んだこともリスク回避の円買いを誘った。ただ、下値では日米金融政策の違いを意識したドル買い・円売りも見られた。午後は全般円買いの動きが強まり113.80円付近まで下げた。ユーロ/ドルは、イタリアの財政問題に対する根強い懸念から短期筋などがユーロ売り・ドル買いを持ち込み、1.1540ドル台へ下落した。

 

米中貿易戦争は小休止だが

今週は中国市場が1日から7日にかけて、『国慶節で長期休場』となる。米国と中国による通商対立での非難合戦が小休止となるほか、中国の株安による日本への株安・円高波及ノイズも抑制される。ただし、中華圏などのアジア休場の場合、ちょっとした悪材料の浮上で『アジア株を売れないヘッジ対応』が日本市場へと集中する。流動性の低下とあいまって、単発的に日本で株安とリスク回避の円高が激化される波乱余地も残されている。

 

ユーロの重石となるイタリアの財政赤字問題

前週末28日にはイタリア政府が示した2019年予算で、財政赤字が従来目標よりも大幅に拡大する見通しとなり、ユーロ安や欧州の株安が後押しされる場面があった。今後は格下げリスクのほか、15日までの正式予算案のEU提出や20日までのイタリア政権内での閣議了承、その前後でのEUによる拒否牽制や伊政権内での対立迷走を含めて、突発的なリスクとなる可能性がある。

 

今週の為替の注目点:米9月雇用統計

為替相場で注目されるのは、5日の米9月雇用統計だ。8月は雇用、平均賃金とも改善しただけに、通商摩擦懸念などとあいまって反動調整的な鈍化が警戒される。ただし、同じ9月分のコンファレンスボード消費者信頼感指数は、高水準に上昇した。内訳では、雇用を『十分』とする回答が前月の42.3%から45.7%に増加した。所得は6カ月後の予想で『減少』とする回答が6.5%となり、7月の9.4%、8月の6.9%から連続での減少となっている。米国では季節的に年末商戦に向けた早めの雇用確保も始動しつつあり、9月の雇用統計や平均賃金が改めて堅調さを示す可能性は無視できない。

 

経済学的には米長期金利の上昇余地

中長期スパンでのドル/円のドル高トレンドを支援するのが、米10年債金利の上昇余地となる。経済学的に長期金利は先行き期待を含めて、『経済成長率+インフレ率+財政プレミアム』が一つの適正理論値と定義されている。このうち成長率とインフレ率だけを見れば、単純に9月の米ISM製造業景況指数は61.3となり、14年ぶりの高水準を記録した。同じ9月分のインフレ指標では、PCE(個人消費支出)コアデフレーターが前年比+2.0%となり、4カ月連続で2012年4月以来の2%超えを維持させている。
よって、ISM指数を10で割った6.13とPCEコアデフレーター前年比2.0%の単純合計は、8.1(前月7.8)となって、実に2004年6月以来の高水準となってきた。2004年6月に米10年債金利は4.5%から4.8%で推移しており、今年9月の月間最高3.1%は『適正理論値の参考道標』との距離感で低過ぎる状態にある。米10年債金利と、この単純合計の差し引き格差は-5.1となり、昨年12月や2016年10月、2012年10月など以来の金利が低過ぎる下方乖離となってきた。いずれもその後は『金利下がり過ぎの修正』が入り、米10年債金利の上昇とドル/円でのドル高が後押しされた実績を有している。しかも現在はFRBが正常化利上げの仕上げに向かいつつあり、米10年債金利も過去比での正常化水準までの上昇余地が残されている。

 

欧米イベント

○15:00   9月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○17:30   9月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.5)
○17:45   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○18:00   8月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比3.9%)
○23:00   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、米上院銀行委員会で証言
○3日01:00   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○3日01:45   パウエルFRB議長、講演
○3日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○2-3日   4-6月期ロシア国内総生産(GDP)確報値(予想:前年比1.9%)
○欧州連合(EU)財務相理事会

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/10/01/15:14:15

9月日銀短観は3四半期連続の悪化

日銀が本日発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業・製造業の景況感が前回調査比で横ばいとの市場予想に反して、3四半期連続の悪化となった。夏以降の豪雨や台風、地震といった自然災害が生産や物流など幅広い業種に一定の悪影響をもたらすことはある程度想定された。大企業の業況判断指数DIは19、非製造業で22といずれも前回の6月調査から2ポイント低下した。市場では、災害は先行きの復興需要も生むため一部の業種にはプラスの作用を期待する声もあり、一時的との受け止めが多い。しかし、原油などエネルギー関連の上昇や人件費の上昇による景況感の悪化は中長期的な構造要因となる。

 

日経平均株価:米加のNAFTA合意進展報道と円安を好感

前場11:00頃に米ダウ・ジョーンズ通信などが『米国とカナダが北米自由貿易協定(NAFTA)を巡る再交渉で合意しそうだ』と伝えたことや、1ドル=113.96円近辺への円安と相まって商品投資顧問(CTA)やヘッジファンドなど海外短期筋が先物に買いを入れ1月23日年初来高値を上回り1991年11月以来約27年ぶりにの高値を付けた。結局、前営業日比125円高の2万4245円で続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇で全般ドル高

ドル/円は、本邦実需筋からのドル買い・円売りや日経平均株価の上昇に支えられ一時j113.96円まで上げた。米長期金利が上昇したことも、ドル買いにつながった。ただ、114.00円がレジスタンスとして意識されると、上げ幅は一服した。午後は、日経平均株価をにらみながら113.90円前後でもみ合いとなった。今晩公表される米9月ISM製造業景況感指数を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、米金利の先高観から持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り1.1586ドルまで下落した。イタリアの財政赤字が拡大するとの懸念も引き続き重石となった。

 

10月は45日ルールによる米国金利上昇に注意

10月中旬までは、11月決算のヘッジファンドからの解約に伴う45日ルールによる利益確定の動きが出やすく、相場全体の重石となりやすい。FRBによる利上げ継続により米国債券の利回りの上昇(価格は下落)が堅調に出始めていることや、新興国債券も米国の利上げを受けて金利が上昇してきており、先行き債券価格の下落を懸念して債券ファンドの解約が大きくなる可能性がある。そのため、10月に入り先んじてファンド解約に備える債券売り(金利は上昇)が出やすくなる。米長期金利が上昇してくると、突然気が付いたように株価の下落する動きとなりやすい。今年の1月、2月相場は米国の長期金利が急上昇したことがきっかけとなり米国株を始め世界的に株価が急落した。そのため、株価が下落するまでは、日米金融政策の違いや日米金利差からドル買い・円売りは継続しやすいが、株価下落に伴いリスク回避の円買いとポジションの手仕舞いの円買い加速には注意が必要となる。

 

世界各国・地域の中央銀行が保有するドルの外貨準備が減少

国際通貨基金(IMF)が29日に公表した世界各国・地域の中央銀行が保有する外貨準備でドルの占める割合が2013年以降最低となった。一方、中国人民元の比率は4四半期連続で上昇した。世界全体にある外貨準備のうちドルの比率は4-6月(第2四半期)に62.3%と、前期の62.5%から低下した。過去10四半期のうち9四半期で落ち込んだことになる。現行ではドル高傾向が強まっているが、外貨準備のドルの割合が低下していることは、将来的にはドル安につながりやすい。

 

米国市場では9月ISM製造業景況指数が公表

8月実績は61.3となり、7月実績の58.1を大幅に上回った。新規受注指数が7月の60.2から65.1まで大幅に上昇したことが要因となっている。9月については、新規受注指数は伸び悩む可能性があることや、報復関税による企業収益や生産拠点への影響などが指数に多少反映されると予想されており、8月実績をやや下回る可能性が高い。しかし、製造業景況指数自体は60を超える高水準のため、市場予想と一致下場合でもドル売りにつながらないと予想される。

 

欧米イベント

○15:00   8月独小売売上高指数(予想:前月比0.4%/前年比1.5%)
○16:15   8月スイス小売売上高(予想:前年同月比1.7%)
○16:30   9月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:62.0)
○16:50   9月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:52.5)
○16:55   9月独製造業PMI改定値(予想:53.7)
○17:00   9月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:53.3)
○17:30   9月英製造業PMI(予想:52.5)
○17:30   8月英消費者信用残高(予想:13億ポンド)
○17:30   8月英マネーサプライM4
○18:00   8月ユーロ圏失業率(予想:8.2%)
○22:02   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○22:45   9月米製造業PMI改定値
○23:00   8月米建設支出(予想:前月比0.5%)
○23:00   9月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:60.3)
○23:50   テンレイロ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○24:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○2日01:15   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○1-6日   9月ブラジル貿易収支
○米サンフランシスコ連銀総裁にメアリー・デイリー氏が就任
○英保守党の党大会(バーミンガム、3日まで)

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2018/09/28/15:16:13

日経平均株価:米国株高や円安を好感して年初来高値更新

前日の米国市場で反発したことや、日米首脳会談で自動車関税がひとまず回避されたことが好感され、1991年11以来26年10ヵ月ぶりの水準に上昇した、一時490円前後まで上げ幅を広げた。ドル/円で1ドル=113円台と9カ月ぶりの安値となり、業績改善期待から電機や期間など輸出関連株に買いが入った。結局、前日比323円高の2万4120円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りで一時9カ月ぶりの円安

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い/円売りに支えられ一時113.60円付近まで上昇した。日経平均株価が年初来高値を更新したこともあり、リスク選好の動きに拍車がかかった。ただ、一本調子の上昇が続いていることから上値では利食い売りも見られ、113.55円を挟んでもみ合い展開となった。午後は、日米金融政策の違いを意識したドル買い・円売りが再開し、一時113.64円と約9ヵ月ぶりの高値を付けた。その後は、113.50円台を中心とした値動きとなった。ユーロ/ドルは、1.16ドル台半ばで方向感のない値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国人民元安が落ち着いたこともリスク選好の要因

9月に入って人民元は落ち着いた動きが継続した。人民元はオフショア市場で8月中旬に1ドル=6.9586元まで上昇し、2017年1月以来の人民元安が進んだが、中国人民銀行の元安抑制策を受けて8月末は1ドル=6.7817元まで人民元が買い戻された。足もとで人民元は1ドル=6.8元台でのもみ合い相場が続いている。 人民元の先安観は根強いものの、1ドル=7元大台を前に中国人民銀行が人民元安に歯止めをかける意思を示し、李・中国首相も人民元の一段安を望まないとの考えをはっきりと表明したことで、簡単には1ドル=7元の壁は突破しそうもない。為替相場でドル高地合いを継続や新興国通貨の不安定な動きなど、人民元安につながりそうな要因は多いが、中国当局が2016年同様に1ドル=7元の壁を跳ね返せるかに注目したい。

 

欧州市場では9月ユーロ圏消費者物価指数(CPI)が公表

8月実績は前年同月比+2.0%にとどまり、7月実績の同比+2.1%を下回り2.1%から0.1ポイント鈍化した。人件費などのサービス価格の指数の伸びが鈍化したことが要因である。9月についてはエネルギー価格の上昇率は高水準を維持すると予想されるが、サービス価格の伸びは8月並みの水準にとどまるとみられており、全体的なインフレ率は8月実績と同水準になるとみられる。

 

米国市場では8月個人支出が公表

同じ8月分では小売売上高が前月比+0.1%となり、予想の+0.4%や7月の+0.7%を下回った。減税効果の一旦の息切れやガソリンなどの資源価格上昇、輸入関税引き上げによる値上げ懸念などもあって、個人支出も改善ペースの鈍化が警戒される。ただし、同じ8月には雇用統計や平均賃金が改善した。米国では消費者信頼感指数などが高水準を維持しているほか、8月は季節要因として新学期セールが見られている。すでに一定の反動減速は織り込みも進んでおり、懸念ほどには停滞しない可能性も残されている。

 

米国市場では9月ミシガン大学消費者信頼感指数が公表

同じ9月分ではコンファレンスボードの消費者信頼感が138.4となり、市場予想の132.1や前月修正値の134.7を大きく上回った。18年ぶりの高水準となっている。9月は過度な通商摩擦懸念の小康や米国株の再上昇、雇用や賃金の改善傾向持続などもあって、消費マインドの高止まりが意識されやすい。ただし、9月指標の改善については、すでに織り込みも進んできた。先行き通商摩擦懸念やトランプ政権の政治不安、ガソリンなどの資源価格上昇、金利上昇リスクなども警戒されている。市場期待値の目線が高くなっている分だけ、事前期待ほど伸びない失望リスクも残されている

 

欧米イベント

○15:00   8月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比5.90%)
○15:45   8月仏卸売物価指数(PPI)
○15:45   8月仏消費支出(予想:前月比0.3%)
○15:45   9月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.2%/前年比2.3%)
○16:00   9月スイスKOF景気先行指数(予想:101.0)
○16:00   8月トルコ貿易収支(予想:25億ドルの赤字)
○16:55   9月独雇用統計(予想:失業率5.2%/失業者数変化▲9000人)
○17:00   9月ノルウェー失業率(予想:2.2%)
○17:30   4-6月期英経常収支(予想:194億ポンドの赤字)
○17:30   4-6月期英国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比0.4%/前年比1.3%)
○18:00   9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.1%)
○21:00   8月南アフリカ貿易収支(予想:50億ランドの黒字)
○21:30   7月カナダ国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○21:30   8月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.4%)
○21:30   8月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲1.5%)
○21:30   8月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
       個人所得(予想:前月比0.4%)
        PCEコアデフレータ(予想:前月比0.1%)
○21:30   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○21:35   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:20   ラムスデン・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○22:45   9月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:62.5)
○23:00   9月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:100.8)
○29日05:45   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○30日 NZが夏時間に移行

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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