FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/09/15:17:53

日経平均株価:アジア株安が嫌気され手仕舞い売り優勢

上海株などアジア株式市場が軒並み安くなったことで、投資家心理の重荷となった。週末を控えての後場では、買い手控えのなか海外勢の先物への手仕舞い売りに一時下げ幅を260円まで拡大した。結局、前日比236円安の2万2250円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は利益確定売りで上値の重い展開

ドル/円は、日経平均株価の反落や中国株安をながめて利食いなどが持ち込まれ、一意113.82円まで下げた。約1ヵ月ぶりの114円台ということもあり、国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。しかし、下値では日米金融政策の違いを意識したドルの押し目買いも見られ下げ一服となった。午後は、日経平均株価をにらみながら113.90円前後でのもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、米金利先高観からユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.13台半ばの安値圏で推移した。前日に欧州委員会が2019年ユーロ圏成長見通しを下方修正したことも、引き続きユーロの重石となった。

 

中国10月物価指数:市場予想通りとなり金融緩和の余地も

中国の10月生産者物価指数(PPI)の上昇率は4ヵ月連続で鈍化した。需要の低迷が響いた。一方、消費者物価指数(CPI)の伸びは前月と同じだった。この結果を受け、資金調達状況の緩和に向けた中国人民銀行の取り組みに余裕が生まれることが見込まれる。

国家統計局が発表した10月のPPIはは前年同月比3.3%の上昇となり、市場予想通りとなった。9月は3.6%上昇だった。また、CPIは前年同月比2.5%上昇となり、市場予想通りとなった。9月も2.5%の上昇だった。

 

IMFは10月の新興国と発展途上国の経済予測をさらに引き下げ

IMFは10月世界経済見通しで、新興国と発展途上国の予測をさらに引き下げた。6ヶ月前の予測より新興市場国全体は0.2%、発展途上国は0.4%の下方修正となった。予測の下方修正は、特にアルゼンチンやブラジル、メキシコ等ラテンアメリカの重要な国々やインドなど南アジアで顕著となった。先進国は緩和的な金融環境を享受し続けるが、新興国と発展途上国にはこれが該当しない。新興国では金融環境のタイト化が過去6ヶ月で顕著に進んでいる。新興国には、米中『貿易戦争』の不確実性に米国の正常化利上げに伴う資本フローの流出と通貨安が進み株式相場の下落と金利とスプレッドに圧力がかかっている。世界金融危機へのラストアンカーとして08年11月に総額4兆元の景気刺激策を打ち出した中国政府も米中『貿易戦争』を仕掛けられて青色吐息にある。金融・財政の総動員により上海株は年初来27%下落で底入れ感が醸成されるも、G20首脳会議を通じた米中首脳会談で貿易戦争『休戦』に持ち込めなければもはや『世界の工場』中国は立ちいかない。人件費高騰にも豊富な内需があるから6%成長は可能だが、重商主義輸出モデルの終焉は来年6%割れへの成長率低下の可能性が高い

 

FOMCの内容はタカ派:米長期金利に上昇圧力

米連邦準備制度理事会(FRB)は7-8日の2日間にわたって開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を市場の予想通り2.00-2.25%に据え置くことを決定した。声明内容は、前回会合からほぼ変更なく、唯一、企業の設備投資に関して、『企業の設備投資は強かった』から『企業の設備投資は本年始めの強いペースから減速』に修正された。 声明ではまた、『経済の見通しリスクは概ね均衡』『労働市場は引き続き強まっている』「消費は強く拡大」と繰り返したほか、『さらなる暫定的な利上げを想定する』と、依然、12月に追加利上げに踏み切る軌道にあることを再確認した。 一部では、最近の株式相場の急落、民主党による下院多数派奪還で、貿易問題の長期化する可能性などから来年の成長ペースが減速するとの分析をもとに、12月の利上げ見送りの可能性、または、2019年第1四半期に利上げをいったん休止することがほのめかされるのではとの憶測も浮上していた。しかし、声明では、10月の株式相場の急落に関する言及もなく、一方で、賃金の上昇や、住宅や自動車市場の減速にも触れられなかった。 ハト派的な文言は企業の設備投資に関するものだけにとどまった。このため内容は 『タカ派』との見方から、ドル買いも再燃した。

 

欧米イベント

○16:00   10月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比3.4%)
○16:45   9月仏鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.3%)
○18:30   9月英貿易収支(予想:112億5000万ポンドの赤字)
○18:30   9月英鉱工業生産指数(予想:前月比▲0.1%)
      製造業生産高(予想:前月比0.1%)
○18:30   9月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○18:30   7-9月期英GDP速報値(予想:前期比0.6%/前年比1.5%)
○22:30   10月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.2%/前年比2.5%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.3%)
○22:30   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○23:00   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○24:00   11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:98.0)
○24:00   9月米卸売売上高(予想:前月比0.5%)
○24:00   9月米卸売在庫(予想:前月比0.3%)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/08/15:22:32

日経平均株価:前日の米国株高と円安を好感した買い

米中間選挙が市場予想通りの結果となり、前日NYダウが545ドルの大幅続伸が好感され幅広い銘柄に買いが先行した。また、1ドル=113円台後半の円安も支えとなり一時上げ幅を500円近くまで広げ一時節目となる2万2500円台を回復した。結局、前日比401円だかの2万2486円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドルは方向感のないもみ合い相場

ドル/円は、本邦実需筋などのドル買い・円売りや日経平均株価の大幅高に支えられ、113.70円近辺までじり高となった。ただ、FOMCの結果を見極めたいとの様子見ムードが広がり上値を追う動きは限ら、113.65円近辺でのもみ合いになった。午後は米長期金利が小幅に上昇したことがドル買いを誘い、一時113.73円まで上げた。しかし、前日に付けた113.82円が上値目処として意識されると上げ幅一服となり、113.60円中心とした狭いレンジ相場となった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易戦争急速に業績悪化に苦しむ中国企業

わずか11ヵ月前には、中国にはドル建てのディストレス債券(財務危機による生きずまった)は1本もなかった。それが今では全ての新興国・地域を合わせてより多いディストレス債を抱えている。6日時点で、オプション調整後の米国債に対する上乗せ利回りが1000ベーシスポイント(1ベーシスポイント=0.01%)を上回る債券が15本ある。中国に次いで多いのはブラジル3本で、ジャマイカとロシアがそれぞれ2本ある。急成長が何年も続いてきた中国だが、レバレッジに大きく頼る企業セクターにとって貿易戦争と成長鈍化が重石になっている。政府が不動産価格抑制に取り組み、借り換え圧力が高まる状況で、特に不動産開発業者は借り換えコスト増大に直面している。

 

米中間選挙後の米国株市場のマインド

米国株の中間選挙は上院が共和党、下院が民主党というネジレ議会となったが、事前の予想通りとなったことで打撃は限られた。反対にトランプ米大統領が民主党に融和と協力を呼びかけたことや、選挙終了による不透明感の払拭、民主党が前向きなインフラとヘルスケア整備への期待感、トランプ米大統領によるアマゾンなどIT、情報通信会社への規制強化に対する下院民主党の抵抗阻止期待などがプラス要因となっている。

 

イタリアの財政問題の切り札として使われる可能性も

欧州中央銀行(ECB)が長期資金供給オペ(TLTRO)の再実施を検討するとの見方が市場の一部で浮上している。過去に実施したTLTROが2020年から順次、満期を迎える。オペでの資金調達額が多いとされるイタリア銀行の流動性(資金繰り)懸念が強まる中、供給額の急減への対応策を示す可能性が取りざたされている。TLTORは貸出実績に応じてECBが銀行に直接資金を供給する方策。14年にTLTRO、16年にTLTRO2と延期されてきた。1と2を合わせた残高は約7300億ユーロ(約95兆円)で2020年6月から21年3月までに全て満期を迎える。スペイン大手行BBVAの推計では、イタリアとスペインお銀行による調達額がオペ供給額の約6割を占める。このため、ECBは満期到来による資金供給額の急激な落ち込みを避けるため、TLTRO再導入など何らかの流動性対策を検討するとの見立てにつながっている。イタリア財政問題では、TRTLOがEUとのかけ引きに使われる可能性も残る。

 

米国市場では7-8日にFOMCを開催:金融政策は据え置き予想

米国では、FRBが7-8日の2日間にわたりFOMCを開催する。CNBCが行った世論調査によると、アナリスト、ファンドマネージャーといった回答者のうち90%が今回の会合で、FRBが利上げを見送ると見ていることが明らかになった。一方、12月FOMCでは、回答者の85%が利上げを織り込んでいる。来年の利上げに関しては依然、2回と3回に分かれており、平均2.5回となっている。米中間選挙の結果を受けて経済、インフレ、金利見通しに変更があるかどうかを声明で判断していく。ドルはねじれ議会の影響で財政刺激策の可能性が後退し、FRBの利上げで金融刺激策も縮小するため経済成長の勢いが鈍化するとの見方から、ドルの弱気派も根強い。一方、現行の減税などの景気刺激策が覆されるわけでもなく、今までのような力強い成長は期待できないものの、順調な成長が続くと見られ、ドルも上昇基調を維持するとの見方もある。

 

欧米イベント

○15:45   10月スイス失業率(季節調整前、予想:2.4%)
○16:00   9月独貿易収支(予想:200億ユーロの黒字)
○16:00   9月独経常収支(予想:210億ユーロの黒字)
○16:45   9月仏貿易収支(予想:61億ユーロの赤字)
○16:45   9月仏経常収支
○18:00   11月欧州中央銀行(ECB)月報
○22:15   10月カナダ住宅着工件数(予想:20万件)
○22:30   9月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万4000件)
○23:00   10月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.51%)
○9日00:20   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○9日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:2.00-2.25%で据え置き)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/07/15:15:30

米中間選挙は予想通りの展開と伝わる

米議会の中間選挙では上院は共和党、下院は民主党が多数派が握る『ネジレ議会』になる見通しと伝わった。共和党と民主党で一致している政策のひとつにインフラ投資がある。特に民主党はインフラ投資に積極的な方針を持っている。下院の多数派を民主党が取る見通しとなったことで、共和党も今後インフラ投資を積極的に推し進める公算が大きい。一方、トランプ米政権の通商政策に大幅な変更はないと思われる。重要政策を決める権限が大きい上院で過半数を握る見通しとなる。ただ、上下両院で共和党が多数をとることが短期的には米国株にプラスと見る向きがあっただけに、1週間程度は値動きの荒い展開となりやすい。トランプ大統領は自身のツイッターで『今夜は大成功だ。ありがとう』と伝えている。上院で過半数を維持できたことでのツイッターと思われる。

 

日経平均株価:引けにかけて利益売り優勢となり下落して終了

前場は前日のNYダウ173ドル高の続伸を受け買いが先行し一時上げ幅を200円超に広げたものの、米中間選挙判明を前にヘッジファンドの思惑的な売買や1ドル=112円台後半への円高を嫌気した売りに下げに転じたが、共和党が上院『過半数維持』が意識されNYダウ先物の上昇を受け先物主導で再び上げ幅を広げた。その後は、利益確定売りに引けにかけて再び下げに転じた。結局、前日比61円安の2万2085円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米中間選挙の結果報道に乱高下

ドル/円は、米中間選挙の下院において、民主党が優位に進めているとの報道が伝わると、トランプ米政権の政策運営を巡る先行き不透明感から調整色が強まり、一時112.97円まで下げた。しかし、今度は共和党が急速に追い上げているとの報道が伝わると、ショートカバーが入って113.80円台まで急上昇した。その後は、複数のメディアが『米下院では、民主党が過半数を獲得する見通し』と報じたことで、113.40円近辺へ値を下げる荒い値動きとなった。午後は、日経平均株価のさえない動きをながめて持ち調整などのドル売り・円買いが入り113.10円台へ軟化した。ユーロ/ドルは、米長期金利の低下でユーロ買い・ドル売りが優勢だったものの、高値警戒感から伸び悩み1.14ドル台後半から1.14ドル台半ばへ水準を切り下げた。

 

米中間選挙後は再びイタリア財政問題が焦点に

欧州連合(EU)が財政規律ルールに反しているとして修正を求めたイタリアの2019年予算案の再提出期限の13日まで残り1週間を切った。5日開いたユーロ圏財務相会合でユーロ参加国の財務相が結束してイタリアに修正に応じるよう要求した。そして、EUの執行機関である欧州委員会は制裁発動のカードをちらつかせながら、イタリアへの圧力を強めていく構えだ。イタリアは13日までに修正した予算案を欧州委へ再提出しなければならない。イタリアのトリア経済・財務相は5日、『予算案は変わらない』と強調した。EU側の予算修正圧力に応じない姿勢を改めて表明した。予算案に盛り込まれた景気刺激策が成長を底上げし、政府債務残高も減少する見込みだと主張している。そのため、両者が折り合うめどは立たない。

 

欧州市場ではユーロ圏9月小売売上高が公表

8月実績は前月比▲0.2%だった。食品・飲料やオンライン・通信販売が減少した。9月については前月減少した反動で食品、飲料の売り上げ増が見込めるが、自動車燃料などの売上高は減少するとの見方が多く、全体的には小幅な伸びにとどまる可能性が高い。

 

欧米イベント

○16:00   9月独鉱工業生産(予想:前月比0.1%)
○19:00   9月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比0.7%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○20:00   10月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.55%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○24:00   10月カナダIvey購買部協会景気指数
○8日00:30   EIA週間在庫統計
○8日03:00   米財務省、30年債(190億ドル)入札
○8日05:00   9月米消費者信用残高(予想:165億ドル)
○8日05:00   ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○インド(ディワリ)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/06/15:14:47

日経平均株価:良好なトヨタの決算を受け上げ幅拡大

前日のNYダウが190ドル高の反発で投資家心理が改善し短期的な戻りに期待した海外投資家の買いが先行した。決算発表したトヨタが上げ幅を一時3%超に広げて全体相場の雰囲気が上向き幅広い銘柄に買いが入り、一時上げ幅を261円まで広げた。結局、前日比248円高の2万2147円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は底堅い展開が継続

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の反発に支えられ、一時113.30円前後へ値を上げた。しかし、今日から投票が行われる米中間選挙の重要イベントを控えて上値を追う動きは限られ、113.25円近辺でもみ合う展開となった。午後は日経平均株価の上げ幅拡大をながめて持ち高調整などのドル買い・円売りが入り、113.38円前後までじり高となった。ユーロ/ドルは、1.1405ドル近辺で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

豪準備銀行は現状の金融政策を維持継続

豪中銀は理事会で、景気堅調ながら物価と賃金の伸びが鈍く住宅価格が下落傾向にあるため政策金利を過去最低水準の1.5%に据え置き、引き続き景気重視の姿勢を維持した。ロウ豪中銀総裁は生命で『2018-19年の経済成長率が3.5%前後と見通す』と景気良好差を示した一方、『経済(賃金)経済の成長期にはもう少し、力強く上昇すべき』と伸びの鈍さの懸念を示した。もちろん、豪州経済はリセッションなき期間がこの4-6月期で108四半期連続と世界最長記録を更新、引き続き景況感は良好とされるが賃金・物価の伸びと住宅市場の弱さに鑑み利上げ加速を回避した。

 

米中貿易戦争による中国の景気減速感が表面化

米中防衛摩擦は9月末に『第3弾目』関税賦課が発動され、中国の輸出入への開く盈虚が懸念される。10月の財新サービス業PMIは50.8に低下し、13カ月ぶりの低水準となった。新規受注は約10年ぶりの低水準となるなど、内需を取り巻く状況の厳しさを示唆している。先行きへの期待は高いなど『総悲観』にはなっていないが、足もとの景気減速は深刻化している。こうした中、政府は『弱い分野』のインフラ投資強化を通じた景気下支えに動く。短期的には中国景気にプラス作用する一方、下表債務問題など中長期的課題の『先送り』が懸念される。

 

米中間選挙を控えリスクリバーサルでは円安傾向

将来の為替レートを予測する通貨オプション市場ではドルを『買う権利』から『売る権利』の需要を引いた『リスクリバーサル』の1週間ものが6日午前にマイナス0.7%台となり、1週間前の10月29日にマイナス1.2%台から上昇した。この指数は上がるほど、市場参加者が将来のドル高・円安を見込む比率が多いことを示す。米議会で上院が与党共和党、下院は野党民主党が過半数を獲得すれば、為替相場はドル安・円高となるのが市場の見方となっている。予算案などが議会を通りにくくなり、国内政治の停滞感からトランプ氏の外交の強硬姿勢が強まることも予想されため市場のセンチメントが高まりやすくなる。一方、共和党が上下院の過半数を獲得すれば、追加減税などへの期待も高まり、16年の大統領選挙後のような株高やドル高相場が予想されている。リスクリバーサルから判断すると、為替市場は後者のシナリオを意識し始めている可能性がある。

 

米中間選挙後も米長期金利上昇で株価の重石

市場では、米中間選挙後に株高が継続するとの楽観論に懐疑的な見方がある。それは、米長期金利が再び上昇し始めていることである。米債券市場では30年物国債利回りが2日に3.4%台まで上昇(価格は下落)し、14年夏以来の水準を付けた。米長期金利の指標となる10年債利回りはまだ10月上旬の水準を超えていないものの、3.2%台まで窓している。10月の世界同時株安のきっかけは米金利浄書うだった。賃金上昇に伴うインフレ期待が金利高につながっている可能性が高く『その傾向は米中間選挙後も変わらない』との見方が大勢となっている。もし、選挙で与党・共和党で過半数を握ると『トランプ米政権が掲げる追加減税の実現の可能性が高まり、(財政悪化懸念から)金利上昇に弾みが付いて株売りを促す可能性が高い。グローバル製造業PMIは10月に前月比0.1ポイント低い52.1と6ヵ月連続で低下するなど世界景気の減速は鮮明となっている。世界経済の成長加速が描けないなかで米長期金利だけが上昇すると、PER(株価収益率)が高い成長あk部への資金流入は期待しにくい。米株式市場ではアップルやアマゾン・ドット・コムなどのIT株や中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団の米預託証券(ADR)も下げ基調が続く中、日本株だけが戻りを試す展開にはにりにくい。

 

欧米市場イベント

○16:00   9月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.6%)
○16:30   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:50   10月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値(予想:55.6)
○17:55   10月独サービス部門PMI改定値(予想:53.6)
○18:00   10月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:53.3)
○19:00   9月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.4%/前年比4.2%)
○20:15   クーレECB理事、講演
○21:00   ラウテンシュレーガーECB専務理事、講演
○22:30   9月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比0.4%)
○7日03:00   米財務省、10年債(270億ドル)入札
○6-7日   10月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.4%)
○欧州連合(EU)財務相理事会(ブリュッセル)
○米中間選挙(大勢判明は7日午後の見込み)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/05/15:13:00

日経平均株価:米中貿易摩擦への楽観的な見方後退

クドロー米NEC委員長が早期妥結に否定的な見方を示した米中『貿易戦争』への楽観的な見方が後退し前週末のNYダウが109ドル安の反落も投資家心理を冷やし売りが優勢となった。結局、前週末比344円安の2万1898円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株価反落もドルは底堅い

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りに支えられ、一時113.25円へ値を上げた。しかし、明日から始まる米中間選挙を控え、上値を追う動きは限定的だった。その後は、日経平均株価や上海総合株価指数の反落をながめ、113.10円台を中心とした狭いレンジでもみ合った午後は、米金利の先高観から短期筋などがドル買い・円売りを持ち込み113.30円前後までじり高となった。ただ、前週末にNY市場でつけた113.30円が意識されると上げは一服となった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本経済の減速懸念が高まる可能性も:自然災害と輸出額鈍化

内閣府が14日に公表する予定の2018年7~9月期国内総生産(GDP)は2期ぶりにマイナス成長になる見通しとなっている。夏場の西日本豪雨や北海道地震、台風など自然災害の影響で生産や出荷が滞ることに加え、中国の好況投資など17年の拡大をけん引していた要因がなくなり『18年は景気減速のフェーズに入っている。』9月は鉱工業生産指数(速報値)が今年1月以来の低水準となったほか、貿易統計(速報、痛感ベース)では輸出額が1年10ヵ月ぶりに前年を下回った。

 

トルコの10月消費者物価指数(CPI)に注目

前月比では+2.00%と前回の+6.30%から伸び率の低下し、前年比では+24.50%と前回の+24.52%からほぼ横ばいが市場予想となっている。9月のトルコ中銀による大幅利上げや通貨安懸念も後退していることで、インフレ高騰の一服が確認されるかが焦点となるただし、前回の9月CPIは前回値から大きく上振れており、今回も警戒は必要となる。市場の見込み通りにインフレが改善傾向となれば、トルコ・米国間の溝が埋まりつつあること支えに、トルコリラは上値を試す可能性がある。問題はインフレ上昇お勢いが止まらなかった場合の反応である。前回は予想を上回る結果に失望売りが先行し、追加利上げへの期待が徐々に高まり反発した。今回も予想を上振れとなれば、依然として利下げ信奉者であるエルドアン大統領のもとで、中銀の独立性に対する様々な思惑が交錯することになりやすい。

 

英国のEU離脱に対しての問題点:11月21日までに合意できるか焦点

英国のEU離脱は2019年3月29日と決まっている。EUと英国はこれに向け条件や手続きを定める離脱協定を交渉している。合意しても正式に協定を結ぶにはともに議会などの動意が必要で、時間を要するため10月中の協定合意を目指してきたが、いまだ合意はできていない。合意を阻んでいるのは、関税問題となる。離脱協定なしに離脱すると関税を巡り混乱する恐れがある。しかし、勝手に抜け出そうとする英国に対し関税面で優遇措置をEUとしても与えづらい。そこにアイルランドの問題が絡んできている。アイルランドと英国領である北アイルランドには国境がある。しかし、英領北アイルランドと接するありるランドは関税同盟と単一市場に参加しており、現在、国境には検問所や税関がない。英国とEUはこの国境開放を維持することで一致しているが、国境を管理しないでいかに通関手続きを行うことが可能なのかがネックとなっている。時間は限られていることは確かであり、11月7日~18日に予定されている臨時首脳会議までに合意する、いや合意しないとの観測が入り乱れている。実質的な交渉期限は『11月まで』から『クリスマス』に延びているとされた。ただし、ここにきてややや進展もみられるようで、英国のラーブ英離脱担当相は議員い宛てた書簡で、EUとの離脱交渉が11月21日までに妥協することを示唆した。

 

米中間選挙が市場の関心を支配:共和党が両院支配ならポジティブサプライズ

多くのメディアは、下院では民主党が過半数を制する可能性が高いと予想している。その通りの結果となればトランプ政権下では初のネジレ状態となり、予算が人質に取られる形で大統領と議会との対立がより激化する。そのため、政府の窓口閉鎖などといった事態がこれまで以上に深刻化する可能性もある。もっとも、ここ数年の選挙に対するメディアの予想は覆される結果となることが多い。今回の中間選挙についても、どちらに転ぶか分からない激戦州とされる地区の結果次第でどちらにも転ぶ可能性がある。仮に、共和党が両院を支配しる今の構図が継続する結果となる場合、これまでのような景気刺激的な経済政策の継続に期待する形で、市場にはポジティブサプライズとなりやすい。

 

欧米イベント

○16:00   10月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比2.00%/前年比24.50%)
○18:30   10月英サービス部門購買担当者景気指数(PMI、予想:53.3)
○22:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:25   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○23:45   10月米サービス部門PMI改定値(予想:54.6)
○23:45   10月米総合PMI改定値
○24:00   10月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:59.3)
○6日03:00   米財務省、3年債(370億ドル)入札
○米国、対イラン制裁第2弾(原油禁輸)発動
○ロシア(民族統一の日)、休場
○米国は4日から冬時間に移行済み

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