FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/06/15:19:01

日経平均株価:利益確定売りに上げ幅縮小

前日のNYダウが172ドル高と3日続伸したことを好感して海運や鉄鋼、化学など景気敏感株が買われた。公的年金など海外長期マネーの買いに加え訪日外国人連想買いも入り一時上げ幅を100円超へ広がったが、利益確定売りに押された。結局、前日比29円だかの2万0874円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:メキシコ国境の壁建設問題で再び政府機関の閉鎖懸念

ドル/円はトランプ大統領が一般教書演説を行い、メキシコ国境の壁建設に向けた決意を改めて表明した。与野党の対立が続き、一部政府機関が再び閉鎖されるとの警戒感から、ドル/円はポジション調整などのドル売り・円買いに押されて109.63円近辺まで下落した。また、豪準備銀行(RBA)ロウ総裁のハト派的な発言を受けた豪ドル/円の急落が波及した面もあった。しかし、このところ発表されている米経済指標の改善で、米景気先行き懸念が和らいでいることからドルの下値も限定的だった。午後は、日経平均株価の動向をにらみながら109.80円前後でもみ合い展開となった。ユーロ/ドルは、1.1400ドル近辺での小動きが続いた。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ロウRBA総裁発言で豪ドル売り加速

ロウRBA(豪州中央銀行)総裁が『政策金利に対する見通しはより均衡している』と発言した。これまで『次の政策変更は金利引き上げ』との見解を示していただけに、豪ドル売りが強まる展開となった。昨日のRBAでは『声明文に何も変更がなかった』との理由から、豪ドル買いとなっていたが、本日は一転して豪ドル売りとなった。

 

3月末にかけてのドル売り・円買い需要の規模は減少するか?

ドル/円は、1月3日に109円台から104円台に急落するフラッシュ・クラッシュに見舞われた。1月3日の急落は『今年のドル安・円高混乱を先取りした予兆シグナル』として注目が集まっている。過去実績として1月の年明けからドル安・円高が激化すると、日本企業による3月の年度末決算対策での混乱を招いてきた。少しでも為替差損を軽減させるため、狼狽的な海外収益の円転や輸出ドル売り手当て、米国債処分、為替ヘッジ対応などが活発化した。ドル売り下がりやドル戻り売りの圧力が累増し、3月の年度末にかけて、ドル安・円高のモメンタムが増幅されるパターンが繰り返されている。
今年の場合、3月期末に向けて需給ドル安・円高が強まる時期でも、2月上旬時点であっさりと1月のドル高値110.01円前後を上抜ける場面が見られている。
過去にドル/円の年度末相場で1月ドル高値を2月高値が上回った場合、3月末にかけての季節的なドル売り・円転需要の相対的な規模減少が示唆されてきた。

 

米国債発行増加はドル安かドル高か?

米国債市場では今週、5-7日に米財務省が入札を実施する。米財務省は1月30日に2月実施の四半期・米国債入札に関して、長期債の発行額を840億ドルと過去最高水準に引き上げた。3カ月前時から10億ドルの増加となっている。入札にかけては需給悪化懸念が米国債金利の上昇(債券価格は下落)となってドルを下支えする一方、実際の入札で根強い需要が確認されると、米国債金利低下とドル安の材料となり得る。米国での国債発行増は、米財政赤字の拡大などによるドル安要因となるものだ。その一方で、過去実績では、1)米国債需給の悪化などによる米債金利の下げ渋りや上昇、2)国債増発と裏表の歳出増加による米国景気の下支え効果、3)米財務省による米国債ファイナンスの優先度上昇と外国マネーの取り込み重視(過去には日本の当局によるドル買い介入=米国債購入の黙認ケースも)、4)国債増発に付随した海外からのドル買い需要増加や、米政府のドル安誘導自粛、などを通じて、ドルの下支えやドル高につながるパターンが目立っている。

 

 

米国市場では11月貿易収支が公表

10月実績は▲554.88億ドルと赤字幅は拡大した。財・サービスの輸出は伸び悩んだが、消費財の輸入額が増加し、赤字幅は拡大した。10月の対中貿易赤字額は+7.1%、431.02億ドルと金額ベースで過去最高値水準となった。11月については、財・サービスの輸出が引き続き伸び悩むと予想されており、赤字額は10月実績に近い水準なる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   12月独製造業新規受注(予想:前月比0.3%/前年同月比▲6.7%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   11月米貿易収支(予想:540億ドルの赤字)
○22:30   12月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲1.0%)
○24:00   1月カナダIvey購買部協会景気指数(予想:56.0)
○7日00:30   EIA週間在庫統計
○7日03:00   米財務省、10年債入札
○7日05:00~   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○6-7日   1月ロシア消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.2%)
○英中銀金融政策委員会(MPC、7日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/04/15:14:07

日経平均株価:業績予想の下方修正が上値の重石に

主要企業による2019年3月期通期業績予想の下方修正が相次ぐ中、積極的な売買は手控えらる投資家が多く様子見ムードが強まった。結局、前週末比95円高の2万883円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:心理的な節目となる110円が重石に

ドル/円は、日経平均株価の続伸に支えられ、一時109.60円まで上昇した。先週末に発表された米経済指標が好調だったことも、ドルの押し上げにつながった。午後もこの流れは続き、109,78円までじり高となった。ただ、心理的節目の110.00円が視野に入ると、ドルの挙げは一服した。その後は、5日に予定されているトランプ大統領の一般教書演説を控えて利食い売りも見られ、109.75円を挟んだもみ合いの展開となった。ユーロ/ドルは、欧州の景気減速懸念から持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いに押され1.1442ドル程度まで下落した。

 

市場はハト派のFRBを歓迎するが日銀は複雑

BEFRBが利上げを一旦停止するなどのハト派的な姿勢を打ち出したことで、世界の市場参加者は好感している。しかし、明るい表情を浮かべていないのが日銀である。金融政策運営が抱える難しさが一段と増している。FRBのハト派転換は今後じわじわと円高圧力を生みやすい一方で、日銀は金融和手段が乏しい状態となっている。また、FRbの利上げ停止や保有資産縮小の早期終了は、米長期金利への下げ圧力となり、円高進行を招きやすい。さらに、FRBの『年内利上げなし』は為替市場に織り込まれているが、『利下げ観測』が広まるようなら一段の円高が進行しやすい。問題はその円高を防止する有効な武器が日銀に乏しいことだ。

 

米中か閣僚級通商協議は3月1日の交渉期限まで油断出来ず

1月30-31日に米ワシントンで開かれた米中の閣僚級通商協議は、波乱なく通過したようだ。中国の劉鶴副首相が率いる中国の代表団と、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が責任者を務める米国側は、貿易均衡、技術移転、知的財産権の保護、非関税障壁、サービス業、農業、合意の実行などを巡って、双方は『率直で具体的、建設的な議論ができた』とした。双方は知的財産権の保護と技術譲渡を重視し、協力を強化することで合意したほか、効果的な措置を講じて米中貿易の均衡化を推進するとした。劉氏はトランプ大統領との会談で、習中国主席の親書を渡した。親書には米国産農産物の輸入拡大が盛り込まれており、『大豆の輸入を500万トン増やす』と伝えた。また、中国側は2月に首脳会談を2月に行うことを提案し、トランプ米大統領も貿易協議の最終合意を目指して習国家主席と再び会談する方針を示した。首脳会談を前に米国の交渉担当者が2月半ばにも訪中する見通し。お互いに『重要な進展』があったと強調するも、トランプ政権が注視する構造問題などで隔たりが残る模様。米中貿易摩擦の激化懸念を深める結果とはなっていないものの、合意に向けて大きく進展したとも言えず、3月1日の交渉期限に向けて続く交渉に注目したい。

 

英国のEU離脱については綱渡りの展開続く

政府の離脱合意案が英国議会で否決されたことを受け、メイ首相は南北アイルランド国境管理の安全策の見直しでEU側と再折衝し、2月14日頃に合意受け入れの是非を問う二度目の議会採決に臨む方針だ。 初回投票で政府方針に反対した与党議員は、EU残留派、穏健離脱派、強硬離脱派の合計118名。その大多数を政府方針の受け入れに翻意させない限り、二度目の投票も失敗に終わることになる。 『安全策が恒久措置ではない』とのより踏み込んだ法的約束を交わすことが出来るか、造反議員の大多数を納得させることが出来るか、離脱協議は綱渡りの展開が続いている。

 

本当に米国経済は底堅いのか遅延している指標発表が待たれる

最新の1月雇用統計は予想を上回る30万人超の雇用の伸びを示した。米国の雇用は100カ月連続での増加を記録、労働市場のひっ迫が証明された。市場エコノミストやFOMCメンバーが2019年の成長減速を警戒する中、クドロー国家経済会議(NEC)委員長やムニューシン米財務長官など米国トランプ政権の経済チームは2019年も経済が3%成長の軌道にあると強気。果たしてFOMCが年内の利上げに踏み切れるかどうかは今後の指標次第となる。政府機関閉鎖のために遅れた11月の耐久財受注、11月貿易収支、ISMはサービス業の指数に注目される。また、昨年10-12月期の国内総生産(GDP)速報値や12月の小売り売上高指数の発表が待たれる。

 

欧米イベント

○16:00   1月トルコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比1.00%/前年比20.29%)
○17:30   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30   1月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:52.4)
○19:00   12月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.6%/前年比3.2%)
○23:00   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○24:00   11月米製造業新規受注(予想:前月比0.2%)
○メキシコ(憲法記念日)、休場

 

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/01/15:19:59

日経平均株価:中国経済指標悪化を受けて上値が重い展開

前日の米ハイテク株や米IT株の上昇を好感し電機関連や精密機器関連など主力株に買いが先行し一時上げ幅を150円超に広げた。しかし、財新・マークイットが発表した中国の製造業PMIが悪化したことを受けて下げに転じる場面があった。引けにかけて押し目買いが入りプラス圏で終了した。結局、前日比14円高の2万0788円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:株価にらみの展開に終始

ドル/円は、日経平均株価が伸び悩んだことや財新・マークイットが発表した1月中国製造業PMIが約3年ぶりの低水準へ落ち込んだことを背景に108.72円付近まで下落したただ、米1月雇用統計を控えて結果を見極めたいとのムードもあり、下押しは限られた。その後は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや中国株高に支えられ108.90円近辺へ持ち直した。午後は、株価にらみながら108.80円台を中心にもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、ドイツ経済の先行きやイタリアのマイナス成長を警戒したユーロ売り・ドル買いが優勢となり1.1435ドル付近へ下落した。

 

インフレ報告書が引き締め継続示唆でトルコリラ買い安心感

トルコ中央銀行が公表した四半期インフレ報告書をきっかけに、当面は利下げはないとの見方が広がった。米FRBが金利引き上げの姿勢を後退させていることも米ドル安を通じてリラ買い安心感につながっている。トルコ中銀は1月30日に最新のインフレ報告書を発表し、2019年末のインフレ率見通しを14.6%とした。2019年10月時点の15.2%から下方修正し20年末のインフレ見通しも引き下げたが、市場関係者が注目したのは予想の前提が『引き締め的な政策スタンス』だった点である。

 

欧州企業とイランの取引支援組織を発足

仏独英の3カ国は、ドルを介さずにイランとの貿易を行うための特別目的事業体(SPV)を正式に発足したと明らかにした。米国の対イラン制裁再開後もドルを介さずにイランとの貿易を継続する。 米国は昨年、欧州主要国の反対を押し切ってイランと主要国が2015年に合意した核合意を離脱し、経済制裁を再発動させた。 イランも、欧州が同国の経済的利益を保証しない限り核合意から離脱するとしていた。 欧州は、イランが核合意を順守することを条件に欧州企業とイランの取引を支援する方針を示していた。 新組織の名称は『貿易取引支援機関(INSTEX)』で、フランスで登録された。仏独英が株主で、今後他国の参加も期待されている。 イランが石油とガスを輸出し、代わりにEUから製品を購入するなどの制度が検討されている。ただ、現実的には、人道支援のための製品や食糧などを対象とした小規模の取引にのみ使われる見通しという。

 

FRBが示した『暗黙の謝罪』:WSJ紙コラム

謝罪は受け入れられた。ここで言う謝罪とは、パウエル米FRB議長と他のFOMCメンバーが30日、昨年12月の経済状況の判断ミスについて金融市場に示した暗黙の謝罪のことだ。2019年中に1回もしくはそれ以上の利上げを行うとの見通しを示してから6週間が過ぎた今、FRBは再利上げには『忍耐強くある』姿勢を示すに至った。
パウエル議長はFOMC後の記者会見で『追加利上げの必要性を見極めたい』と説明した。利上げを再開させる可能性のある要素として、インフレの再燃を挙げている。

 

米国市場では1月雇用時計が公表

2019年は米国経済の成長鈍化が懸念される中、労働市場の動向を見極める。ただ、雇用はどちらかというと遅行指標であるため、最新の景気動向の判断に直接つながりにくい。市場予想では、失業率が3.9%、非農業部門雇用者数は16.5万人と、12月の31.2万人から伸びが半減する公算となっている。また、平均時給は前月比+0.3%、前年比+3.2%(12月+0.5%、+3.2%)となっている。労働省が発表する雇用統計との相関関係が最も強いとされる民間雇用の統計であるADP雇用統計の1月分は前月比+25.3万人と、予想外に11月+26.3万人に続き2カ月連続で20万人台の伸びを記録し、労働市場がひっ迫している新たな証拠となった。ADPの民間雇用統計は順調だった一方で、最新の週次失業保険申請件数は予想外に大幅に増加、2017年9月以降1年4カ月ぶり高水準となった。政府機関閉鎖が要因である可能性もあるが、シアーズやKマートなど大規模小売り店の閉店にともなう大量解雇による影響も指摘されている。政府職員は機関閉鎖でも、閉鎖解除され次第、賃金が後払いされることが保証されていたため本来は失業保険申請の対象にはならない。しかし、政府の契約企業の社員による失業保険申請が増えた可能性もある。

 

欧米イベント

○15:45   1月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲5)
○16:00   1月トルコ製造業PMI
○16:30   12月スイス小売売上高(予想:前年同月比横ばい)
○16:45   12月仏財政収支
○17:30   1月スイスSVME購買部協会景気指数(予想:55.8)
○17:50   1月仏製造業PMI改定値(予想:51.2)
○17:55   1月独製造業PMI改定値(予想:49.9)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:50.5)
○18:00   1月ノルウェー失業率(予想:2.4%)
○18:30   1月英製造業PMI(予想:53.5)
○19:00   1月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.4%)
○19:00   1月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○22:30   1月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化16.5万人/失業率3.9%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.2%)
○23:45   1月米製造業PMI改定値(予想:54.9)
○23:45   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○24:00   11月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○24:00   11月米卸売売上高(予想:前月比▲0.1%)
○24:00   11月米卸売在庫(予想:前月比0.5%)
○24:00   1月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:54.2)
○24:00   1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:90.8)
○2日03:00   1月ブラジル貿易収支(予想:34.00億ドルの黒字)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/31/15:14:08

日経平均株価:米国の利上げ後退観測から買い優勢

米FRBの正常化に向けた利上打ち止め観測から前日のNYダウが434ドル高と続伸したことが好感された。海外ヘッジファンドの先物の買い戻しなどに朝方一時上げ幅を313円へ広げた。ただ、1ドル=108円台後半への円高を嫌気して買い一巡後は伸び悩む展開となった。結局、216円だかの2万0773円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米金利先高観測後退で総じてドル売り

ドル/円は、FOMC声明やパウエル米FRB議長の会見が利上げに慎重なハト派寄りの内容だったことを背景に、108.85円付近まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。午後もドル売りの流れは続き、米金利先高観が後退する中で108.70円程度まで軟化した。ユーロ/ドルは、FRBの利上げ打ち止め観測から一時1.1508ドルまで上昇した。約3週間ぶりのユーロ高・ドル安となった。

 

米中通商協議では両国とも引けず今後も継続か

30-31日予定されている米中通商協議に注目が集まっている。米中貿易戦争の影響で、中国の景気減速が鮮明になり、中国政府はその対応に追われている。一方、トランプ米大統領は中国経済の勢いが弱まっていることで米中交渉に楽観的で、強気姿勢を崩していない。中国政府はトランプ政権の行動は、世界経済で優位に立つのが必然となっている中国を抑え込もうとするのが目的で、米国が求める構造改革に簡単に応じるわけにはいかない。また、今後もことあるごとに『追加関税』で脅しをかけられることも警戒している。今月末の協議では懸案の構造問題で大きな進展があるとは思えず、両国ともに一定の進展があったと表明する可能性が高い。トランプ政権は3月2日までに協議がまとまらなければ、追加関税を導入するとしており、期限ぎりぎりまで協議は続くと予想される。

 

欧米市場では10-12月期ユーロ圏域内総生産を公表

7-9月期域内総生産(GDP)確報値は前年比+1.6%で改定値の同比+1.7%から下方修正された。10-12月期については、12月のユーロ圏総合PMIが11月の52.7から51.1に絵地価していることから、成長率の鈍化が予想される。前期比+0.2%、前年比では1%台前半にとどまる可能性がある。

 

先行き不透明感の強い英国のEU離脱協議

英国議会は29日、議会主導での協議期限延長を可能にする修正動議を否決した一方、北アイルランド・バックストップの変更を求める修正動議を可決した。メイ首相はバックストップ変更でEU側と近く再折衝を開始、2月14日を目処に合意受け入れの是非を問う二度目の下院採決を行う方針となっている。 バックストップの終了時期や終了方法を付帯文書や附則で合意する案が英EU双方で受け入れ可能かは予断を許さない。二度目の下院採決も否決されれば、政府は協議期限の延長に舵を切る展開が予想される。 期限延長後も協議の膠着が続く場合、合意なき離脱や協議期限の再延長よりも、国民投票のやり直しの可能性が高まった。

 

FOMCの声明で経済活動の勢いが弱まっているとの認識

米連邦公開市場委員会(FOMC)は市場予想通りに金利の据え置きを決定した。声明では 『労働市場が引き締まり続け、経済活動は堅調なペースで拡大している』と前回の『力強い』から『堅調』に変更し、勢いが弱まっているとの認識を示した。また、『いくらかのさらなる緩やかな利上げが適切』と文言を削除し、『世界経済および金融動向、インフレ圧力の低下を考慮すると、委員会は適切な政策金利の決定にあたり辛抱強くなれる』との文言を加えた。 さらに、今回は声明文とは別に長期的な政策方針に関する追加資料も開示し、金融政策の実施とバランスシートの正常化に関する声明を公表した。

 

欧米市場イベント

○16:00   12月トルコ貿易収支(予想:27億ドルの赤字)
○16:00   12月独小売売上高指数(予想:前月比▲0.6%/前年比1.5%)
○16:00   1月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○16:45   1月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比▲0.6/前年比1.2%)
○17:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○17:55   1月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化▲1万人)
○18:30   12月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.5%/前年比5.9%)
○19:00   12月ユーロ圏失業率(予想:7.9%)
○19:00   10-12月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.2%/前年比1.2%)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○19:15   メルシュECB専務理事、講演
○21:00   12月南アフリカ貿易収支(予想:90億ランドの黒字)
○21:30   1月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
○22:30   11月カナダGDP(予想:前月比▲0.1%/前年比1.6%)
○22:30   12月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.2%)
○22:30   12月カナダ原料価格指数(予想:前月比4.0%)
○22:30   10-12月期米雇用コスト指数(予想:前期比0.8%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21.5万件/172.1万人)
○23:45   1月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:61.5)
○24:00   11月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.9%/56万件)
○2月1日01:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○1日06:00   11月対米証券投資動向
○米中閣僚級貿易協議(ワシントン、最終日)

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2019/01/30/15:18:58

日経平均株価:東証マザーズ指数の下落を嫌気

前日のNYダウの反発や中国の景気減速への過度な警戒感が応対したことで買いが先行した。しかし、サンバイオが、米国で共同開発していた慢性期脳梗塞を対象とする再生細胞医薬品の臨床試験について『腫瘍評価項目を達成できなかった』との報道で、失望した投資家からの売りでストップ安となり、東証マザーズ指数が大幅に下落した。投資家心理が冷え込み一時下げ幅を140円近くに広げた。しかし、日銀の株式ETF買い思惑に下げ渋った。結局、前日比108円安の2万0556円と反落して終了した。

 

 

東京外国為替市場:月末絡みのドル売りが観測も持ち直し

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が100円超となったことが嫌気され109.21円まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。しかし、前日に付けた109.14円が下値の目処として意識されると、下げも一服した。その後は、過度なリスク回避姿勢が後退すると、109.30円付近へ切り返した。午後も株価にらみの展開となり109.30円台を中心とした狭いレンジ内でのもみ合い相場となった。FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強く取引は閑散となった。ユーロ/ドルは、1.140ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国のEU離脱で『合意なき離脱』の可能性も残る展開

英下院は29日夜(日本時間30日朝)、欧州連合(EU)離脱を巡り、メイ首相が推進してきた離脱合意案の主要条項を変更することを求める議員提案を賛成多数で可決した。メイ氏は、いったん下院が否決した合意案のうち、根幹部分の離脱協定についてEUに再交渉を要請する方針で、下院がこれを支持する格好となった。EU側は離脱協定を『再交渉しない』との姿勢を明確にする声明を出した。
3月下旬の離脱日まで60日を切り、『合意なき離脱』へ突き進む恐れが残っているため、下院はこの日、合意なき離脱を拒否するとの超党派議員提案も賛成多数で可決した。

 

CFTCは1日より公表再開:遅れを取り戻すまで火・金曜日に公表

米商品先物取引委員会(CFTC)は、政府機関の一部閉鎖で遅れていたIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組の公表を1日に再開し、公表スケジュールを調整すると発表した。 1日にまず12月24日までの週のデータを公表し、それ以降は公表の遅れを取り戻すため、火曜日と金曜日に公表し、通常のスケジュールに戻すという。
IMM通貨先物の非商業(投機)部門取組は通常は、毎週金曜日の午後に直前の火曜日時点のデータが公表されている。 CFTCの調整ペースに基づくと、政府機関が再び閉鎖されなければ、通常のスケジュールで最新のデータが公表されるのは3月8日からになる。 トランプ大統領は25日、政府機関の一部閉鎖解除に向け、2月15日までの資金を手当てするつなぎ予算案に署名した。

 

アップルの決算発表:下方修正は織り込み済みの展開

29日の米国株式市場では、米アップル株が時間外取引で一時、6%高まで買われる場面があった。この日の通常の取引終了後に公表された2018年10-12月期決算は9四半期ぶりの減収減益となったが、2日に売上高見通しの引き下げを公表しており、市場ではほぼ織り込み済みの内容だった。先行きへの過度な懸念は後退し、買い戻しが優勢となった。

 

米国市場ではFOMC会合の結果発表

12月に2018年4回目となる利上げに踏み切ったのち、政策金利を据え置く見込み。声明では、①全般的な経済活動判断を従来の『強い』から『堅調』に下方修正される可能性が指摘されている。そのほか、②FOMCは『some further gradual rate increases いくらかのさらなる利上げ』という文言を削除し、リスクバランスに関する判断を修正、または削除することにより、利上げ休止を示唆する可能性が指摘されている。より辛抱強く行動し、より指標次第の方針に傾斜すると見られる。また、バランスシート方針に関しても柔軟性を強調する可能性がある。また、 パウエル議長が会見で、当面政策金利を据え置き、3月の利上げ見送り、その後に行動する可能性を示唆すると見ている。FOMCによる利上げはすでに終了したとの見方もある。ただ、2019年はあと1回の利上げで終了するというのが平均的な見通しとなっている。市場の見解はFOMCよりも悲観的な見方をしている。

 

欧米イベント

○15:00   12月南アフリカマネーサプライM3(予想:前年比5.78%)
○15:30   10-12月期仏国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.1%)
○16:00   12月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.8%/前年比2.1%)
○16:00   2月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:10.3)
○16:45   12月仏卸売物価指数(PPI)
○16:45   12月仏消費支出(予想:前月比▲0.2%)
○17:00   1月スイスKOF景気先行指数(予想:97.0)
○18:30   12月英消費者信用残高(予想:8億ポンド)
○18:30   12月英マネーサプライM4
○19:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲7.9)
○19:00   1月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:106.8)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:00   1月独CPI速報値(予想:前月比▲0.9%/前年比1.6%)
○22:15   1月ADP全米雇用報告(予想:17.8万人)
○23:00   10-12月期メキシコGDP速報値(予想:前期比0.2%/前年比2.0%)
○24:00   12月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.5%/前年比▲7.0%)
○31日00:30   EIA週間在庫統計
○31日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:2.-2.50%で据え置き)
○31日04:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○米財務省3年、10年、30年債入札条件
○米中閣僚級貿易協議(ワシントン、31日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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