FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/29/15:15:28

日経平均株価:日銀のETF買い入れの思惑や上海株持ち直しを好感

市場予想を下回る米建機大手のキャタピラーの決算等を受け、前日のNYダウが209ドル安の反落に投資家心理が悪化し景気敏感株中心に売りが先行した。上海総合株価指数の下落も重荷となりヘッジファンドなど海外短期筋の先物への売りで下げ幅を一時240円超まで広げた。日銀の株式ETF買入れの思惑や持ち直した上海株に連れ高となった。結局、前日比15円高の2万0664円と小幅続伸で終了した。

 

東京外国為替市場:株価の持ち直しでドル買い戻しの展開

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が200円を超えたことや中国株安が嫌気されて109.13円近辺まで下落した。月末に絡む国内輸出企業のドル売り・円買いも観測された。ただ、心理的節目の109.00円が視野に入ると、値ごろ感からドルを買い戻す動きもあり、109.20円前後でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価の持ち直しに支えられて109.30円台へじり高となった。米長期金利が小幅ながら上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台前半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

NY市場では再びアップルショックのリスクも

米アップルが29日に発表する決算でクリアすべき水準は信じられないほど低く見えるかもしれない。だが実際はそうではない。確かに、期待値はかなり引き下げられてきた。アップルが初めてiPhone(アイフォーン)事業が不振に陥っているということを明かした11月の決算発表以来、同社の時価総額は30%も縮小し、世界第1位の座から転落した。

 

英国議会では代替案の賛否と問う採決

混迷が続く英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、英議会は29日、メイ首相の代替案と与野党の議員による複数の修正案を採決する。今回の採決はEUとの離脱協定としての是非を問う正式なものではなく、その前段階として代替案の方向性の賛否を問う。一方で一部の議員からは経済に混乱を及ぼす『合意なき離脱』の阻止を求める修正案が出る見通しで、この対応で政権内でも分裂の兆しが出始めている。

 

米中協議は難航の様相:すれ違う構造問題での妥協点

30-31日に開催される米中閣僚級協議の準備のため、中国側代表団が28日に米ワシントンに到着する予定となっている。協議にお互い積極姿勢を示しているものの、過度な期待は禁物である。技術移転の強要など中国の構造問題で意見が対立しているのは確かで、解決の糸口を見付けるのは簡単ではない。今回の協議でトランプ政権は貿易不均衡の是正だけでなく、中国の知的財産侵害や不適切な産業補助金など構造問題についても中国に対応を求める予定。中国は輸入額の大幅増を提案したと見られるが、構造問題で妥協しない限り、トランプ政権が関税などを巡り強硬姿勢を崩すことも考えにくい。米中貿易戦争と位置付けているものの、問題が商売の話ではなく、中国が構造問題で大きく譲歩することはないとみられる。米中協議は今後も続く可能性が高いと見ている。

 

中国の景気建て直しの難しさ:刺激政策の余地は少ない

中国国家統計局が今日発表した12月工業部門企業利益は需要と生産者物価の低調に圧迫され前年比1.9%減少し、6808億元と2カ月連続でのマイナスとなった。米中貿易戦争が長引き、物価の鈍化や弱い生産活動の悪影響を受ける結果となった。通年では10.3%増止まりの6兆6400億元と、2017年の21%増から大幅減少した。特に中小企業利益の落ち込みが目立っている。中国政府は今後景気刺激策を拡大する方針だが、巨額の債務を抱えていることや、不動産バブルへの警戒などをかんがみると、刺激政策に余地は少ない。米中貿易戦争は雇用や社会保障にも影響が出ており、市場では大規模な財政出動に動くとの見方が強い。ただ、財政出動の拡大は経済成長につながる一方で、国の債務を大幅に増加させるなど、大きなリスクを伴うことになる。中国政府は3月に開かれる全人代会議で景気刺激策の詳細を公表する。

 

米政府機関閉鎖は解除されたものの米経済指標の発表は遅延

米商務省経済分析きょく(BEA)は、政府機関が閉鎖していた影響で30日に発表を予定していた2018年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値の発表を延期すると発表した。 また、31日に予定していた18年12月の個人所得統計、2月5日の12月貿易統計もそれぞれ、発表を延期する。 一部政府機関が35日間にわたり閉鎖されていたことが要因。新たな発表の日程はまだ決まっていないとしている。 12月の耐久財受注、小売売上高、住宅着工件数、新築住宅販売も延期された。また、11月の貿易統計、建設支出、新築住宅販売も延期されている。米議会予算局(CBO)は、1月25日まで35日間続いた米政府機関の一部閉鎖で、2018年10-12月期と19年1-3月期のGDPが合計で110億ドル減少するとの試算を公表した。物資購入の停滞に加え、給与の支払い延期も響くとしている。

 

欧米イベント

○16:45   1月仏消費者信頼感指数(予想:88)
○19:20   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○23:00   11月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.9%)
○24:00   1月米消費者信頼感指数(予想:124.9)
○30日03:00   米財務省、7年債入札
○英議会、EU離脱協定の代替案と議員修正案を採決
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/28/15:19:10

日経平均株価:円高による輸出関連や金融関連株の売り優勢

米FRBのバランスシート縮小の早期終了観測に1ドル=109円台前半の円高を嫌気してトヨタが下幅を広げるなど輸出関連株への売りが広がった。ヘッジファンドなど海外短期筋の先物への利益確定売りや運用環境悪化による銀行や保険など金融関連株の売りに押された。結局、前週末比124円安の2万0649円と反落して終了した。

 

 

東京外国為替市場:日本株下落でリスク回避の円買いでドルの上値重い

ドル/円は、FRBの金融政策正常化が想定よりも鈍化するとの思惑から持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、109円台半ばから109.27円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時100円を超えたこともあり、リスク回避の円買いを誘った。しかし、上海総合株価指数が買い先行で始まったことから下押しは限られ、109.30円台でもみ合いとなった。午後は、株価をにらみながら109.30円台を中心とした狭いレンジで取引された。29~30日に開催されるFOMCを控えて様子見ムードが強く、積極的な売り買いは手控えられた。ユーロ/ドルは、米金利先行観の後退からユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.14ドル台前半の高値圏で推移した。米国の政府機関の閉鎖が再開される可能性も残っていることが、引き続きドルの重石となった。

 

昨年同様に節分時には注意が必要

相場格言に『節分天井・彼岸底』という格言があるが、金融機関などから決算に対応しあ売りが増えることなどを背景に年度末に向けて相場が下落しやすいという季節要因が背景にある。昨年も米国の長期金利上昇を嫌気して2月から3月にかけて日経平均株価は下落した。今年も不透明要因が日本株の重石となりやすい。1つ目は米中貿易摩擦。1月は両国の交渉新t年への期待が株価を支えたが、交渉期限が近づくにつれてトランプ大統領が強硬な姿勢を繰り返し表明する可能性がある。そのため、中長期視点で運用する投資家はなお慎重な姿勢になりやすい。2つ目は米国の景気減速の懸念。米ミシガン大学が18日に発表した1月の消費者態度指数(速報値)は2016年10月以来の低水準となった。米政府機関閉鎖や貿易摩擦の影響で、米国GDPの7割を占める個人消費の不透明感が漂う。1月米ISM製造業景況指数を2月1日に発表する。急低下した前月に続いて悪化すれば、景気不安が強まり株安につなりやすい。2つ目は日本企業の業績不安もくすぶる。中国の景気減速などを背景に安川電機や日本電産が根気の業績予想をすでに下方修正している。慎重な来期見通しを示す企業が増えてくると先行き不安が高まりやすい。

 

ユーロ圏の景気判断を下方修正:ガイダンスの見直しの必要性も

ユーロ圏では弱いデータが続いており、ECBは24日に理事会で景気リスク判断を、従来の中立から下振れ方向に下方修正した。夏の間は利上げをしないとのフォワード・ガイダンスは維持したが、ドラギ総裁は年内の利上げ開始が難しいとの金融市場の判断を軌道修正しなかった。また、銀行の利ざや圧迫を解消するための利上げ開始も示唆しなかった。このまま景気指標の下振れが継続すれば、3月や6月の理事会で何らかのガイダンスの見直しが必要となる。

 

今週の米国企業の決算発表に注目

米国企業の決算発表が継続する。28日にキャタピラー、29日にアップルなど主要企業の決算発表が予定されており、改めて米中貿易摩擦や中国を始めとした世界経済減速の影響打撃が警戒される。ただし、前週までの米企業決算発表では、半導体関連などを中心に当座の減速の短期的な底入れや、事前懸念ほどに悪くない内容が見られてきた。すでに米国株は昨年10月以降、決算見通しの大幅悪化を織り込む形で株安が進展しており、一旦の悪材料出尽くしによるポジティブな市場反応が注目される。

 

29-30日にFOMCの利上げ回数が注目点

今年の予想利上げ回数が1回へ変更されるか、あるいは、利上げ休止が議論されるかが注目される。昨年12月のFOMCでは今年の利上げ見通しは2回だった。今年のFOMC投票権メンバーは10名の内、タカ派はクオールズ米FRB副議長1名のみである。パウエルFRB議長が示唆したように、利上げは2016年のように1回だけとなる可能性が高まっている。

 

欧米イベント

○17:45   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○18:00   12月ユーロ圏マネーサプライM3(予想:前年比3.8%)
○23:00   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、欧州議会で発言
○23:30   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、ブロードベントBOE副総裁、ラムスデンBOE副総裁、講演
○29日01:30   米財務省、2年債入札
○29日03:00   米財務省、5年債入札
○豪州(建国記念日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/25/15:14:07

日経平均株価:海外投資家からの買い優勢

国内の買い材料は特に伝わっておらず、市場では前日までの3日続落で値ごろ感を意識した海外投資家の先物への値幅取り狙いの継続的な買いが入った。上海・香港株の上昇も追い風となり上げ幅を広げた。結局、198円高の2万0773円と4日ぶりに反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利の上ををながめドル底堅い展開

ドル/円は、日経平均株価の反発に支えられ、109円台半ばから109.80円近くまで上昇した。米上院で政府機関閉鎖解除に向けた新たな交渉の取り組みが始まったことも、ドルの押し上げにつながった。午後もこの流れは続き、米長期金利の上昇をながめて109.86円まで上げた。しかし、心理的節目となる110.00円ではドル売り・円買いオーダーが厚いとの観測があり、上げ一服した。その後は、週末を引けて利食い売りも見られ109.70円台を中心とした狭いレンジの展開となった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドイツ経済の鈍化傾向強まる:リセッション水準に落ち込む

ドイツの最新1月製造業PMIは50を割り込み2013年以降6年ぶりのリセッション水準に落ち込んだ。貿易や関税に絡み、ドイツの自動車セクターの低迷が響いた。さらに、ドイツ政府は、2019年の経済成長見通しを従来の1.8%から1.0%へ大幅に引き下げた。2020年は1.6%を予想している。世界経済の弱さや英国のEU離脱への不透明感を理由に挙げた。

 

メイ首相の方針転換もあり得るのか

英国と欧州連合(EU)で合意したEU離脱案を承認できず混迷が続く英議会で、与野党議員から3月末の離脱の延期を求める修正案が相次いで提出された。修正案には与野党が共同提案したものも含まれており、議会で可決される可能性もある。3月末の離脱にこだわるメイ首相が議会から方針変更を迫られる展開もあり得る。

 

ECB定例理事会では経済見通しリスクが下方に傾斜

欧州中央銀行(ECB)は市場の予想通り政策金利の据え置きを決定した。『少なくとも2019年の夏まで、金利を据え置きへ』というフォワードガイダンスを維持した。同時に、 『最初の利上げ後も、長期にわたり保有債券償還金の再投資を継続する』としたことはややハト派要因と見られている。ドラギ総裁は会合後の会見で、今回の会見では、経済の見直しが主要議題になったとし、『経済見通しリスクが下方に傾斜した』との判断で全会一致したことを明らかにした。 リスクとして、保護主義の台頭、中国の景気減速、米国の財政策の効果が薄れること、地政学的リスクの上昇などを挙げた。しかし、いずれ、こういった問題も解決され、欧州の経済の弱さも後退、インフレもいずれ目標に達するとドラギ総裁は楽観視している。落ち込んでいたドイツの製造業も反動を見せていると加え、域内の経済がリセッションに陥るとは予想していないことを強調した。 ECBは昨年12月の会合で資産購入プログラムを終了後、予測の発表もなく、ドラギ総裁は次回の会合に向けた対応を示唆できなかった。しかし、新たな予測が出る3月の定例理事会では、ガイダンスの変更、または、ECBが長期資金供給の金融政策の一環TLTROに踏み切るかどうかが焦点となる。

 

長引く政府機関一部閉鎖でリスクが残る

メキシコ国境の『壁』建設57億ドルを実現すべく米大統領が上下両院で可決した『つなぎ予算』に署名せず、政府機関一部閉鎖が33日目に入った。壁を巡って対立する両者の主張には隔たりが大きく、合意する気配がない。米中通商協議、米債務上限引き上げ問題等の不透明感を背景に月間の米国『経済政策不確実性指数』が高止まりしたまま、通商や投資、生産面で依然としてリスクが残る。

 

大富豪のロス米商務長官の本音による失言

ロス米商務長官がCNBCとのインタビューで、政府機関の一時閉鎖で一時解雇され、給料を得ることが出来ない労働者に対して、『食料援助を貰いに行かず、金は必要ならば銀行に行きローンを組んで来い』と発言したことで物議をかましている。しかし、さすがにこの発言はまずかったと思ったのか先ほどのFOXとのインタビューでは『我々は政府関係の労働者の困難に心を痛めている』と発た。

そもそも純資産29億ドルにも上る世界有数の大富豪でもある、商務長官にとって『お金がない』という感覚が分からず、銀行家でもあったのに簡単にローンを組めると思っている感覚が一般人には理解が出来ない。クリントン政権の21日を大幅に超えている政府閉鎖でも、トランプ米大統領や商務長官や大金持ちを中心とした現在の政権スタッフには、政府閉鎖はひとごとにしか感じず、閉鎖をやめたいのは自分の人気が下がるから懸念しているだけと思われる。これだけ閉鎖が長引いているのは、この感覚の違いがあるからではないか。

 

欧米イベント

○18:00   1月独Ifo企業景況感指数(予想:100.6)
○22:00   12月ロシア失業率(予想:4.8%)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、最終日)

※米政府機関が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

 

 

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/24/15:19:23

日経平均株価:アジア株式市場が底堅い展開で下落幅縮小

世界景気の減速懸念や米政府機関の閉鎖継続などを嫌気した売りが優勢だった。ただ、NYダウ先物や中国・上海などアジア株式相場の上昇が支えとなり、日経平均株価はは上げに転じる場面もあったが続かなかった。1月第3週では海外投資家は10週連続の売り越しとなった。結局、前日比19円安の2万0574円と3日続落で終了した。

 

東京外国為替市場:アジア株主要株価が堅調でドル底堅い展開

ドル/円は、日経平均株価のさえない動きをながめて持ち高調整などのドル売り・円買いが入り109円43円付近まで下落した。前日にハセット大統領経済諮問委員会委員長が『政府機関の閉鎖が続くようならば、第1四半期の米成長率はゼロになる可能性がある』と傾向したことも、引き続きドルの重石となった。しかし、アジア主要株価が総じて堅調推移したことから、下押しは限定的となった。その後は値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ109.55円近辺まで切り返した。午後は、株価をにらみながら109円台半ばを中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、今晩のECB理事会を控えて様子見ムードが強く1.13ドル台半ばで小幅な値動きとなった。

 

直近貿易統計では減少傾向にあるものの対米の貿易黒字額は高水準

財務省が23日発表した2018年の貿易統計速報では、米国に対する貿易黒字が前年比8.1%減の6兆4548億円となった。2年ぶりに減少したものの、金額ベースでは依然高水準が続いている。新たな対米貿易協定交渉を控える日本は、米国から厳しい要求を突き付けられる可能性が高い。日米の貿易協定をめぐっては、米通商代表部(USTR)が昨年末、交渉目的を公表した。モノの関税に限定せず、投資ルールやサービス分野も含む方針を明らかにした。日本は関税分野を中心に交渉を進めたい考えである。しかし、貿易赤字削減に向けた成果を要求するトランプ大統領の動きは読めず、自国の輸出に有利な通貨安誘導を抑制する『為替条項』の導入を迫ってくる恐れもある。

 

景気の悪化が先か株価の下げが先か:株価下落が先

『景気が悪化するから株価が下がるのではなく、株価が下がるから逆資産効果で消費が落ち込み景気が悪化する。』日本のGDPは6割強を占める消費である。そして、米国に至っては7割を占める消費が景気動向を大きく左右する。因果関係は、株価下落が先、株安『逆資産効果』が消費を減退させ景気を悪化させる。

 

ダボス会議では楽観的な見方も

22日-25日にスイスで開催されている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)では、前日と打って変わって投資家の楽観的な発言が目立ち、投資家の安心感につながった。 国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長見通しを引き下げたのち、昨日のダボス会議では、ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツを率いるダリオ氏が 『次の世界経済の不況が最も恐ろしい』と述べ、『米国経済は2020年にも景気後退に陥る大きなリスクがある』と警告した。FRBが利下げを強いられる可能性を指摘し、投資家の不安感につながった。しかし、P&Gなど米企業の好決算に加えてバンク・オブ・アメリカ(BofA)のブライアン・モイニハン最高経営責任者(CEO)が『FRBの利下げ見通しは時期尚早』と発言し、警戒感が後退した。

 

欧州市場ではECB定例理事会が開催

ECBはこの会合で金融政策を据え置く見通し。フォワードガイダンスも据え置かれると見られる。 一方で、第4四半期の域内経済の弱さは深刻で、ECBは景気の弱さやインフレ見通しの低下を認識し、見通しリスクの判断において、下方リスクに傾斜していることを指摘する必要がある。米連邦準備制度理事会(FRB)と同様、柔軟性を強調する可能性がある。 ECBは12月に資産購入プログラムを終了した直後であることや新たな予測の発表もないことから、ECBが今回の会合で、行動するのは『時期尚早』との見方が台頭している。このため、結果を受けてユーロの反発予想もあるが、上昇が継続するとは考えにくい。 ECBは同時に、昨年10月、12月のFRBのように『成長やインフレ指標の弱さを無視している』と市場に判断されることも回避したい。万が一、金利のフォワードガイダンスが変更された場合、ユーロ売りに拍車がかかることになる。 ECBの定例理事会を前に金融政策決定会合を開催した日本銀行は、政策金利は市場の予想通り据え置いたものの、海外リスクの高まりを理由に物価見通しを引き下げた。

 

欧米イベント

○16:00   10-12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数(予想:9)
○17:15   1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:49.9)
○17:15   1月仏サービス部門PMI速報値(予想:50.5)
○17:30   1月独製造業PMI速報値(予想:51.3)
○17:30   1月独サービス部門PMI速報値(予想:52.1)
○17:30   12月スウェーデン失業率(予想:5.8%)
○18:00   1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:51.4)
○18:00   1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.75%で据え置き)
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○22:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/173.5万人)
○23:45   1月米製造業PMI速報値(予想:53.5)
○23:45   1月米サービス部門PMI速報値(予想:54.1)
○23:45   1月米総合PMI速報値
○24:00   12月米景気先行指標総合指数(予想:前月比▲0.1%)
○25日01:00   EIA週間在庫統計
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、25日まで)

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/23/15:31:08

日経平均株価:25日移動平均線が意識されたが続落

世界経済減速懸念に米中協議先行き不透明感から休場明けNYダウが301ドル安と大幅反落したことを受けて、売りが先行し一時下げ幅を184円に広げた。しかし、25日移動平均線を意識した海外短期筋の先物買いに1ドル109円台後半への円安を好感した輸出関連株への買いに前引けにかけて上げに転じた。しかし、NYダウ先物の上げ幅縮小で再び下げに転じた。結局、前日比29円安の2万0593円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避姿勢が後退した円売り

ドル/円は、日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことに支えられ、109.70円付近へ上昇した。米共和党のマコネル上院院内総務が『米上院は政府機関の再開に向けて、トランプ米大統領の妥協案と民主党案を24日に採決する』との見解を示したことも、リスク回避姿勢が後退して円売りを誘った。展望レポートで2019年同のコア消費者物価指数見通しが下方修正されたことから、追加緩和期待から円売りが強まった。しかし、18日につけた109.89円が上値の目処として意識されると、上げは一服した。黒田日銀総裁の記者会見を控えて利食い売りも見られ、109.60円台を中心にもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1365ドル前後で方向感のないもみ合い相場となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

黒田日銀総裁の会見に注目:物価上昇見通しは下方修正

日銀は昼すぎに大規模緩和を柱とする金融政策の継続を発表した。同時に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価上昇見通し18年度が0.1%、19年度が0.5%、20年度が0.1%下方修正された。金融政策の現状維持は市場の予想通りとなった。また、展望レポートの物価見通しの下方修正は、概ね想定内で影響は限定的となった。黒田総裁会見では、物価見通しの引き下げを受け、追加緩和の可能性があるのか、あるなら何ができるのか、と言った内容に注目が集まる。

 

英国のEU離脱問題は29日まで保留

英国の欧州連合(EU)離脱を巡り、野党・労働党が国民投票の再実施に向けた動議を提出した。労働党が提出した動議は、『合意なき離脱』を回避する選択肢を審議・採決する時間を議会に付与することを内閣に義務付ける内容となった。 労働党は、選択肢にはEUとの関税同盟に恒久的にとどまる案や『国民の投票』を実施する案が含まれるべきだと主張している。メイ首相は、いずれの案にも反対しており、合意なき離脱も辞さない考えを繰り返し表明している。議会は今後の措置について29日に審議・採決する。

 

ドイツ銀行がFRBFの検査で黒なら波乱リスクも

2018年11月29日にマネーロンダリングの疑いで独検察当局による立ち入り検査を受けていたドイツ銀行に関して『米連邦準備理事会(FRB)はデンマークの大手銀行からの疑わしい取引について、ドイツ銀の米国部門がどのように資金を処理したか調査している』と報じた。エストニア経由で約2300億ドルの不正な資金が流れていた可能性がある。FRBによる調査は初期段階と言うが、欧州の金融株に端を発した波乱リスクが警戒される。

 

米中通商問題ではポジティブ・ネガティブな報道が相次ぐ

3月1日の期限に向けた30-31日に開催予定の米中(閣僚級)通商協議に関しては、7-8日の米中(次官級)通商協議などで知的財産権問題が進展していないことで、今週中国が提示していた米中(実務者)準備会合が中止とのFT報道があったが、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長が否定している。貿易問題に関しては、中国が対米輸入の拡大により米中貿易不均衡の解消を目指し、ムニューシン米財務長官が対中関税の引き下げ・撤廃を目論んでいる、と前向きな報道もあることで、今後もヘッドラインに要警戒となる。

 

不透明感だが米政府機関の一部閉鎖の打開策の動きも

米政府機関の一部閉鎖が続く問題で、議会上院は22日、与野党それぞれの予算案を24日に採決する方針を決めた。トランプ大統領が求める『国境の壁』建設費を含む共和党案と、2月8日までのつなぎ予算で壁の協議を先送りする民主党案を取り上げる。政府再開に向けた動きが上院で初めて表面化した形だが、可決できるかは不透明な状況となっている。上院の与野党トップが22日、24日の投票方針を決めた。法案の可決には定数100票のうち60票が必要となる。議席数は共和党53、民主党47と拮抗しており、いずれの法案も両党から賛成票が欠かせない。通っても最終的には下院の可決やトランプ氏の署名が必要になる。共和党案はトランプ大統領が19日に発表した妥協案が土台となる。幼少期に親と不法入国した若者の強制送還を猶予する制度『DACA』を3年間延長する代わりに、国境の壁建設費57億ドル(約6200億円)を予算に盛り込むよう求める。民主党はトランプ氏の案に反対を表明している。

 

欧米イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:45   1月仏企業景況感指数(予想:103)
○17:00   12月南アフリカCPI(予想:前月比▲0.2%/前年比4.5%)
○18:30   ブロードベント・イングランド銀行(BOE)副総裁、講演
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   11月カナダ小売売上高(予想:前月比▲0.6%/自動車を除く前月比▲0.4%)
○23:00   11月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○24:00   1月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲1)
○24:00   1月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲6.5)
○23-24日   12月ロシア鉱工業生産(予想:前年比2.6%)
○安倍晋三首相、ダボス会議で演説

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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