FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/15/15:12:28

英国議会でEU離脱合意案の採決

いよいよメイ英首相にとっては最も長い眠れない1日がやってきた。市場の話題は英国の議会一色。日本時間明日4時前後から開始されるEU離脱協定案を巡る承認投票は約2時間で終了する予定となっている。とりあえずは議会の採決は行われる模様だが、『承認の目処は全く立ってない』ことは確か。否決後にEU側が3月29日と定められている離脱のデットラインを3ヵ月程度延長する妥協案を出す予定であることも報じられている。ただ、英労働党など野党側はメイ首相の不信任案を動議するか、または、その動議前にメイ首相が自ら辞任する可能性も取り沙汰されている。また、その後はいずれにしても、総選挙になるのか、新たな国民投票が実施されることになるのか、3月29日の離脱日には『完全に間に合わない』ことだけは事実である。

 

日経平均株価:円安を好感して海外短期筋の買いで上げ幅拡大

中国12月輸出入の前年割れで中国景気減速懸念が広がったほか、NYダウの続落を受けて売りが先行した。ただ、1ドル=108円台半ばへの円安を好感してヘッジファンドやCTA(商品投資顧問)など海外短期筋の先物買戻しに上げ幅を広げた。結局、前日比195円高の2万0555円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高と米長期金利上昇でドル買い戻し

ドル/円は、日経平均株価の続伸に支えられ108.50円付近までじり高となった。米長期金利が時間外取引で小幅ながら上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。午後もこの流れは続き、11日のNY市場で付けた戻り高値108.60円を上抜けすると、ストップロスのドル買い・円売りオーダーを巻き込みながら108.75円付近まで上げた。ただ、英議会でのEU離脱協定案採決を控えて、上値では利食い売りも見られ、108.70円を挟んでもみ合いの展開となった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台後半で方向感の乏しい展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国12月貿易統計で米中貿易戦争の影響を実感

中国の12月ドル建て貿易統計は、輸出が前年同月比でプラス予想に反して▲4.4%と、約2年ぶりに大きく鈍化し、同輸入も▲7.6%と2016年7月以来の大幅な落ち込みとなった。米中貿易戦争を背景に輸出の伸びが予想以上に鈍化しているだけではなく、内需の冷え込みの影響が輸入の大幅な減少に表れている。中国の景気減速で世界経済のリスクが高まっている。米中貿易戦争の影響を実感している中国政府は米中貿易協議に積極的な姿勢を示し、国内では政策緩和強めているが、中国経済が2019年に一段と減速するとの見方が強い。2018年の対米貿易黒字は3233億2000万ドルと、前年比+17.2%増加した。黒字額は2006年以来の最大となり、トランプ米政権が貿易協議で中国に一段と圧力を強める可能性はある。 全国乗用車市場情報連合会(乗連会)の発表によると、2018年中国の自動車販売台数は2270万台と前年比で6%減少し、約20年ぶりの前年割れとなった。世界の自動車市場をけん引してきた中国の低迷は徐々にその影響が世界に波及する可能性が高まっている。

 

世界経済の成長への懸念が強まる

米FRBのパウエル議長も、世界経済の成長鈍化に焦点をあてている。中国の輸出やユーロ圏の鉱工業生産の落ち込みが激しい。ユーロ圏11月鉱工業生産は前月比▲1.7%と、市場予想を下回り10月+0.1%から2016年2月以降ほぼ3年ぶり低水準に落ち込んだ。欧州は中国の最大の貿易相手国だ。ユーロ圏の2018年国内総生産(GDP)は+1.9%だったが、2019年には1.5%に伸びが鈍化すると見られている。米国の関税の影響を受けて、中国12月輸出は前年比▲4.4%と、3月来のマイナスに落ち込んだ。下落率は2016年12月来で最大。輸入も前年比▲7.6%と2016年7月来で最低となった。 また、米国経済への懸念も一層強まった。アップルによる異例な業績見通し引き下げに加えて、米銀大手の中で初めて発表されたシティグループの2018年第4四半期決算でも収益悪化が示された。 政府機関閉鎖による経済への影響はおおよそ36億ドル規模に及ぶと報じられた。 政府機関閉鎖により、商務省が発表する貿易収支や小売りなどの発表が延期されており、経済の状況を判断するのも困難な状況となっている。米FOMCの金融政策判断にも影響を与えかねない。かろうじて資金が潤沢な米労働省はワシントンで15日生産者物価指数(PPI)を発表予定だが、悪天候のため、発表が困難になるとの報道もある。

 

トルコリラの重石になる対米関係悪化要因

トルコのチャブシオール外相は14日の記者会見で、トランプ米大統領が13日にツイッターで、トルコが米国と共闘してきたシリアのクルド人勢力を攻撃すればトルコ経済に大打撃を加えると警告したことに対し、『われわれは脅迫を恐れていない。トルコを経済的に脅しても何にもならない』と反発した。同外相は『(トルコと米国が)協調や解決策を見いだすことが重要だ』と指摘した。また、トルコ大統領報道官もツイッターに『トルコはクルド人ではなく、テロリストと戦っている。テロリストは米国のパートナーにはなり得ない』と投稿し、トルコがテロ組織と見なすクルド人勢力への攻勢を続ける考えを強調した。

 

第2のアップルに警戒:米企業の業績に警戒感

米株式市場が企業業績の先行きへの警戒を強めている。市場が予想する主要500社の2019年通期増益率は7%と3年ぶりの低水準のうえ、さらに下振れする懸念が拭えないからだ。米アップルの見通し修正のような景気減速や米中摩擦の悪影響を市場は測りかねている。14日から発表が本格化する18年10-12月期決算で示される企業側の見通しが株価の上値を抑える可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   10月トルコ失業率(予想:11.4%)
○16:45   12月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比横ばい/前年比1.6%)
○16:45   11月仏財政収支
○19:00   11月ユーロ圏貿易収支(予想:季調済126億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前)
○20:00   11月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比2.2%)
○22:30   1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:10.0)
○22:30   12月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.1%/前年比2.5%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
○24:00   ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○16日01:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○16日03:00   ジョージ米カンザスシティー連銀総裁、講演
○16日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
英議会、欧州連合(EU)離脱案採決

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米市場直前市場コメント!

2019/01/11/15:15:43

日経平均株価:米国株高と円安を好感した買い優勢

前日の米株式市場の上昇や外国為替市場での円安進行が好感され、自動車や電気機器、機械といった輸出関連株に見直し買いが入り、一時上げ幅を200円超に広げた。株価指数先物へ継続的な買いにつれてファストリが大幅高となり、日経平均を押し上げた面も大きかった。結局、前日比195円高の2万0359円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:連休を控えた持ち高調整のドル売り・円買い

ドル/円は、日経平均株価の反発に支えられ、108.47円付近まで上昇した。しかし、このところFRB当局者からハト派的な発言が相次ぎ、米金利先高観から上値を追う動きは限られた。その後は、3連休を控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押されて108.25付近まで軟化した。トランプ米大統領が『壁建設の合意がなければ、非常事態宣言をする公算が高い』との見解を示したことも、ドル売りを誘った。午後は日経平均株価をにらみながら108.30円付近でのもみ合い相場となった。来週予定されている英国のEU離脱肯定案をめぐる議会の採決を見極めたいとの雰囲気から、上下に動き難い展開となった。ユーロ/ドルは、FRBの利上げ打ち止め観測や一部米政府機関の閉鎖が長期化するとの懸念から持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが入り1.1530ドル付近へ上昇した。

 

英国のEU離脱は延期の可能性が高い

事情に詳しいEU加盟国やEU機関の高官はロイターに対し、英国のメイ首相が離脱案に対する議会の支持獲得に苦慮する中、3月29日の離脱日が延期される可能性が高まっていると明らかにした。 ある高官は、離脱案が来週の英議会採決で否決されるか、もしくは採決が再延期されるとEU首脳は予想しているとし、『延期がおそらく最も可能性の高い結果だろう』と話した。 別の高官は『延期はもちろん可能だ。合意なき離脱は誰も望んでいない』とした上で、『ただ、何のための延期かという疑問が残る。総選挙のためか、国民投票再実施のためか』と指摘した。英国が問題を解決できるか不透明なため、EU首脳は延期の意味を疑問視するだろうと述べた。

 

ドルの上値を抑える要因

米FOMCが当面利上げを見送るとの見通しを背景にしたドルの売り戻しが続いた。米国の政府機関閉鎖は11日で21日目となり、過去最長を記録することになる。格付け会社フィッチは、米国のトリプルA格付けの引き下げも警告しており、引き続きドル売り圧力となる。昨日開催されたトランプ大統領と民主党指導者との会談は物別れに終わっており、非常事態宣言を発動する可能性も示唆している。

 

関税ブーメランに米経済が強打:米製造業指数の大幅悪化

米中貿易戦争を仕掛けたトランプ大統領が投げ放った関税ブーメランに米経済が強打されつつあり、何等かの合意形成で25%への関税引き上げを回避しなければ米経済はさらに返り血を浴びると懸念する。大統領が投げた関税ブーメランに米経済が強打されつつある証左に、米12月ISM製造業景況指数の大幅悪化がある。同景況感指数は54.1と事前予想57.5を大幅に下回り、前月(59.3)からの5.2ptという悪化幅はかつてリーマンショック直後の08年10月、01年9.11同時多発テロ事件発生時の2回しかない。内訳をみると、「生産」54.3(11月60.6)約6年ぶり大幅低下、16年10月以来の低水準、「新規受注」51.1(11月62.1)約5年ぶり大幅低下、16年8月以来の低水準となった。こうしたISM製造業景況感の悪化は、米12月IHSマークイット製造業PMI(確報値:53.8と予想と速報値53.9比下ぶれ17年9月以来の低水準)でも確認された。いずれにせよ、米中『貿易戦争』の不確実性が続く限り、米製造業の景況感の急速な好転は期待できない。

 

米国市場では12月消費者物価コア指数が公表

参考となる11月実績は前月比+0.2%、前年同月比+2.2%だった。12月については、輸入関税率の引き上げによって原材料コストが高くなっていること、住宅や医療、中古者のコストが上昇していることから、10月実績と同水準の物価上昇率となった可能性が高いとみられている。

 

欧米イベント

○16:00   11月トルコ経常収支(予想:9億6500万ドルの黒字)
○17:20   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18:30   11月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:114億ポンドの赤字/28億ポンドの赤字)
○18:30   11月英鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%/前年比▲0.7%)
      製造業生産高(予想:前月比0.3%)
○18:30   11月英国内総生産(GDP、予想:前月比0.1%)
○20:00   12月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.13%)
○21:00   11月インド鉱工業生産(予想:前年同月比4.1%)
○22:30   12月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比1.9%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.2%)
○12日01:00   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/10/15:20:23

日経平均株価:円高を嫌気した売り広がる

NY市場で米FRB当局者から利上げ見送り支持発言などが出たことで、日米金利差拡大思惑が後退して1ドル=107円台へ円高が進行した。そのため、円高により採算悪化懸念から機械・電気機器など輸出関連株中心に売りが膨らみ、一時下げ幅をを326円へ広げた。結局、前日比263円安の2万0163円と4日ぶり反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買いで108円割れ

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大や米長期金利の低下をながめてドル売り・円買いが進み、107.85円付近へ下落した。中国商務省が『米中貿易協議では広範囲で深く、綿密に連絡を取ることで合意した』との声明を発表した。市場が期待していた成果などの具体的な内容が示されなかったこともあり、リスク回避の円買いが強まった。午後は、NY時間に予定されているFRB当局者の講演を控えて様子見ムードが広がり、109円台でもみ合いの展開となった。ユーロ/ドルは、FRBの利上げ打ち止め観測から一時1.1569ドル付近まで上昇し、昨年10月中旬以来のユーロ高・ドル安をつけた。しかし、高値警戒感から伸び悩むと利食い売りなどに1.15ドル台半ばへ小緩んだ。

 

米FRBでは政策がハト派に傾斜する可能性

2019年のFOMCはブラード・セントルイス連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁、ローゼングレン・ボストン連銀総裁といったハト派メンバーが新たに加わることになり、政策がハト派に傾斜する可能性が見込まれる。タカ派はジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁のみ。このため、本年の利上げ観測が後退しつつあり、ドル売り圧力となる可能性がある。また、米FRBが公表したFOMC議事録(2018年12月18-19日開催分)の中でも、12月の時点ですでに、政策決定当局者は、利上げの期間や将来の利上げのタイミングに関し、一段と不明確になったと判断。追加利上げについて辛抱強くなる余地があると多くが判断したことが明らかになった。FOMCは12月の会合で2018年度で4回目の利上げを決定したが、数人のメンバーが、下方リスクが上昇した可能性を指摘し、12月の利上げに反論したメンバーもいたことも明らかになるなど、ハト派色が濃い内容となった。 そのため、さらなる慎重な発言は、ドルの上値を一段と抑制することになる。

 

米政権側の結束の乱れが露呈

米下院は9日、閉鎖された連邦政府機関の再開に向け、支出を手当てする法案を可決した。下院多数派の民主党が主導した法案はトランプ大統領が求めるメキシコ国境の壁建設費を含まないが、8人の共和党議員が賛成に回り、政権側の結束の乱れが露呈した。トランプ大統領はこれに先立ち、議会を訪れた際、共和党は壁建設に向けて「完全に結束している」と強調していた。法案は下院で賛成240、反対188の賛成多数で可決された。賛成の内訳は民主党232、共和党8だった。共和党が多数派の上院で法案が可決される見込みはなく、政府閉鎖の解決につながる可能性は低い。

 

期待剥落でアジア市場でミニリスクオフ

米中貿易交渉の声明では、昨夕から『もう間もなく声明を出す』とアナウンスされたものの、『一部の構造改革などで合意に至らなかった部分があった』ようで、『更に上のレベルでの話し合いが行われている』という理由から、米中の貿易交渉に関する声明は曖昧なものにとどまった。今朝になって、中国商務省から『米国とは広く、深く、そして詳細に渡って連絡を取ることで合意した』との声明が表明されたが、結局は『期待以上』のものは何も得ることは出来なかった。
 また、トランプ米大統領は、国民に向けたメキシコ国境の壁建設の必要性を訴える演説のあと、一夜が明けたホワイトハウスで民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務と会談したものの、『時間の無駄だった』とのツイートを残すとともに、会談の場を退席するといった事態になった。演説では『決着をつける』と表明しておきながら、結局は何も進展がなかった。希望のなくなった市場は、アジア時間からミニリスクオフといった反応となっている。

 

再び米国債格下げショックの懸念も

オバマ第44代米大統領は、2009年は前年秋のリーマンショックによる経済恐慌に対する財政拡大による景気刺激策、2010年は医療保険制度改革と金融規制改革に取り組んだ。しかし、2010年11月の米議会中間選挙で、『ティーパーティー』と呼ばれた草の根保守運動により、不信任を突き付けられて『ねじれ議会』となった。
2011年8月、オバマ米政権は、下院共和党と債務上限(14.29兆ドル)引き上げを巡る不毛な論争に明け暮れていた。連邦政府機関の閉鎖に追い込まれたものの、8月2日に『債務上限引き上げ法(Budget Control Act of 2011)』により債務上限を14.694兆ドルへ引き上げて、デフォルトを回避し、債務を10年間で2.4兆ドル削減する計画を決定した。しかし、8月5日、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、米長期国債の格付けを最上位の「AAA」から「AA+」に1段階格下げし、8日(月曜日)に米国債格下げショックが市場を襲った。今回も米財務省は、3月2日までに債務上限が引き上げられなければデフォルト(債務不履行)を引き起こすと警告している。 そして、フィッチ格付け会社は、『米債務上限に関する問題が浮上すれば、『AAA』格付けを再考する』と警告している。

 

欧米イベント

○16:00   12月ノルウェー消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.1%/前年比3.4%)
○16:45   11月仏鉱工業生産指数(予想:前月比横ばい)
○21:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月13日分)
○22:30   11月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲0.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.5万件/171.4万人)
○22:35   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○24:00   11月米卸売売上高(予想:前月比▲0.1%)
○24:00   11月米卸売在庫(予想:前月比0.5%)
○11日02:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○11日02:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○11日02:40   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○11日03:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○11日03:00   米財務省、30年債入札
○11日03:20   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○10-11日   12月ロシア消費者物価指数(CPI)確報値
○トランプ米大統領、メキシコ国境訪問

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/09/15:16:11

日経平均株価:米中貿易摩擦の激化懸念が後退し買い優勢

トランプ大統領が8日に米中次官級貿易協議について『非常に順調に進んでいる』との認識を示し協議進展期待からNYダウが256ドル高と3日続伸したことを受け投資家心理が改善した。海外投資家の買いが入り相場を押し上げた。しかし、心理的な節目である2万500円にせまると個人投資家などの戻り売りが増えて上値を抑えた。結局、前日比223円だかの2万0427円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米国で非常事態宣言の発令なくリスク選好

ドル/円は、米中貿易協議の進展期待や日経平均株価の上げ幅が200円を超えたことに支えられ、109.00円近辺まで上昇した。トランプ米大統領はメキシコ国境の壁建設についてテレビで演説を行った。市場が警戒していた非常事態宣言の発令はなかったことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、前日につけた109.09円が上値の目処として意識されると、上げは一服しあ。午後は、日経平均株価をにらみながら108.80円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.1460ドル前後で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国成長率は鈍化:モルガン・スタンレー最新レポート

2018年10-12月期の中国の国内総生産(GDP)成長率が7-9月期の6.5%から6.2%に鈍化するとの見方を示した。当局が推進に力を入れていたデレバレッジの影響や、輸出の落ち込み、市場マインドの悪化をなど理由に挙げた。足元の製造業PMI、貿易、工業企業利益などの経済指標の悪化も経済成長の減速を反映しているとした。『AAストックス』が8日伝えた。また、18年の固定資産投資は5.6%増に減速すると予想。前年同期が高水準だった反動で、12月単月は3.4%増にとどまると見込む。業界別では、政策支援を受けてインフラ分野は安定した伸びを維持するものの、製造業、不動産関連の投資は減速するとした。

 

欧米市場ではユーロ圏11月失業率が公表

参考となる10月実績は4ヵ月連続で8.1%だった。2008年11月以来の低水準で推移している。ユーロ圏経済の成長鈍化に対する懸念はあるものの、景気は緩やかに回復していることを示唆する数字といえる。11月については、ギリシャの失業率はやや低下する可能性があるものの、ドイツ、フランスの失業率は下げ止まるとみられており、5ヵ月連続で8.1%となる可能性がある。

 

英国離脱協議の採決否決後の展開は

15日が有力視される合意受け入れの是非を問う英議会採決は大差で否決される可能性が高い。その後の展開としては、①さらなる譲歩を求めてEUとの協議を継続する。② どのような離脱を目指すか議員間の投票で決する 。③意見集約の難航で3月29日の協議期限を延長す る。④意見集約の難航で3月29日の協議期限を延長す るなどが考えられる。合意なし離脱の混乱を回避するため、一部の穏健派議員が合意の受け入れに傾こうが、どのような離脱を目指すかを巡って議会の意見集約は難航が予想されるうえ、EU側も合意内容の大幅な見直しに応じる可能性は低い。時間切れのリスクが迫るなか、協議期限の延長や国民投票やり直しの現実味が増す展開が予想される。

 

ボルトン米大統領補佐官が去就問題につながる可能性も

個性派揃いのトランプ米政権の中でも、対外政策において“超”がつくタカ派とされているのがボルトン米大統領補佐官である。トルコがクルド人掃討を目的にシリアでの軍事作戦を開始することに対してボルトン氏が『トルコがクルド人勢力を攻撃しないと約束するまで米軍はシリア北東部での駐留を続ける。米国と十分調整せず、同意も得ていない軍事行動を起こすべきではない』と忠告したことが波紋を呼んでいる。
 それに対して、エルドアン・トルコ大統領は『ボルトン氏は重大な過ちを犯した。全く受け入れられない』と同氏を痛烈に批判し、修復に向かって着実に進んでいた両国の関係に新たな亀裂が生じた。ただ、この問題はボルトン氏の去就問題にも発展しかねないとも捉えることができる。昨年末にトルコ大統領と電話会談したトランプ大統領は『生産的な会話が出来た。時間をかけ他国と高度に調整したうえでシリアからの撤退を行なう』と述べており、今回のボルトン氏の発言がトランプ大統領によるトルコとの駆け引きの一環なのか、それともボルトン氏単独の発言なのか。状況によっては、米大統領に背いたと見なされ、更迭ということもありえるのかもしれない。

 

米国では失業者を上回る求人数

米労働省が発表した11月JOLT求人件数は688.8万件と、予想外に700万件割れとなった。しかし、求人数は依然、失業者数の601.8万人を87万人上回った。求人件数と失業者数の差は2000年以降で最大を記録した。労働市場が依然ひっ迫している証拠となり、賃金の上昇を示唆する。実際、12月の平均時給の伸びは2009年来で最大の水準を保った。 採用者数は21.8万人減の570万人、退職者数も11.2万人減の340万人に、それぞれ11月から小幅減少した。民間の退職者数は12.2万人減、政府関連はほぼ変わらなかった。退職率(Quits rate)と解雇率は2.3%、1.2%でそれぞれ10月と同水準を維持した。結果は、雇用者が労働市場に依然強い自信を持っている証拠となった。退職率は雇用者の労働市場に対する自信をあらわすとして、米FRBが特に注目している。
昨年11月まで12カ月間の採用は6800万人、離職は6560万人で、ネットの雇用は240万人増加した。

 

欧米イベント

○16:00   11月独貿易収支(予想:186億ユーロの黒字)
○16:00   11月独経常収支(予想:248億ユーロの黒字)
○16:30   12月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.2%)
○16:45   12月仏消費者信頼感指数(予想:90)
○19:00   11月ユーロ圏失業率(予想:8.1%)
○未定   ポーランド中銀、政策金利発表(予想:1.50%で据え置き)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:15   12月カナダ住宅着工件数(予想:20.5万件)
○22:20   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○23:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○23:00   12月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.75%)
○24:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.75%で据え置き)
○10日00:30   EIA週間在庫統計
○10日00:30   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、発言
○10日01:30   ローゼングレン米ボストン連銀総裁、講演
○10日03:00   米財務省、10年債入札
○10日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月18-19日分)
○米中次官級貿易協議(北京)
○欧州連合(EU)離脱に向け英議会で審議再開

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/08/15:13:09

日経平均株価:米国株の続伸を好感した買い優勢

米中次官級協議の交渉前進期待に前日のNYダウ98ドル高の続伸が好感された。主力株中心に買いが優勢となり1ドル=108円台後半の円安も輸出関連株の買いを誘った。一時上げ幅を300円超に広げた。ただ、引けにかけては上値が重くなった。結局、前日比165円高の2万0204と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米中貿易協議に対する期待からドル底堅い展開

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅縮小をながめ持ち高調整のドル売り・円買いが入り一時108.51円付近まで下落した。しかし、本日最終日となる次官級の米中貿易協議に対する期待が高まっており、下押しは限定的となった。その後は、本邦実需筋などのドル買い・円売りに支えられて108.70円台へ持ち直した。午後は、日経平均株価が一時300円を超えたことが好感され109.00円近辺まで上昇した。ユーロ/ドルは、1.1440ドル前後で方向感を欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

10日に日銀が全国支店長会議を開催

黒田総裁などの幹部発言や地域景況判断などを受けて、先行き『金融緩和強化』のシグナルが発せられるか否かが注視されそうだ。日銀に関しては原油安や携帯電話料金の引き下げなどにより、物価見通しの下方修正が見込まれている。一方で国債の買い占めを続ける日銀にとり、日本の国債と財政の信認維持を担保させる10月の消費税増税は重要なテーマになっている。この双方の問題に対処するため、日銀が早めの政策工夫メッセージを発信し始めると円高と日本の株安を制御させる。反対に政策手段余地の狭まりもあり、当面の様子見姿勢が維持されるようなら、『失望』と『政策催促』の両面で円高と株安が後押しされる潜在リスクも残されている。

 

中国の経済対策と米中貿易摩擦の緩和期待はリスク選好に

中国人民銀行(中央銀行)は4日、金融機関から強制的に預金の一定割合を預かる預金準備率を引き下げる金融緩和を発表した。市場に1.5兆元(約24兆円)の資金を供給する効果があるとしている。米中貿易摩擦などで中国の景気は減速しているうえ、最近では中国共産党が『一党独裁体制の堅持』で最重要視している雇用も悪化し始めた。中国の国民による共産党不満を未然に抑止するうえで、引き続き中国政府による政策総動員の連打が注視されそうだ。中国では米国との貿易交渉に関して、7-8日に次官級協議を開催している。前週末からは中国の対米政策キーマン、王岐山国家副主席が『1月22-25日開催のスイス・ダボス会議(世界経済フォーラム)でトランプ米大統領と会談を行う』という観測が浮上してきた。中国での経済対策と米中貿易摩擦の緩和期待は、リスク選好の円安要因となるほか、中国の経済や資源需要と相関性が高い豪ドルやNZドル、カナダ・ドル、南アフリカ・ランドなどの資源国通貨の支援材料となる。

 

米国では米長期金利低下と賃金上昇により景気刺激的な動きに

米国経済は前週末に12月の雇用統計と平均賃金の底堅さが再確認された。一方で長期金利の急低下やFRBの利上げ停止観測という緩和的な金融環境に移行していることで、『実体経済見合いでの金利の低さ』が先行き米国の景気を下支えしていく。
ドルについても、当座は昨年までの『強過ぎるドル独歩高』の反動調整によるドル安余地が残るものの、その範囲を超えたドル安の歯止め要因となりやすい。例えば米国の時間あたり平均賃金・名目前年比は、12月に+3.3%となった。前月に続いて2009年3月以来の高い伸び率を維持させた。一方で同じ12月に米10年債金利は、月間最低で2.68%方向に急低下している。結果『賃金前年比-10年債金利(月間最低)』の格差は+0.62%となり、11月の+0.31%からプラス幅を拡大させた。昨年2月の-0.15%をボトムにプラス幅が拡大し、2016年11月以来の賃金優位の環境となってきた(景気刺激的)。住宅市場や消費などにはプラス材料となり、過去実績として過度なドル安の歯止めやドル高へとつながっている。

 

欧米イベント

○16:00   11月独鉱工業生産(予想:前月比0.3%/前年同月比▲0.8%)
○16:30   11月スイス小売売上高(予想:前年同月比▲0.6%)
○16:45   11月仏貿易収支(予想:49億4600万ユーロの赤字)
○16:45   11月仏経常収支
○19:00   12月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲6.2)
○19:00   12月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:108.2)
○22:30   11月カナダ貿易収支(予想:19億5000万カナダドルの赤字)
○9日03:00   米財務省、3年債入札
○9日05:00   11月米消費者信用残高(予想:180億ドル)
○米中次官級貿易協議(最終日、北京)
○ロシア(新年休暇)、休場

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ