FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/21/15:26:21

日経平均株価:引けにかけては利益売りで上げ幅縮小

前日まで500円超上昇し節目となる2万1500円に接近したことで利益確定売りに押された。しかし、お昼ごろロイター通信が『米中貿易交渉で技術移転、知的財産権保護、為替、農業、非関税障壁など主要な構造問題で6つの覚書が準備されている』と報じられたことで、先物主導で上げ幅を一時122円へ広げたが、その後は上げ渋る展開となった。結局、前日比32円だかの2万1464円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米中貿易交渉進展期待から高止まり

ドル/円は、日経平均株価のさえない動きをながめて持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、110.59円付近まで下落した。しかし、110円台半ばでは値ごろ感からドルの押し目買いが見られ、下げは一服した。その後は、一部メディアが『米中貿易交渉、主要な構造問題で6つの覚書を準備している』と報じると、ショートカバーが持ち込まれて110.80円台へ切り返した。また、米長期金利が時間外で上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。午後は、110.70円台を中心とした狭いレンジでのもみ合い相場となった。今晩発表される一連の米経済指標を見極めたいとのムードが広がり、商いは薄かった。ユーロ/ドルは、1.134ドル前後で方向感に欠く展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では2月マークイットユーロ圏総合PMI速報値が公表

1月の改定値は12月の51.1から51.0に低下したが、速報値の50.7から上昇修正された。財とサービスの需要は低下していることが要因となっている。2月については、域内経済の減速傾向が続いていることやサービス部門の景況感はやや悪化していると見られており、1月改定値の51.0と同水準となる可能性がある。

 

英国とEUの離脱合意の期限は3月半ば

複数の欧州連合(EU)外交筋は、英国が3月29日にEUを離脱するためには、EU首脳会議での承認手続きを考慮して3月半ばまでに離脱協定でEUと合意する必要があると指摘している。EU外交筋は『3月10日、おそらく最も遅くて3月15日が期限だ』と述べ、EUは3月21-22日のEU首脳会議での承認に向けた準備のための時間が必要と強調している。『そうしなければ、離脱が後ずれするか、無秩序な離脱を強いられる』と述べた。 別のブレグジット(英のEU離脱)担当外交筋も、3月29日に離脱するのであれば、3月半ばが事実上の合意期限になると述べた。

 

米財政赤字がFRBの金融正常化の足かせ

トランプ政権の大型減税で一時的に景気は上向くものの先行きは歳入不足が深刻化、2029会計年度に財政赤字が1兆3700億ドル(約150兆円)と19年度比1.5倍に膨らむと予想される。利払い費も10年後には年9000億ドルを超え、財政赤字が雪だるま式に膨らむと懸念される。19会計年度の財政赤字は8970億ドルと、前年度比15%拡大、国防費等の増大に歳入が追いつかず対GDP比で4.2%へと悪化、赤字額は22年度に1兆ドルを超える見通し。大型減税により年3%成長を実現し、米議会予算局(CBO)は19年の成長率を2.7%と見積もる一方、20年に1.9%、21年は1.6%と潜在成長率並みに低下すると予想、歳入が思うように増えそうになく、29会計年度に財政赤字が金融危機直後の水準まで悪化すると警告している。FRBの利上げ打ち止めとテーパリング年内終了説は、こうした財政の制約がある。

 

米国市場では12月耐久財受注が公表

11月実績は前月比+0.7%となった。輸送関連を除くと新規受注額は▲0.3%となった。軍用機・同部品は大幅増となったが、機械、電気機器、自動車・部品などが減少した。12月軍用部門の受注額は小幅な増加にとどまる見込みだが、機械、電気機器の受注額は増える可能性があることから、受注額の伸びや11月実績を上回る可能性が高い。

 

米国市場では1月中古住宅販売件数が公表

12月実績派499万戸、前月比▲6.4%で市場予想を下回った。販売価格(中央値)は25.36万ドルで前年同月比+2.9%だった。金利上昇お影響が出始めている。ただし、販売価格は上昇しており、中古住宅市況が一段と悪化する状況ではないと見られいる。雇用情勢は悪化していないことから、1月の住宅販売件数は12月並の水準を維持する見込みとなっている。

 

欧米イベント

○16:00   1月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比▲0.8%/前年比1.4%)
○16:45   2月仏企業景況感指数(予想:102)
○16:45   1月仏CPI改定値(予想:前月比▲0.5%/前年比1.2%)
○17:00   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:15   2月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:51.0)
○17:15   2月仏サービス部門PMI速報値(予想:48.7)
○17:30   2月独製造業PMI速報値(予想:49.7)
○17:30   2月独サービス部門PMI速報値(予想:52.9)
○18:00   2月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:50.3)
○18:00   2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.4)
○21:30   ECB理事会議事要旨(1月24日分)
○21:50   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○22:30   12月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.1%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.9万件/174.0万人)
○22:30   2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:14.0)
○22:30   12月米耐久財受注額(予想:前月比1.5%/輸送用機器を除く前月比0.3%)
○23:45   2月米製造業PMI速報値(予想:54.7)
○23:45   2月米サービス部門PMI速報値(予想:54.3)
○23:45   2月米総合PMI速報値
○24:00   1月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.1%)
○24:00   1月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.8%/年率換算500万件)
○22日01:00   EIA週間在庫統計
○22日02:35   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○米中閣僚級貿易協議(ワシントン、22日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/20/15:18:19

日経平均株価:海外勢の先物の買い優勢

朝方発表された1月貿易統計の中国向け輸出が▲17.4%の大幅減も織り込み済みで影響は限られた。短期的な上昇を見込んだヘッジファンドやCTA(商品投資顧問)など海外投資家の先物への買いに上げ幅を一時190円超へ広げた。結局、前日比128円高の2万1431円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:110円台後半でのもみ合い相場の展開

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の続伸に支えられ、100.92円付近まで上昇した。前日に黒田日銀総裁が追加緩和の可能性に言及したことも、引き続き円売り要因として意識された。しかし、心理的節目の111円に接近すると上げ幅も一服となり110.85円付近でもみ合う展開となった。午後は、日経平均株価の上げ幅縮小や中国株安をながめて利食い売りなどに110.70円近くへ下落した。もっとも、21~22日に予定されている閣僚級の米中通商協議に対する期待から下値を追う動きは限られ、110.80円台を中心とした狭いレンジ相場の展開となった。ユーロ/ドルは、1.134ドル近辺で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

危うい黒田日銀総裁発言:金融緩和はデフレ脱却のためでしょ!

昨日国民民主党の前原誠司議員は黒田日銀総裁に対して『米国が利下げをすれば金利差縮小で、円高になる可能性がある。その場合は追加緩和を行うのか?』と質問した。これに対して、黒田日銀総裁は『円高になり経済・物価に対して影響が出た場合、目標達成に必要ならば追加緩和を検討』と回答した。 この発言で為替市場はドル買い・円売りに反応した。為替関係者の中では『えっ!総裁それ言って良いの?』という声が出るほどの、これは非常に危うい発言と言える。安倍首相は2017年2月の参議院本会議で『為替操作ではなく、デフレ脱却を目的とする日本の金融緩和の必要性について(トランプ米大統領の)理解を得られた』と発言している。あくまでもアベノミクスの異次元緩和は経済や物価のためであり、円高阻止ではないという口実。しかし、黒田日銀総裁の発言を聞くと、円高が経済・物価に影響を及ぼす可能性があるため、円高阻止のため金融緩和も進めているとも捉えることができる。

 

欧州委員長と英首相の会談にらみ:進展しない可能性が高い

20日に開催されるユンケル欧州委委員長とメイ英首相の会談をにらむ展開となる。欧州連合(EU)は依然、離脱協定を再交渉する意向はないと述べており、合意ない離脱への警戒感がくすぶる。

 

米中協議は長引く可能性が高い:中国の構造問題改革がネック

14-15日に北京で開いた米中閣僚級協議は『進展こそあったものの、多くの課題を残している』ことで、今週ワシントンに場所を移し続けて協議することになった。両国は協議を継続し、中国製品への関税を引き上げる期限の3月1日までに合意を目指しているが、依然として米国が中国に求めている知的財産権や技術移転の強制など主要問題を巡る隔たりは大きい。先週の協議を終えてホワイトハウスは、米中貿易に深刻な影響を与えている中国の構造問題に必要な改革を実現することを目指すとした。米代表団を率いた米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表やムニューシン財務長官と会談した習中国国家主席は、昨年12月の米中首脳会談で決めた原則と方向に基づき、ワシントンでの閣僚級協議が双方に利益をもたらす合意に達することを望んでいると述べた。本日から2日間にわたって次官級の協議を行い、21-22日に閣僚級の協議が行われる予定となっている。トランプ米大統領は中国に構造問題では一層の譲歩を促し、関税引き上げ期限の3月1日を延長する可能性も示唆した。両国は、交渉期限の延長や首脳会談開催も視野に入れて協議を進めると見られるが、米国が求める構造改革を中国がすんなり受け入れる可能性は少なく、今回の協議では関税引き上げ期限を延長し、交渉を続けるとの方針にとどまる可能性が高い。

 

米国市場ではFOMC議事要旨を公表(1月29-30日分)

19日の外為市場では、米中貿易協議で為替安定が組み入れられたとの報道にともないハト派議事録を織り込む動きに米国債利回りは低下し、ドルも軟調に推移した。1月会合の声明やパウエル議長の会見で、FOMCは次回の行動に向けて辛抱強く、経済の展開を判断する方針に転じたことを明らかにした。議事録では、バランスシート解消方針に関して、より具体的な話し合いの内容に焦点が集まる。

 

欧米イベント

○16:00   1月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%)
○16:00   プラート欧州中央銀行(ECB専務理事、講演)
○17:00   1月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比4.3%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:00   南アフリカ政府、2019年度予算案発表
○24:00   2月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲7.8)
○21日03:10   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○21日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月29-30日分)
○メイ英首相がユンケル欧州委員長と会談(ブリュッセル)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/19/15:17:10

日経平均株価:新規材料乏しくもみ合い相場

前日の米株式市場が休場で新規材料が乏しくもみ合い相場となった。ただ、約2ヵ月ぶりの高値を付けただけに利益確定売りが先行した一方で、下値では押し目買いに支えられる展開となった。結局、前日比20円高の2万1302円と小幅続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:黒田日銀総裁発言でショートカバーの円売り

ドル/円は、複数のメディアが『トランプ米大統領の非常事態宣言に反対し、カリフォルニアなどの16州が提訴した』と報じたことで、持ち高調整などのドル売り・円買いが入り、110.44円付近まで下落した。英国の政局混乱やEU離脱交渉を巡る先行き懸念によるポンド安・円高が波及した面もあった。しかし、今日から始まる米中通商協議の進展期待から下押しは限られ、110円台半ばでもみ合いとなった。午後に、黒田日銀総裁が『為替で経済・物価に何らかの影響が出て、目標達成に必要ならば追加緩和を検討』と発言すると、ショートカバーが持ち込まれて110.70円付近まで上昇した。ユーロ/ドルは、1.1300ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

2月5日の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨発表

議事要旨では『経済見通しについて著しい不確実性がみられる』、『金利の上昇・低下のシナリオは以前よりも均衡している』などの内容が明らかになったが、それほどハト派に寄っていたわけではなく、豪ドルの買い戻しにつながった。全般的に目新しいことは無かったためか、買い一巡後は売り戻しの動きになった。

 

中国新車販売台数は大幅減少

中国の自動車業界団体が18日発表した1月の新車販売台数は、前年同月比15.8%減の236万台と、前年実績を大幅に割り込んだ。月間ベースでは昨年7月から7ヵ月連続で減少した。米中貿易摩擦の激化で冷え込んだ消費者心理には、2019年に入っても改善の兆しが見えない。1月の減少幅は、12年1月(26.6%減)以来、7年ぶりの大きさとなった。これまで市場をリードしてきたスポーツ用多目的車(SUV)の販売が前年同月比18.9%減の87万台と、大幅に落ち込んだ。電気自動車(EV)など新エネルギー車は約2.4倍の9万6000台と好調を保った。

 

いよいよ自動車関税の交渉入り

トランプ大統領は昨年5月、米通商拡大法232条に基づき、輸入車や部品の輸入が米国の安全保障を脅かしていないか調査を指示した。商務省は270日間の調査期間の最終日となる17日夜、『本日、ロス商務長官は大統領に、自動車や自動車部品が米国の安全保障に与える影響についての調査結果を提出した』とする短い声明を発表した。
業界関係者は『商務省が報告を遅らせてきたのは、中国との通商協議を進めているなかで日欧との関係悪化を招きたくないとの思惑があった』と指摘する。3月1日を期限とする米中通商協議で一定の合意が得られれば、日本やEUとの交渉に注力できる環境が整う。報告書を当面、公表しなければ米側の意図をあいまいにしたまま20~25%とされる自動車関税をかける、という『脅し』の効果を維持することができる。

 

EUが米国の自動車関税交渉に対してけん制発言

EU欧州委員会の報道官は18日の記者会見で、米国が欧州からの自動車・同部品に追加関税を課すなどした場合、『欧州委は即座に適切な方法で対応する』と語った。米商務省が17日、自動車・同部品の輸入増加による国家安全保障への影響を分析した調査報告書をトランプ大統領に提出したことを踏まえた発言だった。米国が自動車・同部品の輸入を制限すれば、報復関税などで対抗する構えを改めて示し、米国をけん制した。ただ、ユンケル欧州委員長とトランプ大統領が昨年、米EU間の協議中は敵対的な措置を控えることで合意したことを踏まえ、報道官は『欧州委員長は米大統領の言葉を信じている』とも指摘した。交渉を通じた問題の決着に期待を示した。

 

欧米イベント

○17:30   1月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.7%/前年比2.2%)
      コア指数(予想:前月比▲0.7%/前年比2.3%)
○18:00   12月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○18:30   1月英雇用統計(失業保険申請件数推移/失業率)
○18:30   10-12月英失業率(ILO方式、予想:4.0%)
○19:00   12月ユーロ圏建設支出
○19:00   2月独ZEW景況感指数(予想:▲14.0)
○19:00   2月ユーロ圏ZEW景況感指数
○19:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○22:00   1月ロシア失業率(予想:4.9%)
○22:50   メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○23:30   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○24:00   プラートECB専務理事、講演
○24:00   2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:59)
○米中次官級貿易協議開始(ワシントン)

 

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/18/15:18:21

米国市場はプレジデンツデー休場

米国市場はプレジデンツデーのため株式・債券市場は休場となり、薄商いの下での投機仕掛けには注意

 

日経平均株価:米中貿易協議の合意期待から買い優勢

米中貿易協議の合意期待に、中国を始めとした世界景気が持ち直すとの見方から機械や資源・エネルギーなど景気敏感株が買われた。また、ヘッジファンドなどの海外短期筋が買い戻しに入り、一時上げ幅を400円超へと広げた。結局、前週末比381円高の2万1281円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:低調な米経済指標の余波で円売りになりにくい

ドル/円は、今週ワシントンで再開される米中通商協議を見極めたいとのムードが広がり、110.50円前後でこう着の展開となった。日経平均株価が大幅高となったが、先週発表された米小売売上高や米鉱工業生産が予想外に低調な数字だったこともあり、リスク選好の円売りになりにくい展開となった。午後に入っても、米国市場の休場を控えて様子見気分が強く、110円台半ばで方向感に乏しい値動きが続いた。複数のメディアが『米商務省は自動車関税に関する報告書をまとめ、トランプ米大統領へ提出した』と報じたものの、市場の反応は限られた。ユーロ/ドルは、短期筋などの持ち高調整のユーロ買い・円売りが一巡したことから1.13ドル台前半で小動きとなった、

 

英国のEU離脱期限までの時間は少ない

英国は3月29日のEU離脱日に向けて残された時間が少なくなり、選択肢も限られる中、メイ首相は時間稼ぎの戦略で議会がやむなく離脱案を承認することを狙っているとの見方がある。メイ首相は野党・労働党に歩み寄りの姿勢を示し、労働党に歩み寄りの姿勢を示し、労働党のコービン党首が求めた離脱を巡る5つの要求項目に書簡で回答した。また、『合意ある離脱』を目指す点では意見が一致していると強調し、労働者の権利や経済的に取り残された地域への追加支援などで譲歩する姿勢を示した。ただ、残された時間は少なく、離脱再交渉の相手のEUが再交渉に応じない限り、話にならない。英国は『合意ある離脱』、『合意なき離脱』、『交渉期間の延長』のいずれかを選択する必要がある。

 

先週末の米中貿易協議は本当に進展したのか

今週は先週に続いてワシントンで開催されることになった米中貿易交渉の行方を睨む展開となる。3月1日の交渉期限を控えて、協議は大詰めとなっている。中国での協議が最終日となった15日、習中国国家主席は『米中貿易協議で重要な進展があった』と表明した。ライトハイザーUSTR代表も、『非常に重要で困難な問題について前進した』と述べたほか、ムニューシン米財務長官もツイートで、中国副首相との会合が『建設的だった』と前向きな発言をした。トランプ大統領も、中国との会合が順調に進んでおり『合意にかなり近づいた』と楽観視している。対中貿易で合意に達した場合、追加関税を撤廃する方針を表明した。また、協議の動向次第では、3月1日の期限を延長する可能性も再表明した。米国に有利になるような米中貿易協定で合意がなされた場合、2019年に減速が懸念される米国経済の成長を支援することになる。

 

米国は3月1日までに債務上限の引き上げの必要性

米財務省は、2019年2月11日ジテンの連邦債務残高が22兆0128億ドルとなり、22兆ドルの大台に乗せて過去最大を更新中となっている。3月1日には、米法定債務上限の適用停止期限を迎えることで、ホワイトハウスと米国議会が債務上限の引き上げで合意出来なかれば、米財務省は、米国債を発行して資金調達が出来なくなることで、デフォルト(債務不履行)の可能性が高まることになる。3月1日の債務上限の期限に向けて、22兆ドル規模への引き上げが合意出来るか不透明感が強い。

 

米双子の赤字がドル安要因となる可能性が高まる

米国の2018年会計年度(17年10月ー8年9がうt)の財政赤字は7,789.96億ドルだった。また、米国の2018年度(2017年第3四半期-2018年第3四半期)の経常赤字は4,786億ドルとなり、『双子の赤字(経常赤字+財政赤字)は1兆2,576億ドルとなった。2018年度の米国の『双子の赤字』は対GDP比6.1%となった。米国の『双子の赤字』が対GDP比で6.0%を上回ると、ドルげ下落する傾向にある。

 

欧米イベント

主要経済指標の発表はなし

○米国(プレジデンツデー)、カナダ(ファミリーデー)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/15/15:18:23

日経平均株価:NYダウ安や円高を嫌気した売り優勢

米景気減速懸念に前日NYダウが103ドル安したことや、ドル/円で円高傾向が強まったことで売りが先行した。米中貿易交渉期限60日延長観測があるものの、14-15日の閣僚級抗議の難航もあり、週末を控えた利益確定売りに押される展開となり、一時下げ幅を286円へ広げた。結局、前日比239円安の2万0900円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:株価下落でリスク回避の円買い優勢

ドル/円は、日経平均株価が200円超下落したことや中国物価統計の下振れで調整色が強まり、110.25円まで下落した。トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設費に向けて非常事態宣言する以降を示したため、与野党の対立が激化するとの警戒感が広がったことも、リスク回避の円買いを誘った。しかし、本日まで開催されている米中通商協議の行方を見極めたいとの雰囲気もあり下げ幅は一服した。午後は株価をにらみながら110.30円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易協議の一旦の山場:米中貿易摩擦の影響は深刻

米中閣僚協議は14-15日で行われる予定となっている。また、習近平主席は米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表やムニューシン財務長官と本日に会談することが明らかになった。関係者の話によると、米国が求めている技術移転の強要や知的財産権などの構造改革をめぐっては依然として隔たりが大きい。また、中国側は国内産業への補助金制度を世界貿易機関(WTO)規則に準拠させ、市場に悪影響を与えるものについては廃止する方針を示したものの詳細は明らかにせず、米国側は懐疑的な見方を崩していない。一部報道によると、トランプ大統領は関税引き上げ期限を3月1日から60日間延長することを検討しているが、中国側は90日間の延長を求めていると伝わっている。協議進展への期待感は根強いが、結局は『協議は進んでいる』、『協議を続ける』と中途半端に終わる可能性も高い。中国では、米中貿易摩擦の影響は深刻で、1月CPIは2018年以来の低い水準となり、同PPIは7ヵ月連続鈍化し、2016年9月以来の低い伸びとなった。景気対策はしているものの、景気減速を背景とした所得減の懸念が消費の低迷を招き、原材料需要の弱まりや製造業の減速が続くなど内需の減少は止まっていない。

 

自然災害のリスクが高まる傾向

自然災害による2018年の経済損失は世界で2250億ドル(約25兆円)に上り、このうち2150億ドルは台風や洪水、干ばつなど異常気象を含む気象災害が原因だったとの報告書を米保険関連企業エーオンが14日までにまとめた。被害が大きかった災害として、西日本豪雨や西日本に上陸した台風21号なども挙げている。
地球温暖化が進むと台風の強大化のほか、高潮や洪水、熱波などの頻度が高まり、気象災害が多くなると考えられている。エーオンの調査でも気象災害の損失額は増加傾向で『リスクが増え続けている』と警告した。

 

9年ぶり最大の落ち込みとなった米12月小売売上高

米商務省が発表した12月小売売上高は前月比-1.2%と、予想外のマイナスに落ち込んだ。下落率は2009年9月以降9年ぶりで最大となった。変動の激しい自動車を除いた12月小売売上高は前月比-1.8%と2008年12月来で最大の下落となった。また、国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車・建材・給油・食品除いたコントロールグループと呼ばれるコアの指数は前月比-1.7%と、2001年9月以降17年ぶりで最悪となり、10-12月期のGDPに大きな影響を与える可能性が懸念される。

ただ、エコノミストの一部からは、個別企業のクリスマスシーズンの売り上げがさほど悪くなかったこと、マスターカードが集計する年末商戦が堅調だったこと、足もとの非農業部門雇用者数が大幅増加したことなどを考慮すると、データの信ぴょう性が低いとの声もあった。

 

米国市場ではミシガン大学消費者信頼感指数が公表

1月CB消費者信頼感指数は120.2で、12月から大幅に低下した。米政府機関の閉鎖が消費者の景況感を悪化させた。ただ、1月25日に政府機関の閉鎖は解除されており、株式市場は持ち直していることから、2月のミシガン大学消費者信頼感指数は1月実績の91.2を上回る可能性が高い。

 

欧米イベント

○16:00   11月トルコ失業率(予想:11.8%)
○18:30   1月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.2%/前年比3.4%)
      英小売売上高指数(自動車燃料除く、予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
○19:00   12月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:157億ユーロの黒字)
      ユーロ圏貿易収支(季調前)
○22:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○22:30   12月対カナダ証券投資
○22:30   2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:7.0)
○22:30   1月米輸入物価指数(予想:前月比▲0.1%)
○23:15   1月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.1%)
       設備稼働率(予想:78.7%)
○23:55   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○24:00   2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:93.0)
○16日06:00   12月対米証券投資動向
○15-18日   1月ロシア鉱工業生産(予想:前年比1.3%)
○米中閣僚級貿易協議(北京、最終日)
○米つなぎ予算の期限

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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