FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/14/15:15:28

日経平均株価:利益確定売りに押され上値重い展開

米中貿易交渉の進展と米政府機関の再閉鎖回避への期待から13日のNYダウが117ドル高の続伸や円安進行を手掛かりに輸出関連株中心に買いが広がった。ただ、前日までの2日間で800円超上げたこともあり、先物への利益確定売りに押された。結局、前日比5円安の2万1139円と小反落して終了した。

 

東京外国為替市場:111円台乗せも上値の重い展開

ドル/円は、日経平均株価の持ち直しに支えられ、一時111.05円まで上昇した。ただ、今日から始まった閣僚級の米中通商協議を見極めたいとの雰囲気から上値を追う動きは限られ、110.00円を挟んでもみ合う展開となった。午後にはブルームバーグが『トランプ米政権は、米中通商協議の期限を60日間延長することを検討している』と報じると、円売りが強まって一時111.12円近辺で急上昇した。しかし、足もとの上昇ピッチが速過ぎるとの警戒感から伸び悩むと、利食い売りなどに111円付近まで押し戻される展開となった。ユーロ/ドルは、1.12ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中の貿易交渉期限が60日延長??

ブルームバーグが報じたところによると、『米国が貿易協議で交渉期限を60日間の延長を検討』と報じられた。3月1日が期限だったことから、5月1日まで延長されることになる。今年のゴールデンウィークは、4月26日~5月6日となることから休日の真っ只中に交渉期限が来ることになる。交渉が不調となれば、リスク回避の動きが強まるものの、日本市場が休場のため指をくわえて見ているだけとなる。この報道通りになると、休み前にポジションの手仕舞う動きが強まる可能性があり警戒が必要となる。

 

英国のEU離脱において合意なき離脱の可能性も

メイ英首相が、EUからの『合意なき離脱』を選択肢から外す意図を示していることに対し、与党保守党内の離脱強硬派が不満を強めており、造反に動く可能性がある。事情に詳しい複数の関係者によれば、保守党内のEU懐疑派で構成する『ヨーロピアン・リサーチ・グループ(ERG)』のメンバーが13日夜、同党のジュリアン・スミス院内幹事長と会談し、合意なき離脱を選択肢として残すべきだと主張した。メイ首相が離脱協定案の再交渉を目指しEUと協議を続ける中で、離脱交渉で次にどう動くべきかを巡り、英下院は14日に政府方針と修正案の審議・採決を予定しており、問題が表面化することが予想される。関係者によれば、ERGメンバーとスミス院内幹事長との会談は不調に終わり、一部の議員が14日の採決で造反ないし棄権することも考えられる。

 

米政府機関閉鎖回避へ向け壁建設の要求額減額

トランプ大統領は超党派の国境警備を巡る予算案に不満を示したものの『進展している』とし、政府機関閉鎖を回避するために署名すると報じられている。超党派案がまとまるまでまだいくつかの点で合意が必要となる。超党派案が壁建設にあてる資金はわずか13億ドルと、トランプ大統領が要求していた57億ドルをはるかに下回る。ただ、これを頭金として9月に再び資金を要請することも可能となる。

 

米中閣僚級の貿易協議が14日から開催

ムニューシン財務長官とライトハイザーUSTR代表が中国に到着。閣僚級の米中貿易協議が14日から開催される。トランプ大統領は好まないが、もし、交渉が進展し合意のめどがたった場合には対中輸入品の関税率引き上げを3月1日から延期する可能性も示唆するなど柔軟な姿勢を見せたことは市場で好感材料となっている。

 

米国市場では12月小売売上高が公表

11月実績は前月比+0.2%で市場予想をやや上回った。オンライン・ストアなどの無店舗小売の増加が目立った。自動車・関連部品を除いた売上高は+0.2%だった。1月については、ガソリン販売の減少が予想されており、前月比で小幅な伸びとなる見込みとなっている。

 

欧米イベント

○15:30   1月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比3.70%)
○16:00   1月独WPI
○16:00   10-12月期独GDP速報値(季節調整済、予想:前期比0.1%/前年同期比0.7%、季節調整前、予想:前年同期比0.9%)
○16:00   12月トルコ経常収支(予想:15億ドルの赤字)
○16:00   12月トルコ鉱工業生産
○16:30   1月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲0.4%)
○17:30   1月スウェーデン失業率(予想:6.8%)
○18:30   ブリハ英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○19:00   10-12月期ユーロ圏GDP改定値(予想:前期比0.2%/前年比1.2%)
○22:30   12月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.4%)
○22:30   12月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比横ばい)
○22:30   1月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.1%/前年比2.1%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.5%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.5万件/174万人)
○22:30   12月米小売売上高(予想:前月比0.1%/自動車を除く前月比横ばい)
○24:00   11月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○15日01:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/13/15:13:50

日経平均株価:リスク要因がやや後退したことで買い戻し優勢

米政府機関の再閉鎖回避や米中貿易協議の進展期待に前日のNYダウが372ドル高の反発を受けてCTA(商品投資顧問)やヘッジファンドなど海外短期筋の買い戻しが主導した。昨年12月19日以来約2ヵ月ぶり節目2万1000円を上回りった。結局、前日比280円高の2万1144円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:全般リスク選好の円売りが優勢

ドル/円は、日経平均株価の大幅続伸に支えられ110.65円近辺へじり高となった。前日に米与野党が新たな予算案で基本合意に至り、政府機関の閉鎖は回避されるとの思惑が浮上していることもあり、リスク選好の円売りを支援した。午後のこの流れは続き、一部メディアが『中国の習金平主席が、米閣僚と15日に会談する見通し』と報じたことも好感されドル買いが優勢となり110.69円まで上昇した。ただ、今晩発表される米1月消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの雰囲気から上げは一服して110.60円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、1.1340ドル前後で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中貿易協議ではまだ一喜一憂の不安定さが続く

米中貿易協議の行方だ。中国の北京で11-13日に次官級協議、14-15日には閣僚級協議が予定されており、15日にかけては交渉進展と難航の両ニュースに一喜一憂の不安定さが続く見通し。現状のところ、11日からは『2月中にも米中首脳が電話協議』、『3月中旬にも米中首脳が米フロリダで会談を調整』といった前向きな観測が浮上しており、当座は部分的な合意進展の期待感がリスク選好の動きにつながっている。もちろん、米中協議では知的財産権や技術移転、デジタル覇権争いなどで深刻な対立点が残されたままだ。引き続きこうした問題での交渉物別れや対立長期化のリスクは警戒される。一方で当座の貿易不均衡是正に向けて、中国による米国産の農産物や資源エネルギーなどの輸入拡大努力、中国人民元の弾力化や通貨安誘導の自粛に関しては、先行合意の可能性が高まっている。こうした歩み寄りは中長期スパンで、1)米国の貿易赤字削減によるドル高、2)人民元安から派生する円高の潜在リスク減退、3)中国向け輸出の欧州減・米国増によるユーロ安・ドル高、などの要因として注視される。

 

英国の合意なきEU離脱で雇用に影響も

英国とその他EU参加27カ国の溝が埋まらない中で、ドイツの経済研究所が11日に発表した内容がEU側の歩み寄りを促すかもしれない。 AFP通信が伝えたところによると、ドイツのハレ経済研究所は『合意なき英・EU離脱』となった場合の世界経済に対するインパクトを算出し、世界全体では約60万人が職を失う可能性を明らかにした。 離脱後、もし英国のEUからの輸入がが25%減少した場合、ドイツでは約10万人、フランスでも約5万人の雇用に影響がでるとしている。このところ欧州の経済成長鈍化が顕著な上に、EU内で経済規模1、2位の両国が大きくダメージを受けるとなれば、域内の景気回復の足枷となってしまう。ハレ研究所は『合意なき離脱』の影響は必ずしも失業率増加を意味するわけではないとしているが、その火の粉が我が身に降りかかるとなれば、EUの指導者達もメイ首相に対して今までよりは優しい態度をみせるかもしれない。

 

ユーロ安要因が目白押し

ECBについては11日、専務理事兼首席エコノミストの後任として6月1日からアイルランド中銀のフィリップ・レーン総裁が就任する方向となった。同氏は金融緩和支持のハト派と見なされており、ユーロ安の材料になっている。また、欧州委員会は前週、今年のイタリアの成長率を11月時点の1.2%から0.2%に大きく引き下げた。同委では昨年に財政赤字拡大が問題視されたイタリア予算との関連で、『制裁手続きの議論再開には、つながらない』としながらも、『ユーロ加盟国の財政政策に関する通常の監督業務の一環として、イタリアの予算を巡る協議が月内に再開する』と警告を発している。同時に11日には5月の欧州議会選挙に関して、『反欧州連合(EU)政党が議席の3分の1余りを占める見通し』という調査が明らかになった。いずれも新たなユーロ安要因として警戒されるものだ。

 

米国市場では1月消費者物価(CPI)コア指数が公表

12月実績(コアCPI)は前年同月比+2.2%、前月比+0.2%、上昇率は11月と同率だった。総合死すは前年比+1.9%、前月比-0.1%、1月については衣料、医療費の伸びや12月並と予想されているが、他の項目の一部は若干低下すると見られており、コアCPIの上昇率は12月実績をわずかに下回る可能性がある。

 

欧米イベント

○17:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:▲0.25%で据え置き)
○17:55   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:30   1月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.7%/前年比1.9%)
      CPIコア指数(予想:前年比1.9%)
○18:30   1月英小売物価指数(RPI、予想:前月比▲0.8%/前年比2.6%)
○18:30   1月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.3%)
○19:00   12月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比▲0.4%/前年比▲3.2%)
○20:00   12月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.5%)
○20:00   12月ブラジル小売売上高指数(予想:前年同月比3.8%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   1月米消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比1.5%)
      エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%/前年比2.1%)
○22:50   ボスティック米アトランタ連銀総裁、メスター米クリーブランド連銀総裁、講演
○23:00   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○14日00:30   EIA週間在庫統計
○14日02:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○14日04:00   12月米月次財政収支(予想:110億ドルの赤字)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/12/15:14:54

日経平均株価:米中貿易問題への進展期待から買い優勢

米中貿易問題を巡る米中協議の進展期待が残るなか、前週末に大きく下げた後とあって海外ヘッジファンドなど短期筋の投資家が株価指数先物に目先の戻りを期待した買いを入れた。米政府機関の再閉鎖が回避されるとの観測や、円安・ドル高進行も投資家心理の改善につながり、自動車や期間といった輸出関連株が変われた。結局、前週末比531円高の2万0864円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:日本株高でリスク選好の円売り優勢

ドル/円は、米中通商協議の進展期待や日経平均株価の大幅高を背景にドル買い・円売りが進み、110.55円近辺まで上昇した。一部メディアから『米議会与野党、政府機関閉鎖を巡る協議で、減速合意した』と報じられたことも、リスク選好の円売りに弾みがついた。午後のこの流れは続き、米長期金利が2.68%付近まで上昇したことも支えとなり、110.64円までじり高となった。ただ、高値警戒感から上値では利食い売りも見られ、110.60円を挟んだもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは1.12ドル台後半で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの予想となっている。

 

中国が外貨準備での金の保有を増加

2019年1月末の保有量は前月末比12トン多い1864トンと2カ月連続で増えた。一方、米国債の保有は昨年夏から減らし続けている。ドル離れを探る動きをみせることで、11日に北京で始まった貿易協議で米国をけん制する狙いもありそうだ。

 

英国経済の鈍化が鮮明に

英政府統計局が11日発表した2018年の実質国内総生産(GDP)速報値は前年比1.4%増と、12年以来6年ぶりの低成長だった。伸び率は前年より0.4ポイント縮んだ。19年3月末に予定される欧州連合(EU)離脱後の姿を見通せないなか、企業投資が落ち込んだ。さらに、輸出や個人消費も減速した。支出面の内訳をみると企業投資の不調が目立った。0.9%減と2年ぶりにマイナスで、リーマン・ショック後の09年以来の減少率を記録した。輸出は0.2%増と、世界経済に減速感が広がるなかで17年の5.6%増から急減速した。全体の6割強を占める個人消費は1.9%増えた。賃金の増勢を背景に底堅かったが、伸び率は0.3ポイント縮んだ。

 

5月の欧州議会選挙は歴史的に最も重要

欧州議会は5月に歴史的にも最も重要な選挙に直面している。ドイツ、ベルリンに拠点を置くシンクタンク、The European Council of Foreign Relations (ECFR)はレポートの中で、5月の選挙結果で国家主義、反欧州連合(EU)派が台頭し3分の1強の議席を獲得する可能性を警告した。EU支持派のマクロン仏大統領などが支持の回復に向けて努力していると報じられている。 右派が初めてEUの統合を目指す決定を中断させ、混乱をもたらす可能性が懸念されている。もし、欧州で極右派が3分の1の議席を獲得した場合、外交政策、ユーロ圏の改革、法律や移民において、欧州連合統合を基盤とした法的な最優先課題が妨害される可能性がある。 オプション市場でもユーロプット買いに急激に拍車がかかった。5月の選挙前、4月28日期限の1.1220ドルプットなどの買いが話題となった。

 

米中貿易戦争の激化後退期待が浮上

米中協議では、期限が先送りされる可能性を政府高官が指摘しており、プラス要因となる。14、15日に中国で再開される今回の貿易協議では、知的財産権に焦点があてられる模様となっている。中国の国内総生産(GDP)は先月28年ぶりの低水準に落ち込む中、米中は合意にこぎつけると期待される。 一部高官によると、まだ決定ではないが非公式に来月、フロリダにある大統領の別荘、マーラーゴで米中首脳会談を開催することも協議されているという。さらに、期限前に、大統領が中国の国家主席と電話会談をする可能性など、多くの選択肢が報じられている。

 

欧米イベント

○17:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○18:00   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○21:00   12月インド鉱工業生産(予想:前年同月比1.5%)
○22:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○13日02:45   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、講演
○EU財務相理事会(ブリュッセル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/08/15:12:41

日経平均株価:上昇基調が一服懸念から売り優勢

トランプ米大統領が米中貿易協議の期限前に首脳会談を開く可能性を現時点で否定し、協議が難航しているとの警戒感が浮上した。また、欧州など景気の先行き不透明感も改めて意識され、幅広い銘柄に売りが出た。これまでの上昇基調が一服するとの見方から、海外ヘッジファンドなどが株価先物に売りを出したことも相場を押し下げた。結局、前営業日比418円安の2万0333円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:株価の大幅下落でリスク回避の円買い

ドル/円は、日経平均株価の大幅安を嫌気したドル売り・円買いが優勢となり、109.65円まで下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。しかし、前日の海外市場でつけた安値109.61円に接近すると、値ごろ感からドル買い戻す動きも見られ、109.75円近辺まで切り返した。午後は、日経平均株価をにらみながら109.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1340ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

カーニー英中銀総裁発言でポンド乱高下

英国中央銀行は市場の予想通り金融政策据え置きを全会一致で決定。同時に発表した四半期インフレ報告では、2019年、2020年の成長見通しを引き下げた。このためポンドは一時急落した。その後、カーニー総裁は、もし英国の離脱協定の不透明感が払しょくした場合、英国経済に上方基調があるとし、『市場は利上げがないシナリオに備えるべきではない』と言及した。このため、年内の利上げ観測が再燃し、ポンドの買戻しにつながった。離脱後の金融政策の軌道を予想することは不可能とした。

 

メイ英首相とユンケル欧州委員長との会談

メイ英首相とユンケル欧州委員長との会談も、『辛抱が必要だった』と『こみ上げる怒りを抑えるのに必死』だった様子が伝えられてきているが、表向きは大人の対応となった。とりあえず『協議を継続することで一致」』することになった。ユンケル委員長の報道官によると、委員長はメイ首相に英EU離脱協定の再交渉はしないと述べた。報道官は記者会見で『協議は英国の秩序ある離脱に協力して取り組もうという精神をもって行われた』と説明した。
ユンケル委員長は、英国がEU規則に長年縛られる恐れのある安全策(バックストップ)がおおむね不要となるような関係強化で合意できるかを見極めるため、将来の貿易条件に関する別の政治宣言に文言を追加することを検討すると表明した。

 

米FRB利上げ棚上げで最低3ヵ月は様子見

一旦米利上げを棚上げすると、実際に利上げを再開するハードルは高いとの見方が多い。立ち位置として、今後の経済指標次第で利上げも利下げもあり得る状況だ。 1月の声明文に明記された『辛抱強くなれる(willbepatient)』の文言は、イエレン時代には2014年12月に盛り込まれ、2015年3月に削除された。過去事例からも2会合は様子見となる。 この2会合(3ヵ月間)の意味合いは、経済動向が月次データ3つ、四半期データ1つを点検しなければ、一時的な弱さとは確認できないからだ。前回の米利上げ局面(2004年6月-2006年6月)では、2007年3月のFOMC声明文で「引き締め(firming)」から「政策調整(policyadjustments)」へ変更された。その後、実際に利下げ開始となったのは、2007年9月だ。当時の利上げ打ち止めから9ヵ月後の文言変更に比べると、今回は僅か1ヵ月で一気に利下げを意識させるものになった。前回の事例からも、よほどのショックがない限り、半年は利下げには動かないだろう。よって市場が、今から利下げを織り込むのはまだ早いと考える。

 

欧米イベント

○15:45   1月スイス失業率(季節調整前、予想:2.7%)
○16:00   12月独貿易収支(予想:165億ユーロの黒字)
○16:00   12月独経常収支(予想:233億ユーロの黒字)
○16:00   10-12月期ノルウェー国内総生産(GDP、予想:前期比0.6%)
○16:45   12月仏鉱工業生産指数(予想:前月比0.6%)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.75%で据え置き)
○20:00   1月ブラジルIBGE消費者物価指数(IPCA、予想:前月比0.37%)
○22:15   1月カナダ住宅着工件数(予想:20.5万件)
○22:30   1月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化8000人/失業率5.7%)
○9日03:15   デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/02/07/15:14:39

日経平均株価:2万1000円目前に足踏み

前日のNYダウが4日ぶりに小反落したことが嫌気された。また、心理的節目2万1000円を超えることが出来なかったことから、戻り買い一巡感にヘッジファンドなど海外短期筋が先物に売りを膨らませ、一時下げ幅を200円超に広げた。その後は押し目買いに下げ渋る展開となった。結局、前日比122円安の2万0751円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:110円付近では上値の重さが意識

ドル・円は、日経平均株価の下げ幅が一時200円を超えたことが嫌気され、109.72円まで下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。ただ、来週に北京で再開される米中通商協議に対する期待から下値を追う動きは限られた。午後は、米長期金利の持ち直しをながめてどるは買い戻され110円付近へじり高となった。しかし、110円台ではドル売りが厚く上値の重い展開となった。ユーロ/ドルは、1.1360ドル前後で大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では英国中央銀行金融政策委員会(MPC)を開催

英紙報道によると、英中央銀行チーフエコノンミスとのハルデーン理事は『英国経済の成長が続くならば中銀は緩やかな利上げを継続する公算が大きいが、景気の悪化には柔軟に対応する構えだ』と述べた。EUからの離脱協議は難航しており、経済見通しについては予断を持てない教教が続いていることから、英中央銀行は現行の金融政策を維持し、事態の進展を慎重に観察すると見られている。

 

混沌とする英国のEU離脱の行方

英紙テレグラフは6日、メイ首相が自身の欧州連合(EU)離脱案を巡る2回目の採決を2月末まで延期する準備をしていると報じた。報道によると、与党保守党のジュリアン・スミス院内幹事長が5日の閣議で、離脱案の再交渉が間に合わない見通しであるため、採決は来週には行われないとの見方を示した。一方、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は6日、アイルランドのバラッカー首相とブリュッセルで会談し『(英国の)EU離脱協定案は最善で唯一実現可能なもので、再交渉しない』と確認する共同声明を発表した。7日のメイ英首相との会談を前に、改めてEU側の立場を明確にした。

 

中国から撤退する外資系企業を止められるか

昨秋9月発動の2000億ドル10%関税が撤廃されなければ、中国で4500万人もの雇用を創出する外資系企業がリスク分散やコスト削減でサプライチェーン(供給網)再編が進み、本国回帰や米国ないし東南アジアへ海外生産を移転、中国産業界に混乱が続く可能性がある。事実、すでに中国経済成長の牽引車である外資系企業の中国撤退となってサプライチェーンが地殻変動を起こしつつある。相次ぐ外資の中国撤退の背景に、①労働賃金の上昇、②不動産価格の高騰、③中国共産党による企業経営への介入、④高い法人税と厳しい規制、⑤消費市場の変化と過当競争、⑥米中「貿易戦争」による中国景気低迷などがある。つまり、もはや外資系企業にとって中国は魅力ある投資先でなくなった所に米中「貿易戦争」が中国生産の優位性「崩壊」にダメを押した。

 

11月貿易収支の結果はトランプ大統領の政策を正当化

米商務省が発表した昨年11月貿易収支は493億ドルの赤字となった。赤字幅は10月557憶ドルから予想以上に縮小し、6月以来で最小となった。輸入が2.9%減の2592憶ドルとなった一方で、輸出は0.6%減にとどまり2099億ドルだった。対中赤字も52億ドル縮小となった。2018年11月までの通年の対中貿易赤字は前年同期から10.8%増の3823憶ドルに達し、2番目に赤字幅が大きいメキシコの5倍以上となった。対中貿易赤字を目指すトランプ大統領の政策を正当化する結果となった。
11月の貿易赤字の予想以上の縮小を受けて、国内総生産(GDP)におけるネットの輸出のマイナス寄与度が‐0.52%ポイントから‐0.23%ポイントに改善された。アトランタ連銀は10-12月期国内総生産(GDP)予想を+2.73%と、従来の+2.4%から引き上げた。米商務省は28日に、10-12月期国内総生産(GDP)の速報値を発表する。

 

欧米市場イベント

○15:15   インド中銀、金融政策決定会合(予想:6.50%で据え置き)
○16:00   12月独鉱工業生産(予想:前月比0.7%/前年同月比▲3.4%)
○16:45   12月仏貿易収支(予想:40億ユーロの赤字)
○16:45   12月仏経常収支
21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.75%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00   MPC議事要旨
○21:00   英中銀イングランド銀行(BOE)、四半期ごとの物価報告(インフレリポート)
○21:15   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30   カーニーBOE総裁、記者会見
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.1万件/172万人)
○23:00   1月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.20%)
○23:15   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○23:30   クラリダFRB副議長、講演
○8日03:00   米財務省、30年債入札
○8日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:8.25%で据え置き)
○8日05:00   12月米消費者信用残高(予想:170億ドル)
○香港、中国(旧正月)、休場
○メイ英首相がユンケル欧州委員長と会談(ブリュッセル)

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