FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/07/15:18:47

日経平均株価:前週末の米市場を受けて買い優勢

前週末の米12月雇用統計の改善で過度な米景気減速懸念が後退した。また、パウエル米FRB議長が金融引き締めの見直しを示唆して投資家のリスク選好姿勢が強まり前週末4日のNYダウ756ドル高の大幅を好感して主力株への買いが先行し、一時上げ幅を700円超に広げた。ただ、引けにかけて戻り待ちの売りに押された。結局、前週末比477円高の2万0038円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は108円前半でもみ合い相場

ドル/円は、前週末にパウエル米FRB議長が景気に配慮して利上げを急がない姿勢を示したことで、利食い売りなどに押されて108.25円近辺へ下落した。日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことや一部米政府機関の閉鎖が続いていることも、ドル売り・円買いにつながった。午後もこの流れは続き、108.02円までじり安となった。ただ、心理的な節目の108.00円に接近すると、ドルの下げは一服した。その後は米中貿易協議を控えてドルを買い戻す動きも見られ、108.20円前後でのもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、パウエル米FRB議長のハト派的な発言を受けて、米金利先高観の後退からドル売りが優勢となり、1.14ドル台前半の高値圏で推移した。

 

7-8日の米中貿易交渉に関しての次官級協議開催

前週にはアップルが米中貿易摩擦や中国減速などにより、売上高を下方修正させたことでリスク回避の世界株安や円高が激化した。米中ともに貿易戦争の相互打撃が大きくなりつつあるだけに、一旦の歩み寄りや玉虫色的な問題の先送りが焦点になっている。実際に緊張緩和の兆しが見えると、リスク選好の円安や中国経済との相関性が高い豪ドル、NZドル、カナダドルの反発地合いが支援されやすい。反対に根深い対立やトランプ大統領による再選対策としての『保守派有権者アピール』の対立強硬姿勢が続くようなら、リスク回避の円高再燃という可能性も残されている。

 

欧州市場ではユーロ圏11月小売売上高が公表

参考となる10月実績は前月比+0.3%、前年比+1.7%となり、市場予想をやや上回った。オンライン販売が好調だったこと要因となった。11月については、エネルギー価格の下落による可処分所得の増加や雇用情勢の改善が続いていることから、反動減となる可能性がは低いとみられており、順調な伸びを記録する見込みとなっている。

 

日銀の手詰まり感から円高リスクの可能性も

世界各国の中央銀行が利上げ休止や緩和強化に動き始めると、日本では内外金利差の縮小が潜在的な円高要因となっていく。世界減速や米国による輸出封じ込め圧力の打撃緩和策として、各国が通貨安志向を強めてくる可能性も排除できない。かたや日銀は追加の緩和手段が狭まっており、世界的な緩和競争と通貨安競争に立ち遅れる形で円高圧力が続くリスクも残っている。また、本邦企業や機関投資家の場合、季節的に3月の年度末決算が迫ってきている。そのため、3月に向けては、海外収益の本国回帰(リパトリ)や外債処分などにひょる季節的な円高圧力の高まりも注意が必要となる。

 

米FRB要人の講演が相次ぐ:ハト派発言続くならリスク選好後押し

前週末にはパウエル米FRB議長が『経済へのリスクを精査するうえで辛抱強くなれる』と発言したほか、株安混乱の一因となっているFRBのバランスシート縮小に関しても『調整の容易がある』と発言した。その他のFRB要人からも景気や市場混乱への懸念、利上げやバランスシート縮小への慎重姿勢が示唆されと、リスク選好が後押しされる。前週には中国人民銀行が金融緩和を強化し、景気安定化への強固な覚悟をアピールしたばかり。クロス円での円安や資源国通貨などの反発支援材料となりやすい。

 

欧米イベント

○16:00   11月独小売売上高指数(予想:前月比0.3%/前年比▲0.7%)
○16:00   11月独製造業新規受注(予想:前月比▲0.4%/前年同月比▲2.7%)
○19:00   11月ユーロ圏小売売上高(予想:前月比0.1%/前年比0.4%)
○21:45   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○24:00   12月米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業指数(予想:59.0)
○24:00   12月カナダIvey購買部協会景気指数
○8日02:40  ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○ロシア(ロシア正教クリスマス)、休場

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/04/15:17:21

中国経済指標の持ち直しでリスク回避がやや後退

中国の12月財新メディア非製造業PMI(購買担当者指数)は53.9と前月比+0.1ポイント上昇し、景気判断の分岐点50上回り18年6月(53.9)以来6ヵ月ぶり高水準となった。2日発表された中国12月製造業PMIは49.7と前月比-0.5ポイント低下の17年5月以来1年7ヵ月ぶり節目50を割り込んだ。なお、12月31日に中国国家統計局が発表した12月製造業PMIは49.4と前月比-0.6ポイント低下し分岐点50を割り込んだが、同非製造業PMIは53.8と前月比0.4ポイント上昇した。外需が落ち込むも中国政府の金融財政の政策総動員により非製造業の内需は底入れが期待される。

 

日経平均株価:アジア株価指数の持ち直しで下げ幅縮小

大発会となった本日の日経平均株価は、前日NYダウ660ドル安の大幅反落や年末・年始に発表された米中経済指標の悪化が嫌気され売りが先行した。また、米アップルの売上高見通しを下方修正を受け世界景気減速懸念が強まり1ドル=107円台後半の円高も嫌気され一時下落幅を773円に広げた。ただ、本日発表された中国の12月財新メディア非製造業PMIが市場予想を上回る結果となったことから、アジア株がプラス圏で推移したことから、下げ幅を縮小した。結局、前営業日比452円安の1万9561円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の動き弱まり円売りがやや優勢

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅が一時700円を超えたことか嫌気され、一時107.52円付近まで下落した。ただ、足もとの急激なドル安・円高に対する警戒感から下げは一服した。その後、中国商務省が『7~8日に米中の貿易協議を次官級で実施する』と発表すると、ショートカバーが持ち込まれて108.20円付近まで反発した。午後に入っても円売りの流れは続き、108.45円付近まで上昇した。ただ、今晩予定されている12月米雇用統計を控えて、上値では利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、108.20円台を中心にもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.1395ドル前後で大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

トルコのインフレ低下も財政支出拡大を懸念

トルコ統計局は3日、12月の消費者物価指数(CPI)が前年同月に比べ20.3%上がったと発表した。前月の21.6%から上昇率は縮小した。インフレの低下は2ヵ月連続。政府の減税措置や値下げキャンペーン、原油相場下落が効いたもようだ。18年末のインフレ率はほぼ市場予想通りとなった。トルコの中央銀行は2018年10月に同年末のCPIについて従来の予測を大幅に修正し、23.5%としていた。政府は18年12月末に、年末に期限が切れた自動車や家具などを対象とした減税措置を統一地方選が予定される19年3月末まで延長すると発表した。エルドアン大統領は事前に19年1月から住宅の電力料金を10%、住宅と中小企業を対象とする天然ガス料金も10%値下げすると発表していた。市場は選挙を控えたエルドアン政権の財政支出拡大を懸念している。

 

市場では19年末の米FRBの利上げは2回と予想

現在のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は2.25%~2.50%になっている。フライマリー・ディーラー20社中14社が19年末は2.75~3.00%と予想している。1回当たり0.25%ずつ上げるとして、2回の利上げに相当する。FRBが景気をふかしも冷やしもしない中立金利(2.75%)とみなす水準に達する。バークレイズなど6社は3.00~3.25%と中立金利以上に上げるとみている。各社がFRBの見通し通りの利上げを予想するのは、19年の米景気や物価上昇率が底堅さを保ち、労働市場の引き締まりも続くとみている。

 

米潜成長率を超える伸び続く見通し

19年の実質国内総生産(GDP)成長率は20社平均で2.4%とFRB見通し(2.3%)とほぼ同水準とみている。FRBが物価指標として重視する食料・エネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)デフレーター上昇率の各社の予想は2.0~2.3%と、FRB見通し(2.0%)並みかやや上回る。2%弱の潜在成長率を上回る成長が続く中、物価も緩やかな上昇を続けるとの見方をしている。労働需給の引き締まりも利上げを後押しするとみている。18年11月に3.7%だった失業率は、19年中に20社平均で3.4%とFRB見通し(3.5%)並みに低下すると予想している。米国野村証券など4社は3.2%、ゴールドマン・サックスは3.0%と予想している。また、FRBより高いのはスコシアバンク(3.90%)など4社にとどまる。

 

米国市場では12月の雇用時計が公表

2019年は米国経の成長鈍化が懸念される中、労働市場は引き続き強い伸びが予想されている。市場では、失業率が3.7%と、ほぼ50年来の低水準を維持すると予想している。また、非農業部門雇用者数が18.1万人の増加を予想している。市場では、2019年の労働市場や賃金の緩やかな拡大を予想している。労働省が発表する雇用統計の先行指標の中でも相関関係が強いとされるADP雇用統計の12月分は前月比+27.1万人と、市場予想の+18.0万人を上回り、2017年2月来で最高水準となった。週次の失業保険申請件数は増加したものの、米国政府機関閉鎖が要因に挙げられている。一方で、貿易戦争、関税の影響もあり製造活動は弱く、これにともない製造業の雇用も鈍化すると予想されている。全米の製造業活動を示すISM製造業の雇用は56.2となり、2018年4月来で最低となった。また、コンファレンスボードが発表した米国の12月消費者信頼感指数での雇用の見通しも大きく悪化した。今後6ヶ月間で雇用が増加するとの回答は16.6%と、11月の22.7%から6.1%低下し、低下幅は1977年来で最大を記録した。今後の小売りでの雇用が鈍化する可能性が警戒される。パウエル米FRB議長は4日に米国経済学会の年次総会で前イエレン議長、元バーナンキ議長とともに共同記者会見を予定しており、昨年のタカ派的な姿勢から慎重な姿勢に修正されるかどうかに焦点が集まる。

 

欧米イベント

○16:00   12月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.1%)
○16:45   12月仏消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.1%/前年比1.8%)
○17:50   12月仏サービス部門PMI改定値(予想:49.6)
○17:55   12月独雇用統計(予想:失業率5.0%/失業者数変化▲1.1万人)
○17:55   12月独サービス部門PMI改定値(予想:52.5)
○18:00   12月ユーロ圏サービス部門PMI改定値(予想:51.4)
○18:30   11月英消費者信用残高(予想:9.5億ポンド)
○18:30   11月英マネーサプライM4
○18:30   12月英サービス部門PMI(予想:50.7)
○19:00   11月ユーロ圏卸売物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%/前年比4.1%)
○19:00   12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比1.8%)
○19:00   12月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比1.0%)
○22:30   11月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月カナダ原料価格指数
○22:30   12月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化0.55万人/失業率5.7%)
○22:30   12月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化17.7万人/失業率3.7%/平均時給、前月比0.3%/前年比3.0%)
○23:45   12月米サービス部門PMI改定値(予想:53.4)
○23:45   12月米総合PMI改定値
○5日00:15   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がイエレン前議長、バーナンキ元議長とともにAEA年次総会でインタビューに応じる
○5日00:15   ボスティック米アトランタ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○5日01:00   EIA週間在庫統計
○5日03:30   バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっている。

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/28/15:17:48

日経平均株価:節目となる2万円台を維持して終了

前日のNYダウ260ドル高の続伸を受けて上げに転じる場面もあった。しかし、前日に750円高と急伸した反動による利益確定売りや大納会の持ち高調整売りに押された。また、1ドル=110円半ばへの円高や世界減速懸念に売りが優勢となった。ただ、引けにかけて強引な買い戻しが入り2万円台で終了した。結局、前日比62円安の2万0014円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:駆け込み的なドル売り・円買いもあり110円半ばでもみ合い

ドル/円は、米中貿易摩擦に対する懸念や日経平均株価の反落をながめて持ち高調整などのドル売り・円買いが入り一時110.52円付近まで下落した。本日は年末最終日にあたり、国内輸出企業による駆け込み的なドル売り・円買いも観測された。ただ、前日のNY市場でつけた安値110.46円が意識されると下げは一服し、110.60円付近へ値を戻した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数動向をにらみながら110.60円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、前日に発表された米経済指標の下振れや一部米政府機関の閉鎖が越年するとの観測からユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.14ドル台半ばの高値圏で推移した。

 

中国株の中国投資家の苦悩

中国株の投資家にとって2018年は苦悩の一年となった。上海総合株価指数の時価総額は年初来の下落率が25%近く、世界主要国株価指数としては最悪となった。そのため、株式市場の規模は世界2位の座を日本に譲った。売買代金は、上海・深セン両証券取引所での1営業日当たりの平均売買代金は約3690億元(約5兆9600億円)に減少し、14年以来の低水準となった。信用取引では、当局による金融レバレッジ取締りは一定の効果を挙げた。少なくとも株式市場における投機は減少した。信用取引残高は26時点で7650億元と、15年ピーク時の約3分の1となっている。投資信託は、株式に焦点を絞った中国のミューチュアルファンドが今年、合わせて75本清算された。IPO銘柄の株価は18年に新規公開(IPO)を実施した企業の上場後1ヵ月間の株価は平均で193%上昇となり悪い結果にはならなかったが、16年の半分であり、4年ぶりの低水準となった。

 

来年も中国ショックがリスク

中国国家統計局が27日発表した2018年11月の工業企業の利益は前年同月比1.8%減った。前年水準を下回るのは15年12月以来、2年11カ月ぶり。鉄鋼や化学など素材価格が下落し、国有企業の利益が減った。個人消費低迷で自動車やパソコン・携帯電話も振るわなかった。利益の伸びは18年4月の21.9%を直近のピークに7カ月連続で縮小した。前回利益が減少した15年12月は卸売物価指数(PPI)がマイナスとなるなど、川上の産業でデフレ圧力が強かった。足元もPPIの伸びが急失速しており、中国の一部エコノミストは素材デフレの再発を懸念する。

 

来年は米中貿易摩擦で新興国や資源国景気は下押し

足下の世界経済は米国の『独り勝ち』とも呼べる状況が続く可能性が高い。一昨年後半以降の世界経済の持ち直しに歩を併せて世界貿易の伸びも加速したが、年明け以降は頭打ちしている。米FRBは直近のFOMCで来年の利上げ回数を下方修正したが、米国経済の頭打ちを連想させ得る。 一方で、中国は財政出動などを通じて景気下支えに動く模様だが、米中貿易摩擦の激化は外需を通じて景気の重石となり得る。よって、中国経済との連動性が高く、経済の輸出依存度が相対的に高い新興国や資源国景気には下押し圧力が掛かりやすいと言える。 また、来年は多くの新興国で『選挙イヤー』を迎える。財政出動による景気下支えの期待がある一方、過度な歳出による財政悪化は金融市場の動揺に対する耐性をむしばむ要因となりやすい。そのため、政策の選択肢は自ずと限られる可能性が高く、景気を押し上げるものとはなりにくいと思われる。他方、足下では米トランプ政権の政権運営を巡る不透明感もリスク要因となり得るなか、一挙手一投足に揺さぶられる難しい局面が続く。

 

米政府機関閉鎖によりかなり低下する傾向

米国のコンファレンスボードが発表した12月消費者信頼感指数は128.1と、5か月ぶりに130を割り込み7月来の低水準となった。現況は171.6と、11月の172.7から小幅低下した。一方で、期待は99.1と、112.3から低下し2016年11月以降2年ぶり低水準に落ち込んだ。今回の指標は12月13日までに集計された調査結果がもとになっている。
26日に発表された米国の年末商戦は6年ぶりの大幅な伸びを示す予想以上の結果となった。貯蓄も5年ぶりの低水準で、国民が余剰資金を消費に向けた傾向が示された。しかし、米国政府機関の閉鎖や政局不安などで、2019年に向けて、消費者の慎重姿勢が増す可能性がある。米国政府が一部機関を閉鎖したのはクリスマス直前。歴史的なデータによると、消費者信頼感は政府機関閉鎖によりかなり低下する傾向にあるという。2013年10月の政府機関閉鎖は16日間続いた。この月の信頼感指数は8ベーシスポイント低下。しかし、低下は一時的にとどまった。来年1月の信頼感指数は12月から一段と低下する可能性が警戒される。 12月の消費者信頼感指数の低下は主に期待指数の低下が要因となる。特に、雇用やビジネス状況の見通しの低下がけん引した。

 

欧米イベント

○17:00   12月スイスKOF景気先行指数(予想:98.7)
○19:00   外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
○22:00   12月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.3%/前年比1.9%)
○23:45   12月米シカゴ購買部協会景気指数(予想:62.0)
○24:00   11月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比0.7%)
○29日01:00   EIA週間在庫統計

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的。

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/27/15:15:09

米経済分析局は統計発表を停止予定:米政府機関閉鎖の影響

米商務省経済分析局は26日、2019会計年度(18年10月-19年9月)の支出を手当てする暫定予算案を議会が承認するまでの間、業務を停止せざるを得ないと発表した。今週の当初の発表予定には、11月の米新築住宅販売(27日)や国勢調査局の対外貿易統計(28日)が含まれていた。
予算を得た段階で統計の発表を再開し、政府機関閉鎖で経済統計の公表が延期された場合は、新たな統計リリーススケジュールを発表する。経済分析局が公表する統計には、国内総生産(GDP)や個人所得も含まれる。

 

日経平均株価:NYダウにつれて大幅高で終了

前日のNYダウが過去最大の1086ドル高の上げ幅を記録するなど、世界的な株価下落や景気減速への懸念が急速に後退した。先物への継続的な買い戻しなど幅広い銘柄に買いが膨らみ一時上げ幅を884円に広げた。結局、前日比750円高の2万0077円と大幅続伸して2万円台を回復して終了した。

 

東京外国為替市場:駆け込み的なドル売りで上値重い

ドル/円は、前日のNY時間に急伸した反動から利食い売りに押され一時110.90円付近へ下落した。年末を迎えて国内輸出企業による駆け込み的なドル売り・円買いも観測された。午後もこの流れが続き、110.84円まで下落した。しかし、今晩の米株動向を見極めたいとの雰囲気から下値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価が一時800円を超える上昇となると、ショートカバーが入って111.20円近辺まで値を上げた。ユーロ/ドルは、休場明けとなる欧州勢待ちの様相となっており、1.13ドル台後半で方向感を欠いた値動きとなった。

 

開いた口が塞がらない米国株の急騰誘導

トランプ米大統領に『今が絶好の買い場だ』と強烈に後押しされたクリスマス休暇開けのNYダウは、引け1時間前からの怒涛のプログラム買いを受けて何と1086ドル高といった、今まで目にしたことがない、史上最高の上げ幅を記録して取引を終えた。休暇前の4日間で1500ドルの下落となっていたことを思えば、『まだ足りない』ということになるが、『急落を招いた張本人による急騰誘導』とあって、市場からは『開いた口が塞がらない』との声も多く聞こえてくる。また、WTI原油先物などはなんと10%近い暴騰とあって、市場流動性が極端に薄くなってきているなかで、『行き過ぎたリスクオフ』のセンチメントが巻き戻された結果だったといえる。

 

米国の農業関係者の苦悩:12月30日からTPP11が発効

中国向け輸出の急減に直面する米国の農業関係者は今、アジアで中国に次ぐ2番目の市場に向けた輸出の減少も強く懸念している。その市場とは日本だ。
日本は、環太平洋経済連携協定(TPP)参加11カ国の協定『TPP11』が発効する12月30日から、関税の引き下げや輸入割り当ての緩和を開始する。その対象国にはカナダやオーストラリア、ニュージーランド、チリなど、農業分野の対日輸出で米国の最大級の競争相手が含まれている。

 

12月24日までのNYダウの下げ幅は単月で過去最大

12月のNYダウの下げ幅は24日までに4188ドルと単月では過去最大、2番目に大きいリーマンショック直後の08年10月1525ドルの3倍近い。下落率は16%に達し、12月としては大恐慌時1931年(17.0%)に次ぐ過去2番目の大きさとなった。1ヵ月後に始まる米企業決算が一段の売りを招く恐れもあり、すでに『底なし沼』の様相を呈する。『新債券王』の異名をとるダブルライン・キャピタル率いるジェフリー・ガンドラック氏は、『FEDの利上げで米国株は弱気相場に入った』宣言、著名投資家ソロス氏の愛弟子ドラッケンミラー氏は米WSJ紙に寄稿し、米景気減速を理由にFedの利上げと資産圧縮に疑問を投げかけた。一方、FRBは19日の米FOMCで今年4回目の利上げを決め、強い米経済を念頭に来年も2回の利上げ見通しを示した。これが『タカ派』懸念を招いたが、NY連銀ウィリアムズ総裁は『利上げを続けると約束したわけではない』と21日に釈明し、FRBが進める資産圧縮についても『経済データをよく見て正しい判断をしたい』と柔軟姿勢を示した。今回の米国株『上げ相場』は09年3月から114ヵ月、10年に迫る未曽有の『強気相場』が終焉した可能性が高い。問題はNYダウの下げ調整期間だが、トランプ大統領が再選をかけた2020年の大統領選までを逆残すれば19年後半には株価が底入れしておく必要がある。折しも、1990年7月中旬の高値からの調整期間は、10月中旬の底入れまで僅か3ヶ月だった。因みに、2007年10月のサブプライム住宅金融バブル崩壊時のダウ平均は2009年3月の底入れまで18ヵ月(1年6ヶ月)の下げ相場、2000年3月のITバブル崩壊時は、2002年10月の底入れまで31ヵ月(2年6ヶ月)を擁している。

 

欧米イベント

○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:21万7000件/167万5000人)
○23:00   10月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○24:00   11月米新築住宅販売件数(予想:前月比2.9%/56万件)
○24:00   12月米消費者信頼感指数(予想:133.7)
○28日03:00   米財務省、7年債入札

 

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/12/26/15:15:38

日経平均株価:一時1万9000円割れたものの引けにかけて買い戻し

自律反発を見込んだ買いが先行し、一時上げ幅を375円へ広げるも米政権運営や金融政策など不透明感が強く、NYダウ先物が下げ幅を広げて下げに転じた。一時、心理的な節目となる1万9000円を割り込む場面もあった。しかし、引けにかけて買い戻しが入り上げて終了した。結局、前日比171円高の1万9327円と6日ぶり反発して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は110円半ば前後でもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅が一時300円を超えたことに支えられ、一意110.67円までじり高となった。しかし、110.80円付近がレジスタンスとして意識されると、ドルの上げはは一服した。その後は、短期筋などの利食い売りに押されて110.30円台へ軟化した。午後は株価をにらみながら110.40円前後でもみ合いとなった。休場明けとなる米国市場の動向を見極めたいとのムードも強く、積極的な売り買いは目立たなかった。ユーロ/ドルは、クリスマス休暇を迎えて市場参加者が少なく、1.1405ドル付近で動意の薄い展開となった。

 

日銀のETF買い入れの速いペースでも下支え効果は限定的

日銀が25日にETF買い入れを実施し、703億円のETFを買い入れた。これで12月10回目のETF買いとなり、毎営業日に12億円買い入れている『設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF』を含めた今年の年間買入額は6兆4337億円に達する見込みとなった。あと1回、日銀が買い入れを実施すると6兆5000億円を超える見込みとなっている。25日に前場のTOPIXは4.99%安で終え、世界同時株安の流れが強まる中でETF買いは確実とみられたが、日経平均株価、TOPIX共に後場一段安となり、相場の下支え効果は限定的だった。日銀は今月10月のETF買いに踏み切り、10月(12回)以来のハイペースで買入を行った格好である。10月は22営業日のうち12回(54.5%)の買入となっている。

 

米国では国防・外交の経験のない国防長官代行が務める

マティス国防長官が実質上解任され(任期は年末まで)、パトリック・シャナハン国防副長官が長官代行に指名された。しかし米国で話題になっているのは、シャナハン代行には外交や防衛、そして従軍経験も一切ないこと。1年5カ月にわたりシャナハン氏はマティス長官のもと副長官を務めていたが、主だった職務は予算、内部改革、軍事宇宙開発、新たな軍事部門の設置など事務仕事が中心だった。前職も1986年以来約20年間ボーイング社に勤務をしていたわけで、国防や外交に関しては素人という声が出ている。新国防長官が決まるまでは、トランプ政権下では国防・外交の経験が一切ない新代行が受け持つことになる。それはすなわちお飾りの国防長官代行といる。日本をはじめアジア諸国にもこの問題は大きく影響するのは間違いない。

 

米国は8月以降物価指数が鈍化傾向:利上げを見送っても良かったかも

21日に発表された11月の米個人消費支出(PCE)統計で、FRBが利上げ判断で重視しるコアPCE物価指数が前年同月比1.9%上昇と4ヵ月連続で2%を下回った。同指数は7月まで順調に上昇してきたが、8月以降、明らかに伸びが鈍化している。また、24日時点でのFF金利先物(2020年1月限)は2.42%と、19年中に0.045%の金利上昇(0.25%の利上げの0.18回分)しか織り込んでいない。さらに1年後の21年1月期限のFF金利先物は2.245%と現状のFF金利誘導目標(2.375%:2.25~2.50%)よりも低下している。マーケットもFRBの追加利上げには同調する兆しはない。物価上昇スピードに鈍化の兆しが見えるなか、FRBには18年12月の利上げ見送りという選択肢もあったのかもしれない。

 

★欧米イベント

○23:00   10月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.9%)
○24:00   12月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:15)
○27日03:00   米財務省、5年債入札
○スイス、ドイツ、フランス、英国、カナダ、(以上、ボクシングデー)、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド(以上、セカンドクリスマスデー)、南アフリカ(善意の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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