FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/22/15:15:05

日経平均株価:リスク回避動きが強まり売り優勢

朝方は1踊る=109円台後半の円安を手がかりに輸出関連株に買いが先行した。一時上げ幅を86円台へ広げた。しかし、前日の米国株式市場が休場で海外投資家の取引が少なく、世界景気の減速懸念と欧州リスクに利益を確定する売りが優勢となり、下げ幅を広げた。結局、前日比96円安の2万0622円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク回避の円買い優勢に

ドル/円は、日経平均株価の反落や中国株安で調整色が強まり、一時109.50円まで下落した。米長期金利が小幅ながら低下したことも、ドルの押し下げにつながった。午後もこの流れが続き、日経平均株価の下げ幅拡大をながめてさらにドル売り・円買いが進み109.38円まで下落した。米政府がカナダで拘束されている中国通信機器大手の幹部について、身柄引き渡しを要求していることも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、休場明けとなる米国市場の動向を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り109.40円台でもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、このところ低調なユーロ圏の指標が相次ぎ、欧州の景気減速懸念からユーロ売りが優勢となり、1.13ドル台後半から1.13ドル台半ばに水準を切り下げた。

 

日銀は22-23日に金融政策決定会合を開催

基本政策は現状維持予想ながら、一部では日銀が購入している株式ETF(上場投信)に関して、副作用低減などの観点で「日経平均型のウェートが低下される」といったテクニカル調整の警戒感がくすぶっている。実際に微調整が打ち出されると、日銀による購入減少につながる値がさ株などを中心として、短期的な株安とリスク回避の円高を促す余地を秘めている。その反面、22-23日の政策会合では、原油安などで物価見通しが下方修正される見込みだ。今年の日銀は政府・与党による10月の消費税増税に向けて、景気下支えの役割も期待されている。改めて物価2%目標への遠い道のりや、消費増税に向けた景気慎重姿勢が示されると、緩和長期化や緩和措置強化の思惑が円高・株安の歯止め要因となる。

 

米中貿易摩擦の悪影響が目に見えてきた

米中貿易摩擦は一時的に猶予されているが、中国経済に着実に悪影響を与えている。昨年10-12月の実質GDP成長率は前年比+6.4%と約10年ぶりの低い伸びに留まった。 昨年通年の経済成長率は+6.6%と成長率目標(6.5%前後)はクリアしたが、28年ぶりの低い伸びとなるなど勢いを失いつつある。前期比年率ベースでも昨年は4-6をピークに年末にかけて減速感が強まり、内・外需双方で下押し圧力が掛かっている。 12月の鉱工業生産は前年比+5.7%に加速し、内・外需の鈍化で多くの分野で減産の動きが続く一方、インフラ投資の進捗が関連財の生産を押し上げる動きが鮮明になった。 他方、12月の小売売上高も前年比+8.2%とわずかに加速しており、景気下支え策に加え、原油安に伴うインフレ圧力後退が下支え役になったとみられる。

 

中国は21日から春節の民族大移動の準備に

新年を旧暦で祝う中国で、来月上旬から始まる旧正月の春節の連休を前に21日から鉄道などが増便され、出稼ぎ労働者などの帰省ラッシュが始まった。新年を旧暦で祝う中国では、来月5日に旧正月の春節を迎えるのを前に21日から鉄道やバスなどが増便され、春節を故郷で過ごそうという人たちの帰省ラッシュが始まった。
中国政府によると、21日から3月1日までの期間中に鉄道や飛行機などを利用する人は延べ29億9000万人に上る見通しとされる。

 

欧州市場では24日にEC定例理事会を開催

10月までの利上げ準備や景気判断に関して慎重さが示されると、為替相場ではユーロ安の要因となりやすい。欧州の経済については現在、英国によるEU離脱手続き合意の混迷と3月の離脱期限接近なども景気への悪材料になっている。一方で現在は米中貿易協議の進展期待や中国での景気対策強化などにより、世界経済の過度な悪化懸念は緩和されてきた。ECBが米トランプ政権によるユーロ安・ドル高批判を未然抑止させる意味合いもあり、欧州経済の打たれ強さに自信を示すことでユーロを間接的に下支えさせる余地も残されている。

 

米企業による決算発表待ち

米国市場では、米企業による決算発表が本格化していく。年明けからはアップルの売上高・下方修正や中国減速による業績打撃などが米国の株安を促す場面があり、今後の収益見通しの先細りリスクが米株安とリスク回避の円高要因として警戒される。米国株市場では決算発表の期間中、自社株買いが自粛されることも株安リスクとなりやすい。その反面、米国株市場では当座の決算悪化を織り込む形で、昨年10月から大幅な株安が進展してきた。その意味で今週以降の決算発表では『実際の決算見合いでの株価の割安感』や『当座の悪材料の出尽くし』、『懸念ほどの悪化は限定的』といった要因が株高材料となる余地も残されている。

 

欧米イベント

○17:30   12月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.5%)
○18:30   12月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2万件/失業率なし)
○18:30   9-11月英失業率(ILO方式、予想:4.1%)
○19:00   1月独ZEW景況感指数(予想:▲18.4)
○19:00   1月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30   11月カナダ卸売売上高(予想:前月比横ばい)
○22:30   11月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.9%)
○24:00   12月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲1.2%/年率換算525万件)
○EU財務相理事会(ブリュッセル)
○日ロ首脳会談(モスクワ)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、25日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/21/15:14:35

日経平均株価:決算発表を控えて利益確定売りで上値の重い展開

米中貿易交渉の進展期待に前週末のNYダウが300ドル超上昇したことや、1ドル=109円台の円安を好感した買いに上げ幅を一時226円に広げた。しかし、四半期決算を控えて利益確定売りに押される展開となった。結局、前日比53円高の2万0719円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:109円台半ば前後でこう着状況

ドル/円は、一部メディアが『米中通商交渉はIP(知的財産権)問題でほとんど進展がない』と報じると、調整色がつよまり109.45円まで下落下。日経平均株価が朝高後に伸び悩んだことも、円買いを誘った。しかし、上海総合株価指数が買い先行で始まったこともあり、下押しは限られた。その後は、中国の経済指標が懸念ほど悪化していなかったため、ショートカバーが入って109.70円近辺へ値を戻した。午後は、株価をにらみながら小幅値を下げて109.50円台を中心に狭いレンジと取引となった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国経済指標は成長鈍化が懸念されているほど深刻ではない結果に

中国の10-12月の国内総生産(第4四半期:GDP)の成長率は、前年同期比6.4%増となり、2009年以来の低成長にとどまった。7-9月(第3四半期)は6.5%増だった。昨年12月の小売売上高は前年同月比8.2%増加となり、市場予想の前年同月比8.1%増加を上回った。工業生産は前年同月比5.7%増加となり、市場予想の前年同月比5.3%増加と市場予想を上回った。2018年通年の固定資産投資は前年比5.9%増加となり、市場予想の6.0%を下回った。債務削減の取り組みや米国との貿易対立に伴って景気が減速したこを裏付けた。しかし、成長鈍化が懸念されているほど深刻ではないことを示唆する兆しも出てきた。

 

米中のIP問題(知的財産権問題)は前進なしとの報道で上げ一服

米国市場では、 前週末に中国が貿易不均衡の是正に向け、米国からモノの年間輸入規模を1兆ドル強拡大し、貿易黒字を2024年までにゼロにすることを目指しているとの報道が支援材料となった。ただ、週明け米国と中国はIP問題でこれまでほとんど漸進していないと、貿易協議に詳しい関係者のコメントが報じられたことを受けNYダウ先物は100ドル安となり、これを受けてドル/円と日経平均株価指数は上値が重くなった。

 

EU加盟国内でも英離脱期限延長で意見割れる

EU加盟国は、英国からEU離脱期限の延長要請があった場合、どの程度の期間を認めるかについて意見が分かれている。一部の国は英国が議会の支持を得られる合意内容を交渉するため、長い期間を与えるべきだとし、場合によっては2回目の国民投票後と考える国もある。一方で、いかなる期限延長にも反対し、英国に合意を出来るだけ早期に受け入れさせるため、圧力をかけることを望む国もある。ただ、延長要請するかどうかは英国次第となっている。メイ首相はその意向はないとしているが、政府がEU側とまとめた離脱案は英下院で先週歴史的な票差で否決された上、いかなる代替案についても過半数の指示を集める兆しがほとんどないことから、双方の当局者の多くは3月29日の離脱期限以降も英国をEUにとどめることが唯一の妥当な方法と考えている。

 

米国政府機関閉鎖の解決策は見られず

米下院民主党のクライバーン院内幹事は、1ヵ月近くに及ぶ一部政府機関閉鎖を解決するための提案行った。トランプ大統領は、幼少期に親に連れられて米国に入国した不法移民の若者『ドリーマー』の在留を認める措置(DACA)を3年間延長する提案を行ったが、同院内幹事はDACAの恒久化などを提言した。クライバーン氏は『われわれは腰を据えて人々の生活を安定させたい。交渉に大賛成だ』ただ、同氏は、メキシコ国境の壁予算増額などを議員らが数週間かけて議論できるよう、トランプ大統領はまず政府閉鎖解除に動意すべきだと語った。トランプ大統領は57億ドルの壁建設予算を求めているが、民主党は教師してきた。

 

欧米イベント

○16:00   12月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比▲0.2%)
○23:00   コスタ・ポルトガル中銀総裁、講演
○メイ政権、英議会への欧州連合(EU)離脱協定の代替案表明期限
○ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
○米国(キング牧師誕生日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/18/15:17:44

日経平均株価:米中貿易戦争激化懸念の後退を好感

米WSJ紙電子版が『ムニューシン財務長官が対中関税の一部ないし全ての撤回を提案している』と伝わると、米中貿易戦争激化懸念の後退に前日のNYダウが163ドル高の続伸を好感した買いが先行した。上海総合株価指数など、この日のアジア株式市場が堅調推移となったことも追い風となり、一時上げ幅を280円へ広げた。結局、前日比263円高の2万0666円と3日ぶりの反発で終了した。

 

東京外国為替市場:株高でリスク先行の円売り・ドル買い

ドル/円は、日経平均株価の反発に支えられてじり高となり、109.40円まで上昇した。動向が注目されていた上海総合株価指数の反発で、リスク選好が高まったことも円売りを支えた。午後もこの流れが継続し、一時109.43円まで値を上げて約2週間ぶりのドル高・円安となった。ただ、このところFRB当局者による利上げに慎重な発言が相次ぎ、米金利先高観の後退から上げは一服した。その後は、米国市場の3連休を控えて利食い売りも見られ109.40円を挟んでもい合いとなった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米FRBの利上げ打ち止め観測が東南アジア中銀に影響も

東南アジアの中央銀行の利上げペースが2019年、減速するとの見方が強まっている。米FRBの利上げ路線が揺らぎ追随する必要性が低下しているうえ、経済成長率の鈍化や株価低迷が利上げ継続の重しとなっている。米中貿易戦争など不透明な外部要因も多く、利下げに転じる中銀が出る可能性もある。インドネシア中央銀行は17日の金融政策決定会合で、政策金利を6%に据え置くことを決めた。ペリー総裁は通貨ルピアが対ドルで上昇傾向にあることなどを踏まえ、『政策金利はピークに近づいている』と述べた。

 

南アは政策金利据え置きでも売られる展開

南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は昨日、政策金利を現行の6.75%に据え置くことを決めたと発表した。市場の予想通りの結果となった。ただ、声明では『原油価格の低下や通貨下落の落ち着きでインフレ見通しは改善』としながらも、『弱い消費と景況感で経済回復は限定的』などと指摘した。また、2019年の経済成長予測を従来の1.9%から1.7%に下方修正した。声明を受けてランド安が進んだ。

 

米政府機関閉鎖で経済的影響が株式市場におよぶ可能性も

米国の一部政府機関閉鎖も28日目となり、株式市場などに打撃を与える可能性も高まってきている。既にボラティリティーの上昇、不透明な金利見通し、世界的に成長を損なう恐れのある貿易戦争に直面しているが政府機関閉鎖の経済的影響が意識され始めている。政府閉鎖が市場に影響を及ぼしている兆しは既に表れており、空港で検査の停滞で航空券の需要が損なわれるとの懸念が広がる中、航空株の指数は市場全体のパフォーマンスを下回っている。悲観派の間では、連邦職員の賃金未払いや役所仕事の遅れの影響が経済全体へとじわじわ広がることで、悪影響がさらに拡大しかねないと懸念されている。本日で連邦政府機関の閉鎖が28日目となっており、1週間で約12億ドルのコストがかかることで、今週末のトランプ米大統領就任2周年には48億ドル、来週末では60億ドルとなり、懸案のメキシコ国境壁の建造費用57億ドルを上回ることになる。

 

米国市場では1月ミシガン大学消費者信頼感指数

同指数の12月確報値は98.3だった。また、12月CB米消費者信頼感指数は128.1と、前月の136.4から低下した。1月については、雇用情勢は特に悪化していないものの、政府機関の閉鎖が続いていることや各種企業景況感が悪化していることから、12月実績の98.3を下回る見込みとなっている。

 

欧米イベント

○16:30   12月スイス生産者輸入価格(予想:前月比▲0.1%)
○18:00   11月ユーロ圏経常収支(季調前/季調済)
○18:00   ビスコ・イタリア中銀総裁、講演
○18:30   12月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.8%/前年比3.6%)
      英小売売上高指数(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.6%/前年比3.9%)
○22:30   11月対カナダ証券投資
○22:30   12月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.4%/前年比1.7%)
○23:05   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○23:15   12月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
       設備稼働率(予想:78.5%)
○24:00   1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:97.0)
○19日01:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○19日 独与党・キリスト教社会同盟(CSU)が新党首選出

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/17/15:19:11

日経平均株価:報道による自動車株や半導体関連株売り優勢

前日の米国株高や1ドル=109円台の円安を受けて買いが先行した。しかし、米上院議員が自動車関税について『トランプ米大統領は導入に傾いている』と明かしたとの報道に時価総額の大きい自動車株に売りが目立った。また、米紙WSJ電子版が『米連邦検察官が米国企業から秘密技術を盗んだとして中国ファーウェイを捜査』と報じ中国ハイテク企業の投資需要減退が懸念され半導体関連株にも売りを誘った。下げ幅は一時100円超へ広げた。結局、前日比40円安の2万0402円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:109円を挟んでもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価がプラス圏からマイナス圏へ転じたことや米長期金利が時間外取引で低下したことを背景に持ち高調整などのドル売り・円買いが入り一時108.81円近辺まで下落した。ただ、今晩の米経済指標やFRB要人による講演を見極めたいとの雰囲気もあり、下押しは限られた。その後は、国内輸入企業のドル買い・円売りや中国株の持ち直しに支えられ、109.99付近へ値を戻した。午後は、株価をにらみながら109.00円付近でもみ合う展開が続いた。新規材料も乏しく、積極的な取引は見送られた。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で方向感の乏しい値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

昨年の外国勢の日本株の売越額は31年ぶり

海外勢が日本株の売買シェアの7割を占めているが、現在はその多くをコンピューターによる拘束売買専業のHFTと呼ばれる取引業者による短期値幅取りが占める。HFTの台頭は市場に流動性を供給する半面、瞬間的な株価の級変動(フラッシュ・クラッシュ)が頻発するという副作用も指摘され、市場関係者は警戒している。東証によれば外国人投資家は2018年に日本株を5兆7400億円売り越した。年間の売越額としては31年ぶりの大きさとなった。株価指数先物との合計では13兆2600億円に上り、アベノミクスが始まった13年初めからの外国人による累積買越額をほぼ帳消しにした。こうした売り圧力を額面通り受け止めれば、日経平均株価は1万円台前半に逆戻りしても不思議ではないと思われるが、現実には昨年の年間下落率は1割強にとどまっている。その要因としては、HFTが『わずかでも安く買い、高く売る』作業の積み重ねが、HFT全体でみると売越額と買付額の差である売越金額の増加につながる仕組みとなっている。

 

黒田日銀総裁が低金利の悪影響に言及

黒田日銀総裁は、日本銀行・財務省共催G20シンポジウムの基調講演で「人口減少により資金需要が伸び悩む中で低金利環境が続くと、銀行が海外のエクスポージャーを拡大したり、より信用リスクの高い企業に投融資したりするなど『利回り追求』の動きを加速させる」との認識を示した。低金利環境の継続が「結果として、金融システムの不安定化につながる可能性も考えられる」と述べた。

 

トルコ物価情勢と米国との関係

インフレについては10月消費者物価指数(CPI)の前年比+25.24%をトップに年初に発表された12月は前年比+20.30%と2カ月連続で鈍化傾向を示している。昨年10月にトルコ財務省が発表した肉や牛乳製品に対する割引、電気・ガス料金の据え置きなどのインフレ対策が功を奏したと言いたいところだが、原因は原油価格が10月から44%暴落したことが要因となった。次に米国との関係だが、ブランソン米牧師が解放されたことを受けて改善に向かっていたかに見えたが、クルド人への軍事行動を巡って雲行きが怪しくなっている。トルコ政府はクルド人勢力『人民防衛隊(YPG)』への軍事作戦の用意があることを示唆していたが、ボルトン米大統領補佐官が今月6日に『トルコがクルド人勢力を攻撃しないと約束するまで米軍はシリア北東部での駐留を続ける。米国と十分調整せず、同意も得ていない軍事行動を起こすべきではない』と警告した。トランプ米大統領も13日に『トルコがクルドを攻撃すれば、トルコを経済的に破壊する』と脅しをかけた。両者の圧力に対してトルコ側はいずれも猛抗議するなど状況は悪化している。 昨日トルコ中銀の政策発表を迎えたわけだが、一部では利下げに踏み切るのではとの思惑が台頭していた。ただ、結果は2会合連続で政策金利24.00%の据え置きを発表した。声明では偏っていた引き締めスタンスを緩め、懸念だった経常赤字へも自信を示した。“緩和政策への突然の転換”という混乱は避けられたとの見方から発表後はリラ買いで反応した。

 

FRBの利上げに関するハト派発言が続くか注目

1月29-30日のFOMCに開催されるが、ブラックアウト期間(FOMCが開催される前週の火曜日(1月22日)からFOMC終了時まで)にFRB関係者からハト派発言がどれだけ出るのかが注目される。本日17日にランダル・クオールズFRB副議長が保険関連の会合で講演を行う。銀行監督担当のクオールズ氏だが、質疑応答もあるため利上げ休止に関する発言が出るようなら、パウエル・プットの流れを後押しする。また、18日にはウィリアムズNY連銀総裁が経済見通しに関してニュージャージーで講演を行う予定で、FRBメンバーからの発言が相次ぐことになる。

 

★欧米イベント

○19:00   11月ユーロ圏建設支出
○19:00   12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.6%)
○19:00   12月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.0%)
○20:00   ラウテンシュレーガー欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○22:30   1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:10.0)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22万件/173万5000人)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.75%で据え置き)
○18日00:45   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/01/16/15:13:35

日経平均株価:海外短期水の先物主導の手仕舞い売り

中国の政策期待から前日に節目2万0500円台に上昇した。しかし、達成感から利益確定売りが優勢となり、海外短期筋が先物の手仕舞い売りが出た。そのため、先物主導で下げ幅を一時200円超に広げたものの、売りが一巡すると下げ幅を縮めた。結局、前日比112円安の2万0442円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:108円台半ばでもみ合い相場

ドル/円は、日経平均株価が一時200円と軟調となり、一時108.37円まで下落した。一部米政府機関の閉鎖が続き、過去最長を更新していることもドルの重石となった。ただ、前日の海外市場でつけた108.33円が下値も目処として意識されると、下げ幅を一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、108.50円付近まで持ち直した。午後は、株価にらみの展開となり108円半ばでもみ合いとなった。明日の英議会で議決される『内閣不信任決議』の行方を見極めたいとの雰囲気から、積極的なばいばいは見送られた。ユーロ/ドルは、1.14ドル台前半で大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英議会はEU離脱協定案を大多数で否決

英議会がEU離脱協定案を230票差という歴史的な大差で否決した。ところで、今回の議決では多くの参加者が疑問を抱いたり、または慌てさせたことがあった。日本時間4時から始まった投票は、当初の予定では2時間後の6時前後に結果が表明されるはずだった。しかし、なんと202対432の結果が伝わったのは4時40分過ぎだった。これは、EU離脱案以外の、野党から提出されていた4つの修正案のうち3つが取り下げられたことから、予想外に早い時間帯の議決となった模様。市場では明日4時に議決される『内閣不信任決議』は否決されるとの認識となっている。メイ政権は来週週明けの21日までに『代替案』を提出する。ただ、その代替案も『恐らく否決される』との見通しとなっている。そして、問題はその後となるわけだが、『超党派でまとめた案が出される』可能性もあれば、『メイ英首相が解散総選挙を決断する』可能性も高まっている。デットラインである3月29日には『物理的に間に合わない』状況となるなか、EU側からの数ヶ月の延期容認も必要となってきている。

 

ギリシャに前倒し選挙観測が浮上

隣国マケドニアの国名改称問題をきっかけにギリシャの連立政権が崩壊した。ツィプラス首相は17日に内閣信任投票に臨む。一部の野党議員が信任に回るとみられるが、ぎりぎりの採決が予想される。不信任となれば5月に前倒しで議会選挙が行われる公算が大きい。最近の世論調査では、かつての政権与党・新民主主義(ND)が現政権与党・急伸左派連合(SYRIZA)をリードしている。次期首相への就任が濃厚なNDサミォタキス党首は、構造改革による競争力回復や国際金融市場からの信頼回復を目指している。昨年央に国際的な金融支援を脱したギリシャだが、財政再建、企業の競争力回復、銀行部門の建て直しなど課題は多い。

 

米政府機関閉鎖の長期化で米成長減速をさらに加速の可能性

トランプ政権は、一部政府機関閉鎖が経済に与えるコストは、80万人の連邦職員が休職となるため当初国内総生産(GDP)で隔週で0.1%の成長削減見通しをたてていた。しかし、そのほか、民間受託業者が失職するほか、政府機関閉鎖の機能が停止することを考慮することで、各週で0.1%の成長が削減されると、コストが当初の見通しの2倍になると修正した。 もし、政府機関の閉鎖が今月いっぱい継続することになると、GDPの成長を0.5%ポイント削減することになると、政府高官は明らかにしている。すでに見込まれているリスク、世界経済の弱さや米中貿易問題、減税の効果が薄れることに政府機関閉鎖の長期化が加わると、成長減速をさらに加速させる可能性も出てきた。

 

FOMCタカ派メンバーも利上げ休止示唆

2019年のFOMC投票権を有するジョージ米カンザスシティ連銀総裁は講演(経済と金融政策の見通し)で金利が正常化に近づいており、注意深い継続が必要で『金利正常化を打ち止める良い時期かもしれない』との見解を示した。超タカ派として知られている同総裁が利上げの休止を示唆したことは、サプライズとなった。

 

米国市場では12月小売売上高が公表:米政府閉鎖で再延期の可能性も

参考となる11月実績は前月比+0.2%だった。10月実績は同比+1.1%に上方修正されている。飲食店や自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除くコア売上高は前月比+0.9%の高い伸びとなった。12月については所得環境がやや改善していることから、11月並の伸びとなる可能性がある。

 

欧米イベント

○16:00   12月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%/前年比1.7%)
○17:40   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○18:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、議会証言
○18:30   12月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比2.1%)
      CPIコア指数(予想:前年比1.8%)
○18:30   12月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.5%/前年比2.9%)
○18:30   12月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.4%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:24.00%で据え置き)
○20:00   11月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比2.5%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   12月米輸入物価指数(予想:前月比▲1.3%)
○24:00   1月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:56)
○17日00:30   EIA週間在庫統計
○17日04:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○17日04:00   英内閣不信任決議案の採決

※米政府が一部閉鎖されているため、指標の発表は流動的となっています。

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