FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/03/22/15:18:56

日経平均株価:円高を嫌気した売りが優勢

米FRBが20日まで開いていた米FOMCで年内利上げ凍結を決めたことを受け、日米金利差縮小思惑から1ドル=110円段後半まで円高が進み投資家心理の重石となった。結局、18円高の2万1627円と小幅続伸して終了した。3月第2週の海外投資家の日本株売り越しは5,061億円となり、7週連続の売り越しとなった。

 

東京外国為替市場:週末相場でポジション調整のもみ合い相場

ドル/円は、FOMCのハト派色の濃い内容が引き続きドルの重石となり、110.65円近辺げ下落した。日経平均株価や上海総合株価指数が軟調だったことも、ドル売り・円買いを誘った。ただ、週末を控えて下押しは限られた。午後は、日経平均株価の底堅い動きをながめて持ち高調整などのドル買い・円売りが入り一時110.85円近辺へじり高となった。しかし、前日の高値110.95円が視界に入ると利食い売りも見られ110.80円近辺でもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台後半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

英国の合意なき離脱の延命:次の期限は4月12日

欧州連合(EU)首脳は、英国の『合意なき離脱』が来週3月29日の期限に起きる事態を回避するため、2週間の離脱延期を無条件で認める提案を英側に行い、メイ英首相もこれを受諾した。これに伴い、合意なき離脱の瀬戸際となる新たな期限は4月12日に先送りされる。EUと取り決めた離脱合意案が今月末までに英議会で可決されない場合、首相は次にどう対処するか4月12日までに答えを出す必要がある。
EUの指導者らはブリュッセルで21日に開いた首脳会議で、来週の英議会で離脱案の承認が得られない場合、合意がないまま離脱するか、はるかに長い延期を求めるか4月12日までに決断するようメイ首相に提案した。首脳らの決定は、7日後に合意なき離脱となる差し迫った脅威を取り除き、自らの離脱案への支持を議会に働き掛ける時間的余裕を首相に与える。これまで2回にわたり大差で否決された離脱案が下院で可決された場合、英国は一連の手続き完了のために5月22日までEUに残留することが認められる。離脱案が議会を通過しない場合には、恐らく年末までより長期の離脱延期を要請するか、合意がないまま離脱するかメイ首相は決断を迫られる。

 

企業は英国の合意なき離脱に対して準備を進める

英中銀は、EU離脱の期日が来週に迫るなか、大部分の英企業はEUと条件などで合意しないままに離脱する事態に十分準備ができていると回答したことを明らかにした。約300社の企業を対象に実施した調査結果を公表、約80%の企業が合意なき離脱、もしくは移行期間なしの離脱に対し『準備できている』と回答したという。この割合は1月時点の50%から大きく上昇している。

 

FOMCの結果は予想以上のハト派

米FRBは19-20日に開催した米FOMCで、景気鈍化を理由に今年2会合連続で利上げ見送りを決定した。また、見通しでは、成長やインフレ、金利予想を下方修正した。本年の利上げも前回12月の2回予想から0回に引き下げた。『FRBが市場の知らない経済にネガティブな情報を持っているのではないか』と、市場は疑念を強めた。FRBは景気判断も『成長ペースは堅調なペースで拡大』から『成長は減速』、雇用の伸びは
『強かった』から『堅調』、消費は『引き続き強く伸びている』から『伸びが弱まった』にそれぞれ下方修正。注目のバランスシートの解消も、5月から解消ペースを減速し、市場の予想より早く9月末に停止する計画を発表した。市場は12月末の停止を予想していた。 パウエル米FRB議長は米国経済のファンダメンタルズは依然強く、労働市場も強いが、世界経済の成長減速が成長を抑制し。景気は弱まったと指摘した。金利は中立水準にあるほか、現状で金利を修正する必要はないと、次回の金利修正に向けて辛抱強く様子見姿勢を維持する方針を再確認した。FOMCの予想以上のハト派姿勢を受け、ドル売りが一時加速した。しかし、他国の中央銀行もハト派姿勢を示しており、ドルの下値も限定的となっている。

 

米国市場では2月中古住宅販売件数が公表

1月実績は年率換算で494万戸、前月比▲1.2%で500万戸の大台を下回った。販売価格(中央値)は24万7500ドルで、前年同月比+2.8%となった。住宅ローン金利の上昇が販売状況に影響を与えている。2月については500万戸の大台を回復する見込みだが、大幅な増加は期待しにくい。

 

欧米イベント

○17:15   3月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:51.5)
○17:15   3月仏サービス部門PMI速報値(予想:50.7)
○17:15   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○17:30   3月独製造業PMI速報値(予想:48.0)
○17:30   3月独サービス部門PMI速報値(予想:54.8)
○18:00   3月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:49.5)
○18:00   3月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:52.7)
○18:00   1月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:7.75%で据え置き)
○21:30   1月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.2%)
○21:30   2月カナダCPI(予想:前月比0.6%/前年比1.4%)
○22:45   3月米製造業PMI速報値(予想:53.6)
○22:45   3月米サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○22:45   3月米総合PMI速報値
○23:00   2月米中古住宅販売件数(予想:前月比2.2%/年率換算510万件)
○23:00   1月米卸売売上高
○23:00   1月米卸売在庫(予想:前月比0.2%)
○23日03:00   2月米月次財政収支(予想:2270億ドルの赤字)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2019/03/20/15:14:57

日経平均株価:小型株中心に個人投資家物色に上げに転じる

前日のNYダウが26ドル安と反落したことや、米中通商協議の進展期待の後退もあり、海外短期筋の先物への売りが株価を押し下げた。ただ、小型株中心に個人投資家の買いに上げに転じた。結局、前日比42円高の2万1608円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:FOMCを控え全般様子見ムードの強い展開

ドル/円は、国内輸入企業のドル買い・円売りに支えられ、111.69円付近まで上昇した。日経平均株価の持ち直しで、リスク回避姿勢が後退したことも、円売りを誘った。ただ、15日高値111.90円が上値の目処として意識されると、上げ幅は一服した。その後は、米中通商交渉をめぐる先行き不透明感から利食い売りも見られ、111.60円を挟んでもみ合い展開となった。午後は、日経平均株価や上海総合指数をにらみながら111円台半ばで取引された。FOMC会合の結果を控え、様子見ムードも強かった。ユーロ/ドルは、1.13ドル台半ばで方向感のない値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米中通商協議は長期化の様相

米中通商協議は実務レベルで今も水面下で交渉が続いているが、協議はなかなかまとまらない。双方から『協議は進展している』とのコメントや、『中国が米国産物の輸入増を提案』などのニュースが良く出ているものの、肝心の『構造改革問題』で進展がない。これでは協議がいくら進展してもまとまるはずがない。この『構造改革問題』はトランプ米政権が重要視しているが、習中国政権も譲れない問題であり、どちらかが譲歩しない限り通商協議は長期化するだけでなく、激化するリスクが大きい。

 

南アランドは格付け発表を控えポジション手仕舞いで上値重い

市場の最大の注目は来週29日に予定されている、ムーディーズ社の南ア債の格付けの発表になる。ムーディーズ社は唯一3大格付け機関で南ア債をジャンク債扱いにしていないが、格付けもしくは見通しの変更があるかに注目が集まっている。ここ最近のZARが重い理由として国営企業のエスコムの計画停電の影響以外にも、ムーディーズ社の発表前にポジションを手仕舞っているとの声も市場から聞こえている。

 

英国の無秩序な離脱への懸念残る

昨日18日には下院議長が、『一度否決された案を採決することは不可能』として、メイ首相が予定していた離脱延期を含んだ政府の離脱協定案を巡る3回目の採決を阻止した。このため、今週、採決が実施される可能性は少なくなり、無秩序な離脱への警戒感が広がった。 しかし、ドイツのメルケル首相は19日、29日の離脱期日まであまり余裕はないが、『秩序ある英国のEU離脱のために戦う』と断固とした方針を示した。欧州連合(EU)は英国に離脱延期を提案した。さらに、英国のメイ首相もどうにかして、離脱協定案を巡る採決を実施する意欲を見せたため、秩序のある離脱が可能だとの期待が強まった。

 

原油価格が高止まりする可能性も:サウジの戦略的思惑

サウジアラビアが原油生産を絞り込んでおり、1、2月と石油輸出国機構(OPEC)の協調減産の合意より踏み込んで減らし、さらに削減する構えとなっている。自らのシェアを落とし、原油高を嫌うトランプ大統領の怒りを買いかねない。それでも減産を主導するのは、価格下支えと同時に『拡大OPEC』ともいえる生産調整の枠組みを確立するためかもしれない。サウジの生産量は1月に日量1024万バレルとなり、目標としていた1063万バレルより少ない。さらに3月以降も一段と減らす姿勢を重ねてアピールしている。国際エネルギー機関(IEA)によると、サウジの2月の減産順守率は153%となり、OPECで減産に取り組む11カ国でみても94%と高いのは、サウジの貢献が大きい。また、ロシアの減産の出足が鈍いのを補う面もある。冬は設備の凍結を防ぐため、ロシアは生産水準を落としづらい事情がある。トランプ大統領は2月末、ツイッターで原油価格上昇を改めてけん制し、協調減産の緩和を暗み求めた。ただ、サウジは昨年と異なり、減産を緩めるそぶりを見せていない。一時的に身を切っても、サウジがこの大勢の結束力を高める動機は十分にある。

 

米国市場ではFOMC会合の結果公表:ハト派姿勢でドル売り材料

最近のFRB高官の発言から、FRBが今回のFOMCでハト派姿勢を表明するとの見方が強くドル売り材料となりやすい。FRBはこの会合で、欧州や中国経済の成長鈍化や貿易政策への不透明感から、政策金利を据え置く公算である。さらに、当面利上げを見送る方針を再確認すると見られている。FRBはまた、現在実施している4兆ドル規模のバランスシート縮小策を巡る方針を明確化する見通し。FRB高官は流動性をひっ迫させるバランスシートの縮小を年末には終了させる必要があるとの見解を示している。今回会合で発表されるFRBスタッフ予測では、昨年12月時点の予想が、2019年2回から1回に引き下げると見られている。また、バランスシート縮小策を協議、発表する見通しで、年末までに終了する方針が発表される可能性もある。

 

欧米イベント

○16:00   2月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○17:00   2月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.9%/前年比4.1%)
○18:30   2月英CPI(予想:前月比0.5%/前年比1.8%)
      CPIコア指数(予想:前年比1.9%)
      小売物価指数(RPI、予想:前月比0.7%/前年比2.5%)
○18:30   2月英PPI(食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.3%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   1月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.1%)
○22:00   2月ロシア失業率(予想:4.9%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○21日03:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:2.25-2.50%で据え置き)
○21日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○21日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○21日06:00   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:6.50%で据え置き)
○英中銀金融政策委員会(MPC、21日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/03/19/15:13:26

日経平均株価:上値の重さを嫌気した売り優勢

前日までの上昇で上値が重いとみたヘッジファンドなど海外短期筋が先物に断続的な売りを出した。また、19年2月期決算発表を受け先行き警戒感から小売株中心に売りが出て、一時下げ幅を150円に広げた。ただ、NYダウ先物の下げ渋りや、3月期末配当金支払い絡みの買い観測に下値を探る動きは限られる。結局、前日比17円安の2万1566円と小反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル下押しも限定的

ドル/円は、FOMCにおいてハト派的な姿勢が示されるとの思惑から調整色が強まり、111.13円近辺まで下落した。日経平均株価の下げ幅が一時150円超となったことや米長期金利の低下も、ドル売り・円買いを誘った。しかし、心理的節目の111.10円が視界に入ると下げは一服し、111.20円前後でもみ合った。午後は日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら111.20円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、FOMCを控えた持ち高調整などのユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.13ドル台半ばの高値圏で推移した。

 

豪中銀の利下げの可能性が高まる

豪統計局が本日発表した2018年10~12月期の住宅価格指数は前年比5.1%低下となり、ほぼ市場予想の5.0%低下通りで、市場では織り込まれていたものの、住宅市場が一段と悪化するとの懸念は払拭できていない。18年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は季節調整済みの伸び率が18年7~9月期から鈍化した。中国景気の減速に加え、価格の下落を受けた住宅投資の落ち込みが響いている。豪中銀が公表した3月の理事会の議事要旨でも、住宅価格の下落へ言及が目立ち、『シドニーやメルボルンで今年に入ってからも下落が継続している』と指摘している。足元の市場では景気浮揚のために『いつ豪中銀が利下げに動くか』注目している。

 

海外マネーが日本国債に流入

海外マネーが日本国債に流入している。世界的に金利が低下するなかで日本国債の魅力が高まり、欧州の投資家を中心に購入が増えている。1-2月の買越額が4兆円強の高水準に達したことで日本の金利低下を促し、外国為替市場で円高を防ぐ一因にもなっている。財務省によると、海外投資家は1-2月に日本の中長期債を4兆2778億円買い越した。2カ月間の買越額としては2011年4-5月以来、約8年ぶりの高水準だ。

 

英国の合意なき離脱の可能性は残っている

英与党・保守党の欧州連合(EU)離脱派、リースモグ議員は、悪い離脱合意でもEUに留まるよりはまし、との認識を示し、メイ首相の離脱合意案を支持する可能性を示唆した。 リースモグ議員はLBCラジオに対し『悪い合意よりは合意なしの方がよいが、悪い合意でもEUに留まるよりはまし』と述べ『2年延期なら基本的にEUに留まるということだ』と指摘した。自身の投票方針は、メイ政権に閣外協力する民主統一党(DUP)の方針決定を待って決めるとした。そのうえで、メイ首相は自身の離脱合意案の3回目の議会採決をEU首脳会議後に先延ばしするのが賢明と指摘した。 同じく離脱派のレッドウッド議員は、BBCラジオに対し、メイ首相の離脱合意案を『非常に悪い合意』と批判し、議会の『多くの人々』が依然反対していると述べた。

 

 

米FRBは19-20日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催

FOMCは1月会合で、リスクバランスが下方に傾斜しているとし、パウエル議長は欧州や中国経済の成長減速、貿易の不透明感、財政策の効果が薄れることを成長リスクとして挙げた。今回会合で発表されるFRBスタッフ予測では、前回会合の2019年に2回の利上げから1回に引き下げると見られている。また、バランスシート縮小策を協議、または、年末までに終了する方針が発表されるとの思惑もある。米国株は1月以降、FRBのハト派(緩和支持)転換を好感する形で反発してきた。その分だけ先行きの利下げ余地が示唆されなかったり、期待ほどハト派でなければ、短期的な失望株安のリスクをはらむ。

 

欧米イベント

○18:30   2月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○18:30   11-1月英失業率(ILO方式、予想:4.0%)
○18:35   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○19:00   1月ユーロ圏建設支出
○19:00   3月独ZEW景況感指数(予想:▲11.0)
○19:00   3月ユーロ圏ZEW景況感指数
○23:00   1月米製造業新規受注(予想:前月比0.3%)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○米ブラジル首脳会談(ワシントン)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/03/18/15:15:14

日経平均株価:世界経緯減速懸念の後退を好感

前週末のNYダウが138ドル高と3日続伸を受けて買いが先行した。世界景気減速懸念の後退に半導体関連株中心に買いが優勢となり、一時上げ幅を広げ160円高まで上昇した。為替市場で対ドル、対ユーロともに円高基調が一服する中、日経先物にも継続的に買いが入り現物株の下支えとなった。結局、前週末比133円高の2万1584円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:111.50円台の狭いレンジ相場

ドル/円は、日経平均株価の続伸に支えられ、111.63円付近までじり高となった。ただ、NY市場で付けた111.73円が視界に入ると、利食い売りも見られ111.60円を挟んでもみ合う展開となった。午後は、株価をにらみながら111.50円台を中心とした狭いレンジで推移した。19-20日に開催されるFOMCを控えて様子見ムードが強く、積極的な取引は見送られた。ユーロ/ドルは、1.1335ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国全人代では構造改革よりも成長維持を優先

中国では第13期全国人民代表大会(全人代)が5日から15日まで行われた。全人代では2017年ー18年に最も重視した『サプライサイドの構造改革』を活動の重点から外し、当面は構造改革より成長維持を優勢させる姿勢を強めた。財政政策はこれまでの『積極的財政政策』を一層強化するとされ、金融政策は『穏健中立』から『穏健』(緩和の意味合いを強化した内容)に変更され、『合理的な潤沢な流動性供給』が追加された。足もとで中国企業のマインドは悪化し、リストラや賃金の伸び悩みで消費者マインドも冷え込んでいる。そこに米中摩擦による景気下押し圧力も加わり、中国全体の需要は急激に落ち込んだ。中国経済の減速やインフレの落ち着きを受けて、中国人民銀行による利下げ観測がくすぶっているが、2015年以来の基準金利の引き下げは当面先送りされると見ている。景気悪化に対する懸念が一段と高まらない限り、先行きのリスクを高めつことになる利下げには中国当局も慎重を重ねる。

 

英国の離脱強硬派が歩み寄る可能性も

英議会では14日にメイ首相のEU離脱期限を延期する動議が可決された。メイ政権は20日までに離脱案をめぐる3回目の採決を目指し、民主統一党(DUP)および与党保守党内の離脱強硬派の説得を続ける。20日までに離脱協定案で合意できれば6月末までの短期の延長、合意できなければ長期の延長を要請することにした。英政府の離脱日延期の申し入れを受けて、21-22日予定のEU首脳会議でその是非や期間が協議される見通し。市場ではEU側が離脱日の延期を認めると楽観視しているが、承認にはEU加盟27カ国の同比が必要で、承認が得られる保証はない。また、短期間ではなく、長期の延期が長期化すれば、離脱をめぐる2回目の国民投票に道が開かれ、2016年の国民投票結果が覆されることにもなりかねない。

 

日米通商協議を控えてドルの上値が重い展開を予想

3月期末決算に向けた本邦機関投資家のレパトリエーション(海外投資資金の本国への還流)で上値が重い展開が予想される。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代行が3月中の開催、茂木経済財政相が4月の開催を望んでいる日米通商協議では、自動車関税や為替市場条項への警戒感からドル/円の上値を抑える要因となっている。トランプ大統領が、2018年の対日貿易赤字676億ドルが大き過ぎると不満を表明している。今朝発表された日本の2月貿易統計は市場予想の860億円を上回る1161億円の黒字となった。

 

欧米イベント

○19:00   1月ユーロ圏貿易収支(季調済、予想:150ユーロの黒字)
         ユーロ圏貿易収支(季調前)
○21:30   1月対カナダ証券投資
○23:00   3月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:63)
○メキシコ(ベニート・フアレス生誕日)、休場
○18-19日   2月ロシア鉱工業生産(予想:前年比1.5%)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/03/15/15:18:38

日経平均株価:円安と中国株高を好感した買い優勢

前日NYダウが底堅く続伸したことや一時1ドル=111.90円近辺へ円安が進んだことで買いが先行した。その後、中国株高を背景に投資家心理が改善し、機械や自動車株など輸出関連株や値がさ株への幅広い買いに上げ幅を200円超へ広がった。結局、前日比163円高の2万1450円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:112円近辺ではドル売り優勢

ドル/円は、日経平均株価の反発に支えられて、111.90円まで上昇した。しかし、心理的節目となる112.00円に接近すると上げは一服した。週末を控えたドル売りなどに押されて111.70円台へ軟化した。昼過ぎに、一部メディアが『北朝鮮が米国との非核化協議の停止を検討している』と報じると、リスク回避姿勢が強まって一時111.49円近辺へ低下した。しかし、黒田日銀総裁の経験内容を見極めたいとの雰囲気から下げ渋り、111.60円近辺へ切り返した。ユーロ/ドルは、1.13ドル台前半で大きな方向感は出なかった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日銀金融政策決定会合では政策変更なくやや失望

本日の日銀金融政策決定会合の結果公表時刻が11時39分と、黒田総裁が就任した2013年3月以降で最も早かった。市場の予想通り政策変更はなく、景気については事前報道通り、総括判断を据え置き、輸出と生産の判断を引き下げた。市場では『(金融政策の先行きを示す指針である)フォワードガイダンスを変える』との予想が多かった。

 

再び米朝関係に溝が:ロケットマン復活か

ロシアのタス通信、AP通信などが、北朝鮮が米国との非核化交渉を中断することを検討していると報じた。金正恩労働党委員長が2月に行われた米朝首脳会談後、今後の北朝鮮の行動を含む公式声明を間もなく発表するといい、北朝鮮の瀬戸際外交が再掲される恐れもある。トランプ大統領としては面子をつぶされた事になりそうで、ツイッターで再び金正恩氏をロケットマンと攻撃する可能性もある。

 

英議会はEUに求める動議を可決したが不透明感が残る

英議会下院は日本時間15日未明、欧州連合(EU)からの離脱延期をEUに求める動議を賛成412票、反対202票の賛成多数で可決した。来週20日までに離脱協定案を議会で承認することを条件に、離脱期限を6月末まで延期する。仮にこの離脱協定案が議会で承認されなければ、『長期の延長が必要になる』とだけ明記され、対応策は示されなかった。 市場では『離脱時期の延期』自体は織り込み済みだった。事前にポンド高が進んでいただけに、結果を受けて目先の利益を確定する目的の売りが出た。延期が条件付きとなり、先行き不透明感が依然として強いことも相場の重しとなったようだ。

 

危うい中国事情:膨大な債務と不良債権問題

リーマン危機以降の世界の債務増加額67兆ドルのうち、中国が27.5兆ドルと全体の4割を占める。すでに民間債務の比率は日本のバブル期と同じ200%を超えバブル崩壊のあし音が忍び寄りつつある。しかも、中国の統計への信頼度は低く、特に不良債権の実体は政府が発表する数字よりも悪い可能性があり、デ・レバレッジ(債務圧縮)棚上げによる不良債増という事情もある。むろん、中国減速が構造問題として警戒されるのは、中国全体が抱える巨額債務の存在からである。米ブルームバーグによれば、2017年の中国全体の負債額は32.5兆ドル(GDP比266%)を超え、10年間で4.4倍(GDP比で1.6倍)に膨れ上がった。国全体の総負債額のうち60%が企業負債であり、同じく4倍以上に膨らみ、景気減速により足元では企業倒産が記録的な水準に達している。特に、企業の負債の中でも突出しているのがドル建て債務であり、2011年頃から急増しし、2017年10-12月期には450億ドルに迫る膨張となった。つまり、中国18年GDP成長が1990年以降で最低水準に低下、過去最多の社債デフォルト(債務不履行)、銀行不良債権比率の10年ぶり高水準など構造改革に着手すべきとの言外の意である。米中貿易戦争が『休戦』となっても膨大な債務と不良債権問題が中国景気回復の足枷となる。

 

欧米イベント

○16:00   2月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   12月トルコ失業率(予想:12.8%)
○18:00   レーン・フィンランド中銀総裁、記者会見
○19:00   2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.5%)
○19:00   2月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比1.0%)
○21:30   1月カナダ製造業出荷(予想:前月比0.4%)
○21:30   3月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:10.0)
○22:15   2月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.4%)
       設備稼働率(予想:78.4%)
○23:00   3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値、予想:95.3)
○16日05:00   1月対米証券投資動向

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