FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/12/30/07:56:50

米国株式市場は下落:現金給付額の採決見送りで失望感から売り

NYダウは68.30ドル安の30335.67ドル、ナスダックは49.20ポイント安の12850.22ポイントで取引を終了した。米議会下院は28日、米追加経済対策に対し、世帯への現金給付額を1人最大2000ドルに増額する法案を賛成多数で可決したものの、上院では多数派である共和党の反発が予想されるため積極的に上値を追う展開にはならなかった。マコネル上院院内総務(共和党)は同案の審議に入る方針を示したが、採決には進まなかった。そのため、失望感が広がり下落に転じた。VIX指数は21.70から23.08へ上昇した。

 

NY外国為替市場:米国株失速でドル売り鈍化

ユーロ/ドルは、米国の追加経済対策の成立を背景に欧州株やNYダウ先物が上昇すると、リスク選好のドル売りが先行した。18日の高値1.2272ドルや17日の高値1.2273ドルを上抜けて、一時1.2275ドルと2018年4月以来約2年8カ月ぶりの高値を付けた。ただ、高く始まった米国株が失速するとドル売りの勢いが後退した。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いも入り、一時1.2236ドル付近まで下押しした。米議会下院は28日、米追加経済対策に対し、世帯への現金給付額を1人最大2000ドルに増額する法案を賛成多数で可決したものの、上院では多数派である共和党の反発が予想され、実現には不透明感が広がっている。マコネル上院院内総務(共和党)はNY午後に、同案の審議に入る方針を示したが、採決には進まなかった。 

 

ドル/円は、ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いが先行し、一時103.75円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値103.83円を上抜けることは出来なかった。米国株が上昇して始まるとリスク選好のドル売りが進み、一時103.46円と日通し安値を更新した。ただ、米国株が失速するとドル売りの勢いは後退した。前日の安値103.41円や一目均衡表転換線103.39円が目先サポートとして働いたことも相場を下支えした。 

 

NY原油先物市場は反発:経済正常化への期待感から底堅い展開

NY原油先物市場は47.68ドル-48.35ドルのレンジ相場となった。時間外からニューヨーク序盤まではリスク選好地合いを支えに48ドル台で底堅く推移した。その後、高寄りした米国株がマイナス圏に沈むと原油先物も上値を切り下げる展開になった。ただし、新型コロナウイルス・ワクチンの普及が徐々に進むなかで経済正常化への期待感は根強く、47ドル台では下げ渋った。48ドル以下で押し目買いの興味が残されていることから、原油先物は底堅い動きとなった。 

 

NY金先物市場は反発:米政治の懸念で売買交錯

NY金先物市場は1875.60-1891.30ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで2018年4月以来のドル安を記録すると、ドル建ての金先物は割安感から買い優勢となる場面があった。ただ、米下院で可決し上院に送付された『追加コロナ支援策の現金給付増額』の行方を見極めたいとの向きも多く、積極的に上値を追う動きは見られなかった。ユーロ/ドルでドル売りが一服したことも重しとなり、金先物は引けにかけて上げ幅を縮めた。 

 

米国債券市場は下落:米上院での政治不安から買戻し

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は下落)0.94%で終了した。米追加経済対策の一環である世帯への現金給付額増額期待を背景に債券売りが先行したものの、マコネル上院院内総務(共和党)が下院で可決された現金給付額を2000ドルに引き上げる案を阻止すると買い戻しが入り下げ幅を縮めた。 

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2020/12/29/07:43:36

米国株式市場は上昇:景気見通し改善期待から買い優勢

NYダウは204.10ドル高の30403.97ドル、ナスダックは94.69ポイント高の12899.42ポイントで取引を終了した。追加経済対策・歳出法案の成立で政府機関閉鎖が回避されたほか、景気見通しの改善で、寄り付きから大きく上昇した。ワクチンへの期待も支援し、終日堅調に推移し史上最高値を更新した。スマートフォンのアップルが上場来高値を更新するなど、主力ハイテク株の上昇が相場をけん引した。VIX指数は21.53から21.70へ上昇した。

 

NY外国為替市場:リスク選好の円売り優勢

ドル/円は、欧州市場序盤に一時103.39円と日通し安値を付けたものの、市場では『一目均衡表転換線の103.40円を維持している限り、下値は堅そうだ』との声も聞かれ、底堅く推移した。その後、欧米株価の上昇を背景にリスク選好の円売りが強まると、103.80円超えに観測されていたストップロス注文を誘発し一時103.89円まで上値を伸ばした。なお、ドイツ株や米国株は史上最高値を更新した。米追加経済対策の成立や、欧州での新型コロナワクチン接種開始などが好感された。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場では方向感に乏しい展開だった。21時過ぎに1.2191ドル付近まで値を下げたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.2181ドルが目先サポートとして働くと1.2240ドル付近まで再び強含んだ。ただ、引けにかけては再び上値が重くなった。 

 

トルコリラ/円は堅調推移した。対円では一時14.05円と9月17日以来の高値を付けたほか、対ドルでは7.4081リラまでリラ高・ドル安が進んだ。前週のトルコ中銀による利上げ(政策金利15%から17%に引き上げ、予想は16.5%)を好感した買いがこの日も継続。同国と英国が自由貿易協定(FTA)を締結し年内署名の見通しが立ったことや、米製薬大手ファイザーと新型コロナワクチンの購入契約を締結したとの報道もリラ買いを後押しした。 

 

NY原油先物市場は下落:コロナ変異種の感染拡大を懸念した売り

NY原油先物市場は47.50ドル尾-48.96ドルのレンジ相場となった。追加コロナ対策法案の成立を受けて強まったリスク選好地合いに押され、NY原油先物は時間外から強含んだ。もっとも、変異種も発見された新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、移動制限を強化する国が相次ぐなかでエネルギー需要増への期待は高まり難かった。アジア市場の序盤に47.50ドルまで下げた後、ロンドン市場の序盤にかけて48.96ドルまで買われた。しかしながら、ニューヨーク市場では48ドル台前半で上げ渋り、時間外取引で47.55ドルまで下落する場面があった。

 

NY金先物市場は3日ぶり反落:持ち高調整の売りが優勢

NY金先物市場は1873.10-1904.10ドルのレンジ相場となった。序盤は買いが優勢となり、一時1900ドル台に乗せた。しかしながら為替相場でドル買い戻しが強まると、割高感が出たドル建ての金先物は伸び悩む展開になった。大台を維持できなかったことで持ち高調整の売りも出やすく、引けにかけて1880ドルを割り込む場面があった。アジア市場で1904.10ドルまで買われたが、その後は伸び悩んだ。

 

米国債券市場は横ばい:薄商いのなか静かな相場

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいだった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ0.92%で終了した。米追加経済対策法案の成立で債券売りが出たものの、下値は限定的だった。市場では『薄商いで静かな相場だった。当面はレンジが続くだろう』との声が聞かれた。 

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朝の市場コメント!

2020/12/28/06:27:50

25日はクリスマス休暇で欧米市場は休場

 

米議会では今晩追加経済対策法案の大詰め

トランプ米大統領が総額9000億ドルの経済対策法案への署名を拒否し続けているため、失業給付金の特例措置が27日に期限を迎え失効した。ペロシ下院議長は28日に、個人への現金給付を600ドルから2000ドルに引き上げる景気刺激策のための法案について、全会一致の同意投票を行う予定となっている。

12月28日のつなぎ予算の期限切れ前に議会での修正は不透明な状況になっている。つなぎ予算が失効した場合、29日から政府機関の一部閉鎖などの事態が想定される。リスク回避の動きになりやすいので注意が必要である。

 

1月5日のジョージア州上院議員決戦投票

米国上院(定数:100議席)は、共和党が50議席、民主党が48議席となっているが、ジョージア州の上院議員選挙(定数2)の決選投票で共和党が1議席獲得すれば、開戦前のように多数派となるが、民主党が2議席獲得した場合、50対50となり、議長のハリス次期米副大統領の1票により、民主党が多数派を占めることで、民主党がホワイトハウスと上下院の多数派を占める『トリプル・ブルー』となる。『トリプル・ブルー』のリスクシナリオは、トランプ減税の撤回、法人税率が21%から28%に引き上げられる計画などから、ニューヨーク株式市場の反落要因となる。

 

英・EU通商協定めぐり今後もポンドは不安定か

長らく続いた英・欧州連合(EU)の通商協定は移行期限ぎりぎりでやっと合意に至った。これで、来年の1月1日から英・EU間の関税が発生し、欧州経済が混乱に陥る可能性は回避された。英・EUの通商交渉が合意し、ようやく英・EU離脱をめぐる不透明感が解消されたことはポンドの下支えとなるが、移行期間終了に伴う経済の下押しの顕在化、景気下支えのための追加緩和観測などが重石となり、徐々にポンドに売り圧力が強まる可能性がある。また、関係者の話として、英・EUは合意の一部を将来再交渉する可能性があるとも伝わっている。とりあえず『骨格だけ』を定めた合意が成立したことになり、英・EU通商協定をめぐり、ポンドはこの先も不安定な動きになる可能性がある。

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2020/12/25/07:40:10

米国株式市場は上昇:市場参加者少なく動意に乏しい展開

NYダウは70.04ドル高の30199.87ドル、ナスダックは33.62ポイント高の12804.73ポイントで取引を終了した。クリスマスイブの短縮取引で参加者が限られる中、新型コロナワクチンの可能性が広がったことや、さらに、英国と欧州連合(EU)が自由貿易協定(FTA)などで最終合意にいたったことが投資家に安心感を与え寄り付きから上昇した。議会可決の追加経済対策案を巡り、トランプ大統領が拒否権行使の可能性を示唆したことを受けた不透明感がくすぶり一時下落に転じる局面もあったが、引けにかけては上げ幅を拡大した。 もっとも、売買は低調で動意に乏しい展開だった。VIX指数は23.31から21.53へ低下した。

 

NY外国為替市場:ポンドは材料出尽くしから一転売り優勢

ポンド/ドルは、難航してきた英国と欧州連合(EU)の将来関係を巡る通商交渉が本日中にも合意に達するとの期待が高まり、欧州時間に一時1.3619ドルまで上げたものの、NY市場では上値が重くなった。英国とEUはこの日、通商協定で正式に合意したと発表した。ただ、交渉合意の期待で事前に買われていただけに、そのあとは『Sell the fact(事実で売る)』の動きとなり、一時1.3524ドル付近まで下押しした。英国では新型コロナウイルス変異種の感染拡大が懸念されており、感染拡大やロックダウン(都市封鎖)による経済への悪影響も警戒された。なお、市場では英EU合意について『単に危機的状況が回避されたに過ぎない。サービス部門を含めた包括的な通商協定ではない。今回の合意が英国のサービス部門に対する問題にならないことが明らかになるまで、楽観的ながらも慎重な姿勢を崩せない』との指摘があった。NY午後には『英労働党の一部議員は英国とEUの通商合意に反対する計画』との英紙報道も伝わった。

 

 ドル/円は、英EU合意期待で欧米株価が上昇すると、投資家のリスク志向が高まり円売り・ドル買いが先行し、一時103.77円と日通し高値を更新した。ただ、一目均衡表基準線が位置する103.82円や21日の高値103.89円がレジスタンスとして働くと伸び悩んだ。103円台後半から104円台半ばにかけては断続的に売りオーダーも観測されており、ドルの上値を抑える要因となった。もっとも、この日はクリスマスの前日で米債券・株式・商品市場は短縮取引だった。閑散取引の中、動意に乏しい展開となり、NY時間の値幅は21銭程度にとどまった。 

 

ユーロ/ドルは、ドル/円の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.2177ドルと日通し安値を付けたものの、クリスマス休暇に入っている市場参加者が多く、商いは低調だった。

 

NY原油先物市場は小幅続伸:方向感欠くも48ドル台回復

NY原油先物市場は47.56ドル-48.62ドルのレンジ相場となった。昨日、米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計で、原油とガソリンの在庫が減少したことや、英・EUの通商合意が支えとなるも、コロナ感染拡大による先行きの景気不安や米追加経済対策の早期実施の不透明感が重しとなり、短縮取引のこの日は方向感に欠ける動きとなった。新型コロナウイルスの変異種の感染拡大は引き続き警戒されており、ロンドン市場で47.56ドルまで下げたが、英国と欧州連合(EU)の通商協議は合意に達しており、ニューヨーク市場で原油先物は48ドル台を回復した。

 

NY金先物市場は小幅高:ポジション調整の売買が主体

NY金先物は1873.10-1887.40ドルのレンジ相場となった。利益確定や調整の売りが先行するも、押し目では買いが入り、続伸して取引を終えた。短縮取引で市場参加者は少なく、値動きは限られた。ユーロ売り・米ドル買いは一服しており、金先物は底堅い動きを維持した。

 

米国債券市場は反発:ポジション調整の買い

米国債券市場で長期ゾーンは反発(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.92%で終了した。クリスマス休暇を控えて、持ち高調整目的の買いが入った。なお、本日はクリスマスの前日で短縮取引だった。 

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2020/12/24/07:52:32

米国株式市場はまちまち:米追加経済対策法案への先行き不透明で上値抑制

NYダウは114.32ドル高の30129.83ドル、ナスダックは36.80ポイント安の12771.11ポイントで取引を終了した。経済指標は強弱まちまちの結果ながら追加経済対策の成立期待や銀行株の上昇に支えられ寄り付き後上昇した。しかし、トランプ大統領が議会承認の追加経済対策法案で拒否権を発動する可能性に言及したため上値が抑制された。引けにかけて、大統領が国防法案に拒否権を発動すると上げ幅を縮小した。12月に入りNYダウの30200ドル台は売り圧力の価格帯となっているだけに上値が重いとの見方も出ている。VIX指数は24.23から23.31へ低下した。

 

NY外国為替市場:ロンドンフィキシングに向けてドル買い優勢

ドル/円は、NY勢参入直後にドル買いが進んだ流れに沿って円売り・ドル買いが先行した。11月米耐久財受注額や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことも相場の支援材料となった。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円売り・ドル買いも出て一時103.65円とアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。ただ、同水準を上抜けることが出来ず、引けにかけては上値が重くなった。 

 

ユーロ/ドルは、NY市場に限れば、一進一退の展開だった。NY勢参入直後にドル買いが強まると一時1.2160ドル付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値1.2154ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢になった。ポンド/ドルの上昇につれた買いも入り、一時1.2221ドルと日通し高値を更新した。もっとも、そのあとはクリスマス休暇前のポジション調整目的の売りも出て、一時1.2173ドル付近まで押し戻される場面があった。 

 

ポンド/ドルは、難航してきた英国とEUの将来関係を巡る通商交渉が本日中にも合意に達する可能性が浮上し、ポンド買いが広がった。ポンド/ドルは一時1.3571ドル、ポンド/円は140.32円、ユーロポンドは0.9001ポンドまでポンド高に振れた。なお、EUは英国との自由貿易協定(FTA)交渉が移行期限となる年末までに合意できない場合、『1月1日から暫定的なFTAを発効させる用意がある』と報じられたほか、複数のEU当局者の話として『通商交渉は大枠で合意した』と伝わった。 

 

NY原油先物市場は反発:需要増加への期待残り買い優勢

NY原油先物市場は46.16ドル-48.50ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロで下落し、ドル建ての原油に割安感が生じたことや、米株が上昇したこともリスク資産の原油の買いを後押しした。米エネルギー情報局(EIA)が発表した在庫統計で、原油在庫は56.2万バレルの取り崩しと、予想ほど減少しなかったものの、ガソリン在庫は増加予想に反して112.5万バレルの取り崩しとなった。新型コロナウイルスの変異種の感染拡大は引き続き警戒されているものの、原油在庫は減少していること、ワクチン接種拡大は需要増加につながるとの期待は消えていないことから、原油先物は強い動きを見せた。

 

NY金先物市場は反発:ポンド中心にドル安で買い優勢に

NY金先物市場は1860.90-1883.70ドルのレンジ相場となった。為替市場でポンド/ドルを中心にドル安が進み、ドル建てで取引される金の割安感につながり、買いが優勢となった。ニューヨーク市場の序盤に1860.90ドルまで下げたが、まもなく反転し、一時1883.70ドルまで戻す場面があった。

 

米国債券市場は反落:欧州株に連れた売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは3営業日ぶりに反落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%高い(価格は上昇)0.94%で終了した。英国と欧州連合(EU)の通商貿易交渉が本日中にも妥結する可能性が浮上し、欧州債券相場が下落したことに連れて米国債にも売りが波及した。 

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