FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2020/12/02/07:51:20

米国株式市場は上昇:ワクチンの早期実用化への期待から買い優勢

NYダウは185.28ドル高の29823.92ドル、ナスダックは156.37ポイント高の12355.11ポイントで取引を終了した。ペンス副大統領が各州知事にワクチン配布を2週間内に開始する可能性を伝えたことが明らかにしたことで、新型コロナウイルスのワクチン早期実用化への期待が高まったほか、中国の良好な指標を好感し寄り付きから大きく上昇したことで買いが優勢となった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会での議会証言で、『米経済回復への道のりは長い』と指摘した。米低金利政策の長期化観測が高まったことも相場を下支えした。また、追加経済対策を巡り、マコーネル共和党上院院内総務が年内の成立の必要性を主張したほか、ムニューシン財務長官とペロシ下院議長が協議することが明らかになったため期待が高まり、終日堅調に推移した。 VIX指数は20.57から20.77へ上昇した。

 

NY外国為替市場:株高によるリスク選好のドル売りが優勢

ドル/円は、株高に伴うクロス円の上昇につれた円売り・ドル買いが出て一時104.58円と日通し高値を付けたものの、対ユーロなどでドル売りが強まった影響も受けたため上値は限られた。一時104.29円付近まで下押しする場面があった。次期米財務長官に指名されたイエレン前FRB議長はこの日、『米国は新型コロナ流行とそれに伴う景気低迷に端を発する歴史的な危機に直面している』などと語り、『迅速に行動することが不可欠』との考えを示した。 

 

ユーロ/ドルは、新型コロナワクチンの実用化による景気回復が期待されて、米国株相場が堅調に推移するとリスク選好のドル売りが優勢となった。テクニカル的に重要なポイントとして意識されていた9月1日の高値1.2011ドルを上抜けると、断続的にストップトスを巻き込んで一時1.2077ドルと2018年5月1日以来2年7カ月ぶりの高値を更新した。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、米上院銀行委員会で米経済回復の『道のりは長い』と指摘したうえで、『追加の経済対策は景気回復を大きく促進する』と財政支援の必要性を改めて訴えた。ムニューシン米財務長官も『企業に2-3カ月も待つ余裕はない』として、助成金として3000億ドル相当を確保することを提案した。 

 

NY原油先物市場は続落:減産延長への不透明感を嫌気

NY原油先物市場は44.12ドル-45.70ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)の30日会合で現行の協調減産を来年1月から3カ月間延長することを協議したが、一部の国が減産延長に慎重姿勢を示したほか、ロシアなどの非加盟国も交えた『OPECプラス』の閣僚級会合は協議にさらなる時間が必要だと判断し、3日に延期されたことで、協調減産延長への不透明感が原油相場の重石となった。ロンドン市場で45.70ドルまで買われたが、主要産油国による協調減産体制の延長合意は遅れるとの見方が広がり、需給悪化を警戒してポジション調整的な売りが目立った。

 

NY金先物市場は大幅反発:ユーロ高を意識した買い優勢

NY金先物市場は1778.40-1821.10ドルのレンジ相場となった。為替相場でドル安・ユーロ高が進み、ドル建ての金に割安感が生じたことが、金の買いを後押しした。また、ロンドン市場で心理的節目の1800ドルを回復したことで買いが加速した。ニューヨーク市場でも続伸し、一時1821.10ドルまで買われた。株高は意識されなかった。

 

米国債券市場は下落:リスク選好の動きから安全資産売り優勢

米国債券市場で長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.08%高い(価格は下落)0.92%で終了した。新型コロナワクチンが年内に実用化されるとの期待から米国株相場が堅調に推移した。そのため、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。 

 

 

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2020/12/01/07:41:55

米国株式市場は下落:ポジション調整による利益確定売り

NYダウ271.73ドル安の29638.64ドル、ナスダックは7.11ポイント安の12198.74ポイントで取引を終了した。新型コロナのワクチン実用化の期待から上げていた金融や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄に売りが先行した。月末とあって持ち高調整や利益確定の売りが強まると、一時440ドル超下落した。市場では『NYダウは月間で12%高と1987年以来の大幅上昇となった。月末を迎えて利食い売りなどが出た』との声が聞かれた。VIX指数は20.84から20.57へ低下した。

 

NY外国為替市場:月末ロンドンフィキシング絡みの展開

ドル/円は、対ポンドなどでドル売りが進んだ影響を受けて一時103.90円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値103.83円がサポートとして意識されると持ち直した。ロンドン・フィキシングに絡んだドル買いのフローも観測されて、一時104.39円と日通し高値を更新した。米国株の下落に伴うリスク回避のドル買いも入った。なお、バイデン前副大統領はこの日、米財務長官にジャネット・イエレン前FRB議長を起用すると発表した。承認されれば、女性では初の財務長官となる。 

 

ユーロ/ドルは、ポンドやカナダドルに対して米ドル売りが先行した流れに沿って、ユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.2003ドルと9月1日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。ただ、同日高値の1.2011ドルが重要なレジスタンスとして意識されると失速した。月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローも観測されて、一時1.1924ドルと日通し安値を更新した。米国株相場が軟調に推移したこともドル買い戻しを誘った面がある。市場では『1.2ドル台ではユーロ圏要人からユーロ高けん制発言が相次いだ水準だけに、戻り売りなどが出やすいようだ』との声も聞かれた。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米上院銀行委員会での事前原稿で『米経済の不確実性はウイルス次第』『経済活動は引き続き回復しているが、改善ペースは穏やか』『ワクチンのニュースは中期的にとてもポジティブ』との見解を示したと伝わった。 

 

NY原油先物市場は小幅続落:ポジション調整的な売り

NY原油先物市場は44.42ドル-45.80ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)の協調減産協議の不透明感で続落した。OPECはテレビ会議で総会を開き、現行の協調減産を来年1月3カ月間延長することを協議したが、ひとつの国が減産延長に慎重姿勢を示したもようで、決定を持ち越した。1日に予定されていたロシアなどの非加盟国も交えた「OPECプラス」の閣僚級会合は更なる協議が必要ということで3日に先伸ばされた。世界経済の早期正常化への期待は持続しているものの、ウイルス感染の拡大を嫌気して米国株式は下落したことから、ポジション調整的な売りが目立った。

 

NY金先物市場は小幅続落:ワクチン開発期待から安全資産需要後退

NY金先物市場は1767.20-1793.30ドルのレンジ相場となった。バイデン新政権への移行が徐々に始まっていることや、コロナワクチンへの期待感で安全資産の需要が後退した。米バイオ企業のモデルナが欧米で新型コロナワクチンの認可を申請する方針を発表し、米ファイザーに続き、2件目のワクチンが年内に実用化される可能性が浮上した。 米国株式は下落したが、ユーロ安・米ドル高の相場展開となったことを意識して安全逃避の金買いは抑制された。

 

米国債券市場は横ばい:月末絡みのポジション調整で方向感出ず

米国債券市場で長期ゾーンは横ばいとなった。米10年物国債利回りは前営業日比と同じ0.84%で終了した。保有債券の残存期間を延ばす月末特有の買いが入った半面、ポジション調整目的の売りが出たため相場は方向感が出なかった。 

 

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2020/11/30/03:01:06

米国株式市場は上昇:VIX指数が一時20割れとなりリスク回避後退

NYダウは37.90ドル高の29910.37ドル、ナスダックは111.45ポイント高の12205.85ポイントで取引を終了した。米政権移行が円滑に進むとの見方が広がったほか、トランプ大統領が来週にも新型コロナウイルスワクチン供給が可能となる可能性に言及したため、新型コロナウイルスワクチンの早期実用化への期待から買いが優勢となった。また、感謝祭当日の小売り各社オンライン売り上げが過去最高規模を記録し消費への懸念が後退した。VIX(恐怖指数)は一時、不安心理の高まった状態とされる『20』 を割り込んだ。投資家の過度なリスク回避姿勢が和らいだことも買いにつながった。なお、この日は感謝祭翌日で短縮取引だった。VIX指数は21.25から20.84へ低下した。

 

NY外国為替市場:リスク選好のドル売り優勢

ドル/円は、アジア時間に一時103.91円まで売られた反動でショートカバーが先行し、一時104.21円付近まで値を戻す場面もあったが、上値は重かった。対ユーロなどでドル安が進むと円に対してもドル売りが出たため、103.97円付近まで下押しした。もっとも、感謝祭休暇の最中とあって市場参加者が少ない中、アジア時間に付けた安値を下回ることはなかった。クロス円が上昇した影響も受けた。 

 

ユーロ/ドルは、米政権移行を巡る懸念の後退や新型コロナウイルスのワクチン開発進展を受けて、米国株相場が底堅く推移。リスク選好のドル売りが優勢となり、一時1.1964ドルと9月1日以来の高値を付けた。米株式市場でナスダック総合とS&P500種株価指数は史上最高値を更新した。なお、トランプ米大統領は26日、12月14日に行われる選挙人投票で、民主党のバイデン前副大統領の勝利が正式に決まれば退任に応じる意向を表明した。 

 

NY原油先物市場は反落:ポジション調整の売りが優勢

NY原油先物市場は44.55ドル-46.09ドルのレンジ相場となった。世界経済の早期正常化への期待は持続しているものの、原油先物価格は感謝祭前まで4日続伸していたこともあり、本日は週末を前に利食い優勢となり5営業日ぶりに反落して引けた。もっともOPECプラスが協調減産を2-3カ月延長するとの報道もあり、下げ幅は徐々に縮まった。米国の石油掘削装置(リグ)稼働数は、前週末比10基増の241基となった。

 

NY金先物市場は下落:リスク選好により金売り継続

NY金先物市場は1776.50-1822.60ドルのレンジ相場となった。ウイルスワクチン開発の進展や米政権の順調な移行で、VIX(恐怖指数)が今年の2月以来となる20を割り込むなど市場はリスク選好に傾いた。この影響で安全資産とされる金先物価格は大幅に下落し、7月以来となる1800ドル割れで引けた。なお、感謝祭前の25日は小幅に反発したが、金先物価格は今週に入りは100ドルを超えて下げた。ニューヨーク市場の序盤にかけて1776.50ドルまで続落。その後は1790ドルを挟んだ水準で推移したが、安全逃避の金買いは縮小した。

 

米国債券市場は上昇:ポジション調整の買いが優勢

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.04%低い(価格は下落)0.84%で終了した。感謝祭休暇の最中とあって市場参加者が少ない中、保有債券の残存期間を延ばす月末特有の買いが優勢となった。この日は感謝祭の翌日のため短縮取引だった。 

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2020/11/27/07:28:32

米国市場は感謝祭で休場

米国株式市場、NY原油市場、NY金市場、米国債券市場は休場

 

NY外国為替市場:米国休場でほぼこう着状態で推移

ドル/円は、アジア時間に円高・ドル安が進んだ影響で反落したものの、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。米国市場が感謝祭の祝日で休場となり取引材料に乏しい中、ほぼこう着状態で推移した。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(10月28-29日分)で『新型コロナウイルス感染拡大による景気回復の遅れや低インフレ長期化への懸念』が表明され、『必要なら追加緩和を実施する』との見解が示されると一時1.1885ドルと日通し安値を更新した。ただ、前日の安値1.1882ドルが目先サポートとして意識されると1.1919ドル付近まで下げ渋った。

 

英国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉は続いているものの、先行きは依然として不透明であり、ポンドを売る動きが広がった。ジョンソン英首相報道官は『対面交渉を希望しているもののEU次第』などと述べたと伝わったほか、英大衆紙デイリーエクスプレスは『交渉は完全に行き詰っている』と報じた。ポンド/ドルは一時1.3322ドル、ポンド円は138.93円と日通し安値を付けたほか、ユーロポンドは0.8935ポンドまでユーロ高・ポンド安が進んだ。ただ、『バルニエEU離脱首席交渉官はEU内で漁業権に関わる大臣に対して、明日緊急会議を開くと伝えた』との報道が伝わると、英国との交渉が前進するとの期待が高まりポンド売りは一服した。

 

米国株高継続のワイルドカードはワクチン接種率

今月に入り新型コロナウイルスのワクチン3種類について高い有効性があると報じられたのを好感し、NYダウは24日に初めて3万ドルをの大台を突破した。しかし、投資家の間では、実際のワクチン接種が遅々として進まず、来年の景気は期待ほど回復しないのではないかとの懸念も生じている。

ギャラップが今月1日までに実施した世論調査では、ワクチン接種をうけると答えた米国民は全体の58%と、9月調査の50%から増加した。一方で接種を受けたくないとの回答は42%あり、その理由は開発の拙速さや安全性への懸念だった。

ワクチンの普及が遅れたり、接種拒否が広がったりすれば感染拡大が長引き、集団免疫の獲得が遅れる。

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2020/11/26/07:35:20

米国株式市場まちまち:感謝祭控え利益確定売り優勢の展開

NYダウは、173.77ドル安の29872.47ドル、ナスダックは57.62ポイント高の12094.40ポイントで取引を終了した。週次の失業保険申請者数が予想外に増加したため景気回復への懸念も再燃し、寄り付きから下落した。また、前日に初めて3万ドルの大台に乗せ、史上最高値を更新したあとだけに、短期的な利益確定売りが優勢となった。このところの相場上昇をけん引してきた景気敏感株を中心に売りに出たほか、明日の感謝祭を前にポジション調整の売りも見られた。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では速やかな追加緩和の可能性が示唆されなかったことも手伝い終日軟調に推移した。VIX指数は21.64から21.25へ低下した。

 

NY外国為替市場:感謝祭控えポジション調整の動きに終始

ドル/円は、米長期金利の低下などをながめ円買い・ドル売りが先行した。前日に史上最高値を更新して初の3万ドル台乗せとなったNYダウが反落し、一時230ドル超下落したことも相場の重石となり、一時104.23円と日通し安値を更新した。ただ、前日の安値104.15円が目先サポートとして意識されたほか、米金利が上昇に転じたため引けにかけては持ち直した。明日は米国が感謝祭で休場となるため、ポジション調整の動きが主体となり、方向感が出にくい面があったようだ。なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した11月4-5日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では『市場や経済に一層の支援を提供するため、資産購入プログラムをどのように調整できるかについて討議された』ことが分かった。また、『当局者らは資産購入プログラムが経済に緩和効果をもたらしたとの見解で一致』『一部の参加者は将来的に対象年限が長期化するとの見通しを示した』ことが明らかになった。 

 

ユーロ/ドルは、米金利低下などを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行し、一時1.1926ドル付近まで値を上げたものの、欧州時間に付けた9月1日以来の高値1.1930ドルには届かなかった。米長期金利が終盤上昇に転じたことなどが相場の重石となった。

 

NY原油先物市場は続伸:需給悪化懸念の後退で買い優勢

NY原油先物市場は44.73ドル-46.26ドルのレンジ相場となった。NYダウは感謝祭を前に利食い優勢で下落しているものの、原油先物価格はワクチン開発進展での経済正常化期待や米政権の移行が進んでいることを好感し本日も続伸した。また米エネルギー省(EIA)が発表した週間原油在庫が、予想外の75.4万バレルの取り崩しとなったことも下支え要因となった。世界経済の早期正常化への期待が広がっており、欧米株高は一服したが、需給悪化の懸念は和らいでいることから、一時46.26ドルまで一段高となった。

 

NY金先物市場は反発:大幅な反動で買い戻し

NY金先物市場は1798.60-1816.30ドルのレンジ相場となった。連日上昇していたNYダウが感謝祭休場を前に利食い売りが入っていることもあり、金先物も連日の大幅安の反動で利食いの買いが入り3日ぶりに反発した。もっとも引けにかけては売りも入ったことで、小幅な反発にとどまった。アジア市場で1800ドルを下回ったが、ニューヨーク市場の序盤にかけて1816.30ドルまで戻した。 

 

米国国債市場は横ばい:米政権の不透明感後退で終盤売り優勢

米国債市場で長期ゾーンは横ばい。米10年物国債利回りは前営業日と同じ0.88%で終了した。FRBの大規模緩和が意識されて買いが先行したものの、終盤失速した。米政権移行を巡る不透明感の後退や新型コロナウイルスのワクチン開発進展を受けて徐々に売りが広がった。 

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