FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで8月12日の米国株市場を先取り!

2019/08/12/03:12:59

 

★NY株式市場は三指数ともに割安感は残っている。そのため、何か好材料が出てくると大きく反転しやすい。ただ、米長期金利が上昇してくるようなら、割安感を相殺してしまう。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.528%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・8月8日:▲3.900%⇒8月9日予想▲3.891%

 

8月9日はNYダウは下落したものの、米長期金利の上昇率が大きかったことで、イールドスプレッドは前日比でに縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.528%から▲0.637%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.335%、19年6月3日の大底4.038%から▲0.147%、19年8月5日の大底▲4.102%から▲0.211%スプレッドがかい離している。NYダウは下落したものの、米長期金利の上昇率が大きかったことで、イールドスプレッドは前日比で縮小した。米長期金利が上昇すると、NYダウが下落してもイールドスプレッドは縮小しやすい。

 

NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。しかし、米長期金利の上昇率がNYダウの下落率を上回ったことで、イールドスプレッドは前日比では縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うより米国債を買った方が良いということになる。ただ、イールドスプレッドから見ると、NYダウはまだ割安となっているので下押しも限定される。今後も、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.843%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、19/8/5-▲4.002%

・8月8日:▲3.819%⇒8月9日予想▲3.828%

 

S&P500が下落した一方で、米長期金利は上昇したがS&P500の下落率が高かったことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.843%から▲0.015%とスプレッドがかい離した。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.041%、19年6月3日の大底となった3.881%から+0.053%とイールドスプレッドを上回った。19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.174%とイールドスプレッドはかい離している。S&P500は未だ割安感が残っている。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.300%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、19/8/5-▲2.383%

・8月8日:▲2.161%⇒8月9日予想▲2.172%

 

NASDAQは下落した一方で、米長期金利は上昇したがNASDAQの下落率が高かったことで、イールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.300%から▲0.128%かい離している。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.007%、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.156%、19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.211%のかい離となった。

NASDAQは、イールドスプレッドは2.1%台に広がっていることから、引き続き割安感が出ている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、前日比でまちまちの動きとなった。株価が下落しても米長期金利が上昇すると、スプレッドが縮小するなど割安感は払しょくされやすくなる。ただ、現在は三指数とも直近のイールドスプレッド近辺まで拡大しており、引き続き割安感は残っている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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週末の東京金日足では5日SMAがサポート!

2019/08/12/03:01:07

 

★東京金の日足では、上昇基調が続いていたことで、3連休を控えて利益確定売りに押される展開となった。ただ、5日SMA(赤線)の5,072円がサポートとして意識され、下げ止まる展開となっている。また、5日SMAと10日SMA(黄線)が上向きを維持していることから、上昇基調は継続している。休み明け調整下落が継続し、5日SMAを下抜けるようなら、10日SMAの5,009円25日SMA(青線)の4,949円がサポートポイントとして意識される。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:90.82、Slow%D:87.94と過熱感が出ている。しかし、明確な上昇トレンドが継続しているうちは、上方かい離が継続し高水準で推移するダマシが発生しやすいので、過熱感だけで売買すると大きな損失が発生するので注意が必要となる。

 

週末の夜間取引では下落して終了したものの、5日SMAに支えられていることで上昇基調に変化はない。上昇基調が続いていたことで、3連休を控えて利益確定売りが出やすかった。明確なトレンドが発生している時は、モメンタム系オシレーターはダマシが発生しやすいので、移動平均線のようなトレンドフォロー系の動向での分析が必要となる。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 引けにかけてドル持ち直す!

2019/08/12/03:00:01

 

★欧州市場朝方の取引では、米長期金利の動向を睨み105.90円台で小動きとなった。欧州市場では、アジア市場終盤から変わらずの値動きとなった。欧州株は全面安、NYダウ先物も軟調推移となったが、米長期金利が下げ渋り、金利睨みのドル売りを抑制した。その後、米長期金利が1.70%割れに再低下となったことを背景にドルは弱含みとなった。欧州株がイタリアを中心に全面安で推移、米長期金利も再低下となる中、リスク回避のドル売りに押された。

 

米7月PPI(生産者物価指数)コア指数が予想を下回る結果となり、米長期金利の低下とともにドル売りが出た。米国株安やトランプ米大統領が『FRBが1.0%利下げすることに期待』『9月の中国との会合はキャンセルの可能性もあり得る』と述べるとドル売りが強まった。105.50円を下抜けると目先のストップロスを継続的に巻き込み下げ足を速めた。その後、米国株が下げ幅を縮小し、米長期金利が前日比プラスに転じたことでドル買い戻しが優勢になった。米国株は押し目買いから下げ幅縮小の動きを眺めて105.60円台まで持ち直した。

 

★欧米主要経済指標

・英・4-6月期GDP速報値:前年比+1.2%(予想:+1.4%、1-3月期:+1.8%)
・英・6月鉱工業生産:前月比-0.1%(予想:-0.2%、5月:+1.2%←+1.4%)
・英・6月製造業生産:前月比-0.2%(予想:-0.3%、5月:+1.4%)
・英・6月貿易収支:-70.09億ポンド(予想:-118.00億ポンド、5月:-106.95億ポンド←-115.24億ポンド)

 

・米・7月生産者物価指数:前月比+0.2%(予想:+0.2%、6月:+0.1%)
・米・7月生産者物価コア指数:前月比-0.1%(予想:+0.1%、6月:+0.3%)
・米・7月生産者物価指数:前年比+1.7%(予想:+1.7%、6月:+1.7%)
・米・7月生産者物価コア指数:前年比+2.1%(予想:+2.3%、6月:+2.3%)

 

★欧米市場のポイント

・105.23-97円のレンジ相場

・英4-6月期GDP(国内総生産)速報値が前期比でマイナス成長

・イタリアの政治混乱への懸念からユーロ売り

・米7月PPIコア指数が予想を下回り相場の重石

・トランプ大統領発言で米中貿易摩擦激化懸念

・トランプ大統領は引き続きFRBへの利下げ要求

・VIX指数は16.91から17.97へ上昇

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日経225は52週SMAと200週SMAに注目!

2019/08/09/16:30:14

 

★日経225の週足では、2019年に入ってから52週SMA(緑線)がレジスタンスとなり上値を抑える展開となっている。一方で、200週SMA(紫線)が一定のサポートラインとして意識される展開が続いている。

52週SMAを下回るまではサポートラインとして上昇してきたことから、下抜けしたことで一転レジスタンスとして上値を抑えるラインとなっている。200週SMAは2016年以降サポートラインとして意識されており、今週の下落時にもサポートラインとして意識された。

ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下押しバイアスが強いことを示している。

来週も下値では200週SMAが意識されるが、しっかり下抜けするとストキャスティクスも下押しバイアスが強まっていることから、下値模索の動きとなりやすいので警戒する必要がある。なお、200週SMAの位置がほぼPBR1倍の値位置と等しい。52週SMAが徐々に低下傾向となっていることから、戻り高値を切り下げる展開となりやすい。

単純に200週SMA近辺では買い目線で、52週SMA近辺では売り目線で素直に相場を見ていけば良いのかもしれない。

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東京原油の日足では現状は落ちるナイフ!

2019/08/09/14:25:34

 

★東京原油の日足で、8日指数平滑線(Tレート:赤線)20日単純移動平均線(SMA:青線)を使って分析する。基本的な使用方法は、ロウソク足がTレートを下回っているうちは下落基調継続となり、一方ロウソク足がTレートを上回っているうちは上昇基調となる。ただ、それだけでは、ダマシが多いので、20日SMAを加えて分析する。Tレートが20日SMAを下抜けもしくは下で推移している場合は下落基調、一方Tレートが20日SMAを上抜けもしくは上で推移している場合は上昇基調となる。

また、Tレートや20日SMAの方向性を見ながら上昇・下降の勢いや反転を探る。

現状はロウソク足がTレートの下に推移している。また、Tレートが20日SMAの下に位置していることから、下落基調が継続している。さらに両線がかい離幅を広げながら下向きとなっていることで、落ちるナイフのような勢いで下落基調が継続していると判断できる。

2018年10月4日の直近高値58,300円と2018年12月25日の直近安値32,890円を結んだフィボナッチでは、半値戻しの45,595円でもみ合った後に上抜けして61.8%戻し48,593円まで上昇した。しかし、そこが天井となりその後はTレートが20日SMAを下抜けると下落基調が鮮明となった。半値戻しでは若干もみ合い相場となったが、20日SMAがレジスタンスとなり、戻りきれず下落基調が強まる結果となった。その後も下落は続いたが、23.6%戻しの38,887円近辺で一旦下げ止まる展開となり、ロウソク足がTレートを上抜けすると再び上昇基調となったが、38.2%戻しがレジスタンスとなり再び下落基調となった。Tレートが再び20日SMAを下抜けると23.6%戻しを一気に下抜けて加速的に下落基調が続いている。

まとめると、現在ロウソク足がTレートを下抜け、20日SMAよりTレートが下に位置していることから下落基調が強い。そのため、下値目処は12月25日の安値32,890円が視界に入っている。さらに、下抜けすると▲23.6%押しとなる26,893円が次の下値目処となる。一方で、戻り上値ではTレートや20日SMAが上値目処となりやすい。

下げ止まりのシグナルとすれば、Tレートが横ばいから上向きとなり、ロウソク足がTレートを上抜けする必要がある。さらにTレートが20日SMAを上抜けるようなら、再び上昇基調に戻る可能性が高まるが、現状はその兆しもないので戻り売り目線となる。

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