★東京金の日足で、MACD(パラメータ:12、26、9)とMACDの構成要素となる12日EMA(赤線:指数平滑線)と26日SMA(青線)を比較しながら分析する。
MACDは、12日EMAと26日EMAのかい離幅の伸縮をライン化したもので、その移動平均線をシグナルとしたオシレーターである。
基本的には、マイナス圏でMACDがシグナルと下から上回ると買いサイン、プラス圏でMACDがシグナルを下回ると売りサインとなる。また、MACDがゼロラインを上回ったら買い、ゼロラインを下回ったら売りという方法もある。
東京金は、12日EMAがサポートラインとなり上昇基調を継続しており、6月3日以降上昇トレンドを維持している。MACDは7月9日にプラス圏でMACDがシグナルを下抜けしたことで売りサインとなったが、実際のEMAでは12日EMAがサポートラインとなり再び上昇基調を継続した。MACDではその後も緩やかに低下したことで、下落期待や思惑が継続した。そのため、上昇トレンドの中で売り持ちが増加した可能性がある。
このように、MACDだけで分析するとダマシとなるが、同期間のEMAを使用するとダマシが軽減される。
上昇すれば何時かは下落するのが相場である。MACDがゼロの上方でシグナルを下抜け、さらにロウソク足が12日EMAを下抜け下向きになったところが買いシグナルとなりそうだ。
現在は、ロウソク足が12日EMAの上方に位置しており、さらにMACDが上向きとなっていることで、上昇バイアスが強いことを示している。そのため、投資判断は『買い』または『保有』となる。下落調整時には12日EMAを下抜けるかがキーポイントとなる。
★NY株式市場はまちまちの展開となり、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドの縮小した。しかし、三指数とも大底となったイールドスプレッド近辺で推移していることから、割安感が出ている。そのため、何か好材料が出てくると大きく反転しやすい。ただ、米長期金利が上昇してくるようなら、割安感を相殺してしまう。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.592%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・8月6日:▲4.029%⇒8月7日予想▲4.017%
8月7日はNYダウは小幅下落した一方で、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドは前日比でに縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.592%から▲0.575%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.209%、19年6月3日の大底4.038%から▲0.021%、19年8月5日の大底▲4.102%から▲0.085%になった。前日NYダウは小幅に下落したものの、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で縮小したが。それでも4.0%台でのかい離があることから割安感が残っている。
NYダウが小幅下落したことで株式益利回りは上昇した。一方、米長期金利は上昇したことで、イールドスプレッドは前日比では縮小した。米国債に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うより米国債を買った方が良いということになる。ただ、イールドスプレッドから見ると、NYダウは割安となっているので下押しも限定される。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.899%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、19/8/5-▲4.002%
・8月6日:▲3.931%⇒8月7日予想▲3.910%
S&P500が小幅上昇した一方で、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.899%から+0.011%とスプレッドは平均値を上回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して+0.041%とイールドスプレッドを上回っている。また、19年6月3日の大底となった3.881%から+0.029%とイールドスプレッドを上回っている。19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.092%となった。S&P500は前日上昇したものの、未だ割安感は残っている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.383%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、19/8/5-▲2.383%
・8月6日:▲2.327%⇒8月7日予想▲2.294%
NASDAQは上昇した一方で、米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.383%から▲0.089%かい離している。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.115%とスプレッドを上回った。また、19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.089%とかい離している。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.089%のかい離となった。
NASDAQの戻りは大きかったがイールドスプレッドが大底となったイールドスプレッドを若干上回っており、引き続き割安感が出ている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。
三指数ともイールドスプレッドは、前日比で縮小する動きとなった。しかし、現在は三指数とも直近のイールドスプレッド近辺まで拡大しており、引き続き割安感が出ている。そのため、一旦下げ止まる材料が出ると、一気に買い戻される展開となりやすい。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★8月1日以降の東京金60分足では、大きな変動がなくじり高基調となっており、上昇トレンドを継続している。26期間先の先行スパン1,2も上昇基調を継続している。上昇基調が継続していることから、一旦上値が重くなると利益確定売りが入りやすく調整的な動きとなる。
NY金先物市場は1484.30-1522.70ドルのレンジ相場となった。6年4カ月ぶりの高値を更新した。米中貿易摩擦の激化を背景に世界経済の先行き不安が高まり、この日もニュージーランドやインド、タイの中央銀行が政策金利を引き下げるなど、各国の中央銀行が緩和姿勢を強めており、金の魅力が高まっている。 ただ、通常取引終了後の時間外取引では、米国株式の反転を意識して金先物は1506.00ドルまで売られている。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯からかい離してきたことで、上値が重くなると利益確定売りがはいりやすい。高値圏で出来高が増えてくるかが注目される。一方で出来高の多い価格帯からかい離していることで売り方からの手仕舞いの買い戻しもはいりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、緩やかに上昇基調が継続しているが、MACDが一旦下向きとなっているので、上昇の勢いは一旦後退している。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も%DがSlow%Dwo 高値圏で下抜けしたことで、調整的な動きになりやすい。
東京金の日足では、5日SMA5,007円、10日SMA4,977円に位置しており、両線上向きとなっていることで、短期的には上昇トレンドは継続している。ただ、高値圏に位置していることから、利益確定売りも入りやすい。NY金は節目とされていた1,500ドルを維持しており、強い相場を維持している。為替市場では、106円台前半での動きとなっているが、トランプ大統領が再びFRBに利下げの圧力を掛けはじめたことや、エバンス米シカゴ連銀総裁のハト派発言もあり、日米金利差縮小による円高懸念もありドル/円の重石となっている。
本日の注目点は、短期的な調整的な下落となるのか、踏み上げ相場となるのかが注目される。下落調整となった場合、5日SMAや10日SMAで下げ止まるかも重要ポイントとなる。
★欧州市場朝方の取引では、欧州株が反発し、日経先物も100円高となる中、円高の流れは一服し106.30円付近で下げ渋る展開となった。欧州株が総じて堅調地合いで推移し、NYダウ先物もプラス圏を維持しており、リスク選好的なドル買い・円売りの流れではあったが、米長期金利が1.67%台に低下する中、ドルの押し上げ効果は弱かった。米長期金利が1.6198%と16年10以来の水準まで低下したことを受け、ドル売りが強まったが、米長期金利の低下が一服すると下げ渋る展開となった。
NYダウが580ドル超下落し、米長期金利が1.5931%前後まで低下すると円買い・ドル売りが強まった。ただ、前日安値105.52円がサポートとして意識されるとやや下値を切り上げる展開となった。ただ、一時持ち直す動きも見られたが、米国株の軟調地合いを眺め上値の重い展開となった。エバンス米シカゴ連銀総裁の『リスクは増大しており追加緩和が必要になる可能性がある』との発言もドルの重石となった。低調な米10年債入札を受けて、米10年債金利が1.67%まで低下幅を縮小したことでドルの買い戻しが入った。その後、ナスダックがプラス圏に浮上し、NYダウも2ケタ安まで下げ幅を縮小したことでドル/円の下支えとなった。
★欧米主要経済指標
・米・6月消費者信用残高:+145.96億ドル(予想:+161.00億ドル、5月:+177.93億ドル←+170.86億ドル)
★欧米市場のポイント
・105.45-106.31円のレンジ相場
・独10年債金利が連日で過去最低水準を更新
・トランプ大統領がFRBへ利下げ圧力
・エバンス米シカゴ連銀総裁が追加緩和が必要になると発言
・低調な10年債入札をきっかけに金利が上昇
・VIX指数は20.17から19.49へ低下
★トルコリラ/円の日足では、レンジ相場を形成しつつ徐々に上値を切り上げる展開となっている。5月9日の底値を付けた後、5日SMA(赤線)と10日SMA(黄線)を挟んでもみ合い相場となった。5月30日に25日SMA(青線)を上抜けすると、25日SMAがサポートラインとなり、5日SMAと10日SMAを挟んでもみ合う展開となった。そして、7月1日に75日SMA(緑線)を上抜けすると25日SMAと75日SMAがサポートとなりつつ、100日SMA(黒線)がレジスタンスとして意識されるもみ合い相場となった。そして、7月26日に100日SMAを上抜けすると25日SMAと100日SMAがサポートラインとなりつつ、260日SMA(茶線)がレジスタンスとして意識されるもみ合い相場となっている。
ここまで、5日SMAと10日SMAを挟んでもみ合いながらも、25日SMA、75日SMA、100日SMA、がサポートとなり徐々にレンジ相場の上値を切り上げながら戻り基調となっている。
今後の注目点は25日SMAと100日SMAがサポートラインとなり260日SMAを上抜けすると、260日SMAがサポートラインとなり200日SMA(紫線)がレジスタントなる動きになるのかである。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では概ね%Dが42%~94%の範囲内で上下に振れている。一方、DMI(パラメータ:14)は+DI(赤線)と-DI(青線)が交互に上抜け・下抜けするダマシを頻発している。また、トレンドの勢いを示すADXは低下傾向にあるなど、明確なトレンドが出ていない中、じり高傾向となっていることが分かる。
レジスタンスを上抜けると一転してサポートラインとなりつつ、戻り基調を続けている。しかし、明確なトレンドはなく5日SMAと10日SAMを挟みながら、じり高している相場展開となっている。また、突然下ヒゲの長いロウソク足が出るなど、瞬間的に失速場面が見られながらの値動きとなっている。長く保有していれば結果的には利益が出る展開となっているが、大きな失速場面もあり、レバレッジを考慮する必要がある通貨と言える。オシレーターでは、ストキャスティクスがリズム良く動いている。
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