★上昇相場の途中で陽線のロウソク足が4本連続して、三空が出現した場合は三空踏み上げと言う。市場は強きとなり買いが殺到した事から現れたローソク足の組み合わせで天井打ちを暗示すると言われている。酒田五法では『三空踏み上げに売り向かえ』と言われ、極めて強い売りのサインとなっている。
移動平均線(SMA)では、5日SMA(赤線)が10日SMA(黄線)と25日SMA(青線)を上抜けるゴールデンクロスしていることから、短期的には上昇基調となっている。また、25日SMAは上昇基調を続いていることから、中期的トレンドも上向きとなっている。
また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを上抜け両線もかい離幅を広げながら上向きを維持している。そのため、上昇の勢いはなおも強いことを示している。
現状では売りサインとしては、酒田五法でいう『三空踏み上げ』による売りサインとなっている。一方で、トレンドフォロー系の指標であるSMAやモメンタム系のストキャスティクスでは、上昇基調が継続している。
相場転換するかどうかは、引けのロウソク足や明日の相場展開を見ていく必要がある。本日ロウソク足が『十字線』や『小陰線』で上ヒゲを残して終了するようなら、下落の前兆しとなりそうだ。さらに、明日の寄付きで下に窓を空けて下落するようなら、下落リスクが高まる。そのため、ロウソク足の形状を気にしながら、見ていく必要がありそうだ。
★NY株式市場では、三指数ともに上昇したうえ、米国債市場でも米長期金利が上昇したことで、イールドスプレッドが大幅に縮小した。そのため、三指数ともに過去のイールドスプレッドと比較して急速に割安感が薄れてきている。英国のEU類脱を巡る楽観論が広がったことや、米企業の好調な決算を受けてリスク選好の動きが強まった。しかし、米中通商協議は継続することから、協議が難航するとリスク回避の動きになりやすく油断できない。
25日SMAの26,792ドルを明確に上抜け、5日SMAも上向きとなり短期的に上昇基調となっていることから、9月12日の高値27,307ドルが視野に入ってきた。ただ、株価の上昇と共に米長期金利も上昇してきており、割安感が薄れてきていることには注意が必要となる。下値では、25日SMAや75日SMAの26,650ドルだ一旦の節目となりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.439%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・10月14日:▲3.723%⇒10月15日予想▲3.633%
10月15日はNYダウが大幅上昇したうえ、長期金利も上昇したことから、イールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.439%から▲0.806%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.593%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.405%と下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.469%とかい離した。
NYダウは上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利は上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債権に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。英国のEU類脱を巡る楽観論が広がったことや、米企業の好調な決算を受けてリスク選好の動きが強まった。イールドスプレッドの割安感はまだ残っているものの、割安感も徐々に薄れてきている。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.786%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・10月14日:▲3.705%⇒10月15日予想▲3.610%
S&P500が上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.786%から▲0.176%と平均値を下回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.259%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.271%とイールドスプレッドは下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.392%下回った。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.569%とかい離した。イールドスプレッドは以前より縮小してきたことで割安感も急速に薄れてきている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.308%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・10月14日:▲2.178%⇒10月15日予想▲2.088%
NASDAQが上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドが前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.308%から▲0.220%下回った。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.091%下回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.240%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.295%と下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.410%下回った
NASDAQのイールドスプレッドは、急速に縮小傾向あり割安感は薄まってきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。
三指数のイールドスプレッドは、株価指数はわずかに下落したことでイールドスプレッドは小幅に拡大する結果となった。そのため、イールドスプレッドはわずかに拡大したものの、米国株への割安感は弱まってきている。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★10月8日以降の東京金60分足では、120時間SMA(赤線)と雲の上限がレジスタンスとして意識される一方で、雲の下限がサポートラインとして意識され小幅なレンジ相場となっている。雲の厚みがないことから、寄付き後上下に抜ける動きとなりやすい.。先行き雲の厚みがないことから、雲の抵抗力が弱く上抜け・下抜けしやすい。
NY金先物市場は、EUサミットを控えてブレグジット合意への楽観論が急速に広がり、リスク選好地合いが強まった。好調な米企業決算を背景とした堅調な米国株高の動きも安全資産の金にとっては重しとなり、金先物は軟調なまま引けた。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯でもみ合っており、売り方と買い方の思惑による売買が交錯しやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを挟んでもみ合う展開となっており、ダマシが多発するもみ合い相場となっている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)も一旦反発したものの、再び%Dに勢いがなくなってきている。
東京金の日足では、10日SMAの5,166円がサポートラインとなっている一方で、5日SMAの5,184円や25日SMAの5,178円がレジスタンスとして意識され、狭い範囲内でもみ合う展開となっている。上下どちらに抜けるかが注目される。NY金先物市場はリスク選好の動きから大きく反落し、心理的な節目となる1,500ドルを下回る展開となった。外国為替市場では、米国株高や米長期金利上昇から総じてドルの強い展開となっている。ただ、108.90円が上値目処として意識されており、上値の重い展開となっている。109円台を目指すのかが注目される。円安傾向となっていることから、東京金の押しも軽減されている。
本日の注目点10日SMAを下抜けするのか、それとも再び5日SMAと25日SMAを回復出来るのかが焦点となる。
★欧州市場朝方の取引では、NYダウ先物が上昇する中、米長期金利低下の地合いが維持され売買材料が交錯し、108.30円台で小動きとなった。108円前半で値動きが乏しくわずかながら下値を広げた。中国が米国500億ドル相当の輸入品に対する関税撤回を求めているとの一部報道も、ドル/円の重石となった。また、米長期金利が1.67%台まで低下基調を強めたことも上値を圧迫した。米中関係改善を期待した底堅さが円高反転するまでの展開にはならず、108.30円台へ戻した。
一部主要企業の良好な決算を受けて米国株が反発すると、ドル/円にも買い戻しが先行したほか、日経先物が上昇したことも相場の支援材料となった。堅調な米国株や1.76%台へ上昇した米長期金利が支えとなったが、108.90円を前に買いの勢いはやや衰えた。リスク選好の流れが継続されたものの、ドル買い一巡後は高値圏でもみ合いとなった。トランプ大統領はこの日の会見で『中国の対応は良好。銀行に関する第2段階を想定している』などと述べている。
★欧米市場のポイント
・108.12-90円のレンジ相場
・英国のEU離脱を巡る楽観論が広がりポンド買い
・中国は米国に500億ドル相当の輸入品に対する関税撤回を求めているとの報道
・一時米中貿易摩擦を巡る先行き不透明感が高まり円買い
・米主要企業の好決算が意識されNYダウが一時330ドル超高
・VIX指数は14.57から13.54へ低下
★東京金の日足では、概ね下限5,071円、上限5,304円のレンジ相場となっている。さらに詳しくみると、9月9日以降は25日SMA(青線)を挟んでもみ合う展開が続いていることになる。ただ、10月2日安値5,71円を起点として、10月8日安値5,125円を結んだトレンドライン(S1)は下値を切り上げる展開となっている。一方で、9月5日高値5,304円を起点として9月25日高値5,274円を結んだトレンドライン(R1)は上値を切り下げる展開となっている。そのため、S1とR1は徐々に三角持合いを形成してきている。
25日SMAは緩やかに低下傾向となってきていることで中期的なトレンドの勢いが鈍化傾向にある。また、5日SMA(赤線)や10日SMA(黄線)が25日SMAを下抜けしてから、上抜け出来ない状態となっており、短期的な勢いも鈍化傾向となっている。
ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを上抜け両線ともに緩やかに上昇基調となっている。そのため、緩やかに上昇基調は継続している。
まとめると、短・中期的な上昇トレンド勢いは鈍化傾向にあるものの、上昇基調は継続しており、25日SMAがサポートラインとして意識されている。ただ、三角持合いの様相となってきており、近い将来上下に放れる可能性がある。持ち合い放れすると、手仕舞い売買やトレンドに乗り遅れまいとする売買が増えるので、短期的に上下に大きく振れやすくなる。放れた方に順張りが正当な戦力となるが、動きが早いので乗り遅れた際は行き過ぎの反動を狙うのも一つの方法である。
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