★日米金利差2年(赤線)と日米金利差10年(青線)からドル/円(黒破線)の割高・割安を見てみる。
日米金利差だけがドル/円の変動要因ではないが、日米金利差拡大でドル高・円安になりやすく、日米金利差縮小でドル安・円高になりやすい。
現在のドル/円の為替水準である108.80円前後は、7月の水準の高値水準にとなっている。この時、日米金利差2年では、2.065%~2.110%程度の金利差だった。また、日米金利差10年では、2.192%~2.230%程度の金利差だった。
一方で、10月16日の日米金利差2年は1.843%、日米金利差10年は1.908%となっており、7月のドル/円の為替市場とほぼ同水準での値動きとなっている。
現状の日米金利差からすると、8月相場の105.00~106.00円が妥当な為替水準となる。よって、日米金利差から見ると、ドルが割高で円が割安水準で推移していることになる。
★NY株式市場では、三指数ともに小幅下落したうえ、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドが拡大した。しかし、三指数ともに過去のイールドスプレッドと比較して割安感が薄れてきている。米下院が前日可決した『香港人権・民主主義法案』に中国は強く反発しており、米中対立への懸念から売りが出た。また、この日発表の9月米小売売上高が予想を下回ったことも相場の重しとなり下落した。米中間の対立再燃懸念が高まるようなら、割安感が薄れている米国株に利益確定の売りが出やすいので注意が必要となる。
25日SMAの26,787ドルを明確に上抜けており、5日SMAも上向きとなり短期的に上昇基調となっている。ただ、株価の上昇と共に米長期金利も1.7%台に上昇してきており、割安感が薄れてきている。下値では、25日SMAや75日SMAの26,654ドルだ一旦の節目となりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.404%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・10月15日:▲3.654%⇒10月16日予想▲3.690%
10月16日はNYダウが小幅下落したうえ、長期金利も低下したことから、イールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.404%から▲0.714%スプレッドがかい離した。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.536%とかい離した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.348%と下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.412%とかい離した。
NYダウは下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米下院が前日可決した『香港人権・民主主義法案』に中国は強く反発しており、米中対立への懸念から売りが出た。また、この日発表の9月米小売売上高が予想を下回ったことも相場の重しとなり下落した。イールドスプレッドは拡大したものの、割安感も徐々に薄れてきている。そのため、米長期金利の動向が重要ポイントとなる。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.738%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・10月15日:▲3.654%⇒10月16日予想▲3.652%
S&P500が小幅下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.738%から▲0.086%と平均値を下回った。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.217%と下回った。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.229%とイールドスプレッドは下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.350%下回った。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.527%とかい離した。イールドスプレッドは以前より縮小してきたことで割安感も薄れてきている。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.262%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・10月15日:▲2.085%⇒10月16日予想▲2.126%
NASDAQが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.262%から▲0.136%下回った。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.053%下回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.202%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.257%と下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.372%下回った
NASDAQのイールドスプレッドは、小幅拡大したが割安感は薄まってきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。
三指数のイールドスプレッドは、株価指数はわずかに下落したことでイールドスプレッドは小幅に拡大する結果となった。そのため、イールドスプレッドはわずかに拡大したものの、米国株への割安感は弱まってきている。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★10月9日以降の東京金60分足では、240時間SMA(茶線)がサポートとなり、雲のネジレ前後で下げ止まり急速に買いが強まったが、買い方からの『やれやれ売り』により長い上ヒゲを付ける展開となった。ただ、その後も買い戻しが優勢となり5,200円近辺までじり高となった。心理的な節目となっている5,200円近辺では上値が重いことから、本日上抜け出来るかが焦点となる。
NY金先物市場は、市場予想プラスの9月米小売売上高の結果がマイナスに下振れたことをきっかけに、金相場は昨日からの買い戻しが強まった。ドルが対ユーロで軟調となったこともドル建て金先物の支持要因となった。また、昨日に米下院が可決した『香港人権・民主主義法案』に中国は強く反発しており、米中対立への懸念の高まりも安全資産の金に資金を向かわせた。
価格帯別出来高では、一旦出来高が多い価格を下抜けしたことで戻り場面では買い方からの『やれやれ売り』も出やすいなか、再び上抜けしたことで売りを吸収しながら上昇した。ただ、5,200円近辺でも出来高が多いことから、買い方の『やれやれ売り』を吸収できるかが焦点となる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを上抜けしてきたことで買いの勢いは維持している。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、買われ過ぎ過熱感が出てきている。ただ、明確なトレンドが出ているうちは高水準で推移しやすいので注意が必要となる。MACDの勢いが継続するかが注目される。
東京金の日足では、再び5日SMAの5,186円と25日SMAの5,178円を上抜けしてきたことから、再び上昇基調に戻ってきている。25日SMAを挟んでもみ合いとなっていることから、明確に25日SMAを上抜け出来るかが注目される。NY金は米中対立の懸念が高まってきたことで、底堅い展開となってきた。今後も中国からの反発報道などでリスク回避の金買いにつながりやすい。為替市場では、109円台では輸出企業などのドル売りで近くて遠い展開となっている。ただ、急速な円高懸念もないことから、108円台後半でのもみ合いが予想される。
本日の注目点では、再び米中対立懸念が高まってきていることから、25日SMAを明確に上抜け出来るかが焦点となる。
★欧州市場朝方の取引では、底堅さは維持したものの、NYダウ先物の下落や米長期金利の低下で108.60円台で伸び悩んだ。なお、欧州株は高安まちまちの展開となった。英国のEU離脱に絡んだ報道によりポンド/円の乱高下に影響されながらも108.70円前後でのもみ合い商状を継続した。109円水準に本邦輸出企業などを背景とした厚いドル売りが置かれており、上値の重い状態となった。
米9月小売売上高の下振れの結果を受けて下げ優勢となり108.55円近辺まで下落した。しかし、米10月NAHB住宅市場指数が71と予想の68を上回ったほか、米国株の下げ渋りなどを手掛かりに円売り・ドル買いがじわりと強まった。英国のEU離脱合意が間近との期待からドルが欧州通貨に対して軟調となり、対円でも上値を抑えられた。欧州通貨に対するドル売りが止むと、小幅高で推移するNYダウを眺めながら108.70円台へじり高となった。
★欧米主要経済指標
・英・9月消費者物価コア指数:前年比+1.7%(予想+1.7%、8月1.5%)
・英・9月生産者物価産出コア指数:前年比+1.7%(予想+1.9%、8月2.0%)
・欧・8月貿易収支:+147億ユーロ(7月+248億ユーロ)
・欧・9月ユーロ圏CPI:前月比+0.2%(予想+0.2%、9月+0.1%)
・米・9月小売売上高:前月比‐0.3%(予想+0.3%、8月+0.6%←0.4%)
・米・9月小売売上高(除自動車):前月比‐0.1%(予想+0.2%、8月+0.2%←+0.0%)
・米・10月NAHB住宅市場指数:71(予想68、9月68)
・米・8月企業在庫:前月比+0%(予想+0.2%、7月+0.3%←+0.4%)
・米・8月対米証券投資収支合計:+705億ドル(7月+433億ドル←+438億ドル)
・米・8月対米証券投資収支(ネット長期TICフロー):-411憶ドル(7月+838億ドル←+843億ドル)
★欧米市場のポイント
・108.55-84円の狭いレンジ相場お
・英国のEU離脱合意への期待高まりポンド買い
・9月ユーロ圏消費者物価指数の下方修正でユーロ売り
・米9月小売売上高が予想下回るもドルの下押しは限定的
・米10月NAHB住宅指数が予想を上回ったことが相場の下支え
・米下院が可決した『香港人権・民主主義法案』に中国が強く反発
・VIX指数は13.54から13.68へわずかに上昇
★エンベロープは、単純移動平均線から上下に一定にかい離させた線のことで、価格が移動平均線から、どの程度離れたかを見るために用いる。一般的には、エンベロープの上限・下限をトレンドの反転のポイントとして売買サインとしたり、下値支持線や上値抵抗線の目安として使用する。
東京金の25日SMA(茶線)に対して、エンベロープ(パラメータ:±3%、±5%、±10%)を引いてみる。上限では、25日SMAに対してプラス3%~5%かい離が限界となり調整局面となりやすい。一方下値ではマイナス3%以内で調整感ロウとなっている。
25日SMAは、わずかに低下基調となってきた。そのため、東京金が下落基調となるようなら、マイナス3%の5,022円近辺が下値目処となりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は%DとSlow%Dの両線が上向きとなっており、上昇基調が継続していることから、25日SMAを回復して上昇基調に戻りなら、プラス3%の5,333円が上値目処となりやすい。
ある程度トレンドが出た後の反転ポイントを探すには良い方法かもしれない。しかし、エンベロープ単独での使用では、売買ポイントが限られてしまうことから、他のオシレーターと組み合わせる必要がある。また、移動平均線が上向き・下向きとなっている時に価格がエンベロープで反転しても、売買価格から上昇・下落してしまい損失する可能性もあるので注意が必要となる。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 1月 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |