★12月12日以降の東京金60分足では、雲の上限がサポートラインとして意識されていたが、サポート出来ずに下押しする展開となった。しかし、雲の下限や90時間SMAがサポートとなり持ち直す展開となった。雲は先行き細っており、本日夜間取引では雲のネジレがあることから、上下どちらかに放れる可能性が高い。
NY金先物市場は、為替相場でドルが欧州通貨に対して堅調な動きとなり、ドル建ての金先物は割高感から売りが先行した。その後、米下院で可決が見込まれる『トランプ米大統領を弾劾訴追する決議案』の審議をながめながら、徐々に様子見姿勢が強まった。
価格帯別出来高では、もみ合いながら出来高が膨らんでいることから、今後も出来高が増加するかが注目される。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロライン近辺で横ばいとなっており、トレンドレスの状態となっている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DとSlow%Dが横ばいとなっておりやはりトレンドレスの状態となっている。三角持ち合い的な状態となっていることから、今後上下に振れる可能性がある。
東京金の日足では、5日SMAが75日SMAを上抜けるゴールデンクロスしたことで、上昇基調は継続している。一旦上値が重くなっているが、5日SMAの5,183円や75日SMAの5,168円がサポートラインとして意識されている。NY金先物はドルインデックス指数が強含みとなっていることで、上値の重い展開となっている。ただ、大きく下落する材料もみられないことから、1,400ドル台後半でのもみ合い相場が予想される。為替市場では、109円台半ばでのもみ合い相場となっていることで東京金の下支えとなっている。ドルの年末手当が終了すると上値が重くなる可能性があるので注意が必要となる。
本日の注目点は5日SMAや75日SMAを維持出来るかが焦点となる。
★欧州市場朝方の取引では、小動きながらもクロス円の下落に圧迫され、前日比小幅安の109.45円前後で取引された。なお、欧州株は高安まちまちで取引を開始した。欧州市場では109.40円前後と、変わらずの値動きだった。12月IFO企業景況感指数は予想を上回ったことを受け、ユーロ/ドルの上昇でやや下押し圧力がかかった。新規の手掛かりが乏しい中、109.40円近辺で動意を欠ける動きが続いた。米長期金利が上昇に転じたことを背景にドル買いが強まった。NY勢の入り祭に強まったドル買いは継続せず上値の重い展開となった。
NY市場では株高と米長期金利上昇でリスク選好の動きが強まり、ドルは一時弱含んだのち、再び109.60円近辺まで上昇した。新規の材料の見当たらない中で積極的な取引は控えられたが、上昇傾向の米長期金利や底堅い米国株などをながめながら高値圏で推移した。
★欧州主要経済指標
・独・12月IFO企業景況感指数:96.3(予想:95.5、11月:95.0)
・英・11月消費者物価指数:前年比+1.5%(予想:+1.4%、10月:+1.5%)
・英・11月消費者物価コア指数:前年比+1.7%(予想:+1.7%、10月:+1.7%)
・英・11月生産者物価産指数・産出:前年比+0.5%(予想:+0.8%、10月:+0.8%)
・英・11月生産者物価コア指数・産出:前年比+1.1%(予想:+1.2%、10月:+1.3%)
・ユーロ圏・11月消費者物価指数改定値:前年比+1.0%(予想:+1.0%、速報値:+1.0%)
・ユーロ圏・11月消費者物価コア指数改定値:前年比+1.3%(予想:+1.3%、速報値:+1.3%)
★欧米市場のポイント
・ドル/円は109.37-62円のレンジ相場
・英国のEUからの円滑な離脱が実現しない可能性への懸念でポンド売り
・12月独IFO企業景況感指数は市場予想を上回る
・トランプ大統領の弾劾訴追の審議をながめながら様子見姿勢
・新規の材料が見当たらず方向感を欠いた展開
・VIX指数は12.29から12.58へ上昇
★2019年1月2日を100としてメキシコペソ/円(黒線)、トルコリラ/円(赤線)、南アランド/円(青線)を比較してみた。但しスワップ金利は含まず
新興国通貨でもパフォーマンスの違いが出てくる。メキシコペソ/円は、8月までは概ねプラス圏で推移していたが、8月から一旦売りが強まり9月まで軟調な地合いが続いた。しかし、その後は持ち直す展開となって10月中旬以降はプラス圏で推移している。南アランド/円は、年初は3通貨のうちで一番パフォーマンスが良かったが、3月以降はメキシコペソ/円を下回るパフォーマンスとなった。また、8月までは概ねプラス圏で推移した。8月以降はメキシコペソ/円同様に下落基調が強まり、一時トルコリラ/円を下回る下落となった。しかし、8月23日がボトムとなり徐々に下値・上値を切り上げ直近では再びプラス圏まで回復した。トルコリラ/円は、年初はプラス圏で推移していたものの、3月21日に失速し大幅下落した。一旦はスパイクボトムとなりプラス圏に浮上したが、その後は下落基調が強まり5月9日まで下落基調が継続した。その後は、緩やかに回復基調となったものの、プラス圏まで回復することができない状態となっている。さらに昨今では対米国との関係悪化からトルコリラは売られやすい地合いとなっており、他の2通貨は上昇基調にあるものの、トルコリラだけが弱い展開となっている。
結局、メキシコペソ/円が一番安定しており、通貨による含み損も他の通貨に比べると短期間でより浅いものだった。一番パフォーマンスが悪かったのはトルコリラ/円で、年初からプラス圏で推移していた期間も短く、深押しとなる場面が見られた。
★東京金の長期トレンドとなる月足では、2013年2月高値5,081円を起点として2015年1月高値4,958円を結んだトレンドライン(R1)と2013年6月安値3,750円を起点として2016年1月安値4,046円を結んだトレンドライン(S1)は三角持ち合いを形成していた。
その三角持ち合いの上限となるR1を2019年6月に上抜けして、7-8月と上昇基調を強めたものの、その後はもみ合い相場となっており、隔月毎に陽線と陰線が出現している。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:89.49、Slow%D:91.56と過熱感が出ている一方で、%DがSlow%Dを下抜けしてきたことで、上値が重くなってきている。
まとめると、三角持ち合いから上抜けしたことで上昇基調が強まったものの、モメンタム系オシレータでは過熱感が出てきたことで、積極的な買いが入りにくい展開となっている。ただ、米中貿易摩擦や英国のEU離脱などリスク材料も多くあり、一方的に売り叩くにも至っていない。そのため、次の材料待ちとなっているものの、過熱感が出ていることから、上値追いよりも下値模索となると大きな調整となりそうだ。
長期トレンドは上昇基調を維持しているものの、上値が重くなってきていることは意識する必要がある。
★NY株式市場では、三指数とも上昇したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことで、イールドスプレッドは三指数ともに前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。三指数ともに高値圏で推移している一方で、米長期金利も1.80%台後半まで上昇してきたことで過熱感が出始めてきた。重要イベントを通過したことで、昨日から次の材料探しの展開となっている。米長期金利の上昇が進むようなら、早々にNY株式に割高感が強まる。そのため、今後米長期金利が低下するのか、上昇するのか重要なポイントとなる。
NYダウは上昇した。5日SMAの28,136ドル、10日SMAの27,982ドル、25日SMAの27,928ドルがサポートラインとして意識される。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%DがSlow%Dを上抜け両線とも上向きとなっている。ただ、やや過熱感が出てきている。今後も長期金利の動向次第で米国株の割高・割安感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。一方で過剰に売り込まれるようなら、米長期金利の低下にともなって一気に割安感が出る。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.171%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・12月16日:▲3.187%⇒12月17日予想▲3.181%
12月17日のNYダウは小幅上昇したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.171%から▲0.99%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.112%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.133%に接近してきた。
NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利がわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。11月住宅着工・建設許可件数や鉱工業生産が予想を上振れ、買いが先行した。また、前週に米中が貿易交渉の『第1段階』の合意に達したことが引き続き好感された。ゴールドマン・サックスやホーム・デポ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などが買われ指数の上昇に寄与した。しかし、英首相が欧州連合(EU)離脱について、通商協議の動向に関わらず2020年末までに完了する方針を示し、今後の混乱を予想する見方から上値は限られた。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.513%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・12月16日:▲3.159%⇒12月17日予想▲3.155%
S&P500が上昇したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.513%から▲0.358%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.424%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.189%に接近した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.040%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・12月16日:▲1.642%⇒12月17日予想▲1.637%
NASDAQが上昇したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.040%から▲0.403%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.439%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.169%に接近した。
NASDAQが上昇したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは1.60%台前半まで低下した。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。
三指数のイールドスプレッドは、指数が上昇したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことで三指数ともに縮小した。米国株は史上最高値近辺に推移しているうえ、米長期金利も1.80%台後半に上昇してきたことで、やや割高感を感じるようになってきた。米長期金利がもう一段上昇すると、一気に米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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