FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月11日の米国株市場を先取り!

2020/03/11/12:28:19

 

★NY株式市場では、三指数とも大幅反発したうえ、米長期金利も0.5%台から0.8%台へ上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。三指数とともに大幅にイールドスプレッドは縮小したが、未だに割安感は残っている。そのため、反発すると大きくなりやすい。米国ではFRBによる利下げや財政政策拡大の動きはあるが、今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げしても財政政策を実施しても市場の不安は払しょくしない。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、原油価格も下げ止まると安心感が出てくる。三指数ともにイールドスプレッドが大幅に拡大したことから、かなり割安感が強まっている。ところで、新型コロナウイルスの感染拡大で金融市場と世界経済が揺れるなか、ゴールドマン・サックス・グループのソロモン最高経営責任者(CEO)やウェルズ・ファーゴのシャーフCEOなどウォール街の幹部が11日、ホワイトハウスで行われる会合に出席すると報じている。各金融機関の広報担当者らが明らかにした。『金融市場のための大統領作業部会』が発動される可能性が高まっている。またの名を『株価下落防止チーム』という。

 

NYダウは、2月12日史上高値の29,568ドルから下落率20%の23,654ドル寸前まで下落したものの、下抜けることなく下ヒゲ陽線で終了した。しかし、5日SMAの25,589ドルと10日SMAの26,870ドルが真下を向いていることから、下落の勢いが強いことを示している。そのため、5日SMAや10日SMAがロウソク足に追いつくまでは、不安定な値動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜けしているものの、%Dが横ばいとなってきたことで下落の勢いは鈍化してきた。リスク回避の動きが強く、ネガティブな材料に反応しやすい地合いとなっている。好材料が出てくると、割安感が強いだけに一気に上昇基調となる。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲5.250%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/9-5.344%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月9日:▲5.447%⇒3月10日:予想▲4.827%

 

3月10日のNYダウが大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲5.250%から▲0.423%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+0.601%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.725%と上回った。20年2月28日の大底4.541%と+0.286%上回った。20年3月9日の5.344%と▲0.517%かい離した。

 

NYダウが大幅反発したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。米政府による大規模経済対策への期待から買いが先行し、取引開始直後に一時940ドル超上げた。ただ、共和党内の意見が分かれ、速やかな実施に懐疑的見方が広がたことや、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を背景に戻りを売りたい向きも多く、指数は下げに転じる場面があった。トランプ米大統領は与党・共和党議員との協議で『大統領選挙まで給与税を免除することが望ましい』と打診したことが分かると買いが加速し、ほぼ高値引けとなった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.664%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/9-▲5.461%

・3月9日:▲5.461%⇒3月10日予想▲4.937%

 

S&P500が大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.664%から+0.273とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+1.068%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.935%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.758%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+0.438%上回った。20年3月9日の5.461%と▲0.524%かい離した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲3.062%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/9-▲3.685%

・3月9日:▲3.685%⇒3月10日予想▲3.244%

 

NASDAQが大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.062%から+0.182%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+1.065%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.861%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.746%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+0.441%上回った。20年3月9日の▲3.685%と▲0.441%かい離した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では、大幅反発したものの過去のイールドスプレッドを上回るなど割安感を維持している。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドはなお▲3.20%台まで拡大しており割安感は残っている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことで三指数ともに前日比で大幅縮小した。米政府による大規模経済対策への期待から買いが強まった。前日に2000ドル超下落していたこともあり、買い戻しの材料に飛びついた感がある。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況となっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では雲の上限がレジスタンス!

2020/03/11/08:24:33

 

★3月4日以降の東京金60分足では、一目均衡表の雲の上限がレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっている。また、72時間SMA(青線)120時間SMA(赤線)も上値を抑えている。雲の上限を上抜け出来るかが焦点となる。

 

NY金先の市場は1641.10‐1681.30ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルス感染拡大による経済への悪影響が懸念されるなか、トランプ米政権による大規模な景気対策への期待が高まった。金融市場ではリスク回避地合いが後退し、安全資産の金は売り戻しが強まった。為替相場でドルが対ユーロで強含んだことも、ドル建ての金先物の重石となった。また、米国株式の大幅反発や原油先物の下げ止りを受けて伸び悩んだ。

 

価格帯別出来高では、上値に出来高の多い価格帯があることから、戻り場面では買い方からの『やれやれ売り』が入りやすく上値の重石となりやすい。出来高が少ない価格帯では、上下に大きく振れやすい。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインまで戻り基調となっているが、横ばいとなってきており、トレンドの勢いが鈍化してきている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も%Dが横ばいになってきており、トレンドが鈍化してきている。

 

東京金の日足では、下向きの5日SMAの5,592円や10日SMAの5,626円と25日SMAの5,623円がレジスタンスとして上値を抑えている。一方で、下値では75日SMAの5,405円がサポートラインとして意識されている。上値を抑えられており、徐々に上値の重さが意識されてくる。NY金もリスク回避の動きが後退してことで売られる展開となっている。ただ、新型コロナウイルスの感染者の拡大は続いており、景気対策や金融緩和だけでは、リスク回避の動きは継続する。為替市場では、リスクオン・オフの動きが錯綜しており、ボラティリティの高い相場が続いている。全般売られ過ぎの巻き戻しが入っているが、リスク回避の根源が残っていることから、買い戻し一巡後は再びリスク回避の動きになりやすいので注意が必要となる。

本日の注目点はレジスタンスとなっている5日SMAを上抜け出来るかが焦点となる。

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5分足で分かる欧米市場ドル/円動向 ボラティリティの高い相場続く!

2020/03/11/07:24:33

 

★欧州市場朝方の取引では、NYダウが上昇幅を縮小したほか、米長期金利が伸び悩むに連れて、ドルは下押しした。なお、欧州株は堅調に取引を開始した。NYダウ先物と米長期金利が反発基調を維持したことを受け、ドルの下押し調整の動きは一巡103.70円台からやや持ち直した。NYダウ先物が1080ドル近く上昇し、米長期金利が0.71%台まで上げ幅を拡大したことも支えに、ドルは切り返した。日銀がETF購入拡大を検討しているとの報道を受けて円売りで反応した。その後、発表予定だったトランプ政権の経済対策の発表が出来ていないとの報道を受けてドル売りが優勢となった。

 

現物のNYダウが940ドル超上昇すると104.60円台まで強含んだが、NYダウが210ドル高程度まで急速に伸び悩むと上値が重くなった。トランプ大統領が発表する包括的な経済対策について数名の共和党議員が反対との報道を嫌気した。米政権が給与税の90日間停止を議論しているとの報道でドルの買い戻しが入った。トランプ政権による経済対策への期待感が高まるなかNYダウは再び700ドルを超える上げを見せ、ドルの買い戻しが継続した。また、経済対策を巡り、ムニューシン財務長官とペロシ米下院議長(米民主党)が会談すると報じられた。

 

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・10-12月期GDP確定値:前年比+1.0%(予想:+0.9%、改定値:+0.9%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は103.21∸105.92円のレンジ

・イタリアは新型肺炎対策でECBに可能な手段の総動員を要請

・トランプ大統領による景気対策への期待が高まる

・米政権は給与税の90日間停止を議論との報道でドル買い

・日銀のETFの購入枠を拡大する案を検討で円売り

・VIX指数は54.46から47.30へ低下

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東京原油は過去の底値近辺で下げ止まる!

2020/03/10/13:00:22

 

★NY原油先物は、ロシアとの協調減産の交渉が決裂後、サウジアラビアがシェア重視で増産方針に転換したためアジア市場で27.34ドルまで下落した。そのため、東京原油先物も一時20,940円まで下落した。

この下落は、100年に一度の危機となるリーマンショックで付けた安値22,500円を下回った。それこそ、リーマンショック並みの安値となった。ただ、2015年から下落が始まり2016年1月に付けた安値18,970円は下回らなかった。この時は、米国でシェールオイル開発の景況による、米国内の石油のたぶつきが下落の原因となった。

歴史的な安値まで下落したことで、反動狙いの買いが入りやすい。ただし、今回はロシアやサウジアラビアによる意図的な下落である。そのため、以前のケースと下落原因が違うことには注意が必要となる。原油の戻りに対して、もう一段の売り材料を出してくることも考えられる。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜けしてきており、下押し圧力が強いことを示している。

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NYダウ日足では上昇トレンド転換の節目!

2020/03/10/11:53:48

 

★NYダウの日足では、2月12日高値29,568.57ドルから下落率20%近辺まで下落した。テクニカル的には高値から20%超下落するとトレンドは反転すると言われている。そのため、今までの上昇トレンドから下落トレンドは転換してします。

株価を注視しているトランプ政権は、この事態に早々に行動してくる可能性が高い。

特に今年は米国大統領選挙があることから、株価の大幅下落はトランプ大統領の再選にかかわる重要な問題となる。

そのため、トランプ政権による早々の株価対策によって、このところの大幅下落の巻き戻しが起こる可能性が高まっている。

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