FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月4日の米国株市場を先取り!

2020/03/04/09:39:37

 

★NY株式市場では、三指数とも大幅反落したうえ、米FRBによる緊急利下げで米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。新型コロナウィルスの問題解決は、金融政策だけでは不十分との見方や、緊急利下げが投資家に逆に脅威を与えた形となり、下落に転じた。三指数ともにイールドスプレッドが拡大しており、かなり割安感が出ている。そのため、先行き新型コロナウイルスが終息するような展開になると、一気に大幅に反転する可能性が高くなっている。

 

NYダウがは、200日SMAの27,242ドルや260日SMAの26,964ドルがレジスタンスとして意識され上値を抑えられると大幅反落する展開となった。5日SMA、10日SMAと25日SMAが真下を向いており下落の勢いが強い展開となっている。そのため、5日SMAが横ばいになるまでは不安定な動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、売られ過ぎ域から%DがSlow%Dを上抜けてきたことで、戻り基調になる兆しも出てきた。ただ、売られ過ぎ過熱感が出ているが、明確な下落トレンドが発生している時は、低水準で底這いするダマシが発生するので注意が必要となる。大きく反落したことや、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドが大幅拡大しており、割安感が強まっている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.690%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%、20/2/28-4.541%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月2日:▲4.226%⇒3月3日:予想▲4.553%

 

3月3日のNYダウが大幅反落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.690%から▲0.137%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+0.327%と上回った。19年6月3日の大底4.038%を+0.515%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.451%と上回った。20年2月28日の大底4.541%まで+0.012%上回った。

 

NYダウが大幅反落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げを好感する格好で一時380ドル超上げたものの、前日に過去最大の上げ幅となった後だけに、利下げ発表で材料出尽くしの売りが優勢となった。市場では『米国でも新型コロナウイルスの感染者が増える中、景気への悪影響が警戒された』との声が聞かれ、一時1000ドル近く下落した。新型コロナウィルスの問題解決は、金融政策だけでは不十分との見方や、緊急利下げが投資家に逆に脅威を与えた形となり、下落に転じ昨日の上昇をほぼ打ち消した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.055%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

               20/2/28-▲4.499%

・3月2日:▲4.243%⇒3月3日予想▲4.563%

 

S&P500が大幅反落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.055%から+0.508とかい離が逆転していることで割安になってきた。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.694%上回った。19年6月3日の大底となった3.881%を+0.682%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.561%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.384%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+0.064%上回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.534%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・3月2日:▲2.629%⇒3月3日予想▲2.909%

 

NASDAQが大幅反落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.534%から+0.375%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.375%上回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して+0.581%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.526%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.411%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+0.106%上回った。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では過去のイールドスプレッドを上回るなど急速に割安感が高まっている。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドが▲2.9%台まで拡大したことで割安感が強い。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅反落したうえ、米FRBの緊急利下げで米長期金利も大幅低下したことで三指数ともに前日比で大幅拡大した。新型コロナウィルスの問題解決は、金融政策だけでは不十分との見方や、緊急利下げが投資家に逆に脅威を与えた形となり、下落に転じた。米国株式市場では、株価が大幅下落したことや米長期金利が大幅低下したことで、割安感が強まった。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況となっている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では雲上限の攻防!

2020/03/04/08:28:53

 

★2月22日以降の東京金60分足では、米国で利下げ発表がされた時間帯から上昇基調が強まった。一時雲の上限を上抜け上値追いの動きとなったが、240時間SMA(茶線)がレジスタンスとして意識され押し戻される展開となった。一旦雲の中に押し戻されたが、再び上抜けしてきた。NY時間に付けた高値5,680円を上抜け出来るかが注目される。NY時間に雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

 

NY金先物市場は1585.90-1650.50ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)が0.5%の緊急利下げに踏み切り、米10年債利回りが初の1%割れまで低下し、米国株が暴落した。また、為替相場ではドル安・ユーロ高が進み、安全資産の金が買われた。ただ、その後は株安を意識した利食い売りが増えたことで金先物は上げ渋った。

 

価格帯別出来高では、出来高の少ない価格帯に位置していることから、上下に値が振れやすいので注意が必要である。下値に出来高の多い価格帯があることから、サポートラインとして意識される。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを上抜けシグナルととに上向きを維持している。一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、上値・下値を切り上げる展開となっているが、%DがSlow%Dを下抜けしてきていることで、上値が重くなっている。バラバラな動きとなっていることから、寄り付き後の動きが焦点となる。

 

東京金の日足では、25日SMAの5,606円を回復したものの、5日SMAの5,654円がレジスタンスとなり上値を抑える展開となっている。5日SMAに押し戻されるのか、それとも上抜け出来るのかが注目される。5日SMAを上抜け出来ると10日SMAの5,724円がレジスタンスとして意識される。NY金は1,600ドル台を回復しており、5日SMAと10日SMAを上抜けしていることから、下落調整は終了した。2月24日高値の1,686.6ドルを伺う展開となりやすい。為替市場では、FRBの緊急利下げにより、一気に日米金利差も縮小したこともあり、円高模索の動きとなりやすい。

本日の注目点はレジスタンスとなっている5日SMAを上抜けできるかにある。

カテゴリー: ホットニュース

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米FRBの緊急利下げでドル売り優勢!

2020/03/04/07:30:41

 

★欧州市場朝方の取引では、株式相場の動向に連れながらも108.00円を挟み上下50ポイントレンジで往来商状を継続した。なお、欧州主要株価指数は全面高で取引を開始した。NYダウ先物が300ドル超、日経先物が390円上昇、欧州株も軒並み堅調、米長期金利も1.11%台から1.15%台まで低下幅を縮めるなど、株売り・債券買いの調整が広がった。欧州市場中盤の取引では、G7緊急電話会合を控え、107.90円台でもみ合い商状が継続した。G7の緊急電話会談で具体的な問題解決について言及されなかったことで失望売りとなった。NYダウ先物が一時マイナス圏に沈んだが、再び上げ幅を200ドル超に拡大するとドル買いが入った。

 

FRBが緊急のFOMCを開き、政策金利であるFF金利の誘導目標を1.50-1.75%の範囲から1.00-1.25%の範囲に引き下げることを決めたと伝わるとドルは失速した。FRBの緊急利下げを受けて全般ドル安が進んだが、ドル売りが一巡するといったん持ち直したが、米国株安・債券高も重石となり上値の重い展開となった。NYダウが800ドル超安・米長期金利が0.96%台まで低下幅を拡大した動きが材料視され、ドルの下値を広げた。

 

★欧米主要経済指標

・英・2月建設業PMI:52.6(予想:49.0、1月:48.4)
・南ア・10-12月期GDP:前年比-0.5%(予想:-0.2%、7-9月期:+0.1%)
・ユーロ圏・2月消費者物価指数速報値:前年比+1.2%(予想:+1.2%、1月:+1.4%)
・ユーロ圏・2月消費者物価コア指数速報値:前年比+1.2%(予想:+1.2%、1月:+1.1%)
・ユーロ圏・1月生産者物価指数:前年比-0.5%(予想:-0.4%、12月:-0.6%←-0.7%)
・ユーロ圏・1月失業率:7.4%(予想:7.4%、12月:7.4%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は106.89-108.13円のレンジ相場

・G7では具体策に乏しい内容でドル失望売り

・FRBは臨時のFOMCを開き政策金利を0.5%利下げ

・米利下げ発表で材料出尽くしで株売り

・VIX指数は33.42から36.82へ上昇

カテゴリー: ホットニュース

メキシコペソ/円の日足では下落の勢いは継続中!

2020/03/03/15:54:32

 

★メキシコでは、先月末にはメキシコ国内で初の感染者が2名確認されたことで、今後さらなる感染が広がれば国内の物流がストップし、消費が手控えられ、ただでさえ景気低迷が続いている状況に拍車をかける可能性がある。 また、中銀の緩和政策にしても、昨年末の賃金アップにより物価上昇へのリスクが高まっていますので、昨年のような利下げが継続できるかどうかにも懐疑的な見方が浮上しており、景気を下支えできる材料が乏しい。

その中、メキシコペソ/円の日足では、各SMAがサポートにならず下落基調が続き最後のサポートラインとして期待された200日SMA(紫線)をも下抜けた。

5日SMA(赤線)が真下を向いておりレジスタンスとして上値を抑える展開となっている。そのため、戻り上値重い展開となっている。

一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、売られ過ぎ域で%DがSlow%Dを上抜けしてきた。しかし、明確な下落トレンドが継続していることから、低水準で底這いする可能性もありダマシとなりやすい。

まとめると、前日に大陽線が出て戻り基調となったものの、再び5日SMAに上値を抑えられる展開となっている。5日SMAが横ばいとなるまでは、短期的に下押しバイアスが強いことを示している。そのため、下落の勢いが鈍化するまでは投資判断は『戻り売り』目線となる。買い場を模索なら、5日SMAが横ばいとなりロウソク足が5日SMAを上抜けするような場面待ちとなる。

カテゴリー: ホットニュース

東京パラジウムは大幅下落も25日SMAで下げ止まる!

2020/03/03/13:05:09

 

★東京パラジウムの日足では、2月28日の高値9,660円付けた以降は大きく下落基調となり、5日SMA(赤線)10日SMA(黄線)を下抜けた。ただ、25日SMA(青線)の8,268円がサポートラインとなり一旦下げ止まる展開となっている。

この25日SMAは上昇過程の中で、何度もサポートラインとなり上昇基調を支えてきた。そのため、この25日SMAの攻防は非常に重要なポイントとなる。

5日SMAが下向きとなってきており、10日SMAとデッドクロスすると、5日SMAがレジスタンスとして意識され下押しバイアスがかかりやすい。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、高値圏で%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下押しバイアスが強まってきている。

まとめると、上昇過程の中で25日SMAに支えられ上昇してきたことから、25日SMAを維持できるのか、それとも明確に25日SMAを下抜けするのかを見極める必要がありそうだ。25日SMAを明確に下抜けすると、買い方の失望は大きく手仕舞い売りが入りやすい。その際は、75日SMA(緑線)の7,080円が意識される。一方で、25日SMAがサポートとなり再び5日SMAと10日SMAを上抜け出来るようなら、2月28日高値9,660円を目指す展開となる。25日SMAの攻防という相場の節目にある。

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ