FITS エコノミックレポート

新興国3通貨(トルコ、メキシコ、南ア)の年初からの動向!

2020/03/18/10:13:30

 

トルコリラ/円(黒破線)メキシコペソ/円(赤線)南アランド/円(青線)を2010年1月1日を100とする。現在、トルコリラ/円は91.58、メキシコペソ/円は81.41、南アランド/円は83.47とメキシコペソ/円の下落が大きくなっている。もともと上昇基調が強かっただけに、下落も大きくなったことになる。一方で、トルコリラ/円は、下落基調となっていたことから、今回の下落場面でも3通貨の中では下落率が小さくなっている。南アランド/円は、1月1日以降一度も100を浮上することなく下落基調が継続している。

こう見ると、新型コロナウイルスが終息方向に向かう展開となった際は、一番大きく影響を受けたメキシコペソ/円の反発が期待できそうだ。ただ。残念ながら何時終息に向かうか分かっていない。

 

カテゴリー: ホットニュース

イールドスプレッドで3月18日の米国株市場を先取り!

2020/03/18/09:22:31

 

★NY株式市場では、三指数とも大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。三指数とともにイールドスプレッドは縮小したものの割安感は残っている。米国ではFRBによる利下げや量的緩和、さらに財政政策などの動きはあるが、今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、原油価格も下げ止まると安心感が出てくる。三指数ともにイールドスプレッドが大幅に縮小したものの、かなり割安感は残っている。

 

NYダウは、2月12日の高値29,569ドルから下落率20%の23,655ドルを下回ったことで、テクニカル的には『弱気相場』入りとなっている。トランプ米政権が検討している総額1兆ドルの景気刺激策への期待から買いが膨らんだ。しかし、真下を向いている5日SMAがレジスタンスとして意識され下落基調が継続している。5日SMAや10日SMAがロウソク足とかい離があり追いつくまでは、不安定な値動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、低位で%Dが横ばいとなってきておりオシレータでは下落の勢いが鈍化したことを示している。リスク回避の動きが強く、ネガティブな材料に反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が強いだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲5.482%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/16-5.808%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月16日:▲5.808%⇒3月17日:予想▲5.141%

 

3月17日のNYダウが大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲5.482%から▲0.341%とと平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+0.915%と上回っている。19年8月5日の大底▲4.102%を+1.039%と上回っている。20年2月28日の大底4.541%と+0.600%上回っている。20年3月16日の5.808%から▲0.667%かい離した。

 

NYダウが大幅上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。米連邦準備理事会(FRB)が企業の資金繰りを抜本的に支援するため、企業が短期資金の調達に使うコマーシャルペーパー(CP)の購入を発表したほか、トランプ米政権が検討している総額1兆ドルの景気刺激策への期待から買いが膨らんだ。ただ、序盤は不安定な値動きだった。NYダウは節目の2万ドルを2017年2月以来、約3年1カ月ぶりに割り込み、同年1月のトランプ米大統領就任以降の株価上昇分をほぼ消失した。VIX指数は83.69から75.91へ低下した。

 

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.955%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/16-▲6.043%

・3月16日:▲6.043%⇒3月17日予想▲5.316%

 

S&P500が大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.955%から+0.361とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+1.447%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+1.314%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+1.137%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+0.817%上回った。20年3月12日の5.806%から▲0.490%かい離した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲3.266%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.009%

・3月16日:▲4.094%⇒3月17日予想▲3.465%

 

NASDAQが大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.266%から+0.199%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+1.286%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+1.082%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.967%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+0.662%上回った。20年3月16日の▲4.094%から▲0.629%かい離した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では、大幅反発したものの過去のイールドスプレッドを上回るなど割安感を維持している。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドが縮小したものの▲3.4%前半まで拡大しており割安感は残っている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことで三指数ともに前日比で大幅拡大した。、トランプ米大統領が記者会見で『新型コロナとの闘いは7-8月まで続く可能性』『米景気はおそらくリセッションに向かっている』と発言したことで下落幅が拡大した。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況が続いている。イールドスプレッドが再び大幅拡大したことで、売られ過ぎによる割安感が強まった。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では出来高の多い価格帯で上げ止まる!

2020/03/18/08:20:26

 

★3月10日以降の東京金60分足では、雲の上限を上抜けしたものの90時間SMA(紫線)がレジスタンスとなり、上値の重石となっている。ダブルボトムのネックラインを上抜けしたことで上昇基調となっている。ただ、上値では下落基調にある120時間SMA(赤線)240時間SMA(茶線)がレジスタンスとして意識されやすい。

 

NY金先物市場は1465.60-1554.30ドルのレンジ相場となった。欧州時間には前日比マイナス圏で取引されていたが、一時2万ドルを割り込んだNYダウをはじめ欧米株式市場がプラス圏を回復し、上げ幅を広げると金先物も6日ぶりに反発した。また、金融緩和が続くなかで主要国による大規模な財政出動が想定されており、この影響でインフレ進行の可能性が浮上していることも金先物相場に対する支援材料となった。

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯で買い方からの『やれやれ売り』が入りやすく、上値を抑える展開となっている。5,600円まで出来高が多い価格帯があることから、出来高が膨らむような買い材料が必要となってくる。上値が重くなると新規の売りも入りやすい。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの下方から上向きとなりゼロラインを上抜けしたことで上昇基調は継続している。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は買われ過ぎ過熱感が出てきていることから、値動きが鈍ると売りが出やすい。

 

東京金の日足では、260日SMAの5,036円がサポートラインとなり、200日SMAの5,162円を上抜け回復した。しかし、下向きとなっている5日SMAの5,258円がレジスタンスとなり上値を抑える展開となっている。5日SMAや10日SMAが下向きとなっているうちは上下に振れやすい地合いが続きやすい。NY金は一旦現金化の流れが後退したことで、反発する展開となっている。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大がもう一段広がるようなら、再び現金化の流れに戻る可能性もある。為替市場では、ドル需要が強いことから、過度な円高が抑制されている。そのため、東京金の下支えとなりやすい。

本日の注目点は、5日SMAを上抜けできるのか、それとも再び200日SMAを下抜けるのかが焦点となる。このところ金の動向もボラティリティが高まっているので、注意が必要となる。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 ドル需要強く底堅い展開継続!

2020/03/18/07:30:11

 

★欧州市場朝方の取引では、株価の急落が一服となり、米長期金利も上昇する中、リスク回避が緩和されドルが堅調に推移した。なお、欧州株は大幅反発として取引を開始した。株式相場の乱高下が続く中、欧州株が続落に転じ、日経先物も失速するに連れて、リスク回避の動きになった。ムニューシン米財務長官が8500憶ドル相当の大規模な経済刺激策を検討しているのではないか、という観測記事が伝わりドルの買い戻しが入った。また、ドル資金ひっ迫懸念によるドル買いが優勢となった。しかし、米2月小売売上高が予想を下回る結果を受けてドル売りが優勢となった。

 

ドル調達コストがリーマン危機以来の水準となる中、ドル買いの流れが継続した。一時2万ドルを割り込んだ米国株市場が1100ドルを超えて上がったことや、米長期金利が0.89%台まで上昇したことなどもドルを支えた。トランプ大統領やムニューシン財務長官が新型肺炎での景気後退に対して経済支援の提案をしたことでドルは底堅く推移した。米長期金利が0.99%台まで上昇し、米国株も堅調推移でドル買いが継続した。

 

★欧米主要経済指標

・英・11-1月ILO失業率:3.9%(予想:3.8%、10-12月:3.8%)
・英・11-1月週平均賃金:前年比+3.1%(予想:+3.0%、10-12月:+2.9%)
・英・11-1月雇用者数増減:+18.4万人(予想:+14.0万人、10-12月:+18.0万人)
・英・2月失業率:3.5%(1月:3.4%)
・英・2月失業保険申請件数推移:+1.73万件(1月:-0.02万件←+0.55万件)
・独・3月ZEW景気期待指数:-49.5(予想:-30.0、2月:8.7)

・米・2月小売売上高:前月比‐0.5%(予想:+0.2%、1月:+0.6%←+0.3%)
・米・2月小売売上高(自動車除く):前月比‐0.4%(予想:+0.1%、1月:+0.6%←+0.3%)
・米・2月設備稼働率:77%(予想:77.1%、1月:76.6%←76.8%)
・米・2月鉱工業生産:前月比+0.6%(予想:+0.4%、1月:-0.5%←-0.3%)
・米・3月NAHB住宅市場指数:72(予想:73、2月:74)
・米・1月JOLT求人件数:696.3万件(予想:640.1万件、12月:655.2万件←642.3万件)
・米・1月企業在庫:前月比-0.1%(予想:-0.1%、12月:0%←+0.1%)

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は106.28-107.86円のレンジ

・3月独ZEW景況感指数が2008年秋以来の水準に低下

・3ヵ月物ドル建てLIBOが2008年以来の大幅上昇でドル需要

・英中銀(BOE)の追加緩和の思惑からポンド売り

・トランプ政権による経済対策の提案を好感

・一時NYダウは約3年1ヵ月ぶりに2万ドル割れ

・VIX指数は83.69から75.91へ低下

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トルコで新型ウイルス感染拡大なら売り強まる!

2020/03/17/11:26:46

 

★トルコでは、先週初めて感染者が発見されたトルコでは、16日には50人弱の感染が確認されいる。隣国のイランでは、1万4000人感染されていることからすれば、かなり感染数は少ない。しかし、トルコ国内の感染者のなかにメッカ巡礼帰りの人が含まれていたことが分かった。そのため、巡礼に行った約1万人が隔離されているようだ。今後、集団感染となるようなら、トルコの主産業である観光にも甚大な影響を与えることになる。トルコ政府も公共施設など人の集まりやすい場所の営業休止などで感染拡大を食い止めようとしている。そのため、経済活動が停滞することは避けられない。世界的に感染拡大による景気の減速懸念も強く、リスク回避の動きが止まるまでは、新興国からの資金流出は止まりにくい。

 

トルコリラ/円は、低下傾向にある5日SMA(赤線)10日SMA(黄線)がレジスタンスとなり、上値を抑える展開が続く下落基調が続いている。戻りも10日SMA止まりとなっている。まずは5日SMAが横ばいになってくるまでは下押しバイアスが強いことを示している。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、トルコリラ/円が明確な下落トレンド基調にあることから、低位底這いと様相となっている。下落トレンドが継続中は、オシレータの機能も鈍化する。

まとめると、短期SMAがレジスタンスとなり下押しバイアスが強いことから、投資目線では『戻り売り』狙いとなる。5日SMAや10日SAMまで上昇後の反転狙いとなっている。トルコにも感染者が発見されたことから、感染拡大するのか、抑え込めるのかが注目される。特にトルコは観光業が主産業なだけに今後の重要なポイントとなる。

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