FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月17日の米国株市場を先取り!

2020/03/17/10:50:14

 

★NY株式市場では、三指数とも大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことで、イールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。三指数とともにイールドスプレッドは拡大したことで割安感が強まった。そのため、押し目買いが入りやすい。米国ではFRBによる利下げや量的緩和などの動きはあるが、今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、原油価格も下げ止まると安心感が出てくる。三指数ともにイールドスプレッドが大幅に拡大したことで、かなり割安感は強まっている。

 

NYダウは、2月12日の高値29,569ドルから下落率20%の23,655ドルを下回ったことで、テクニカル的には『弱気相場』入りとなっている。、トランプ米大統領が記者会見で『新型コロナとの闘いは7-8月まで続く可能性』『米景気はおそらくリセッションに向かっている』と発言したことを嫌気して下げ幅が拡大した。真下を向いている5日SMAがレジスタンスとして意識され下落基調が継続している。5日SMAや10日SMAがロウソク足とかい離があり追いつくまでは、不安定な値動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、低位で%Dが横ばいとなってきておりオシレータでは下落の勢いが鈍化したことを示している。リスク回避の動きが強く、ネガティブな材料に反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、週末のように割安感が強いだけに一気に上昇基調となりやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.999%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/12-5.631%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月13日:▲4.842%⇒3月16日:予想▲5.957%

 

3月16日のNYダウが大幅反落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.999%から+0.958%とかい離が逆転していることで割安になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+1.731%と上回っている。19年8月5日の大底▲4.102%を+1.855%と上回っている。20年2月28日の大底4.541%と+1.416%上回っている。20年3月12日の5.631%と+0.326%上回った。

 

NYダウが大幅下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米連邦準備理事会(FRB)は15日に緊急利下げしたものの、新型コロナウイルスの感染拡大の影響をめぐる市場の動揺は収まらず、S&P500株価指数は寄り付き直後に8%超急落し、売買を一時中断する措置(サーキット・ブレーカー)が発動された。取引再開後はしばらく安値圏でのもみあいが続いていたが、トランプ米大統領が記者会見で『新型コロナとの闘いは7-8月まで続く可能性』『米景気はおそらくリセッションに向かっている』と発言すると売りが加速し、一時3069ドル下げた。下げ幅は過去最大となり、下落率は1987年10月19日のブラックマンデー以来の大きさとなった。 VIX指数は57.83から83.69へ大幅上昇した。最大はリーマン危機時の2008年の89.53。

 

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.463%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/12-▲5.806%

・3月13日:▲5.060%⇒3月16日予想▲6.131%

 

S&P500が大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.463%から+1.668とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+2.262%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+2.129%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+1.952%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+2.129%上回った。20年3月12日の5.806%から+0.325上回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.870%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/12-▲3.867%

・3月13日:▲3.301%⇒3月16日予想▲4.153%

 

NASDAQが大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.870%から+1.283%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+1.974%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+1.770%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+1.655%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+1.350%上回った。20年3月12日の▲3.867%から▲0.286%かい離した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では、大幅反発したものの過去のイールドスプレッドを上回るなど割安感を維持している。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドが縮小したものの▲4.1%台半ばまで拡大しておりかなり割安となっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことで三指数ともに前日比で大幅拡大した。、トランプ米大統領が記者会見で『新型コロナとの闘いは7-8月まで続く可能性』『米景気はおそらくリセッションに向かっている』と発言したことで下落幅が拡大した。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況が続いている。イールドスプレッドが再び大幅拡大したことで、売られ過ぎによる割安感が強まった。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では上値に出来高が多く重石に!

2020/03/17/08:11:44

 

★3月10日以降の東京金の60分足では、上値・下値を引き下げる下落基調が継続している。各SMAも緩やかに下向きとなっており、レジスタンスとして意識されやすい。4,876円で二度反発していることから、下落基調ではサポートとして意識されやすい。

 

NY金先物市場は、1450.901574.80ドルのレンジ相場となった。米FRBによる緊急利下げにもかかわらず、株式市場は大幅に売られ、金融資産の現金化が本日も進み金先物も続落した。一時米株式市場が下げ幅を縮める局面では前営業日比でプラス転をする場面もあったが、資産現金化への流れは止められず上値は限られた。 

 

価格帯別出来高では、上値に出来高が多いことからもう一段の下落では手仕舞い売りが入りやすい。また、戻り基調では買い方からの『やれやれ売り』が入りやすく上値の重石となる。5,000円前後では、押し目買いも入っており、出来高が膨らむかがポイントとなる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの下方でわずかにシグナルを上抜けしてきており、戻り基調が継続している。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、%DがSlow%Dを上抜けしてきていることから、戻り基調が続いている。

 

東京金の日足では、200日SMAの5,159円や260日SMAの5,034円下抜けしたものの、長い下ヒゲを付け260日SMAまでは回復した。そのため、本日は200日SMAを回復出来るかが焦点となる。5日SMAと10日SMAが真下を向いていることから、短期的に下落の勢いが強いことを示している。そのため、5日SMAがロウソク足に追いつくまでは振れの大きな展開となりやすい。NY金はリスク回避の強まりから現金化の流れによる売りが止まらない。現金化の流れが一巡するまでは、戻り売りの対象となりそうだ。為替市場では、ドルに需要が強いことからリスク回避のなか過度な円高にはなっていない。

本日の注目点では、200日SMAを回復できるのか、それとも再び260日SMAを下抜けしてしまうのかが焦点となる。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 方向感なく乱高下!

2020/03/17/07:13:43

 

★欧州市場朝方の取引では、新型コロナウイルスの感染者が欧州を中心に一段と拡大したことを背景に、リスク回避の流れが持続する中、ドルが軟調に推移した。なお、欧州株は大幅反落して取引を終了した。欧州株が総崩れとなり、世界的な株安を背景にドルが軟調推移した。欧州株式市場は主要指数が総じて下げ幅を拡大し、リスク回避的な円買い主導の展開となった。また、米長期金利の戻り鈍く、ドル買いは後退した。

 

米3月NY連銀製造業景況指数が-21.5となり、予想の+3を大きく下回る悪化となったことで、ドル売りが継続した。NY勢の参入とともに株安を手掛かりにしたリスク回避の動きが強まった。NYダウが過去最大12%超の下落率から9%安に一旦下げ渋りになったことで、ドルの買い戻しが入った。欧州通貨やオセアニア通貨、新興国通貨に対してドル買いが広がると円に対してもドル高が進んだ。NYダウが再び2000ドルを超えて下げ、米長期金利が0.74%台まで低下したこともあり、再びドル売りが強まった。その後は、流動性の悪い中で方向感なく乱高下する展開となった。

 

★欧米主要経済指標

・米・3月NY連銀製造業景気指数:‐21.5(予想:5.1、2月:12.9)
・米・1月対米証券投資・長期有価証券(株式スワップ等除く):+209億ドル(12月:ネット長期有価証券+856億ドル)
・米・1月対米証券投資全体:+1229億ドル(12月:+787億ドル←+782億ドル)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は105.09-106.69円のレンジ

・金融機関や企業のドル需要が強まっている

・ドルの調達コストはリーマン危機以来の高水準

・原油価格の急落を受けて産油国通貨売り

・債券市場では南欧の国債に売り広がる

・国境封鎖の動きが広がり景気への悲観的な見方

・緊急G7首脳会談も相場の反応は限定的

・VIX指数は57.83から83.69へ上昇

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ドル/円の日足では下値を切り上げる展開で円安基調継続!

2020/03/16/08:33:12

 

★米FRBは1%の緊急利下げを決めたと発表した。主要政策金利を年0.0-0.25%とし、事実上のゼロ金利政策を採用するとした。また、量的緩和(5000億ドルの米国債、2000憶ドルの住宅ローン担保証券(MBS)の購入)の再開も発表するとドルが急落した。

しかし、5日SMA(赤線)10日SMA(黄線)が辛うじてサポートラインとして意識され下げ止まる展開となっている。また、3月9日の安値101.16を起点として3月12日安値103.05円を結ぶトレンドライン(S1)は下値を切り上げていることから、維持出来るかが本日の注目点となる。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを上抜け両線とも緩やかに上昇していることから、戻り基調が継続している。

一方で、上値では200日SMA(紫線)の108.25円が上値目処として意識されており、上値も重い展開となっている。

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NY金の投機筋の買い持高と金価格!

2020/03/16/06:50:20

 

★CFTC投機筋の建玉動向の3月10日付けNY金では、前週比▼20,202枚減少の299,531枚となった。2月18日付けのピークとなった353,649枚から▼54,118枚の減少となった。投機筋の買い持高の減少と共にNY金は下落基調となっている。

投機筋の買い越し残高減少は続いていたものの、NY金は2月27日の1642.5ドルが一旦ボトムとなり3月9日の1675.7ドルまでの戻り基調となった。しかし、再び大きく下落したことからダブルトップの様相となった。

投機筋の買い持高の減少が続いていることから、NY金の下値模索の展開が続く可能性がある。

東京金もNY金の動きに連れる展開となっていることから、投機筋の買い持ち残高の動きが下げ止まるポイントとなる。

投機筋の買い持ち残高は、まだ高水準で推移していることから調整が続く可能性があるので注意が必要となる。

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