FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月12日の米国株市場を先取り!

2020/03/12/09:50:21

 

★NY株式市場では、三指数とも大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したが、イールドスプレッドは前日比で三指数ともに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。三指数とともにイールドスプレッドは拡大したことで割安感が強まっている。そのため、反発すると大きくなりやすい。米国ではFRBによる利下げや財政政策拡大の動きはあるが、今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げしても財政政策を実施しても市場の不安は払しょくしない。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、原油価格も下げ止まると安心感が出てくる。三指数ともにイールドスプレッドが大幅に拡大したことから、かなり割安感が強まっている。

 

NYダウは、2月12日の高値29,569ドルから下落率20%の23,655ドルを下回ったことで、テクニカル的には『弱気相場』入りとなっている。早々に回復出来ないと、上昇トレンドから下落トレンド入りとなる。また、5日SMAの24,882ドルと10日SMAの25,530ドルが真下を向いていることから、下落の勢いが強いことを示している。そのため、5日SMAや10日SMAがロウソク足に追いつくまでは、不安定な値動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜けして両線ともに下向きとなってきたことで下落の勢いが強いことを示している。リスク回避の動きが強く、ネガティブな材料に反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が強いだけに一気に上昇基調となりやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.972%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/9-5.344%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月10日:▲4.790%⇒3月11日:予想▲5.061%

 

3月11日のNYダウが大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したがイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.972%から+0.089%とかい離が逆転していることで割安になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+0.835%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.959%と上回った。20年2月28日の大底4.541%と+0.520%上回った。20年3月9日の5.344%と▲0.283%かい離した。

 

NYダウが大幅反落したことで株式益利回りは上昇した。一方で、米長期金利は上昇したがイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。米政府は10日に新型コロナウイルス対応の経済対策を議会に要請したが、市場では『実現時期や効果には不透明感がある』との見方が多く、売りが優勢となった。世界保健機関(WHO)が新型コロナについて『パンデミック(世界的流行)』と表明したことも投資家心理の悪化につながり、一時1689ドルの大幅下落となった。NYダウは高値から20%下落した水準を割り込み、弱気相場入りした。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.395%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/9-▲5.461%

・3月10日:▲4.924%⇒3月11日予想▲5.140%

 

S&P500が大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したがイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.395%から+0.745とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+1.271%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+1.138%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.961%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+0.641%上回った。20年3月9日の5.461%と▲0.321%かい離した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.843%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/9-▲3.685%

・3月10日:▲3.247%⇒3月11日予想▲3.369%

 

NASDAQが大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したがイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.843%から+0.526%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+1.190%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.986%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.871%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+0.566%上回った。20年3月9日の▲3.685%と▲0.316%かい離した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では、大幅反発したものの過去のイールドスプレッドを上回るなど割安感を維持している。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドはなお▲3.30%台まで拡大しており割安感が強まっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅反落した一方で、米長期金利は上昇したが三指数ともに前日比で拡大した。米政府による大規模経済対策への期待がはく落したことや、新型コロナウイルスの感染拡大でWHOが『バンデミック』宣言したことでリスク回避の動きが強まった。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況が続いている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では雲の下限を下抜け!

2020/03/12/08:23:17

 

★3月5日以降の東京金60分足では、5,600円がレジスタンスとなり下押しする展開となった。雲の下限を下抜けする展開となったが、5,450円がサポートラインとして意識されており、下げ止まる展開となっている。ただ、雲の下限がレジスタンして意識され上値の重い展開となっている。心理的な節目となる5,450円を下抜けすると、もう一段の下落となる可能性が高い。今晩雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目となりやすい。

 

NY金先物市場は1632.40-1671.80ドルのレンジ相場となった。下げが止まらない株式市場で受けた損失をカバーするため、現物の金塊は投資家の換金売りに押され、先物市場も上値を抑えられた。ドルが対ユーロで堅調となったことも材料に、ドル建ての金先物は終日弱含みに推移した。1671.80ドルまで買われたが、株安の局面でポジション調整的な売りが観測された。

 

価格帯別出来高では、上値に出来高の多い価格帯が2層あるので、戻り場面では上値の重石となりやすい。また、もう一段下落すると買い方からの手仕舞い売りが入りやすく下げを加速させる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを下抜けシグナルとともに下向きとなっていることから下押しバイアスが強くなっている。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、売られ過ぎ域から%DがSlow%Dを上抜けしてきていることから、戻り基調となっている。ただ、下落トレンドが発生していることから、ダマシとなりやすい。そのため、MACDの動きに注目。

 

東京金の日足では、25日SMAがレジスタンスとして意識され上値の重さが意識されたことで、下押しの展開となっている。5日SMAと10日SMAも下向きとなっていることから、戻り基調ではレジスタンスとして意識され上値を抑える。一方で、下値では75日SMAの5,410円がサポートラインとして意識される。NY金先物は米国株が大幅下落したことで、株式の損失のカバー売りが強まった。基本的にはリスク回避の動きが強いことから、底堅い展開が予想される。為替市場では、米国10年物国債利回りが上昇したことで、過度な円買いにはつながらず104円台後半で推移している。

注目点では、徐々に上値が重くなっていることから、一旦下値トライとなる可能性もあり、75日SMAで下げ止まるかが焦点となる。上値では25日SMAの5,622円を上抜け出来るかが注目される。

 

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 WHOの『パンデミック』宣言でリスク回避!

2020/03/12/07:27:58

 

★欧州市場朝方の取引では、英中銀が政策金利を引き下げると発表したことを受け、円売りが優勢になった。なお、英国株を中心に欧州株が全面高で取引が開始した。欧州株が軒並み大幅上昇し、リスク選好的な円売りが主要通貨を押し上げた。また、米長期金利の上昇で、ドル買いが進んだ。米長期金利が0.74%台まで上昇後は0.70%台に失速し、ドル買いを抑制させた。欧州株は堅調地合いを維持するほか、NYダウ先物は2%前後高となった。しかし、NYダウ先物が210ドル超安から640ドル超安まで弱含みリスク回避の円買いが強まった。

 

堅調に推移していた欧州株が軒並みマイナス圏に沈み、NYダウ先物も820ドル超安まで一転下落するなど、リスク回避の動きが強まり円買いが継続した。米政府は10日に経済対策を議会に要請したが、市場では『実現できるか不透明』との見方が出ており、NYダウは一時1000ドル超下落したが、米長期金利が低下幅を縮めたことでドルの下値は堅かった。ただ、WHO事務局長が『バンデミック』と宣言するとNYダウは下げ幅を拡大した。投資家心理悪化からNYダウは一時1689ドル下落しドル売りが優勢になった。

 

★欧米主要経済指標

・英・1月鉱工業生産:前月比-0.1%(予想:+0.3%、12月:+0.1%)
・英・1月製造業生産:前月比+0.2%(予想:+0.2%、12月:+0.3%)
・英・1月貿易収支:-37.20億ポンド(予想:-70.00億ポンド、12月:-14.18億ポンド←+8.45億ポンド)

・米・2月消費者物価指数:前年比+2.3%(予想:+2.2%、1月:+2.5%)
・米・2月消費者物価コア指数:前年比+2.4%(予想:+2.3%、1月:+2.3%)
・米・2月消費者物価指数:前月比+0.1%(予想:0.0%、1月:+0.1%)
・米・2月消費者物価コア指数:前月比+0.2%(予想:+0.2%、1月:+0.2%)
・米・2月財政収支:-2353億ドル(予想:-2368億ドル、19年2月:-2339.77億ドル)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は104.23-105.32円のレンジ

・英中銀に緊急利下げと300億ポンドの経済対策

・ECB定例理事会を前に利下げ観測強まる

・米景気対策のはく落が相場の重石

・WHOの『パンデミック』宣言でリスク回避強まる

・VIX指数は47.30から53.90へ上昇

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東京金の一目均衡表週足では基準線がサポート!

2020/03/11/16:47:17

 

★東京金の一目均衡表週足では、トレンドの方向性を示す基準線(青線)は横バイとなっており、上下にボラティリティが高まっているが、中期的にはもみ合い相場を示している。

一方、転換線(赤線)は上向きを維持していることから、短期的には上昇基調は継続している。

そのため、26期間先の先行スパン1は先行スパン2の上に位置しており、先行スパン1は緩やかに上向きとなっており、転換線と基準線の中心値が上昇していることを示している。要するに雲の上限が上昇しているうちは、上昇基調が継続しやすい。

ただ、26期間遅行する遅行線(緑線)は、下向きとなっており終値が切り下げる展開を示している。

まとめると、東京金の中期トレンドでは、ボラティリティが高いものの短期的な上昇基調は継続している。ただし、基準線を下抜け転換線が下向きとなってくると、上昇トレンドが終了した可能性が高まる。基準線が現在横向きであるが、下向き転換すると下落トレンド入りした可能性が高まる。

 

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日経225は60ヵ月SMAを下抜ける!

2020/03/11/13:13:31

 

★日経225の月足では、2012年に60ヵ月SMA(赤線)を上抜けして以来一度も下回らずに上昇基調が継続していた。しかし、60ヵ月SMAの20,261円を下抜けた。

ただ、ネックラインとなる2018年12月安値18,949円を上回っていることから、何とかこらえている状態となっている。

MACD(パラメータ:12、26、9)では、上値を切り下げる展開となっている。価格は上昇したにも関わらず、MACDが上値を切り下げていることから、ダイバージェンスが発生していることになる。ダイバージェンスは下落の前兆とされている。ゼロラインは上回っているものの、MACDがシグナルを下抜け下向きとなっているため、下押しバイアスが強まってきている。

3月末までに60ヵ月SMAを回復出来るようなら再び上昇基調は継続するが、このまま下抜けしてしまうともう一段の下落になりやすいので注意が必要となる。

 

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