FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月13日の米国株市場を先取り!

2020/03/13/10:21:23

 

★NY株式市場では、三指数とも大幅下落したうえ、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。三指数とともにイールドスプレッドは拡大したことでかなり割安感が強まっている。そのため、反発すると大きくなりやすい。米国ではFRBによる利下げや量的緩和などの動きはあるが、今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は払しょくしない。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、原油価格も下げ止まると安心感が出てくる。三指数ともにイールドスプレッドが大幅に拡大したことから、かなり割安感が強まっている。

 

NYダウは、2月12日の高値29,569ドルから下落率20%の23,655ドルを下回ったことで、テクニカル的には『弱気相場』入りとなっている。そのため、下値模索の展開となり大きく下落基調が続いている。早々に回復出来ないと、上昇トレンドから下落トレンド入りとなる。また、5日SMAと10日SMAが真下を向いていることから、下落の勢いが強いことを示している。そのため、5日SMAや10日SMAがロウソク足に追いつくまでは、不安定な値動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜けして両線ともに下向きとなってきたことで下落の勢いが強いことを示している。リスク回避の動きが強く、ネガティブな材料に反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が強いだけに一気に上昇基調となりやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲5.066%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/9-5.344%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月11日:▲4.978%⇒3月12日:予想▲5.694%

 

3月12日のNYダウが大幅下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲5.066%から+0.628%とかい離が逆転していることで割安になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+1.468%と上回った。19年8月5日の大底▲4.102%を+1.592%と上回った。20年2月28日の大底4.541%と+1.153%上回った。20年3月9日の5.344%と+0.35%上回った。

 

NYダウが大幅下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利も低下したがイールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。

米国が新型コロナウイルスの拡大阻止のため、英国を除く欧州からの外国人の入国禁止を発表すると、経済活動が世界で収縮する懸念が強まり売りが膨らんだ。今週2度目となる「サーキットブレーカー」が発動され、取引が一時停止される事態となった。下げ幅は過去最大となり、下落率は87年10月19日のブラックマンデー以来の大きさだった。米連邦準備理事会(FRB)が追加レポオペで1兆5000億ドルを供給すると伝わると715ドル安まで下げ幅を縮小する場面もあったが、戻りは鈍かった。VIX指数は 53.90から75.47と大幅上昇した。過去最大は2008年の89.53だった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.496%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/9-▲5.461%

・3月11日:▲5.125%⇒3月12日予想▲5.819%

 

S&P500が大幅下落したうえ、米長期金利も低下したがイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.496%から+1.640とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+1.950%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+1.817%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+1.640%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+1.320%上回った。20年3月9日の5.461%と+0.358%かい離した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.902%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/9-▲3.685%

・3月11日:▲3.366%⇒3月12日予想▲3.872%

 

NASDAQが大幅下落した一方で、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.902%から+0.526%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+1.693%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+1.489%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+1.372%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+1.069%上回った。20年3月9日の▲3.685%と▲0.187%上回った。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では、大幅反発したものの過去のイールドスプレッドを上回るなど割安感を維持している。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドはなお▲3.8%台まで拡大しておりかなり割安感が強まっている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅下落したうえ、米長期金利が低下したことで三指数ともに前日比で大幅拡大した。米政府による大規模経済対策への期待がはく落したことや、新型コロナウイルスの感染拡大でWHOが『バンデミック』宣言したことでリスク回避の動きが継続した。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況が続いている。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では引けにかけて売り強まる!

2020/03/13/08:22:04

 

★3月6日以降の東京金60分足では、引けにかけて下落したことから下押しバイアスが強いことを示している。寄り付き後雲のネジレがあることから、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。26期間先の雲は先行スパン1・先行スパン2ともに下落基調となっている。

 

NY金先物市場は1560.40‐1651.00ドルのレンジ相場となった。新型コロナウイルスの影響を懸念した世界株安が加速し、資産の現金化が進むなかで金への売り圧力は強まった。また、ドルが対ユーロで1.10ドル台までドル高に振れたこともドル建ての金先物の重しとなり、一時約1カ月ぶりの安値となる1560.4ドルまで下値を広げた。現金以外の資産を換金する動きが広がっており、米国株安を意識した安全逃避の金買いは観測されなかった。

 

価格帯別出来高では、上値に出来高の多い価格帯があることから、もう一段下落すると買い方からの手仕舞い売りが入りやすく、下押しバイアスが強まる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、シグナルとともに下向きとなっており、下落基調が継続している。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)でも%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることで、下押しバイアスが強い展開となっている。

 

東京金の日足では、75日SMAの5,410円と100日SMAの5,351円を下抜けしたことで、200日SMAの5,152円や260日SMAの5,030円が視界に入ってきた。NY金は、過度なリスク回避により米国株が大幅下落していることから、資産の現金化が進み金もその対象となっている。現金化が一巡するまでは下押しバイアスがかかりやすい。為替市場では、過度なリスク回避の円買いは強まっていないものの、上値も重い展開が続いている。

本日も注目点は、200日SMAと260日SMAが視界に入ってきていることから、下値トライととなるのか、それとも安全資産として再び買い戻しが入るのかが焦点となる。週末ということもあり、市場全体にポジション調整的な売買が入りやすく、変動しやすい相場展開となりやすい。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 値動きの荒い展開継続!

2020/03/13/07:24:50

 

★欧州市場朝方の取引では、世界的な株安が進行しリスク回避の動きが持続する中、ドル売り圧力が波及した。なお、欧州主要株価指数は大幅安で取引を開始した。欧州株式市場は主要指数が総じて6%超下げる中、リスク回避の円買いが優勢となった。103.70円前後でもみ合いが続いたが、日銀の追加緩和に関する観測記事にドル買いで反応した。世界的な株価の大幅下落を背景に、リスク回避による全面高地合いが持続し、ドルが再下落した。

 

米2月PPI(生産者物価指数)、コアPPI、米新規失業保険申請件数等の結果を受けて小動き地合いとなった。世界的な株価の急落を背景に、欧州通貨やオセアニア通貨、新興国通貨に対してドル買いが広がると、円に対してもドル高が進んだ。FRBが600億ドルの国債買い入れなどの流動性供給を発表すると、NYダウが急速に下げ幅を縮小し、ドル買いが優勢となった。106.09円を高値に売り戻される荒い値動きが継続した。一時700ドル超安まで下げ幅を縮めたNYダウが再び2000ドル超安まで売り込まれたことも重石となった。

 

★欧州主要経済指標

・ユーロ圏・1月鉱工業生産:前月比+2.3%(予想:+1.5%、12月:-1.8%←-2.1%)

・米・2月生産者物価指数:前月比-0.6%(予想:-0.1%、1月:+0.5%))
・米・2月生産者物価コア指数:前月比-0.3%(予想:+0.1%、1月:+0.5%)
・米・2月生産者物価指数:前年比+1.3%(予想:+1.8%、1月:+2.1%)
・米・2月生産者物価コア指数:前年比+1.4%(予想:+1.7%、1月:+1.7%)
・米・先週分新規失業保険申請件数:21.1万件(予想:22.0万件、前回:21.5万件←21.6万件)
・米・失業保険継続受給者数:172.2万人(予想:173.3万人、前回:173.3万人←172.9万人)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は103.50-106.09円のレンジ

・ECBは量的緩和政策を年末まで1200億ユーロに拡大

・世界同時株売り・現金化の様相

・米NY連銀が短期金融市場(レポ取引)に資金注入

・今週2回目のサーキット・ブレーカー措置発動

・VIX指数は53.90から75.47へ上昇

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東京金は75日SMAを維持出来るか注目!

2020/03/12/12:25:50

 

★東京金の日足では、下向きの5日SMA(赤線)10日SMA(黄線)に押される形で下落基調となっている。ただ、75日SAMN(緑線)の5,409円がサポートラインとして意識され一旦下げ止まる展開となっている。また、直ぐ下値には100日SMA(黒線)の5,351円が位置しており、同様にサポートラインとして意識される。

ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下押しバイアスが強いことを示している。

75日SMAや100日SMAを下抜けると、200日SMA(紫線)の5,148円260日SMA(茶線)5,028円が視界に入ってくる。

株価が大幅に下落していることから、株の損と金の利益確定売りで相殺する取引が金の上値を抑える展開となっている。

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トルコの憂鬱な材料で上値の重い展開!

2020/03/12/11:37:08

 

★コジャ・トルコ保健相は11日、トルコ国内で初めての新型コロナウイルス感染者が確認されたことを発表した。トルコ国内で新型ウイルス感染者が出たことにより、トルコ経済活動の停滞が懸念され始めた。もし他国同様に感染拡大となれば、トルコの主要産業である観光業へのダメージは避けられない。そして、予定されていた中国国営銀行のトルコへの巨額融資が遅れる可能性も一部報道から指摘されている。さらに、トルコ国内から欧州越境を目指す中東や北アフリカの難民により、ギリシャ国境では混乱が続いている。ギリシャ側は難民の流入を阻止しようと強硬手段にでており、それに対してエルドアン大統領はギリシャを『ナチス』と呼ぶなど、両国関係の溝は広まるばかりである。欧州連合(EU)は当然ながらギリシャ支援に動くため、今後のトルコとEUとの関係の悪化が懸念される。

 

トルコリラ/円の日足では、下向きの5日SMA(赤線)10日SMA(黄線)がレジスタンスタンスとなり下押しの展開が続いている。まずは、5日SMAが横ばいになるまでは、下落の勢いが強いので注意が必要となる。ロウソク足が大きくなってきていることから、上下のボラティリティが高いことを示している。そのため、ロウソク足が小さくなってくるまでは、注意する必要がある。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも緩やかに下向きとなっていることから、下落基調が継続している。

下値では3月9日の安値16.302円近辺で下げ止まるかが注目される。

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