FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで3月16日の米国株市場を先取り!

2020/03/16/03:03:26

 

★NY株式市場では、一転三指数とも大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。三指数とともにイールドスプレッドは縮小したものの割安感は残っている。そのため、続伸しる可能性が高い。米国ではFRBによる利下げや量的緩和などの動きはあるが、今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになる。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、原油価格も下げ止まると安心感が出てくる。三指数ともにイールドスプレッドが大幅に縮小したが、かなり割安感は残っている。

 

NYダウは、2月12日の高値29,569ドルから下落率20%の23,655ドルを下回ったことで、テクニカル的には『弱気相場』入りとなっている。週末はトランプ米大統領が『非常事態』を宣言し、連邦政府の予算を地方政府に振り向けられるようにしたほか、政策を総動員する姿勢を打ち出すと米景気に対する投資家の不安心理が後退し、買いが加速した。しかし、真下を向いている5日SMAがレジスタンスとして意識されている。5日SMAや10日SMAがロウソク足とかい離があり追いつくまでは、不安定な値動きになりやすい。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、低位で%Dが横ばいとなってきており下落の勢いが鈍化したことを示している。リスク回避の動きが強く、ネガティブな材料に反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、週末のように割安感が強いだけに一気に上昇基調となりやすい。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲5.393%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/12-5.631%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・3月12日:▲5.631%⇒3月13日:予想▲4.911%

 

3月13日のNYダウが大幅反発したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲5.393%から▲0.482%と平均値よりかい離していることから割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を+0.685%と上回っている。19年8月5日の大底▲4.102%を+0.809%と上回っている。20年2月28日の大底4.541%と+0.685%上回っている。20年3月12日の5.631%と▲0.72%かい離した。

 

NYダウが大幅上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。前日に2352ドル下落し過去最大の下げを記録したうえ、約2年9カ月ぶりの安値を更新したあとだけに自律反発狙いの買いが先行した。世界の中央銀行による金融緩和策が相次いだことも相場の支援材料となり、一時1300ドル超上げた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が続き世界経済が景気後退入りするとの懸念は根強く、買い一巡後は84ドル高まで急失速した。もっとも、トランプ米大統領が『非常事態』を宣言し、連邦政府の予算を地方政府に振り向けられるようにしたほか、政策を総動員する姿勢を打ち出すと米景気に対する投資家の不安心理が後退し、買いが加速した。上げ幅は過去最大となり、上昇率は9.4%高と11年半ぶりの大きさとなった。VIX指数は 75.47から大幅57.83へ低下した。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.836%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/12-▲5.806%

・3月12日:▲5.806%⇒3月13日予想▲5.075%

 

S&P500が大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.836%から+0.239とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+1.206%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+1.073%上回った。19年8月15日の▲4.179%を+0.896%上回った。20年2月28日の大底4.499%まで+0.576%上回った。20年3月12日の5.806%から▲0.731%かい離した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲3.153%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/12-▲3.867%

・3月12日:▲3.867%⇒3月13日予想▲3.297%

 

NASDAQが大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.153%から+0.144%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+1.118%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.914%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.799%上回った。20年2月28日の大底2.803%まで+0.494%上回った。20年3月12日の▲3.867%から▲0.570%かい離した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。NASDAQ市場では、大幅反発したものの過去のイールドスプレッドを上回るなど割安感を維持している。そのため、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、急速な戻り基調となりやすい。イールドスプレッドが縮小したものの▲3.2%台後半まで拡大しており割安感は残っている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が大幅大幅したうえ、米長期金利が大幅上昇したことで三指数ともに前日比で大幅縮小した。前日に過去最大の下げを記録したうえ、約2年9ヵ月ぶりの安値を更新したこともあり自立反発しやすい地合いだった。トランプ米大統領が『非常事態』を宣言し、連邦政府の予算を地方政府に振り向けられるようにしたほか、政策を総動員する姿勢を打ち出すと米景気に対する投資家の不安心理が後退し、買いが加速した。ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は振れやすい状況が続いている。イールドスプレッドは大幅縮小となったが、売られ過ぎによる割安感は残っていることで、週明けも上昇余地を残している。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金の60分足では引けにかけて戻り基調!

2020/03/16/03:02:27

 

★3月9日以降の東京金60分足では、雲の下限72時間SMA(青線)がレジスタンスとなり、下押しする展開となった。しかし、5,176円が底値となり引けにかけて戻り基調となった。ただ、上値には緩やかに低下傾向となっている24時間SMA(緑線)の5,312円がレジスタンスとして意識されやすい。先行き雲の下限が低下傾向となることから、上値が重くなる可能性がある。

 

NY金先物市場は1504.00-1597.90ドルのレンジ相場となった。通常取引開始前の時間外取引で1600ドルに接近する場面があったが、トランプ米大統領が国家非常事態を宣言するとの報道を受けて金先物の下げ幅は大幅に拡大し、一時1504.00ドルまで売られた。スタフォード法に基づき、連邦政府は州・地方自治体への支援を一段と強化する。通常取引終了後の時間外取引で1536.90ドルまで戻したが、株高やドル高を意識して金先物の戻りは鈍かった。欧米の株式相場は反発したものの、このところの急落で投資家の資産現金化の流れは止まらず、金への売り圧力は強まったままだった。

 

価格帯別出来高では、5,500~5,600円前後が出来高が多く戻り基調では買い方からの『やれやれ売り』が入りやすく上値の重石となる。一方で、5,200円前後では短時間に出来高が膨らんでおり、押し目買いが入りやすい。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインがレジスタンスとなり下押ししたが、MACDが横ばいになってきたことで下押しバイアスは鈍化してきている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、低水準で%DがSlow%Dを上抜けしてきており、戻り基調となっている。

 

東京金の日足では、200日SMAの5,156円がサポートラインとして意識され下げ止まると、下ヒゲと伴って戻り基調となっている。ただ、上値では100日SMAの5,353円や75日SMAの5,414円がレジスタンスとして意識され上値が重くなる。NY金はリスク選好の動きと投資家の現金化の流れで大きく下落している。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は続いることや、ワクチンが未開発のため下値では押し目買いも入りやすい。金も現金化が一巡するまでは不安定な動きになりやすい。為替市場では『有事のドル買い』の展開となっており、107円後半まで戻してドルは底堅く推移している。そのため、東京金の下支え要因となる。

注目点は、200日SMAを維持出来るかにある。一方、しばらくは上値では買い方からの『やれやれ売り』も入りやすく上値の重い展開が続きそうである。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 有事のドル買い強まり大幅高!

2020/03/16/03:00:33

 

★欧州市場朝方の取引では、NYダウ先物が4%超の反発、米長期金利も0.88%付近に上昇となったことを受け、リスク回避が後退し円売りが優勢となった。なお、欧州株は大幅反発して取引を開始した。欧州株が伸び悩む一方、米長期金利が0.95%近辺で上昇地合いを維持したことでドルが底堅く推移した。日銀が来週以降、年度末に向けてターム物資金の積極的な供給を実施、との報道を受けた円売りが強まった。また、中国人民銀行が一部銀行を対象に預金準備率の0.5%引き下げを決定したことを受け円売りが優勢となった。米長期金利上昇を受けたドル買いと日米株先物や欧州株高を受けた円売りが優勢となった。

 

各国の景気支援策強化を背景に株高が進み上値を伸ばすとドル買いが強まった。しかし、NYダウが売りに押されて500ドル高程度まで上げ幅を縮小するとドル売りが優勢になった。米FRBが国債買い入れの対象を30年債まで広げたことを好感し、NYダウが再び1000ドル高となったことを眺めドル買いが回復したが上値は重かった。株の買い戻しや米長期金利上昇を眺めながらドルの上昇力が強まった。しかし、108円付近に本邦輸出勢の売りが並び始めたとの声も聞かれ、ドルは伸び悩んだ。その後は、16日に実施されるG7首脳の緊急ビデオ会議への期待感も支えとなりドル買いが強まった。

 

★欧米主要経済指標

・米・2月輸入物価指数:前月比‐0.5%(予想:-1.0%、1月:+0.1%←0.0%)
・米・2月輸入物価指数:前年比‐1.2%(予想:-1.5%、1月:+0.3%)
・米・2月輸出物価指数:前月比‐1.1%(予想:-0.4%、1月:+0.6%←+0.7%)
・米・2月輸出物価指数:前年比‐1.3%(予想:-0.6%、1月:+0.4%←+0.5%)
・米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値:95.9(予想:95.0、2月:101.0)
・米・3月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値:2.3%(予想:2.4%、2月:2.4%)
・米・3月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値:2.3%(予想:2.4%、2月:2.3%)

 

★欧米イベント

・ドル/円相場は105.32-108.50円のレンジ

・16日に実施されるG7首脳会議への期待感が支え

・NYダウ先物が5%上昇でリミットアップで『サーキット・ブレーカー』発動

・リスク資産の急落で流動性が枯渇し始め『有事のドル買い』

・米非常事態宣言で政策を総動員する姿勢を打ち出したことを好感

・VIX指数は75.47から57.83へ低下

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日経225の下落トレンドを確認!

2020/03/13/17:15:06

 

★日経225のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1σ、±2σ、±3σ)は、バンド幅が縮小するスクイーズからバンド幅が拡張するエクスパンションによって下落トレンドとなった。±3σが外側に開いていることから、なお下落トレンドが強いことを示している。

一目均衡表の26期間先の先行スパン1・2が下向きとなっていることから、中心値の下落が継続しており下落基調が続いている。

トレンドの強さを示すADX(平均方向性指数:パラメータ:14)は上向きとなっており、下落トレンドが強いことを示している。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、明確な下落トレンドが発生していることから、%DとSlow%Dが低位で底這いするような動きとなっている。

まとめると、低位でロウソク足は下ヒゲとなったものの、下落トレンドは維持されている。下落トレンドから持ち直しの前兆としては、⓵ボリンジャーバンドのプラス3σが横ばいになる、②下落している先行スパン1、2が横ばいになる、③上向きとなっているADXが横ばいから下向きになる、④ストキャスティクスの%DとSlow%Dが上向きとなるなどがトレンドの転換の兆しとなるので、注意して見ていく必要がある。

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日経225の月足では120ヵ月SMAが意識!

2020/03/13/11:50:02

 

★日経225は底なし沼のような下落基調が続いているが、120ヵ月SMA(緑線)の16,097円がサポートになるか注目される。下抜けすると2016年6月安値14,864円240ヵ月SMA(茶線)の14,273円が下値目処として意識される。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることで、下押しバイアスが強いことを示している。

まとめると、三尊天井のネックラインとなる2018年12月安値18,949円を下抜けると加速的な下落となった。その後も下げ止まらずに下落基調が続いている。そのため、投資判断は『様子見』となる。投資判断を変更する動きとすれば、120ヵ月SMAで下げ止まる動きとなると、一旦底値確認となり戻り基調となりやすい。ただ、大きな相場となっていることから、2番底や3番底の調整が必要となり長い調整期間が必要となる。

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