FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで6月22日の米国株市場を先取り!

2020/06/22/03:03:22

 

★NY株式市場では、連日三指数がまちまちの展開となった一方で、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは三指数とも前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割安)した。米長期金利の変動幅が大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。米カリフォルニア州やフロリダ州など一部の州で1日の新型コロナウイルス感染者数が過去最多を記録した。感染『第2波』への懸念が意識されるなか、アップルが一部店舗の再閉鎖を決めるなど、米経済活動の再開ペースが鈍るとの思惑も広がった。イールドスプレッドからは、三指数とも割安感は薄らいでいる。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが強まりやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、景気後退は避けられないほか、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感だけで株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は32.94から35.12へ上昇した。VIX指数が30台で推移していることから、リスク回避の動きは継続している。VIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。

 

NYダウは、200日SMAの26,312ドルと260日SMAの26,361ドルが引き続きレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となった。また、わずかに5日SMAの26,025ドルを下抜けしたことで、短期的な下落調整の様相となっている。ただ、下値では25日SMAの25,636ドルと100日SMAの24,939ドルがサポートとして意識される。大きな押し目なく戻り基調が続いてたことから、押し目買いが相場を支える展開となっているものの、上値も徐々に重くなっている。そのため、サポートラインを下抜けしてくると、テクニカル的にも下落調整が強まる可能性がある。各SMAが徐々に集まってきていることから、上下に大きく放れる可能性が高まってきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328 %

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月18日:▲3.339%⇒6月19日:予想▲3.389%(前日比でわずかに拡大)

 

6月19日のNYダウは続落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.328%から+0.061%と平均値より上方かい離したことで割安になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.837%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.713%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.152%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.628%下回った。米国のポンペオ国務長官と中国の楊共産党政治局員によるハワイでの非公式会合で、中国が第1段階貿易合意である米農産物購入を確約したことが好感材料となり上昇して寄り付いた。その後、米カリフォルニア州やフロリダ州など一部の州で1日の新型コロナウイルス感染者数が過去最多を記録した。感染『第2波』への懸念が意識されるなか、アップルが一部店舗の再閉鎖を決めるなど、米経済活動の再開ペースが鈍るとの思惑も広がった。ただ、四半期最後のオプションや先物の決済日が重なるクアドプルウィッチングで、テクニカルな売り買いが目立ち上下に振れる荒い展開となった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・6月18日:▲2.971%⇒6月19日予想▲3.008%(前日比でわずかに拡大)

 

S&P500がわずかに反落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.770%から+0.238%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.861%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.994%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.171%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.491%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.214%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.812%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・6月18日:▲1.721%⇒6月19日予想▲1.738%(前日比でわずかに拡大)

 

NASDAQは小幅続伸したものの、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲1.812%から▲0.074%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.441%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.645%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.760%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.065%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.356%下回った。

 

NASDAQのイールドスプレッドは、一時より半分以下まで縮小してきている。NASDAQのイールドスプレッドも1.7%台前半まで低下していることから、割安感は払しょくされてきている。ただ、ハイテク関連株の業績が好調なほか、景気回復期待や新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き好感され買われやすい。一方で、6日続伸しており、米中関係の悪化懸念も高まっていることで、いつ下落調整しても不思議ではない。三指数の中でも割安感が払しょくしている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数はまちまちの展開となったが、米長期金利が低下したことでイールドスプレッドは三指数ともにわずかに低下した。米カリフォルニア州やフロリダ州など一部の州で1日の新型コロナウイルス感染者数が過去最多を記録した。感染『第2波』への懸念が意識されるなか、アップルが一部店舗の再閉鎖を決めるなど、米経済活動の再開ペースが鈍るとの思惑も広がった。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では引けにかけて下値切り上げ!

2020/06/22/03:02:00

 

★6月15日以降の東京金60分足では、5,990円まで上昇後に一旦調整下落となった。しかし、引けにかけては徐々に下値を切り上げる底堅い展開となった。5月19日の安値5,918円を起点として同日安値5,953円を結んだトレンドライン(S1)上抜け維持していることから、短期的な上昇トレンドは継続している。週明けには再び雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

 

NY金先物市場は1728.30-1760.90ドルのレンジ相場となった。特段の手がかりはないものの、新型コロナ感染の『第2波』への警戒感が根強く、安全資産の金が買われた。コロナ感染による先行き景気への不安で、金の先高感は強い。アジア市場で1728.30ドルまで下げたが、まもなく反転。ニューヨーク市場にかけてジリ高の相場展開となり、1760.90ドルまで買われた。

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯を上抜けしたことから、買い方からの『やれやれ売り』を吸収する上昇となった。出来高の多い価格帯を上抜けしたことから、上値追いには高値圏で出来高が膨らむかが注目される。一旦上値が重くなると、利益確定売りが出やすくなる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、シグナルと共に上向きとなっていることから、上昇基調を維持している。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、高値圏で上下に振れる展開となっており、不安定な動きとなっている。MACDが上向きを継続しているうちは、上昇基調が継続しやすい。

 

東京金の日足では、レジスタンスとして意識されている25日SMAの5,973円をわずかに上抜けしている。ただ、25日SMAを明確に上抜けしていない。そのため、上ヒゲで再び押し戻される可能性もある。小幅なもみ合い相場が続いていることから、上下に放れると大きな動きになりやすい。NY金先物は、米国内の新型コロナウイルスの感染『第2波』による懸念が意識されており、リスク回避の買いが下支えしやすい。新型コロナウイルスのワクチンや治療薬が開発されるまでは、金の大幅調整は考えにくい。為替市場では、107円台の上値が重くなってきており、106円後半での狭いレンジ内の動きになっている。そのため、為替面からは東京金の重石になりやすい。

注目点は、25日SMAを明確に上抜け出来るのか、それとも再び下押しするのかにある。また、何時上下に大きく放れても不思議ではない状態となっているので、注意が必要となる。60分足では、夜間取引で雲のネジレがあることから、相場の節目になりやすい。新型コロナウイルスの感染『第2波』が拡大していることから、上放れしやすい。一方で、ワクチンや治療薬開発が進むと一転して売り圧力が強まりやすい。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 狭いレンジ内で方向感欠く展開!

2020/06/22/03:00:06

 

★欧州市場序盤の取引では、欧州株が堅調に推移、ドルは小動きながら弱含みとなった。欧州市場では、欧州株式市場の主要株価指数が強含み、原油価格の上昇もリスク選好的な円売りを支援した。欧州株やNYダウ先物の堅調地合いだったものの、米長期金利は上げ渋り、106.90円台でこう着状態となった。動意に乏しく、ポンド/円やユーロ/円などクロス円の円買いもあって、ドル/円は若干上値が重かった。

 

NYダウ先物が340ドル超高に上げ幅を拡大させたことで、ややリスク選好の円売りが優勢になった。欧米株は堅調推移したものの、ウイルス感染拡大や、様々な面で週末の米国の動きにリスクがあることで上値の重い展開となった。ロンドンフィキシングに向けてドル買いの動きが強まったことで一時107円台を回復する場面も見られた。フロリダ州のウイルス感染者数の急増が伝えられるとリスク回避の動きが強まった。米国株が下落に転じるととリスク回避の動きとなった。NYダウが一時300ドル超安となる中、週末の午後に入ったことで106.80円台でこう着商状となった。

 

★欧米主要経済指標

・米・1-3月期経常収支:‐1042億ドル(予想:-1029億ドル、10-12月期:-1043億ドル←-1098億ドル)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は106.72-107.04円のレンジ

・欧州市場では復興基金に関する合意の先送りでユーロ売り

・ロンドンのフィキシングでドル買い強まる

・米国内の感染拡大報道dえNYダウは下げ幅拡大

・アップルが一部店舗の再閉鎖

・米経済活動再開ペースに遅れが生じるとの懸念

・VIX指数は32.94から35.12へ上昇

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東京白金は雲のネジレで変化するか注目!

2020/06/19/12:25:09

 

★東京白金の一目均衡表日足では、転換線(赤線)がサポートとして意識されもみ合い相場が続いていたが、6月11日に転換線を下抜けると、一転してレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっている。

さらに、基準線(青線)を下抜けしてきた。ただし、相場の方向性を示す基準線は横ばいとなっていることから、もみ合い相場になっていることを示している。

下値では、52期間の高低の中心値である先行スパン2の当日線(黒線)の2,666円もサポートラインとして意識される。

26期間遅行する遅行線(緑線)は、上昇基調に変化しないとロウソク足の下方に入り込む展開となり、弱含みの展開になりやすい。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DとSlow%Dは下向きとなっているが、%Dが徐々に横ばいとなってきていることで、下押しの勢いが鈍化してきている。

本日は雲のネジレにあたり、トレンドの反転や加速など相場の節目となりやすい。そのため、トレンドレスの状態からトレンドが発生する可能性もあるので注意が必要となる。基準線と転換線を上抜けできるようなら、上昇トレンドは発生しやすい。一方で、先行スパン2の当日線へ下落するようなら、下値模索の展開となりやすい。

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メキシコペソ/円はネジレにより来週相場の節目に!

2020/06/19/10:29:53

 

★メキシコでの新型コロナウイルスの感染者数が5,662人と一日ちしては過去最大を記録した。メキシコ保健当局は今週中にもピークに達するとの見通しを発表しているが、来週以降、感染が緩やかになるかどうかは非常に不確実な状況となっている。

そのため、メキシコペソは弱含みの展開となりやすい。

一目均衡表の日足では、6月8日に雲の上限がレジスタンスになり、下押しの展開が継続している。雲の上限が低下基調にあり、上限と共にメキシコペソ/円も上値を切り下げる展開となっている。

ただ、相場の方向性を示す基準線(青線)が上向きとなっていることや、52期間の高低の中心値である先行スパン2の当日線(黒線)がサポートラインして意識され下げ止まる展開となっている。

一方で、転換線(赤線)は下向きとなり、26期間遅行する遅行線(緑線)は近日中にロウソク足と接触することになり、下抜けるようなら下押し圧力が強まる。

 

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DとSlow%Dの両線が下向きとなっており、下押しバイアスが強いことを示している。

 

まとめると、雲の上限が低下・雲の下限が上昇していることから、6月26日前後に雲のネジレが発生している。そのため、トレンドの反転や加速など相場の節目となりやすい。

先行スパン2の当日線がサポートとして意識されていることから、下抜けするとも一段の下押しの可能性が高まる。現在は新型コロナウイルスの感染拡大が継続していることから、メキシコペソ買いにはつながりにくく、下押しリスクが高いので注意が必要だ。

来週の雲のネジレ近辺で大きく動く可能性があるので、注視していく必要がある。

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