★NY株式市場では、三指数が上昇する展開となったうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは三指数とも前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。米長期金利の変動幅が大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。全米各地で経済活動の再開が進んでいることやトランプ大統領が第2弾の直接的現金供給も支持する考えを示したことが好感された。イールドスプレッドからは、三指数とも割安感は薄らいでいる。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが強まりやすい。
感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、景気後退は避けられないほか、米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感だけで株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は35.12から31.77へ低下した。ただ、VIX指数が30台で推移していることから、リスク回避の動きは継続している。VIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。
NYダウは、200日SMAの26,077ドルと260日SMAの26,115ドルが引き続きレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっている。また、5日SMAの26,077ドルと10日SMAの26,115ドルを下抜け、上値を抑えていることから短期的な下落調整の様相となっている。ただ、下値では25日SMAの25,730ドルと100日SMAの24,912ドルがサポートとして意識される。大きな押し目なく戻り基調が続いてたことから、押し目買いが相場を支える展開となっているものの、上値も徐々に重くなっている。そのため、サポートラインを下抜けしてくると、テクニカル的にも下落調整が強まる可能性がある。各SMAが徐々に集まってきていることから、上下に大きく放れる可能性も高まってきている。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328 %
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・6月19日:▲3.384%⇒6月22日:予想▲3.344%(前日比で縮小)
6月22日のNYダウは反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.328%から+0.016%と平均値より上方かい離したことで割安になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.882%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.758%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.198%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.673%下回った。新型コロナウイルスの感染『第2波』をめぐる懸念から売りが先行し一時200ドル超下げたものの、売り一巡後は押し目買いなどが入り持ち直した。全米各地で経済活動の再開が進んでいることやトランプ大統領が第2弾の直接的現金供給も支持する考えを示したほか、市場では『アナリストが目標株価を引き上げたアップルが買われ上場来高値を更新すると、投資家心理が上向いた』との指摘があった。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
20/01/17-▲2.990%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・6月19日:▲3.010%⇒6月22日予想▲2.969%(前日比で縮小)
S&P500が反発したうえ、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.770%から+0.199%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.900%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.033%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.210%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.530%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.253%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.812%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・6月19日:▲1.740%⇒6月22日予想▲1.697%(前日比で縮小)
NASDAQは続伸したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.812%から▲0.115%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.482%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.686%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.801%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.106%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.397%下回った。
NASDAQのイールドスプレッドは、一時より半分以下まで縮小してきている。NASDAQのイールドスプレッドも1.7%台割れまで低下していることから、割安感は払しょくしている。ただ、ハイテク関連株の業績が好調なほか、景気回復期待や新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き好感され買われやすい。一方で、再び1万ポイントを回復しており、米中関係の悪化懸念も高まっていることで、いつ下落調整しても不思議ではない。三指数の中でも割安感が払しょくしている。
三指数のイールドスプレッドは、三指数は全て上昇する展開となり、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは三指数ともに縮小した。全米各地で経済活動の再開が進んでいることやトランプ大統領が第2弾の直接的現金供給も支持する考えを示したことが好感された。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★6月16日以降の東京金60分足では、心理的節目となる6,000円が下支えして上昇基調が継続している。ただ、上値が重くなると利益確定売りが出やすく、上値を抑える展開となっている。24時間SMA(緑線)がサポートラインとして意識される。
NY金先物市場は1753.50-1779.00ドルのレンジ相場となった。為替相場でドルが対ユーロなどで軟調となり、ドル建ての金先物は買いが先行した。5月米中古住宅販売件数(前月比)も市場予想を下回り、安全資産とされる金に資金が向かった。米株が底堅さを取り戻すと金相場は伸び悩んだが、複数の州で新型コロナ感染の第一波延長が警戒されているなか下値は限定的だった。アジア市場で1753.50ドルまで下げたが、ニューヨーク市場にかけて上昇し、1779.00ドルまで買われた。その後は株高を意識して伸び悩んだが、ウイルス感染の再拡大や米国の政情不安を警戒して、安全逃避的な買いは縮小しなかった。
価格帯別出来高では、5,950円近辺で出来高が多いことから、100円抜きとなる6,050円近辺では利益確定売りが出やすく上値を抑える展開になりやすい。そのため、高値圏で出来高が膨らむかが焦点となる。出来高の少ない価格帯では、振れが大きくなりやすいので注意が必要となる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方で横ばいとなっており、トレンドレスの状態となっている。一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DとSlow%Dの両線が下向きとなっており、下押しバイアスが強まっていることを示している。
東京金の日足では、レジスタンスとして意識されていた25日SMAの5,976円を上抜けた。また、5日SMAと10日SMAが上向きとなってきたことで、短期的には上昇基調となっている。NY金も新型コロナウイルスの感染『第2波』や米国の政情不安が警戒されており、金は当面底堅い展開が予想される。為替市場では、徐々に107円台の上値が重くなってきている。ただ、米国長期金利が再び0.7%台を回復していることから、過度な円買いにつながっていない。
本日の注目点は、レジスタンスの25日SMAを上抜けしたことで、一転してサポートラインとして下支えするかが焦点となる。また、上向きとなっている5日SMAと10日SMAが25日SMAを明確に上抜け出来るかも注目される。
★欧州市場序盤の取引では、NYダウ先物が一時200ドル超高、日経先物も120円高に反発となったことを受け、リスク選好の改善によるドル安・円安の動きが優勢となった。欧州市場ではドルと円は欧米株価指数の強含みを背景にしたクロス円に下支えされたが、107円付近では売り圧力が観測され、上値の重い展開となった。欧州株式市場で主要指数の失速を受けリスク選好の円売りは抑制された。NY勢の本格参入を前に動意は薄く、106円台後半での狭いレンジでもみ合い商状となった。
対資源国通貨などでドル安が進んが影響を受けた半面、クロス円の上昇につれた買いが入ったため、ドル/円自体は方向感が出なかった。なお、米5月中古住宅販売件数は予想を下回ったものの相場の反応は限定的だった。200ドル超安で寄り付いたNYダウは上げ幅を拡大し、143ドル高となり、米長期金利も0.67%から0.69%へ上昇したことでドル買い戻しとなった。強含む米国株を背景にクロス円全般が円売り優勢のままであり、ドル/円もつれた動きとなった。
★欧米主要経済指標
・ユーロ圏・6月消費者信頼感指数速報値:-14.7(予想:-15.0、5月:-18.8)
・米・5月シカゴ連銀全米活動指数:2.61(予想‐10、4月:-17.89←-16.74)
・米・5月中古住宅販売件数:391万戸(予想:409万戸、4月:433万戸)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は106.78-107.01円のレンジ
・欧州市場では新型コロナウイルスの感染『第2波』を巡る懸念からリスク回避
・中国銀行はワイヤーカードへの信用枠打ち切りを検討
・原油価格の持ち直しを背景に対資源国通貨中心にドル売り
・NY市は経済活動再開の第2段階に移行
・VIX指数は35.12から31.77へ低下
★17日にラマポーザ南ア大統領は映画館、美容院、カジノ、レストラン、一部のスポーツの再開を許可することを決定した。これにより約50万人の職場復帰ができる。しかし、この発表があったにもかかわらず、ランドは上値が重いままである。6月の一部ロックダウン緩和は買いにつながったが、米国や中国を見ても分かるように、経済の再開を焦ると感染第2波を迎えやすいという結果が出ている。今回の規制緩和ではご祝儀買いもなく、ランドの重さを確認した形になった。最近発表が延期されていた経済指標が相次いで発表される。1-3月期失業率、4月消費者物価指数、4月生産者物価指数、3月小売売上高などのほか、24日にはウイルス感染対策を含んだ特別予算も発表される。
南アランド/円の一目均衡表の日足では、下落する雲の上限に沿って上値が抑えられる展開となっている。また、基準線(青線)を下抜けてきていることから、レジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっている。ただ、52期間の高低の中心値である先行スパン2の当日線(黒線)がサポートとなり下値を支える展開となっている。
徐々に雲の上限が下落しており、6月30日には雲のネジレがある。トレンドの反転や加速など相場の節目となりやすい。
26期間遅行する遅行線(緑線)は、現在の値位置で推移するとロウソク足を下抜ける展開となりやすく、下押しバイアスが強まる可能性がある。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DとSlow%Dの両線は下向きとなっており、下押しバイアスが強いことを示している。
まとめると、南アランドの買い材料は乏しく、規制緩和されたことから感染が拡大するとさらに下押しバイアスが強まりやすい。今週は延期されていた経済指標が発表されることから、改めて景気減速感が出ると、ランド売りが強まる可能性もあるの注意が必要となる。
★CFTC金投機ネットの買残高が減少する中、NY金は高値圏でもみ合う展開が続いていた。投機ネットの買残高が増加するとNY金は上昇しやすく、減少すると下落しやすい。
CFTC金投機ネットは、2月18日付けネット買残高353,649枚がピークとなり、6月9日付けでは208,613枚まで減少した。しかし、6月16日付けでは224,348枚と前週から+15,735枚増となった。
NY金は3月9日1,675.7ドルから3月18日には1,477.9ドルまで下落したものの、その後は持ち直して1,700ドル台でもみ合う展開となっている。
ただ、投機筋の買持残高はポジションの手仕舞いにより減少傾向が継続していた。
直近で増加したことから、金の上昇期待が高まる可能性がある。
投機筋のポジションに余裕があることから、今後もポジションが膨らむようならNY金の下支えとなりやすく、心理的な節目となる1,800ドル台への期待が膨らむ。
今後も投機筋のポジションの増減を注視しる必要がありそうだ。
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