★東京原油の中期トレンドを示す週足では、4月24日週安値15,710円から戻り基調が続いてる。緩やかに上向きとなってきた13週SMA(赤線)を上抜けたことで、サポートラインとして意識されている。
一方で、下向きとなっている26週SMA(青線)の30,137円や10月5日週高値58,300円を起点として4月26日週高値49,340円を結んだトレンドライン(R1)がレジスタンスとして意識され上値が重くなってきている。
ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)と相性が良く、色々な場面で天底や反転を示すシグナルを出している。
現在上値では、トレンドラインR1と26週SMAがレジスタンスとして意識され上値が重くなっている。しかし、ストキャスティクスでは、%DとSlow%Dの両線が上向きとなっており、上昇基調が継続している。また、下値では13週SMAが緩やかに上向きとなってきたことで、サポートラインとして意識される。そのため、ストキャスティクスに変化が出るまでは、買い目線で見ていきたい。
★NY株式市場では、三指数が続伸する展開となったうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは三指数とも前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。米長期金利の変動幅が大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。全米各地で経済活動の再開が進んでいることやムニューシン米財務長官が真剣に追加救済策を協議しており7月にも可決されるとの見通しを示したことも好感された。イールドスプレッドからは、三指数とも割安感は薄らいでいる。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが強まりやすい。
感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感だけで株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は31.77から31.37へ低下した。ただ、VIX指数が30台で推移していることから、リスク回避の動きは継続している。VIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。
NYダウは、200日SMAの26,305ドルと260日SMAの26,361ドルが引き続きレジスタンスとして意識され上値を抑える展開が続いている。一方で、5日SMAの26,050ドルと10日SMAの26,003ドルを上抜けしたことで、サポートラインとして意識されている。また、下値では25日SMAの25,792ドルと100日SMAの24,885ドルもサポートとして意識される。もみ合い相場が続いており、方向感を欠く展開となっている。ただ、上値も徐々に重くなっているため、サポートラインを下抜けしてくると、テクニカル的にも下落調整が強まる可能性がある。各SMAが徐々に集まってきていることから、上下に大きく放れる可能性も高まってきている。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328 %
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・6月22日:▲3.324%⇒6月23日:予想▲3.299%(前日比で縮小)
6月23日のNYダウは続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.328%から▲0.029%と平均値より下方かい離したことで割高になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.927%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.803%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.242%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.718%下回った。トランプ米大統領が中国との貿易交渉を巡る第1段階の合意について『全く変わっていない』とツイッターに投稿し、ナバロ大統領補佐官による『米中貿易協議は終わった』との発言を否定した。米中関係の悪化を巡る懸念が後退し買いが広がった。アップルが連日で上場来高値を更新するなどハイテク株中心に買いが目立った。また、ムニューシン米財務長官が真剣に追加救済策を協議しており7月にも可決されるとの見通しを示したことも好感された。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
20/01/17-▲2.990%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・6月22日:▲2.968%⇒6月23日予想▲2.947%(前日比で縮小)
S&P500が続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.770%から+0.177%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.922%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲1.055%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.232%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.552%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.275%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.812%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・6月22日:▲1.710%⇒6月23日予想▲1.687%(前日比で縮小)
NASDAQは続伸したうえ、米長期金利もわずかに上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.812%から▲0.125%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.492%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.696%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.811%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.116%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.407%下回った。
NASDAQは史上最高値まで上昇している中、イールドスプレッドは一時より半分以下まで縮小してきている。NASDAQのイールドスプレッドも1.7%台割れまで低下していることから、割安感は払しょくしている。ただ、ハイテク関連株の業績が好調なほか、景気回復期待や新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き好感され買われやすい。一方で、再び1万ポイントを回復しており、米中関係の悪化懸念も高まっていることで、いつ下落調整しても不思議ではない。三指数の中でも割安感が払しょくしている。
三指数のイールドスプレッドは、三指数は全て上昇する展開となり、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは三指数ともに縮小した。ムニューシン米財務長官が真剣に追加救済策を協議しており7月にも可決されるとの見通しを示したことも好感された。また、アップルが連日で上場来高値を更新するなどハイテク株中心に買いが目立った。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★6月17日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)が支えになり上昇基調が継続している。26期間先の先行スパン1・2も上向きとなっており、上昇トレンドが継続していることを示している。
NY金先物市場は1758.30-1786.80ドルのレンジ相場となった。終値としては約7年8カ月ぶりの高値を記録した。為替相場でドル売りが進行するのに伴い、ドル建ての金先物は本日も買いが先行した。その後、好調な住宅指標や米株を受けて安全資産とされる金が伸び悩む場面もあった。もっとも、カリフォルニア州の新型コロナウイルス感染者数が一日あたりでは過去最高を記録したことが明らかとなり、感染拡大への警戒感が残るなかで下値も限られた。アジア市場で17258.30ドルまで下げたが、まもなく反転した。ニューヨーク市場にかけてジリ高の相場展開となった。株高がやや意識されたが、安全逃避的な買いが続いており、時間外取引で1786.80ドルまで一段高となる場面があった。
価格帯別出来高では、高値圏で出来高が膨らんでいることから、利益確定売りなどを吸収しながら上昇基調にある。ただ、出来高の少ない価格帯では大きな振れとなりやすいので注意が必要となる。5,950円前後で出来高が多いことから、100円抜きの6,050円付近では利益確定売りが出やすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、価格は上昇しているものの、MACDは緩やかに低下傾向にあり、弱気のダイバージェンスとなっており、下落の前兆が現れている。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、やや買われ過ぎの過熱感は出ているものの、%DがSlow%Dを上抜けていることから、上向きバイアスが強いことをしめしている。MACDに弱気のダイバージェンスが発生していることから注意が必要となる。
東京金の日足では、5日SMAが25日SMAを上抜けてきており、短期的には上昇基調が継続している。そのため、6月3日の直近高値6,073円を上抜けしてくるかが注目される。NY金は、新型コロナウイルスの感染『第2波』への警戒感が強く、底堅い展開が継続しやすい。為替市場では、ソフトバンクによるTモバイル株売却後の円転(円買い・ドル売り)の思惑が強くドルの上値を抑える展開となりやすい。そのため、東京金の上値も抑える展開となりやすい。
本日の注目点は、レジスタンスとして意識されていた25日SMAを上抜けしていることから、上値追いとなるのかが焦点となる。ただ、短期的にはやや過熱感が出ていることから、調整的な動きになる可能性もある。
★欧州市場序盤の取引では、欧州株が全面高で推移、NYダウ先物も200ドル高に上昇幅を広げる中、リスク選好改善によるドル安・円安の流れが持続した。欧州株高を背景にドルが軟調に推移したことで、ドル/円の上昇も一服となった。全般的にドル安・円安の流れが持続したが、NY勢本格参入を控え、ドルはもみ合い商状を継続した。NYダウ先物が250ドル超高を拡大しリスク選好のドル売りが散見された。
欧米株価指数が上げ幅を拡大する中、NY勢が参入し始めるとドル売りの流れが加速した。107円を割り込むと目立った戻りも見られないまま、目先のストップロスを継続的に巻き込みながらドルが下落した。NY勢の参入直後、ドル売り・円買いが進んだが、一部ではTモバイル株売却に絡む円転ではないかという思惑も出ていた。ナスダックが史上最高値を更新し、NYダウも240ドル高と堅調推移したことでドルが持ち直した。ムニューシン米財務長官が『新たな経済支援法案は来月にも可決される可能性』との見解を示し、米景気回復への期待感が支えとなり106.55円付近まで戻した。
★欧米主要経済指標
・英・6月製造業PMI速報値:50.1(予想:45.0、5月:40.7)
・英・6月サービス業PMI速報値:47.0(予想:40.0、5月:29.0)
・英・6月総合PMI速報値:47.6(予想:41.2、5月:30.0)
・米・6月製造業PMI速報値:49.6(予想:50.0、5月:39.8)
・米・6月サービス業PMI速報値:46.7(予想:48.0、5月:37.5)
・米・6月総合PMI速報値:46.8(5月:37.0)
・米・6月リッチモンド連銀製造業指数:0(予想:-2、5月:-27)
・米・5月新築住宅販売件数:67.6万戸(予想:64万戸、4月:58万戸←62.3万戸)
★欧米市場のポイント
・ドル/円相場は106.03-107.19円のレンジ
・6月の独・仏・ユーロ圏製造業・サービス部門PMI速報値は予想を上回る
・6月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回るとドルの重石
・Tモバイル株売却に絡む円転(円買い・ドル売り)の思惑
・心理的節目の106.00円の下抜けに失敗したことでショートカバー優勢
・VIX指数は31.77から31.37へ低下
★ドル/円の一目均衡表日足では、薄い雲の中で雲の上下限が抵抗体となり小幅な値動きとなっていた。しかし、明日は雲のネジレがありトレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。
問題は上下どちらに放れる可能性が高いかということになる。
上値では低下傾向にある転換線(赤線)が107.90円が真上にあり上値を抑える展開となっている。このところ107円台での上値の重さが意識されているのは、転換線が上値を抑えている可能性が高い。また、52期間の高低の中心値である先行スパン2の当日線(黒線)の107.91円や横ばいの基準線(青線)の108.20円が上値の重石として意識されている。
26期間遅行する遅行線(緑線)はロウソク足を下抜けしていることで、下押しバイアスが強まっている。
一方で、下値では5月6-7日の安値105.96円が下値目処として意識される。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、低水準で%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっており、売られ過ぎ過熱感はあるものの、下押しバイアスが強いことを示している。
これらの状況からまとめると、上値では転換線が下向きとなっており、短期的には下押しバイアスが強い。ストキャスティクスでも売られ過ぎ過熱感はあるものの、両線とも下向きとなっていることから、下押しバイアスが残っている。そのため、雲のネジレでは円高基調には注意が必要となりそうだ。ただ、下押しした際も、売られ過ぎ過熱感もあることから5月6-7日の安値付近で下げ止まる展開となりやすい。
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