FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで6月26日の米国株市場を先取り!

2020/06/26/10:28:54

 

★NY株式市場では、三指数が反発する展開となったうえ、米長期金利も横ばいだったことでイールドスプレッドは三指数とも前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。ただ、米長期金利の変動幅が大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。米金融当局が金融機関に高リスクの自己勘定取引を禁じた『ボルカー・ルール』の実質的な緩和を発表すると、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株中心に買い戻しが入り指数は上げに転じた。イールドスプレッドからは、三指数とも割安感は薄らいでいる。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが継続しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感だけで株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は33.84から32.22へ低下した。ただ、VIX指数が30台で推移していることから、リスク回避の動きは継続している。VIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。

 

NYダウは上昇したものの、5日SMAの25,849ドルと10日SMAの25,910ドルさらに25日SMAの25,888ドルがレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっている。そのため、上値の重さが意識される展開となっている。ただ、100日SMAの24,830ドルがサポートとして意識される。もみ合い相場が続いており、方向感を欠く展開となっている。ただ、上値も徐々に重くなっているため、サポートラインを下抜けしてくると、テクニカル的にも下落調整が強まる可能性がある。各SMAが徐々に集まってきていることから、上下に大きく放れる可能性も高まってきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328 %

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月24日:▲3.421%⇒6月25日:予想▲3.372%(前日比で縮小)

 

6月25日のNYダウは反発したうえ、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.328%から+0.044%と平均値より上方かい離したことで割安になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.854%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.730%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.169%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.645%下回った。米国の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最高となったことを受けて、米経済の正常化が遅れるとの懸念が強まり売りが先行した。下げ幅は一時230ドルを超えた。ただ、米金融当局が金融機関に高リスクの自己勘定取引を禁じた『ボルカー・ルール』の実質的な緩和を発表すると、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株中心に買い戻しが入り指数は上げに転じた。取引終了間際に一時300ドル超上昇する場面があった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・6月24日:▲3.073%⇒6月25日予想▲3.032%(前日比で縮小)

 

S&P500が反発したうえ、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.770%から+0.262%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.837%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.970%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.147%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.467%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.190%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.812%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・6月24日:▲1.772%⇒6月25日予想▲1.745%(前日比で縮小)

 

NASDAQは反発したうえ、米長期金利は横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.812%から▲0.067%平均値より下方かい離したことで割高になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.434%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.638%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.753%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲1.058%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.349%下回った。

 

NASDAQは再び10,000万ポイントを回復する中、イールドスプレッドは一時より半分以下まで縮小していたことで、割安感は払しょくされている。NASDAQのイールドスプレッドは1.7%台まで低下している。ただ、ハイテク関連株の業績が好調なほか、景気回復期待や新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き好感され買われやすい。一方で、米中関係の悪化懸念も高まっていることで、下落調整する展開になっても不思議ではない。三指数の中でも割安感が払しょくしている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数は全て反発する展開となり、米長期金利も横ばいだったことでイールドスプレッドは三指数ともに縮小した。米金融当局が金融機関に高リスクの自己勘定取引を禁じた『ボルカー・ルール』の実質的な緩和を発表すると、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株中心に買い戻しが入り指数は上げに転じた。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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LME銅価格が2月の米国株の暴落を予言していた!

2020/06/26/08:16:08

 

★銅価格は、景気の動向を診断する先行指標になると言われている。そのため、景気が上向きと、銅が使われている製品の需要が旺盛になり、建設が盛んに行われるため価格が序章しやすくなる。一方で、景気が減速すると製品需要も減り、建設が少なくなり、銅価格も下落しやすくなる。銅には『産業の血管』という呼び方もあるように、様々な金属の中でも工業品としての需要が多いため、景気の動きに敏感に反応して銅価格が動く傾向がある。特に、中国は銅時金の世界消費の5割を占めているため、中国の景気を表す先行指標としても注目されている。

ロンドン金属取引所(LME)の銅価格(赤線)米国株(NYダウ:青線とS&P500:黒破線)の動向を比較してみる。

LME銅価格が上昇傾向となっている時は、総じて米国株も上昇する展開となっている。一方で、銅価格が下落すると米国株も下落する展開となっており、相関関係の強さが伺える。

新型コロナウイルス感染拡大を嫌気した2月19日以降の米国株の暴落を銅価格は予言していた。

銅価格は2020年1月14日の6,302ポンドがピークとなり米国株よりも早く下落を始めた。そして、2月19日に米国株がピークとなり銅価格と共に失速する形で下落基調となった。

3月20日前後で銅価格が下げ止まると同時に米国株も下げ止まり反転の動きとなっている。

再びLME銅価格が下落するようなら、米国株の戻りも止まり再び銅価格のサヤ寄せするような動きとなりやすい。今後も銅価格の動向に注意が必要になる。

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東京金60分足ではもみ合いながら出来高膨らむ!

2020/06/26/07:59:17

 

★6月19日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)がサポートとして意識されながら、もみ合い相場が継続している。下値では雲の上限がじり高となりサポートラインとしての意識される。もみ合いながらも、徐々に下値を切り上げながら底堅い展開となっている。

 

NY金先物市場は1764.10-1779.60ドルのレンジ相場となった。欧州時間からNY序盤にかけて為替相場でドル高が進むと、ドル建ての金先物は売りが先行した。米国で新型コロナ感染拡大への警戒感が高まるなか、安全資産の金の下押しも限定的ではあったが、下げ渋る米国株を眺めながら買いも盛り上がらないまま終了した。アジア市場で1779.60ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では1770ドルを挟んだ水準で推移した。換金売りは一巡したとみられている 。

 

価格帯別出来高では、時間の経過とともに高値圏で出来高が膨らんでいることから、利益確定売りなどを吸収しながらの展開となっている。出来高が膨らんでいることから、利益確定売りが一巡すると上放れする可能性が高まる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、相場はもみ合う展開となっているものの、MACDは緩やかに低下傾向にある。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、短期的には下押しバイアスが強まってきていることを示している。

 

東京金の日足では、高値圏『十字線』となっており相場への迷いが出てきている。ただ、5日SMAの6,028円や10日SMAの5,989円を上回っていることから、短期的には上昇基調が継続している。NY金も、米国で新型コロナ感染拡大への警戒感が高まるなか、底堅い展開が継続してる。心理的節目となる1,800ドルを目前に利益確定売りが出やすい地合いとなっている。しかし、世界的にコロナ感染『第2波』の拡大が懸念されており、金は底堅い展開が予想される。為替市場では、リスク回避のドル買いとリスク選好のドル売りが交錯展開となっている。そのため、106-108円のレンジ相場から抜けなられない展開となっている。

本日の注目点は、短期的には上昇基調が継続していることから、5月19日高値6,133円を目指す展開となるかが焦点となる。下値では、5日SMAや10日SMAがサポートラインとして意識される。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 リスク選好でドル売り戻し!

2020/06/26/07:12:53

 

★欧州市場序盤の取引では、欧州株が全面安、NYダウ先物も前日比300ドル超安に大幅続落となったが、円相場の反応は限定され107.10円前後でもみ合い商状を継続した。欧州中銀がユーロ圏外の中銀に対する新たな流動性供給措置を発表したことを受け、欧州株が切り返し日経先物も反発となる中、107.20円付近で底堅く推移した。ユーロ/ドルの一段安を受け、ドルが小幅に押し上げられた。

 

一連の米経済指標が発表され、5月米耐久財受注が予想を上回る結果となったが、反応は限定的となった。対ユーロを中心としたドル高を受けて一時107.45円まで上値を伸ばしたが、買い一巡後は上値が重くなった。米通貨監督庁(OCC)が『ボルカー・ルールを緩和』との報道を受けると、銀行株中心に買戻しが優勢となると、リスク回避のドル買いが後退し、じりじりと上値を切り下げる展開となった。ウイルス感染拡大が景気回復を遅らせるとの懸念を受けたリスク回避の動きが再燃した。金融株中心に買戻しが入り、NYダウは一時300ドル超上昇するとリスク回避のドル買いが後退した。

 

★欧米主要経済指標

・米・5月前渡商品貿易収支:-743億ドル(予想:-682億ドル、4月-707億ドル)
・米・5月卸売在庫速報値:前月比‐1.2%(予想:+0.4%、4月:+0.2%←+0.3%)
・米・1-3月期GDP確定値:前期比年率-5.0%(予想:-5.0%、改定値:-5.0%)
・米・1-3月期個人消費確定値:前期比年率-6.8%(予想:-6.8%、改定値:-6.8%)
・米・先週分新規失業保険申請件数:148万件(予想:132万件、前回:154万件←150.8万件)
・米・失業保険継続受給者数:1952.2万人(予想:2000万人、前回:2028.9万人←2054.4万人)
・米・5月耐久財受注速報値:前月比+15.8%(予想:+10.5%、4月:-18.1%←-17.7%)
・米・5月耐久財受注(輸送用機除く)速報値:前月比+4.0%(予想:+2.1%、4月:-8.2%←-7.7%)
・米・5月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)速報値:前月比+1.8%(予想:-1.0%、4月:-6.2%←-5.7%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は107.01-45円のレンジ

・トルコ中銀が政策金利据え置きでリラ買戻し

・ECBがユーロ圏外の中銀に融通する枠組み新設

・欧米株相場の持ち直しでリスク回避のドル買い後退

・OCCがボルカー・ルールを緩和との報道でリスク選好

・米経済指標は好悪まちまちの結果で反応は限定的

・VIX指数は33.84から32.22へ低下

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日経225の中期トレンドは上昇基調を維持!

2020/06/25/12:35:04

 

★日経225の中期トレンドを示す週足では、過熱感は出てきているものの、現状では上昇基調を維持している。

日経225は200週SMA(紫線)がサポートラインとして意識され、下落調整局面でも200週SMA前後で反転する相場展開が続いていた。

3月13日週に明確に200週SMAを下抜ける展開となり、上昇トレンドから一時下落基調に反転する展開となった。しかし、5月29日週に再び200週SMAを上抜けしたことで、上昇基調は継続していることになる。さらに、早々に200SMAを回復したことで、緩やかに上向きを維持している。

下向きの26週SMA(青線)や緩やかに上向きとなっている52週SMA(緑線を上抜けしており、強い地合いは維持している。また、200SMAの下から13週SMA(赤線)が上向きで上昇してきていることも相場を支えていることを示している。

まとめると、短期的にはもみ合いながらも上値の重い展開となっているが、中期的には上昇トレンドは継続している。そのため、下押しする場面では押し目買いが入りやすい展開となっている。現状では、売り目線で逆張りするよりも、押し目買いの買い目線での戦略が良さそうだ。200週SMAを下抜けるような展開になったら、戻り売り目線に転換する。

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