FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで6月30日の米国株市場を先取り!

2020/06/30/09:56:42

 

★NY株式市場では、三指数が反発する展開となった一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは三指数とも前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。米長期金利の変動幅が上下に大きくなっており、日々イールドスプレッドへの影響が強まる展開となっている。そのため、今後も米長期金利の動向には注意が必要となる。米連邦航空局(FAA)が運航停止中のボーイングの主力小型機『737MAX』の試験飛行を今週始めると発表すると、ボーイング株が14%超急伸した。1銘柄でNYダウを192ドルほど押し上げた。また、ハイテク大手にも買いが広がり引けにかけて上げ幅を拡大する展開となった。イールドスプレッドからは、以前と比べて三指数とも割安感は薄らいでいる。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが継続しやすい。

 

感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチン・治療薬が開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続きやすい。また、新型コロナウイルス感染『第2波』が懸念されている。米大統領選を控えて、米中対立の激化が懸念されてきている。しかし、経済活動再開で先行きの景気回復の期待感だけで株価を押し上げている。そのため、期待感が薄れるような事態となると、再び下値模索の動きとなりやすい。VIX指数は34.74から31.78へ上昇した。 VIX指数が未だ30台で推移していることから、リスク回避の動きは継続している。VIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。

 

NYダウは、下向きの5日SMAの25,592ドルと10日SMAの25,835ドル、そして25日SMAの25,955ドルがレジスタンスとして意識され4日連続上値を抑え込まれる展開となっている。そのため、上値の重さが意識される展開となっている。ただ、100日SMAの24,755ドルがサポートとして意識される。そのため、引き続き100日SMAで下げ止まるか確認することになる。徐々に上値を切り下げる展開が続いており、100日SMAを下抜けると75日SMAの23,931ドルが視界に入ってくる。サポートラインを下抜けしてくると、テクニカル的にも下落調整が強まる可能性がある。各SMAが徐々に集まってきていることから、上下に大きく放れる可能性も高まってきている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲3.328 %

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

                20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月26日:▲3.523%⇒6月29日:予想▲3.444%(前日比で縮小)

 

6月29日のNYダウは大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.328%から+0.116%と平均値より上方かい離したことで割安になった。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.782%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.658%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲1.097%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.573%下回った。全米でウイルス感染が急増していることを受けて朝方は概ね前日終値の水準で寄り付いた。しかし、米連邦航空局(FAA)が運航停止中のボーイングの主力小型機『737MAX』の試験飛行を今週始めると発表すると、ボーイング株が14%超急伸した。1銘柄でNYダウを192ドルほど押し上げた。また、ハイテク大手にも買いが広がり引けにかけて上げ幅を拡大する展開となった。市場予想を上回る米住宅指標も投資家心理の改善につながった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲2.770%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、

                19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%

               20/3/23-▲6.222%

・6月26日:▲3.172%⇒6月29日予想▲3.133%(前日比で縮小)

 

S&P500が大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.770%から+0.363%と平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.736%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.869%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲1.046%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.366%下回った。20年3月23日の6.222%から▲3.089%下回った。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲1.812%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%

・6月26日:▲1.856%⇒6月29日予想▲1.843%(前日比で縮小)

 

NASDAQは大幅反発した一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲1.812%から+0.031%平均値より上方かい離したことで割安になった。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては▲0.336%下回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.540%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.655%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.960%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲2.251%下回った。

 

NASDAQは大幅反発したものの、10,000万ポイント回復することができなかった。イールドスプレッドは一時より半分以下まで縮小していたことで、割安感は払しょくされている。NASDAQのイールドスプレッドは1.8%台まで上昇しているが、2%台まで拡大するまでは割安とは言えない。ただ、ハイテク関連株の業績が好調なほか、景気回復期待や新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き好感され買われやすい。一方で、米中関係の悪化懸念も高まっていることで、下落調整する展開になっても不思議ではない。三指数の中でも割安感が払しょくしている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が全て反発する展開となった一方で、米長期金利は低下したもののイールドスプレッドは三指数とも縮小した。米連邦航空局(FAA)が運航停止中のボーイングの主力小型機『737MAX』の試験飛行を今週始めると発表すると、ボーイング株が14%超急伸した。1銘柄でNYダウを192ドルほど押し上げた。また、ハイテク大手にも買いが広がり引けにかけて上げ幅を拡大する展開となった。今後も新型コロナウイルス感染報道や米中対立激化懸念、中東情勢、原油価格の変動、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続く。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では寄り付きに雲ネジレ!

2020/06/30/08:31:01

 

★6月23日以降の東京金60分足では、高値圏でのもみ合い相場となっている。下値では上向きの24時間SMA(緑線)がサポートラインとして意識される。寄り付き直後に雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすいので注意が必要となる。各SMAが緩やかに上向きとなっていることで、短期的には上昇基調が継続している。

 

NY金先物市場は1776.50-1790.40ドルのレンジ相場となった。景気支援策が期待される一方、コロナ第2波への懸念も根強く、リスク回避目的の買いが持続した。緩和マネーが金市場に流入するとの思惑も下支えとなった。アジア市場の取引開始後に1790.40ドルまで買われたが、換金目的の売りに押されて反落した。ニューヨーク市場の序盤にかけて1776.50ドルまで売られた。ただ、イラン検察当局は29日、トランプ米大統領を含む36人の逮捕状を取得したと報じられたことから、安全逃避的な金買いが観測されており、株高でも金先物は下げ渋った。

 

価格帯別出来高では、6,050円前後で出来高が多いことから、100円抜けとなる6,150円前後では上値が一旦重くなりやすい。高値圏に位置していることから、上値が重くなると利益確定売りが出やすいため、高値圏で出来高が膨らむかが焦点となる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方に位置しているものの、緩やかに下向きになっていることで、上昇の勢いは鈍化傾向にある。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)でも、価格は上昇したもののストキャスティクスは上値を切り下げる弱気のダイバージェンスとなっており、下押しの前兆となっている。

 

東京金の日足では、上向きの5日SMAがサポートとなり上昇基調は継続している。5月19日の直近高値6,133円を上抜けしたことから、一旦利益確定売りに押される展開となっている。NY金は底堅い展開が継続しているものの、心理的な節目となる1,800ドルが上値の重石となっている。新型コロナウイルスの第2波による感染者増加懸念が強く、さらにイラン検察局がトランプ大統領を含む36名の逮捕状を取得したと報じられるなど新規のリスク回避材料もある。そのため、金は底堅く推移しやすい。為替市場では、月末・期末絡みでドル買い優勢となったものの、ドルの上値も重い展開となっている。

本日の注目点は、5日SMAを維持しつつ上値追いとなるかが焦点となる。ただ、60分足では、やや上値が重くなっており一旦利益確定売りも出やすく上値を抑える。月末に絡んだポジション調整的な売買も膨らむことから、方向感を欠く展開になる可能性もある。

カテゴリー: ホットニュース

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 リスク選好のドル買いも尻つぼみ!

2020/06/30/07:33:20

 

★欧州市場序盤の取引では、NYダウ先物が25ドル高、日経先物も反発となる中、107.20円前後と先週末終値水準で下げ渋った。なお、欧州主要株価指数は先週末高安まちまちで推移した。欧州市場で狭いレンジ内での取引で、足元は107.20円付近でもみ合いが継続した。ユーロ/円が強含むと107.20円台で底堅い時間帯もあったが、ドル/円は単体での動意は強まらなかった。先週の金曜日から月末絡みに関わるフローが欧州勢から出ていることで、欧州時間はフローが相場の動きを決定づけている状態になり、ユーロ/円の上げに連れるかたちでドル/円もじり高となった。

 

NYダウが一時450ドル超上昇したことや、5月米住宅販売保留指数が前月比44.3%上昇と予想の19.7%上昇を大きく上回ったことも相場の支援材料となった。ドル売りとストップロスの買いが混在した107.80円までのオーダーをこなして上昇した。米国株高を受けた上昇は一巡した。目先ストップを一通りつけ、いったん動意が落ち着いたが高値圏で推移した。リスク選好の円売りが一服した。米長期金利が小幅な低下をにらみ、若干動きが重くなった。継続的に観測されているドル売りに上値を抑えられ、107.55円付近まで伸び悩んだ。

 

★欧米主要経済指標

・英・5月住宅ローン承認件数(中銀):0.93万件(予想:2.50万件、4月:1.59万件)
・ユーロ圏・6月景況感指数:75.7(予想:80.0、5月:67.5)

・独・6月消費者物価指数速報値:前年比+0.9%(予想:+0.6%、5月:+0.6)

 

・米・5月中古住宅販売成約指数:前月比+44.3%(予想:+19.3%、4月:-21.8%)
・米・6月ダラス連銀製造業活動指数:‐6.1(予想:-29.5、5月:-49.2)

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は107.12-88円のレンジ

・英とEUは自由貿易協定(FTA)を巡る集中協議を開始

・月末・期末を控える中でユーロ買い・ポンド売りフロー観測

・欧米株価上昇を背景にリスク選好の円売り・ドル買い優勢

・ボーイングの『737MAX』の試験飛行の開始発表を好感

・米住宅指標も投資家心理の改善につながる

・VIX指数は34.74から31.78へ低下

カテゴリー: ホットニュース

日経225は25日SMA下抜けで市場に変化の兆し!

2020/06/29/10:19:07

 

★日経225の日足では、4月7日に25日SMA(青線)を上抜けして以降はサポートラインとして意識されていた。しかし、本日25日SMAの22,362円を下抜けしたことで、相場の変化の兆しが出ている。早々に回復出来れば問題はないが、5日SMA(赤線)22,407円10日SMA(黄線)22,435円もレジスタンスとして意識される。

下値では200日SAM(紫線)の21,850円260日SMA(茶線)21,685円がサポートラインとして意識される。

 

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、横ばいから%DがSlow%Dをわずかに下抜けしてきており、下押しバイアスが強まる兆しとなっている。

今までは25日SMAの上での相場展開となっていたが、下抜けしたことで相場に変化の兆しが出てきた感がある。そのため、早々に上値のレジスタンスを回復出来るかが焦点となる。また、下値では200日SMAと260日SMAが位置しており、重要なサポートラインとして意識される。そのため、下抜けすると相場への下押しバイアスが強まる可能性もある。

カテゴリー: ホットニュース

メキシコペソ/円は明日雲ネジレ!

2020/06/29/09:28:31

 

★メキシコペソ/円の一目均衡表日足では、雲の上限がレジスタンスとして意識され下押しする展開となった。しかし、雲の上限が低下したことで雲の上限を上抜けした。上値では基準線(青線)や下向きとなった転換線(赤線)がレジスタンスとして意識され上値を切さ下げる展開となっている。

下値では、52期間高低の中心値である先行スパン2当日線(黒線)がサポートなり下支えしていたが、じわりと下抜けする展開となってる。

26期間遅行する遅行線(緑線)では、ロウソク足を下抜けしたことで、下押しバイアスが強まっている。

6月30日に雲のネジレがあることから、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は売られ過ぎ過熱感は出ているものの、%DとSlow%Dの両線は下向きを維持していることから、下押し基調は継続している。

まとめると、明日は雲のネジレがあり相場の転換日となりやすいが、どちらかというと下押しバイアスが強まる可能性が高いことを示している。雲の下限を下抜けすると、下値模索の展開となりやすいので注意が必要となる。新型コロナウイルスが再び感染拡大しており、リスク回避の『有事ドル高』になりやすい。

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ