★5月23日以降の東京金60分足では、節目となる4,500円を回復した。ただ、72時間SMA(青線)と一目均衡表の雲の上限がレジスタンスとして意識され上値の重い展開となっている。寄付き後に雲の上限を上抜け出来るかが注目される。
NY金先物市場は1278.40-1285.20ドルのレンジ相場となった。株式市場が軟調に推移し、市場がリスクオフ相場に傾いていることもあり、金先物価格は堅調に推移した。もっとも欧州通貨に対しドルが強含んだことで、ドルで取引される金価格には割高感が出ていることで上値も限定的だった。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯がレジスタンスとなっており、買い方からの『やれやれ売り』が上値を抑えている。やれやれ売りを吸収出来るだけの材料が必要となる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、MACDがゼロラインを上抜けしてきたことで、12EMAと26EMAがゴールデンクロスしたことになり、戻り基調が継続している。一方、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は%Dが横ばいとなってきており、上昇の勢いが鈍化してきている。
東京金の日足では、260日SMAの4,489円がサポートラインとして意識され反転した。しかし、5日SMAの4,508円と10日SMAの4,510円がレジスタンスとなり上値を抑える展開となっている。5日SMAと10日SMAが下向きとなり、200日SMAと260日SMAに接近してきていることで、近日中にこれらの抵抗帯を上抜けするのか、それとも下抜けするかが判明する。NY金はリスク回避が強まっているものの、総じてドルが強い展開となっており、金が割高となっていることが上値を抑えている。為替市場では、109円台割れに何度もトライしているものの、109.00円近辺ではドル買い需要も根強く底堅い展開となっている。ただ、上値でも110.00円近辺では実需筋からのドル売りも根強く狭いレンジ内での値動きとなっている。
本日も5日SMAと10日SMAを上抜けできるのか、それとも200日SMAと260日SMAを下抜けるかが焦点となる。もみ合い期間が長くなってきていることから、上下に動きと手仕舞い売買が増加しやすく、値幅も大きくなりやすいので注意が必要となる。
★欧州市場朝方の取引では、欧州株が全面安で推移、日経先物も70円安に続落する中、前日からリスク回避の動きが持続した。欧州株安を背景に、リスク回避の円買い圧力が持続する中、ドル/円の戻りは弱く109.20-25円付近でもみ合い推移した。一時210ドル超下落していたNYダウ先物がやや下げ幅を縮めたことで、短期筋のショートポジション解消のドル買いが入った。NY勢が本格参入しつつある中、米長期金利が2.22%半ばと低下傾向が継続、NYダウ先物も200ドル超安となり、リスク回避が再び意識された。
『EUはイタリアの財政赤字を巡り、懲罰のリスクが高まったことを確認』との一部報道が嫌気されクロス円の下落に連れた売りが出た半面、対ユーロなどでのドル買いが相場の支えとなりドル/円は方向感を欠いた。モラー特別検察官の記者会見が行われ、トランプ大統領に対するロシア疑惑追及が終了したと捉われるとドル買いが優勢となったが、米国株が下げ幅を拡大すると、クロス円の下落に連れて一時109.19円付近まで下落した。その後、米7年債入札が『低調』と受け止められ、米長期金利が低下幅を縮小すると円売りが優勢となった。米国株の下げ幅が若干縮小したものの依然として300ドル超下落したこともあり、上値は限られた。
★欧米主要経済指標
・米・5月リッチモンド連銀製造業指数:5(予想:6、4月:3)
★欧米市場のポイント
・109.14-69円のレンジ相場
・イタリアの財政規律問題がユーロの重石
・ユーロ/円は一時1月3日以来の安値
・トランプ大統領のロシア疑惑追及が終了
・米7年債入札が『低調』で金利下げ止まる
・NYダウは一時400ドル超下落でリスクオフ
・VIX指数は17.50から17.90へ上昇
★東京金の週足では、2月20日週高値を起点として4月12日週高値と結んだトレンドライン(R1)がレジスタンスとして意識され下落基調が進んでいる。
SMAでは、13週SMA(赤線)が下向きとなってきており、26週SMA(青線)とデッドクロスする可能性が高まっている。ただ、52週SMA(緑線)の4,484円がサポートとして意識され一旦下げ止まっている。下抜けすると200週SMA(紫線)4,450円もサポートラインとして意識されやすい。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、売られ過ぎぎ毛過熱感が出ているものの、%D:11.19%がSlow%D:19.44%を下抜けしており両線とも下向きを継続している。
まとめると、反転の兆しは見えず下落基調は継続しているものの、52週SMAと200週SMAがサポートラインとなり反転する可能性があることから売りポジションは『継続』ながら『新規の売りは様子見』としたい。ただし、52週SMAと200週SMAを下抜けするようなら、サポートラインとならず改めて投資判断は『売り』となる。投資判断の変更シナリオは、52週SMAまたは200週SMAがサポートとなり、R1を上抜けするようならトレンドが反転した可能性が高まり投資判断も買いに変わる。
18年8月17日週安値4,112円と19年2月22日週高値4,789円を結んだフィボナッチ・リトレースメントでは50.0%押し4,451円、61.8%押し4,371円、76.4%押し4,272円が下値目処となりやすい。
★南アランド/円の日足では、4月15日高値8.060円を起点として4月17日高値(R1)、5月10日高値(R2)を結ぶトレンドラインを引く。R1はかなり上値に位置している。そのため、R2では上ヒゲでは上値抜けするものの、R2に押し戻され実体では上抜け出来ない状態が続いている。そのため、下落基調が継続している。また、7.500円近辺が下値目処として意識されていたが、下抜けしたことから買い方からの手仕舞い売りが入りやすい地合いとなっている。そのため、最悪のケースでは、1月3日のフレッシュ・クラッシュ時の安値7.120円が意識される。
SMAでは5日SMA(赤線)、10日SMA(黄線)は下向きとなりレジスタンスとして意識されながら下押ししている。また、25日SMA(青線)と75日SMA(緑線)も下向きとなっており、中期的にも下押しバイアスが強い。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:8.62、Slow%D:17.24と過熱感は出ているものの、両線はかい離幅を広げて下向きとなっていることから、下落バイアスが強いことを示している。モメンタム系のオシレーターでは、明確なトレンドが出ると機能が低下しダマシが多くなり大きな損失につながりやすい。現在上値を切り下げ・下値を切り下げる下落トレンドとなっていることから、売られ過ぎでも底這いする可能性もあるので、注意が必要となる。
まとめると、現在は下落途上にあり上昇の兆しが現在のところは見られないことから、『売り』または『継続』となる。下値の節目としては、1月3日安値と2月5日高値の76.4%押し7.385円や、1月3日安値7.120円が下値目処として意識される。判断を変更するサインとしては、節目となる7.500円を回復し昨日の大陰線の高低の中心値7.51円を上抜けしてくると、一旦の戻り場面となりやすい。ただし、5日SMAや10日SMAがレジスタンスとなるのか上抜けするのかを確認刷る必要がある。明確な下落トレンドが発生している時はトレンドフォロー系のオシレーターで見ていく必要もある。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.376%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月24日:▲3.598%⇒28日予想▲3.716%
28日はNYダウが上昇下落し、米長期金利も大幅に低下したことで、イールドスプレッドは大幅に拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.376%から▲0.660%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.510%スプレッドがかい離している。
NYダウが下落したことで株式益利回りが上昇し、米長期金利が大幅に低下したことで、イールドスプレッドは前日比拡大して米国債に対して米国株が前日比でNYダウが割安となった。米債券を買うより米国株を買った方が良いということになる。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.584%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%
・5月24日:▲3.474%⇒28日予想▲3.584%
S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.670%から▲0.086%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対しても▲0.285%のスプレッドかい離している。
S&P500が下落し、米長期金利が大幅に低下したことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.173%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%
・5月24日:▲1.907%⇒28日予想▲1.985%
NASDAQのイールドスプレッドも前日比拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.173%から▲0.188%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しても▲0.194%のスプレッドかい離している。
NASDAQも下落し、米長期金利が大幅低下したことで、イールドスプレッドは前日比で拡大した。
三指数のイールドスプレッドは大幅に拡大した。そのため、引き続き米長期金利が低下するようなら、米国株に割安感が出てくる。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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