★豪ドル/円の日足で、1月3日のフラッシュ・クラッシュ時安値70.46円として、4月17日の年初来高値80.72円を結ぶフィボナッチ・リトレースメントと白銀比率で分析する。
23.6%押しの78.30円で一旦下げ止まりもみ合いとなったが、下抜けすると38.2%押しの76.80円まで下落した。ここでも、一旦下げ止まりもみ合いとなったものの、38.2%ラインを維持出来ずに下抜けした。そして、50.0%押しとなる75.59円がサポートラインとして意識されもみ合いが続いている。
SMAでは、下落基調になってから5日SMA(茶線)がレジスタントなり下押しが続いていたが、5月20日に一旦5日SMAを上抜けしたものの、10日SMA(青線)がレジスタンスとなり上値を抑えていた。ただ、現在は5日SMAの75.84円を下抜けしてきており、再び50.0%押しの攻防となりそうだ。
50.0%を下抜けると61.8%押しとなる74.38円が次の下値節目となる。
まとめると、一旦戻り基調となったものの、再び5日SMAを下抜けてきている一方で、50.0%押しがサポートラインとして意識されていることから『様子見スタンス』となる。5日SMAと10日SMAを上抜けすると38.2%押しとなる76.8円が次の上値節目となる。一方で、50.0%割れでは74.38円が下値節目となる。
ちょうど相場の節目に位置していることから、慎重に相場の行方を見る必要がある。現在下落トレンドが明確に出ているいることで、モメンタム系のオシレーターでは買いシグナルが継続するなど役に立たなくなっているので注意が必要である。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.289%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・5月21日:▲3.422%⇒22日予想▲3.490%
22日はNYダウが下落し、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.289%から▲0.799%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.736%スプレッドがかい離している。
NYダウが下落したことで株式益利回りが上昇し、米長期金利が低下したことで、イールドスプレッドは前日比拡大し米国債に対して米国株が前日比でNYダウが割安となった。米長期金利が低下したことで、米国債券を買うより米国株を買った方が良いということになる。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.577%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%
・5月21日:▲3.288%⇒22日予想▲3.349%
S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.577%から▲0.228%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対しても▲0.520%のスプレッドかい離している。
S&P500が下落し、さらに米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅に拡大した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.062%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%
・5月21日:▲1.686%⇒22日予想▲1.749%
NASDAQのイールドスプレッドも前日比拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.062%から▲0.313%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しても▲0.430%のスプレッドかい離している。
NASDAQも下落し、米長期金利が低下したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅に拡大した。
三指数のイールドスプレッドは大幅に拡大した。さらに米長期金利が低下するようなら、米国株に過熱感が出にくい。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★5月16日以降の東京金60分足では、概ね4,500-4524円のレンジ相場入りとなっている。雲の中を上下に振れる展開となっていたが、寄付きから雲のネジレがあり、トレンドに反転や加速など相場の節目となりやすい。上値では90時間SMA(紫線)がレジスタンスとして意識され徐々に上値を切り下げる展開となっている。
NY金先物市場は1277.10ドルを高値に、一時1272.80ドルまで下落した。米トランプ政権が中国の監視カメラ最大手についても米企業による取引の制限を検討しているとの報道を受け、米中通商摩擦の激化懸念が再燃して買いが先行した。また、ドルがユーロに対して売られた場面ではドル建ての金先物も強含んだ。その後、通常取引終了後に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日-5月1日開催分)の公表を控え、いったん持ち高調整的な売りとなったが、株安や原油安を受けて再び安全志向的な買いが強まった。
価格帯別出来高では、もみ合いが続いていることで4,510円近辺で出来高が増加してきている。レンジ内に出来高が集中していることから、レンジの上下に抜けると大きな動きとなりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを下抜けしてきており下落基調が継続している。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も%DがSlow%Dを下抜け下落基調が継続している。短期的には下押しバイアスが強くなっている。
東京金日足では、連日5日SMAの4,512円と10日SMAの4,528円がレジスタンスとなり上値を抑えている一方で、260日SMA4,492円や200日SMA4,479円がサポートラインとして意識されている。トレンド的には2月21日の高値から上値・下値を切り下げる展開となっていることから、下落基調は継続している。NY金先物市場は、再び米中通商摩擦が激化する様相となっており、安全資産とされる金買い材料になりやすい。為替市場では、リスク回避の動きにも110円台を維持するなど底堅さは感じられるが、上値追いにはなりにくく、110円前半から半ばでのレンジ相場が続きそうである。
本日も東京金は値動きの乏しい展開が予想される。60分足ではレンジ相場となっており、上下のレンジ抜け待ちとなる。
★欧州市場朝方の取引では、株安を背景にポンド/円の下落に支援されて円はやや反発しドルが下押しした。欧州株は高安まちまち、日経先物は40円安と反落した。NYダウ先物が下げ幅を解消、米長期金利も上昇に転じるなど、リスク許容度が改善されじわりとドル買い戻しとなった。全般にドル安が進んだ影響から買い戻しの勢いも限られた。NYダウ先物が100ドル程度下落、米長期金利が2.40%台に低下したことでじり安となった。米長期金利が低下幅を広げる中で、ドル売りの流れが継続した。欧州株や日経先物が売りに押されたことも相場の重石となった。
その後は、FOMC議事要旨の公表を控えて小幅な値動きとなった。米長期金利が2.38%台まで低下したことや、NYダウが3桁安まで下げ幅を拡大したことで、じわりと円買い・ドル売りが進行した。FOMC議事要旨では『大半のメンバーは引き続き見通しの下振れリスクを指摘』や『当面の間、忍耐強い政策が適切と判断』などの内容が明らかになった。市場の反応は鈍く小動きで推移した。
★欧米主要経済指標
・英・4月消費者物価指数:前年比+2.1%(予想:+2.2%、3月:+1.9%)
・英・4月消費者物価コア指数:前年比+1.8%(予想:+1.9%、3月:+1.8%)
・英・4月生産者物価指数・産出:前年比+2.1%(予想:+2.3%、3月:+2.2%←+2.4%)
・英・4月生産者物価コア指数・産出:前年比+2.2%(予想:+2.2%、3月:+2.2%)
・英・4月公的部門純借入額(銀行部門除く):+58億ポンド(予想:+59億ポンド、3月:-1億ポンド←+17億ポンド)
★欧米市場のポイント
・110.18-48円のレンジ相場
・EU離脱や英政治の先行き不透明感強まる
・米中貿易交渉の行方に再び警戒感広がる
・米国株安と米長期金利低下で円買い
・原油先物価格の大幅下落で資源国通貨安
・FOMC議事要旨では市場の反応鈍い
・VIX指数は14.95から14.75へ低下
★シカゴIMM投機筋ポジションの5月14日付のVIX指数先物の差し引き持高は、VIX指数ショート持高は▼89,696枚と4月30日付け持高▼180,359枚のショートポジションから2週連続で減少し、前週5月7日付けより▼60,611枚持高が大幅に減少した。
ショートが膨らんだからと言って直ぐに問題になるわけではない。しかし、市場心理が圧迫されるとVIX指数が上昇し、売り建玉が膨らんでいると急速に買い戻されVIX指数が上昇することで、リスク・パリティファンドが株式などリスクの高い金融商品を売ることから、株価が低迷する要因となる。
このところ米国株式市場の上値が重くなっているのも、急速にショートポジションの巻き戻しがあり、VIX指数が上昇したことで売りが膨らんだ可能性ある。
そのため、米国株式と逆相関的な動きとなりやすい。
5月14日時点で相当量のショートポジションが残っていることから、米中貿易摩擦のさらなる問題悪化が浮上すると、一気に買い戻しが進み米国株の大幅下落調整となりやすいので注意が必要となる。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 1月 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |