FITS エコノミックレポート

投機筋の米金利の相場観とドル/円相場!

2019/05/24/10:23:06

 

★米中貿易摩擦の激化懸念が広がり、リスク回避の動きから米10年国債金利は低下傾向となっている。ただ、投機筋は3月25日以降米国債先物のロングポジション(債券買い・金利低下)からショートポジション(債券売り・金利上昇)へ転換している。シカゴIMM投機筋ポジションの5月14日付けでは、売り買い差引き持高は債券ショート持高▼352,817枚となっている。米国債金利が低下(価格が上昇)していることから、債券売り乗せしている地合いとなっている。

米長期金利の低下に伴って円高が進行しているが、投機筋は金利の低下が行き過ぎているとの相場感を持っていることになる。そのため、より売りが膨らんでくるようなら、米国債金利も下げ止まる可能性が高い。昨年の9月25日付けでは▼756,316枚までショートが膨らんだことから、ショートポジションの積み上げには余裕がある。

一方で、金利が低下している中、ショートポジションを膨らませていることは、含み損が発生していることになる。そのため、金利低下が止まらなければ、含み損に耐え切れなくなった投機筋からのポジション手仕舞いの買い戻しにより、金利低下が加速するリスクも残っている。その場合、為替市場では、日米金利差縮小により1月3日のようなフラッシュ・クラッシュのような動きになりやすい。

カテゴリー: ホットニュース

イールドスプレッドで5月24日の米国株市場を先取り!

2019/05/24/09:17:28

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.321%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・5月22日:▲3.487%⇒23日予想▲3.616%

 

23日はNYダウが大幅下落し、米長期金利も大幅低下したことで、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.321%から▲0.705%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.610%スプレッドがかい離している。

NYダウが下落したことで株式益利回りが上昇し、米長期金利が低下したことで、イールドスプレッドは前日比拡大して米国債に対して米国株が前日比でNYダウが割安となった。米長期金利が低下したことで、米国債券を買うより米国株を買った方が良いということになる。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.608%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%

・5月22日:▲3.349%⇒23日予想▲3.481%

 

S&P500のイールドスプレッドも前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.577%から▲0.096%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対しても▲0.388%のスプレッドかい離している。

S&P500が下落し、さらに米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅に拡大した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.094%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%

・5月22日:▲1.749%⇒23日予想▲1.877%

 

NASDAQのイールドスプレッドも前日比拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.062%から▲0.185%スプレッドがかい離していることや、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しても▲0.302%のスプレッドかい離している。

NASDAQも下落し、米長期金利が低下したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅に拡大した。

 

三指数のイールドスプレッドは大幅に拡大した。さらに米長期金利が低下するようなら、米国株に過熱感が出にくい。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では240時間SMAが上値の限界!

2019/05/24/08:31:06

 

★5月16日以降の東京金60分足では240時間SMA(茶線)がレジスタンスとなり上抜け出来なかったことで下押しの展開となった。ただ、雲の上限24時間SMA(緑線)72時間SMA(青線)がサポートとなり下げ止まる展開となった。本日は雲のネジレが2回あり、トレンドの加速や反転などの相場の節目になりやすいので注意が必要となる。

 

NY金先物市場は1278.20ドルから1287.10ドルまで上昇した。米中貿易摩擦の激化・長期化への懸念が急速に高まり、金融市場全般にリスク回避ムードが広まったことで安全資産の金には買いが集まった。また、ドイツ、ユーロ圏、米国のPMIが低下して世界的な景気減速懸念が再燃した。さらに英国のメイ首相が24日退陣表明かとの報道で合意なきEU離脱の可能性も高まったことから、欧米で大幅な株安となり、安全志向的な金買い材料となった。為替相場でドルが軟調となったことも支えとなり、金先物は堅調に推移した。

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯に位置していることから、売買が交錯している。そのため、上下に振れると大きな動きとなりやすい。ただ、上値では出来高が残っており、戻り場面では買い方からの『やれやれ売り』が入りやすく重石となりやすい。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、MACDはゼロラインを上抜けしているものの、低下傾向にありシグナルとデッドクロス寸前となっている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、%DがSlow%Dを下抜け両線とも下向きとなっていることから、短期的な下落基調が継続している。

 

東京金の日足では、5日SMAの4,509円をわずかに上抜けしてきている一方で、10日SMAの4,527円がレジスタンスとして意識され上値を抑えている。下値では、260日SMAの4,491円と200日SMAの4,480円がサポートとして意識されている。今週は狭いレンジ内での値動きとなっており、方向感を欠いた展開となっている。NY金は、米中貿易摩擦激化の懸念や世界景気減速懸念によるリスク回避の動きから買われやすい地合いとなっている。ただ、上値も1,300ドルが上値節目となっている。為替市場では、リスク回避の動きから109円台半ばまで円高が進んでいるが、ドル需要も根強く現在のところは下押しも限定的になっている。

今週に入ってから上値を5日SMAと10日SMAがレジスタンスとなっている一方で、下値を200日SMAと260日SMAがサポートとして意識される展開となっている。狭いレンジ相場となっていることから、上下に振れると大きな動きとなりやすいので注意が必要となる。

カテゴリー: ホットニュース

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 世界景気の不透明感からリスク回避!

2019/05/24/07:23:09

 

★欧州市場朝方の取引では、世界的な株安を背景にリスク回避によるドル高で110.30円近辺で下げ渋った。なお、欧州株は全面安で推移、日経先物も40円安に続落した。NYダウ先物の下げ幅拡大や米長期金利が2.36%近辺まで低下幅を広げた動きも重石となり、ドル売り・円買いが優勢になった。ドイツやユーロ圏の経済指標の低調な内容やメイ英首相の退陣の思惑で欧州通貨売りとリスク回避の円買いを主導した。NYダウが大幅続落、米長期金利も17年12月以来の低水準を記録したことで一時110円を割り込んだ。米新規失業保険申請件数は予想より強い結果となったが、リスク回避の流れは変わらなかった。

 

米5月製造業PMIなどの下振れを受けて下方への警戒感が増したことでドル売り・円買いが優勢となった。弱い住宅指標を受けNYダウが一時400ドル超下落する中、リスク回避の円買いは継続した。米長期金利が2.29%台と低下傾向の中でドル/円の上値も重い展開となった。NYダウの下げ幅縮小から円高も一服したものの、低位横ばいで推移した。

 

★欧米主要経済指標

・米・先週分新規失業保険申請件数:21.1万件(予想:21.5万件、前回:21.2万件)
・米・失業保険継続受給者数:167.6万人(予想:166.7万人、前回:166.4万人←166.0万人)
・米・5月製造業PMI速報値:50.6(予想:52.6、4月:52.6)
・米・5月サービス業PMI速報値:50.9(53.5、4月:53.0)
・米・5月総合PMI速報値:50.9(4月:53.0)
・米・4月新築住宅販売件数:67.3万戸(予想:67.5万戸、3月:72.3万戸←69.2万戸)

 

★欧米市場のポイント

・109.43-110.29のレンジ相場

・英国政治の先行き不安からポンド売り

・米中貿易摩擦が激化するとの懸念

・低調な米経済指標受け米長期金利低下

・原油先物価格は一時6%超の急落

・NYダウは一時440ドル超下落

・世界景気の先行き不透明感強まる

・VIX指数は14.75から16.92へ上昇

カテゴリー: ホットニュース

東京ゴムRS3 は抵抗帯に挟まれ動きとれず!

2019/05/23/12:22:39

 

★東京ゴムRS3の一目均衡表日足では、上値を52期間の高低の中心値である先行スパン2当日線(灰線)がレジスタンスとなり、下値では基準線(青線)転換線9日(赤線)雲の下限がサポートラインとして意識され上下に動けない状態が続いている。

転換線9日、基準線、先行スパン2が全て横ばいとなっていることから、相場に方向感がない状態となっている。ただ、転換線9日がわずかに基準線を上回っている。

26期間先の先行スパンでは、先行スパン2が先行スパン1を上回っていることから、下落基調は改善していない。また、26期間遅行するロウソク足まで低下後横ばいとなっていることで、ロウソク足がサポートとなり反発するのか、再び下向きとなってロウソク足を下抜けするのかが注目される。

雲の厚みがないことから、抵抗帯としての抵抗力が弱い。そのため、簡単に上抜け・下抜けしやすい地合いとなっている。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%Dが下向きとなり、Slow%Dとデットクロス寸前となっていることで下押し圧力が強まりつつある。

結論としては、上下の抵抗帯を抜けるまでは様子見スタンスとなる。もみ合い相場が長くなってきていることから、レンジ相場を上下に抜けると大きな変動となりやすい。そのため、抵抗帯を放れるまでは注意深く待つことがよさそうだ。

 

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ