FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで6月5日の米国株市場を先取り!

2019/06/05/09:30:07

 

★NY株式市場は大幅に上昇したことで、6月3日の割安感はやや払しょくされた。今回もイールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%台、NASDAQ:2.2%~2.3%台で割安感からの反発となった。今後の市場動向を探る上で参考となる結果となった。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.596%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・6月3日:▲4.038%⇒4日予想▲3.851%

 

3日はNYダウは大幅上昇し、米長期金利も大幅に上昇したことで、イールドスプレッドは大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.596%から▲0.745%スプレッドがかい離していることや、直近1月3日大底の▲4.226%から▲0.375%スプレッドがかい離している。

NYダウが大幅上昇したことで株式益利回りは大幅に低下したうえ、米長期金利の大幅に上昇したことで、イールドスプレッドは前日比大幅縮小して米国債に対して米国株が前日比でNYダウが割高となった。米国株を買うより米国債券を買った方が良いということになる。今後も、米長期金利の動向が重要ポイント。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.874%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%

・6月3日:▲3.881%⇒4日予想▲3.695%

 

S&P500のイールドスプレッドも前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.831%から▲0.136%とスプレッドがかい離していることや、1月3日の▲3.869%スプレッドに対して▲0.174%、6月3日の3.881%から▲0.186%とスプレッドがかい離している。そのため、S&P500は1月3日や6月3日からイールドスプレッドがかい離したことで、割安感が若干払しょくされた。

 

S&P500はが大幅上昇し、米長期金利の上昇幅が大きかったことで、イールドスプレッドは前日比で大幅に縮小したことで、S&P500の割安感が一旦解消された。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.384%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%

・6月3日:▲2.328%⇒4日予想▲2.153%

 

NASDAQのイールドスプレッドも前日比大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.384%から▲0.231%とスプレッドがかい離している。また、1月3日の▲2.179%スプレッドに対しては▲0.026%、6月3日の▲2.328%スプレッドに対して▲0.175%とスプレッドがかい離している。

NASDAQも大幅に上昇し、米長期金利も大幅に上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。ただ、NASDAQが大幅に下落していたことから、なおイールドスプレッドは▲2.1%台を維持しており、割安感は残っている。

 

三指数のイールドスプレッドは一旦大幅に縮小した。そのため、昨日の割安圏は払しょくされてきている。ただ、再び米長期金利が低下するようなら、米国株により割安感が出てくる。トランプ大統領がFRBに利下げを強要するのは、米長期金利が低下すると米国株が上昇してもイールドスプレッドの縮小が抑えられるからである。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では24時間SMAがサポート!

2019/06/05/08:18:18

 

★5月28日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)がサポートとなりじり高を継続した。各SMAがかい離幅を広げながら緩やかに上昇基調を継続している。一目均衡表の雲の上限が徐々に近づいてくることから、サポートラインとして意識されやすい。

 

NY金先物市場は1324.70-1334.10ドルのレンジ相場となった。パウエルFRB議長の発言を受けて利下げ観測が高まり、ドルの上値が重くなったことで、金に買いが入った。ただ、約3カ月ぶりの高い水準ということで利益確定売りも出やすいなか、米国株の堅調な動きを背景とした売りも入り、前日とほぼ変わらない水準で取引を終えた。

 

価格帯別出来高では、高値圏で出来高を伴いもみ合いとなっていることから、新規の買いも入ってきており、買い方からの利益確定売りを吸収している。ただ、出来高の多い価格帯の間では、出来高の少ない価格帯も多く値が飛びやすいので注意が必要となる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方から緩やかに下落基調となっているが、ゼロラインの上方に位置しているうちは上昇基調は続いている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DがSlow%Dをわずかに下抜けしてきていることから、戻りの勢いは鈍化してきている。

 

東京金の日足では、100日SMAの4,593円を上抜けしてきたものの、75日SAMの4,610円がレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となっている。75日SMAを上抜け出来ると、4月11日直近高値4,662円が視界に入ってくる。NY金は利益確定売りが重石となっているが、米国の利下げ期待が強まっていることで、底堅い展開が予想される。為替市場では、米国の利下げの思惑が強まったものの、米長期金利が上昇したことでドルの下値追いにもならず底堅い展開となっている。米長期金利の動向が為替市場のポイントとなる。

本日の注目点は、100日SMAを一旦上抜けしたものの、75日SMAが上値抵抗となっていることで、100日SMAを維持して75日SMAを上抜け出来るかが焦点となる。5日SMAや10日SMAも上向きとなっていることから、短期的には上昇基調をが継続している。

カテゴリー: ホットニュース

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米利下げ観測がドルの重石!

2019/06/05/07:22:58

 

★欧州市場朝方の取引では、NYダウ先物と米長期金利が反発となったことを背景に、ドル全面安の流れは一服した。なお、欧州株は高安まちまちの動きとなった。NYダウ先物と米長期金利が反発を維持する中、ドル買い戻しの流れが進展した。米長期金利が2.11%台を回復し、ドル全面安を巻き戻す流れとなった。また、欧州株はほぼ全面高、NYダウ先物も堅調でドル買いの動きとなった。ただ、欧州市場中盤では、米長期金利が上げ渋る中、ドルの戻り売りは鈍く伸び悩みで推移した。その後、中国商務省が柔軟な態度を示したほか、メキシコ外相が『ワシントン訪問は有益だった』との見解を示したことで貿易戦争への過度な懸念が後退したことで、ドルの買い戻しとなった。

 

パウエルFRB議長の発言で利下げ思惑が高まり、ドルは一時108円前後に押し戻される展開となった。NYダウが400ドル超高まで上げ幅を拡大し、米長期金利が2.14%近辺まで上昇したことを支えにドル買い戻しが入った。米利下げ思惑が強まったことを背景にドルが重い展開となった。通商リスクを背景としたリスク回避の円買いは一段落したが、米利下げ観測の高まりがドルの重石となり上値の重い展開となった。

 

★欧米主要経済指標

・英・5月建設業PMI:48.6(予想:50.6、4月:50.5)
・ユーロ圏・5月消費者物価指数速報値:前年比+1.2%(予想:+1.3%、4月:+1.7%)
・ユーロ圏・5月消費者物価コア指数速報値:前年比+0.8%(予想:+0.9%、4月:+1.3%)
・ユーロ圏・4月失業率:7.6%(予想:7.7%、3月:7.7%)

・米・4月製造業受注:前月比-0.8%(予想:-1.0%、3月:+1.3%←+1.9%)・米・4月製造業受注(除輸送):前月比+0.3%(3月:+0.3%←+0.8%)
・米・4月耐久財受注改定値:前月比-2.1%(速報値:-2.1%)
・米・4月耐久財受注(輸送用機除く)改定値:前月比0%(速報値:0.0%)
・米・4月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値:前月比0%(速報値:0.0%)

 

★欧米市場のポイント

・107.90-108.35円のレンジ相場

・5月ユーロ圏消費者物価指数が予想を下回りユーロ売り

・南アの1-3月期の前期比年率GDPが予想を下回り売り

・米国発の貿易摩擦を巡る過度な警戒感が後退

・パウエルFRB議長発言で米利下げ期待強まりドルの重石

・VIX指数は18.71から16.97へ低下

カテゴリー: ホットニュース

東京金は100日SMAがレジスタンスとして意識!

2019/06/04/16:08:27

 

★東京金日足では、2月20日の4,789円を起点として4月11日の高値4,662円と結んだトレンドラインを上抜けしてきたことで、下落トレンドから上昇トレンドに転換してきた可能性が高い。4月11日の直近高値を上抜けるなら2月20日の高値が視界に入ってくる。

SMAでは、3月4日に大陰線で25日SMA(赤線)を下抜けしてからは、レジスタンスとなり、下落基調が継続していたが、6月3日の大陽線で上抜けした。ただ、100日SMA(黒線)の4,592円がレジスタンスとして意識され一旦上値が重くなっている。上値では75日SMA(緑線)の4,610円もレジスタンスとして意識されやすい。ただ、5日SMAと10日SMA(黄線)が上向きとなっており、短期的には上昇基調が継続している。

5月28日の出来高がボトムとなり、上昇基調と共に出来高も増加していることから、先行期待が継続していることを示している。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、5月21日安値より下落したものの、%DとSlow%Dは下値を切り上げるコンバージェンスとなる上昇基調となった。現在も%DとSlow%Dがかい離幅を広げながら両線とも上向きとなっていることで、上向きバイアスが強いことを示している。

まとめると、金は5月29日安値4,487円が底に反転し、出来高を伴っていることから、上昇トレンドに転換している。投資判断は『買い』または『持続』と考えられる。当面の目標は4月11日高値や年初来高値となる2月20日高値4,789円が目標値となる。ただ、判断を変更するサインとしては、100日SMAや75日SMAがレジスタンスとなり上抜け出来ないと上値の重さが意識される。その際は出来高が減少しているかがポイントとなる。その後、上昇してきている5日SMAや10日SMAを下抜けや、ストキャスティクスで%DとSlow%Dが再びデッドクロスするようなら上昇トレンド収束していることと判断される。その際は保有している買いポジションがあれば手仕舞いとなる。また、再び25日SMAを下抜けると、25日SMAの上抜けしたことがダマシとなり再び200日SMA(紫線)260日SMA(茶線)までの下押しも想定される。

カテゴリー: ホットニュース

米国10年債金利と投機ポジション動向に振れるドル/円相場!

2019/06/04/11:54:55

 

CFTC米10年債先物の投機筋のネットポジション(黒線)では、5月28日付けで▼376,173枚と債券売り(金利は上昇)ポジションとなっている。投機筋は直近1月22日付け▼125,752枚から米国債金利が上昇するであろうとの思惑から債券売りポジションを増やしていった。3月25日以降は債券売りポジションを急速に進め、5月21日には▼423,351枚まで膨らませた。しかし、思惑通りにならず、米10年債金利(赤線)は低下基調となったことで、投機筋には含み損が膨らんだ。そのため、5月22日-28日までにポジションを手仕舞う動きと共に米10年債金利の低下に拍車がかかった。そのため、ドル/円(青線)も米10年債金利低下と共に円高基調が強まった。

投機筋のポジションが解消されるまでは、手仕舞いの買い戻し(金利は低下)により米10年債は低下しやすい。

ポジションが一巡するまでは米10年債金利低下と円高進行が進みやすいということになる。

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ