★米ドル/トルコリラ(黒破線)は、WTI原油(赤線)が上昇するとトルコリラは下落しやすい動きとなっている。
また、WTI原油動向がトルコリラの先行指標となっていることから分かる。
トルコは原油の輸入依存が高く、慢性的なドル不足のトルコにとって経験則から原油価格とトルコリラは『逆相関』となりやすい。(原油価格が上昇するとトルコリラ安)
そのため、OPECと非加盟国で構成するOPECプラスは12月5日にウィーンで会合を開き、協調減産などについて協議する。減産延長されるようなら、原油価格が上昇しやすく、トルコリラは下落しやすいことになる。
当然トルコリラ/円でも、原油高になるとトルコリラ安・円高になりやすい。
★CFTC投機筋のNY金の差引ネット(赤線)の動向とNY金(青線)の動向では、差引ネット残高の増減によって、NY金価格も同様の動きとなっている。
また、NY金の動向は、東京金(黒破線)ともほぼ同様の動きとなっている。
よって、NY金の差引買いネットが増加すると、NY金と東京金は上昇基調となりやすい。一方で、買いネットが減少すると下落基調になりやすい。
9月24日に買いネット残高が312,44枚のピークとなり、10月15日には253,027枚まで減少した。その後、11月5日279,828枚まで増加したが、翌週には再び267,066枚に減少した。やや減少気味となっていることから、NY金と東京金の上値も重くなっている。
再び買いネット残高が増加するような動きになると、再び金価格も上昇基調に戻るが、現在はやや減少気味となっており、金の上値を重さが感じられる。
★NY株式市場では、三指数ともに下落したうえ、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは三指数とも拡大する結果となった。三指数とも割高なほどは買われているわけではないものの、過去のイールドスプレッドと比較して割安感は薄れてきている。3指数ともに史上最高値を更新しているものの、米長期金利が以前に比べて低いことから、過熱感が抑えられている。米長期金利の動向が重要なポイントとなる。
NYダウは、3日連続陰線引けとなり10日SMAの27,819ドルを下抜けする展開となった。早々に回復するようなら短期的な上昇基調は継続するが、戻りが鈍いと一旦下押しの可能性が高まる。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)では、%D:84.97、Slow%D:94.92と高水準で、%DがSlow%Dを下抜けしてきていることから、下押しバイアスが強まる可能性もある。今後も長期金利の動向次第で上米国株の割高感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.334%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・11月20日:▲3.513%⇒11月21日予想▲3.497%
11月21日はNYダウが下落したものの、長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.334%から▲0.837%と平均値よりかい離が縮小している。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.428%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.449%に接近してきた。
NYダウが下落たことで株式益利回りは上昇した。一方で、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。米中両政府が貿易協議『第1段階』の合意への署名を目指す中、香港を巡る対立が協議の妨げになるとの懸念が強まり売りが広がった。半面、『米政府は米中合意がない場合でも12月15日に予定する対中追加関税の第4弾の発動を見送る公算』との報道も伝わり、相場を下支えした。原油先物価格の上昇を背景にエネルギー株が買われたことも指数のサポート要因となった。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.660%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・11月20日:▲3.453%⇒11月21日予想▲3.434%
S&P500が下落したものの、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.660%から▲0.226%と平均値より縮小している。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.703%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.468%に接近した。株価指数の下落率よりも米長期金利上昇率の方が大きかったことで、イールドスプレッドは縮小した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.154%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・11月20日:▲1.868%⇒11月21日予想▲1.851%
NASDAQは下落したものの、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドが前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.154%から▲0.303%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.653%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.383%に接近した。
NASDAQは割高にはなっていないが、イールドスプレッドが未だに2.00%台割れとなっており、割安感も払しょくしてきている。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。
三指数のイールドスプレッドは、指数が下落したものの、米長期金利が上昇したことで、三指数ともに縮小した。米国株は史上最高値近辺に推移しているものの、割高感を感じるまでは買われているわけではない。だだし、全般米国株への割安感は薄れてきている。割高・割安感がないということは見方を変えれば、上振れ・下振れしやすいとも言える。また、米長期金利が上昇すると、一気に米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★11月15日以降の東京金60分足では、下値模索の展開となっている。ただ、何度も反転した5,100円前後の下目目処が意識され下げ止まる展開となっている。そのため、5,100円を明確に下抜けすると、もう一段の下値模索の動きとなりやすい。お昼前後に雲のネジレがあるので、トレンドの反転や加速など相場の節目となりやすい。
NY金先物市場は1472.00ドルから1463.00ドルまで下落した。『米政府は米中貿易協議を巡り合意がない場合でも12月15日に予定される関税導入を延期する』との一部報道を受けて、米中協議への懸念が後退し、逃避資産の金は売りが優勢となった。また、為替相場でドルが対ユーロで上昇し、ドル建ての金に割高感が生じたことも売りを後押しした。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯を下抜けしたことで、もう一段下押しすると買い方からの手仕舞い売りが入りやすくなる。また、戻り基調では買い方からの『やれやれ売り』が入り上値の重石となる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを下抜けMACDは下向き継続していることから、下押しバイアスが継続している。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)でも、やや売られ過ぎ過熱感が出ているものの%DとSlow%Dが下向きとなっていることで、下押しが継続している。
東京金の日足では、100日SMAの5,098円がサポートとして意識され下げ止まる展開となっている。5日SMA、10日SMA、25日SAM、75日SMAが接近しており、上下どちらかに放れると大きな動きになりやすいので注意が必要となる。NY金先物市場は、米中通商協議に関する報道に振られる展開となっており、方向感のない展開となっている。為替市場も米中通商協議報道で振れる展開が続いている。108円台前半では下値が堅く、109円目前では上値が重くなる展開が続いている。そのため、108円台半ばでもみ合う展開となっている。
本日の注目点は、11月12日から100日SMAがサポートラインとして意識されており、本日も維持出来るかにある。下抜けするとやや大きな下落幅となりやすいので、注意が必要となる。また、短中期SMAが接近してきたことで、上下に大きく振れる可能性もある。
★欧州市場朝方の取引では、為替は全般もみ合い商状となっており、前日小幅続落推移した。なお、欧州株は全面安で取引を開始した。中国外務省が厳しい姿勢を示し、王毅中国外相が『米国の行動は2国間関係に深刻な損害を与える』などと発言したことがドル売り材料視された。NYダウ先物は90ドル超安と弱含み、米長期金利も1.72%台と低下傾向となった。ダウ・ジョーンズが『中国、さらなる協議で米国の通商交渉担当者を招く』と報じられると、米長期金利が小幅に持ち直したことで、ドル売りが一服した。米議会での香港人権法案可決やトランプ大統領の署名の可能性が伝わる前の出来事と考えられ、高値を更新するまでの材料にはならなかった。
『米政府が12月15日予定の関税発動を延期する』と報じたことでドルが急伸した。しかし、強弱まちまちの米経済指標に反応は限られ、一部報道を受けたドル買いは一時的となった。米長期金利の上昇が支えとなり108円半ばで動意鈍く、米中協議の不透明感で方向感が出にくい展開だった。米国株が小安い水準で下げ渋ったことが手掛かりにドルは切り返す展開となった。
★欧米主要経済指標
・英・10月公的部門純借入額(銀行部門除く):+112億ポンド(予想:+93億ポンド、9月:+80億ポンド←+94億ポンド)
・ユーロ圏・11月消費者信頼感指数速報値:-7.2(予想:-7.3、10月:-7.6)
・米・11月フィラデルフィア連銀製造業景況指数:10.4(予想:6.0、10月:5.6)
・米・先週分新規失業保険申請件数:22.7万件(予想:21.8万件、前回:22.7万件←22.5万件)
・米・失業保険継続受給者数:169.5万人(予想:168.3万人、前回:169.2万人←168.3万人)
・米・10月景気先行指数:前月比-0.1%(予想:-0.1%、9月:-0.2%←-0.1%)
・米・10月中古住宅販売件数:546万戸(予想:549万戸、9月:536万戸←538万戸)
★欧米市場のポイント
・ドル/円は108.45-69円のレンジ相場
・精米レンジ内での動きに終始
・南アフリカ準備銀行の政策金利を据え置きでランド買い
・米中間の貿易協議報道などに振れる展開
・香港を巡る米中対立が協議の妨げになるとの懸念
・中国への12月15日予定の関税発動を延期との報道
・VIX指数は12.78から13.13へ上昇
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