★欧州市場朝方の取引では、米感謝祭休暇で薄商いの中、為替は前日終値付近でもみ合いとなり、109.50円前後で小幅な値動きになった。なお、欧州株は全面安で取引を開始した。欧州市場では、109.50円台での推移が続いたものの、上値の重さが意識された。NYダウ先物が下げ幅を縮小したことで、投資家のリスク志向改善を意識した買いが入った。市場では『米系短期勢からの買いが観測された』との指摘があった。米長期金利や日経先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行し、一時109.67円と5月30日以来約半年ぶりの高値を付けた。
市場では『月末のロンドンのフィキシングに向けたドル売りのフローが出たのではないか』との指摘があった。また、米国株が弱含んだことでドルの重石となった。感謝祭明けで短縮取引の米国株が下げ幅を広げて週引けしたことが重石となり、弱含む展開となった。ただ、参加者が少ない中で、フォローも少なく売り一巡後は109.40円台で小幅に上下した。
★欧米主要経済指標
・独・11月失業率:5.0%(予想:5.0%、10月:5.0%)
・独・11月失業者数:-1.6万人(予想:+0.6万人、10月:+0.5万人←+0.6万人)
・ユーロ圏・11月消費者物価指数速報値:前年比+1.0%(予想:+0.9%、10月:+0.7%)
・ユーロ圏・11月消費者物価コア指数速報値:前年比+1.3%(予想:+1.2%、10月:+1.1%)
・ユーロ圏・10月失業率:7.5%(予想:7.5%、9月:7.5%)
・英・10月住宅ローン件数(中銀):6.46万件(予想:6.54万件、9月:6.58万件)
★欧米市場のポイント
・ドル/円は109.35-67円のレンジ相場
・米中貿易協議の先行き不透明感で株価は弱含み
・米国株相場が下落して始まると全般ドル買いが後退
・ロンドンフィキシングにかけてドル売り優勢
・大型の社債発行観測を背景に米国債売りで金利上昇
・VIX指数は11.75から12.62へ上昇
★米ドル/人民元の日足の動向と日米金価格の動向をチャート上に重ねてみると、今年に入ってから人民元安・金高もしくは人民元高・金安となりやすいことが分かる。
要するに米ドルに対して人民元の動向がリスク回避とリスク選好の目安となっている。
米ドル/人民元は9月3日の1ドル=7.178人民元がピークとなり徐々に米ドル安・人民元高となってきていることから日米金価格も緩やかに下落基調となっている。
金価格が再び騰勢を強めるには、米ドル高・人民元安という材料が必要となりそうだ。
★まず練行足は、新値足やポイントフィギュアなどと同じ非時系列系のチャートの一種。一定の値幅を決めて、その値幅以上の動きがあったときに足を記入する。1本の足の長さが一定で変わらないのが練行足の特徴である。決めた一定の値幅の2倍以上の変化が反対方向にあったときに反転とみなす。
細かい値動きを無視できるので大きな波を捉えやすく、トレンドの把握に向いているチャートである。ただ、練行足はもみ合いの局面においてダマシにあいやすく、これが続くと損失がかさんでしまうという弱点もある。しかし、大相場に確実についていくための案内役を果たしてくれる。また、ダマシにあった場合でも損切りや途転は早くなるので、1回あたりの損失を抑えられる。
それでは東京金の日足を練行足でみていみると、高値圏でもみ合いとなっており陽転・陰転を繰り返している。ロウソク足でももみ合いとなっており、方向感のない状態となっている。
現状の練行足では、陰転しており売りサインが出ていることを示している。ただ、このところ陰転しては直ぐに陽転するなどトレンドレスの状態となっている。
もし2019年6月のトレンドに乗れたなら大きな利益となった。
商品市場は一度トレンドが発生すると、トレンドが継続することが多いことから練行足は商品相場に向いていると言える。
★ドル/円の長期トレンドを示す月足では、2015年6月の高値125.85円を起点として2018年10月の高値114.55円を結ぶトレンドライン(R1)は上値を切り下げる展開となっている。一方で、2016年6月の安値98.98円を起点として2019年1月の安値104.70円を結んだトレンドライン(S1)は下値を切り上げる展開となっている。そのため、R1とS1は徐々に三角持ち合いの様相となっている。今年のドル/円の高安の値幅は、過去最低の約8円程度になっているが、R1とS1の抵抗体が意識されている可能性が高い。
上値では、17ヵ月SMA(赤線)の110.117円と34ヵ月SMA(青線)の110.389円がレジスタンスとして意識される。
一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:36.29、Slow%D:33.96と%DがSlow%Dをわずかに上抜けしてきており、上昇基調となってきた。
まとめると、ドル/円の値幅が年々縮小してきているのは、三角持ち合いが意識されている可能性が高い。2020年にはR1とS1がクロスすることから、来年は大きな動きになる可能性が高い。
現状では、ドル/円はストキャスティクスが示しているように円安基調となってきている。しかし、上値では心理的節目となる110.00円、17ヵ月SMAと34ヵ月SMAもレジスタンスとして意識される。ただ、17ヵ月SMAと34ヵ月SMAを明確に上抜けしてくると、円安基調も明確になってくる。一方で、下値ではS1がサポートラインとなっているが、下抜けすると240ヵ月SMAの106.567円や120ヵ月SMAの101.134円が下値目処として意識される。
★11月23日以降の東京金60分足では、米国市場が感謝祭で休場だったこともあり、上下8円の範囲内での値動きとなった。24時間SMA(緑線)と240時間SMA(茶線)がサポートとなり底堅い展開が続いた。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯でもみ合い相場となっており、上下どちらかに振れると大きな動きになりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方で横ばいとなっており、トレンドレスの状態となっている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DがSlow%Dをわずかに下抜けしてきたことで、下押しバイアスがかかってきている。また、上値を切り下げる展開となっている。
東京金の日足では、5日SMAの5,107円、10日SMAの5,115円、100日SMAの5,110円がサポートとなり、もみ合い相場が継続している。外国為替市場では、中国政府による対米報復への警戒感、北朝鮮による弾道ミサイルの発射、月末のポートフォーリオによるドル売り警戒感などリスク要因はあるものの、ドルは底堅く109円台半ばで推移している。そのため、東京金の下支えとなっている。
本日も感謝祭の祝日の翌日となり、米国市場では短縮市場となり、ほぼ休場と同様の閑散相場となりやすい。そのため、突発的な材料で市場のボラティリティが上昇しやすいので注意が必要となる。本日の注目点も100日SMAを維持出来るかが焦点となる。
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