FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで2月5日の米国株市場を先取り!

2020/02/05/09:38:09

 

★NY株式市場では、三指数が大幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。中国の景気対策の発表で、中国や世界の景気が下支えされるとの期待から株高となった。しかし、新型コロナウイルスの感染者拡大や死者数増が続いており、リスク選好の動きが継続するかは不透明感がある。ネガティブな報道で株価が大幅下落しやすいので十分注意する必要がある。ウイルスのワクチン完成や感染者が縮小するような動きになるまでは、リスク回避の動きが継続しやすい。

 

NYダウは、大幅上昇したことで5日SMAの28,611ドルは上抜けしたものの、25日SMAの28,828ドルがレジスタンスとなり上値を抑える展開となっている。5日SMAが横向きとなっており、今晩の動きがポイントなる。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを上抜けしてきており、戻り基調となってきた。そのため、下落の勢いが鈍化してきている。さらに、欧米貿易協議の行方と米企業決算結果やコロナウイルスの感染拡大報道などで上下に振れやすくなっている。割安感の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.371%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

               20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月3日:▲3.586%⇒2月4日:予想▲3.437%

 

2月4日のNYダウが大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅に縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.371%から▲0.934%と平均値よりかい離していることで現在は割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%を▲0.789%と縮小した。19年6月3日の大底4.038%を▲0.601%と縮小した。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.665%と縮小した。

 

NYダウが上昇したことで株式益利回りは低下した。また、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小した。米国債券に対してNYダウが前日比で割高となった。前日比ではNYダウを買うよりも米国債券を買う方が良いことになる。中国の景気対策を受けて新型肺炎をめぐる市場の懸念が和らぎ、買いが膨らんだ。アップルにとって最も重要なサプライヤーである鴻海が『中国本土の全ての施設で予定通り業務再開できると依然見込んでいる』と表明すると、同社株は3%超上昇した。半面、原油先物価格の下落を背景にエクソンモービルは1%超売られた。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.738%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

                20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・2月3日:▲3.610%⇒2月4日予想▲3.458%

 

S&P500が大幅上昇したうえ、米長期金利も大幅上昇したことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.738%から▲0.280%とかい離していることで現在は割高になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%に対して▲0.411%より縮小。19年6月3日の大底となった3.881%から▲0.423%とイールドスプレッドは縮小。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%から▲0.544%縮小した。19年8月15日の▲4.179%とは▲0.721%より縮小した。

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.395%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・2月3日:▲2.351%⇒2月4日予想▲2.195%

 

NASDAQが大幅上昇したうえ、米長期金利も上昇したことからイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.395%から▲0.200%とかい離していることで現在は割高になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.016%上回った。19年6月3日の大底となった▲2.328%に対して▲0.133%縮小した。19年8月5日の大底となった▲2.383%から▲0.188%と縮小した。19年8月15日の大底となった▲2.498%から▲0.303%縮小した。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。『第2段階合意』に向けて米中間で協議される。そのため、今後も米中貿易摩擦に関する報道に振られる展開が予想される。また、中国発の新型コロナウイルスの感染が拡大してきた。2003年に発生したSARS発生後では、中国GDP第1四半期は11.1%だったが、第2四半期のGDPは9.1%に低下した。そのため、感染拡大の規模が大きくなると中国経済に悪影響を与え、NASDAQの上値も抑えられる。NASDAQは割安感が残っていることから、戻り基調が継続しやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数とも上昇したことや、米長期金利が上昇したことで三指数ともに前日比で縮小した。新型コロナウイルスの感染急速に拡大しているものの、中国の景気対策を受けて中国や世界の景気が下支えされるとの期待感によるリスク選好の動きとなった。そのため、米長期金利も再び上昇してきた。しかし、このままリスク選好の動きが続くかは不透明感が残る。NASDAQは戻る基調が強まっているものの割高感が出ていないことから、引き続き戻りが継続する可能性がある。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では引けにかけて下げ止まる!

2020/02/05/08:11:45

 

★1月29日以降の東京金60分足では、雲のネジレを挟んでもみ合い相場から24時間SMA(緑線)がレジスタンスとなり下落基調が強まった。ただ、5,450円で下げ止まり引けにかけては持ち直す展開となった。26期間先の先行スパン1・2が横ばいとなっていることから、下押しバイアスは鈍化している。

 

NY金先物市場は1552.801584.50ドルのレンジ相場となった。急反発した中国株式市場だけではなく、欧米株が軒並み上昇していることを背景に市場はリスク選好となり、安全資産とされる金先物価格は3日続けて弱含んだ。NYダウが500ドルを超えて上がるなど、米国株の買いの勢いが増したことや米長期金利の上昇を嫌気したことで金先物は下げ幅を広げた。 

 

価格帯別出来高では、5,500円前後から上値で出来高が多いことから、戻り基調では上値の重石となる。出来高が膨らむかが今後の焦点となる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの下方で横ばいから上向きになってきていることで、短期的には戻り基調となっている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、下方で%DがSlow%Dを上回り両線とも上向きとなってきていることで、戻り基調を示している。

 

東京金の日足では、25日SMAの5,470円がサポートラインとして意識されている。そのため、25日SMAを維持出来るかが本日の注目点となる。25日SMAを明確に下抜けると75日SMAの5,265円や100日SMAの5,244円が視界に入ってくる。NY金は中国の景気刺激策にリスク選好の動きとなり、米国株高・米長期金利高となったことで売れらる展開となった。しかし、新型肺炎の感染者数や死亡者数は日々増加していることから、このままリスク選好の動きが継続するかは疑問である。為替市場では、リスク選好のドル買い・円売りが強まり109円半ばまで円安が進行したことで、東京金の下支えとなった。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 中国の景気対策受けリスク選好のドル買い!

2020/02/05/07:39:21

 

★欧州市場朝方の取引では、上海総合指数などアジア株高を手掛かりにしたリスク選好の流れが継続した。米長期金利の上昇もサポートとなりドルはじり高となった。なお、欧州株は堅調に取引を開始した。欧州株が上昇幅を拡大し全面高で推移、米長期金利も一段高となるに連れ、ドルが続伸した。中国人民銀行による大量資金供給を受け、中国や世界の景気が下支えされるとの期待感により、リスク選好改善による円安地合いが持続した。株高や米長期金利の上昇が一服となるに連れ、欧州勢参入後から進行していたリスク選好改善による円売り戻しの動きも一巡した。

 

ただ、NY勢参入後は米長期金利が上昇幅を広げたことをながめ、ドル買いが再開した。新型肺炎の拡大懸念を背景としたリスク回避の動きが和らぐ中、世界的に株価が上昇すると円売り・ドル買いが優勢になった。その後、NYダウが500ドル超上昇したことなどをながめさらに円売りが強まった。米株の堅調な勢いに連れて、米長期金利も1.60%台まで上昇したこともドル買いを支えた。ただ、トランプ米大統領の一般教書演説を控えていることでその後の値動きは限られた。

 

★欧米主要経済指標

・英・1月建設業PMI:48.4(予想:47.1、12月:44.4)
・ユーロ圏・12月生産者物価指数:前年比-0.7%(予想:-0.7%、11月:-1.4%)

 

・米・12月製造業受注:前月比+1.8%(予想:+1.2%、11月:-1.2%←-0.7%)
・米・12月耐久財受注改定値:前月比+2.4%(予想:+2.4%、速報値:+2.4%)
・米・12月耐久財受注(輸送用機除く)改定値:前月比-0.1%(予想:-0.1%、速報値:-0.1%)
・米・12月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値:前月比-0.3%(速報値:-0.4%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円は、108.82-109.54円のレンジ相場

・英国とEUのFTA交渉が難航し合意なき離脱懸念

・英国1月建設業PMIが前月から改善し市場予想を上回る

・中国の景気対策を受けて全般リスク選好の動き

・NY原油先物市場は米国株高でも続落

・米国10年債金利は1.60%に上昇

・VIX指数は17.97から16.05へ低下

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トルコリラ/円は実質金利マイナス幅拡大で上値重い展開!

2020/02/04/12:41:06

 

★トルコでは、昨日1月消費者物価指数(CPI)が発表され前年比で12.15%と市場予想の+11.90%と前回値を上回る結果となった。そのため、政策金利が11.25%であることで実質金利とのマイナス幅も拡大した。よって、マイナス金利幅分トルコリラは通貨安となりやすい。そのため、2月19日のトルコ中銀の金融政策決定会合への注目度が高まる。通貨安を抑えるには、政策金利の引き上げが必要となるが、エルドアン大統領の金融政策方針に異を唱えることになる。

また、世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大している。トルコでの感染者は現段階では報告されていない。しかし、同国は観光業が主要産業なだけに、感染者が確認されると経済への打撃も大きくなる可能性がある。

 

トルコリラ/円の日足では、下向きの5日SMA(赤線)の18.1778円がレジスタンスとなり、下落基調が継続している。また、10日SMA(黄線)も下向きとなっていることで、上値を抑える可能性が高い。

ただ、心理的な節目となる18.00円近辺まで下落しており、押し目買いも入りやすい。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%D:14.53、Slow%D:15.82とやや売られ過ぎ過熱感は出ているが、5日SMAや10日SMAを上抜けするまでは下落基調が継続する。

押し目買いを入れたくなるところまで下落しているものの、トルコリラ買い材料が少ないことから、安易に値ごろ感で買いを入れるのは注意が必要となる。まずは、5日SMAを上抜けするまでは様子見としたい。

 

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過去の原油投機ネットからWTI原油価格動向を探る!

2020/02/04/11:34:52

 

★2018年9月以降のCFTC原油投機ネットを見ると、2018年9月4日の+565,730と9月25日の+560,085がピークとなり、投機筋の買いポジションの手仕舞いとともに原油価格も加速的に下落した。この時は、投機筋のポジションの減少が先で追いかけるように原油価格が下落した。そして、投機筋の買いポジションの手仕舞いが止まらず2019年1月8日の+277,211まで減少した。原油価格が12月24日にボトムとなり、投機筋の手仕舞いが終了する前に原油価格の方が先に戻り基調となった。

原油価格は上昇基調が継続したが、投機筋の買いポジションは増加後に再び減少して2月12日の+288,214がボトムとなって増加傾向が継続した。この時ダブルボトムの形となっている。

4月22日の+547,359まで買いポジションが増加したものの、再び原油価格の下落とともに減少傾向となり、6月11日+351,655まで減少して下げ止まった。

その後は投機筋のポジションが増減する中、原油価格も上下に振れる展開が続いた。この期間の投機筋のポジションは35万~38万近辺がボトムとなった。

2019年1月7日の+567,272がピークとなり原油価格の下落とともに直近1月28日付けの+461,762まで減少している。

下げ止まる目安とすれば、前回のもみ合い相場となった投機筋のポジションが35万~38万までポジション減少が一旦の目安となる。現在約46万の買いポジションが残っていることから、もう一段の原油下落も視野に入る。リスク回避の動きが強まるようならば、2019年1月~2月の27万~28万まで買いポジションが減少するまで原油価格が下落する可能性もある。

まとめると、2018年8月以降の投機筋ネットとWTI原油価格を見てみると、ネットポジションが+54万~+56万でピークを打ち、ポジション減少とともに原油価格も下落するパターンとなっている。第一段階のポジション減少目処は+35万~+38万まで減少する。今のポジションからすると原油価格の下落基調は継続しやすいことになる。また、戻り基調となる場合は、投機筋ネットが上下に振れるパターンとなっている。

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