FITS エコノミックレポート

日米金利差とドル/円相場では歪みが発生中!

2020/02/10/07:20:10

 

★日米金利差だけがドル/円相場を左右するわけではない。しかし、基本的に日米金利差が拡大すればドル高・円安になりやすく、縮小すれば円高・ドル安になりやすい。

日米2年債金利差・10年債金利差とドル/円相場を同じチャート上に重ねてみると、上記した動きになっている。ただ、2019年10月以降は日米金利差が縮小傾向にあるものの、上下を繰り返しながらもドル高・円安地合いとなっている。

2月7日終了時点の金利差では、日米2年債金利:1.545%、日米10年債金利:1.621%となっている。この金利差であれば105円前後へ円高が進行しても不思議ではない。しかし、現在の為替市場では109円台半ばでの動きとなっている。

現在、中国発の新型肺炎が中国国内ばかりか世界中で感染者が増加しており、世界的な景気減速が不安視されている。そのため、FRBも金利は引き上げよりも引き下げの方向へバイアスがかかりやすい。そのため、より日米金利差が縮小する可能性が高く、円安よりも円高への力が徐々に溜まっていくものと思われる。

ところで、2018年と2019年の共通点は、年末に向けてドル需要が高まることから日米金利差に関係なくドルが高止まりしやすいことだった。そして、2019年の1月3日にフラッシュ・クラッシュにより円高が強まったが、2020年の1月2日も19年ほどではなかったが円高基調になった。年初に一旦円高のボトムを付けた後にドル買い・円売りが入り円安方向へと進むのも共通している。

 

 

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東京金60分足では高値圏で強含みの展開!

2020/02/10/03:04:18

 

★1月30日以降の東京金60分足では、24時間SMA(緑線)がサポートラインとして意識されつつ高値圏でもみ合い相場が続いた。高値圏では何度も下押ししているので、利益確定売りも入りやすく上値の重い展開となっている。

 

NY金先物市場は1563.501577.80ドルのレンジ相場となった。米雇用統計のヘッドラインで非農業部門雇用者数が好結果だったことが伝わると、一時1563.50ドルまで金先物もリスク選好により弱含む場面があった。しかし、米連邦準備理事会(FRB)が議会に半年に一度提出する金融政策報告書の中で新型肺炎の感染拡大が新たな脅威になり中国経済に混乱を招き、世界経済に波及する可能性を警告したことから、欧米株式が反落し、金先物は安全資産として買われた。 

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯まで戻り基調となっている。ただ、一旦含み損を抱えた買い方からの戻りによる『やれやれ売り』が出やすく上値を抑えている。このやれやれ売りが一巡すると、上値追いの動きにつながりやすい。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、下落基調が続いていた。しかし、MACDゼロラインの上方で上向きとなってきていることで、上昇基調となってきている。スタキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も%DがSlow%Dを上抜け両線とも上向きとなっていることで戻り基調を示している。短期的には上昇基調となってきている。

 

東京金の日足では、5日SMAの5,508円を上抜けしたことで短期的な上昇基調となっている。また、下値では上向きとなっている25日SMAの5,497円がサポートとして意識されている。NY金は、米連邦準備理事会(FRB)が議会に半年に一度提出する金融政策報告書の中で新型肺炎の感染拡大が新たな脅威になり中国経済に混乱を招き、世界経済に波及する可能性を警告したことで、一気にリスク回避動きが強まり買い戻しの展開となった。新型肺炎の感染が減少するか、有効なワクチンの完成までは折に触れリスク回避の動きになりやすい。為替市場では、リスク回避の動きになったにも関わらず、ドルは底堅い展開となっている。そのため、東京金の下支えとなりやすい。

本日の注目点は、5日SMAを上抜けしていることから、上値追いの展開になるかが焦点となる。週末のリスク回避の動きから、東京金にも買いが入りやすい。上値目処は、1月8日の5,574円となる。

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イールドスプレッドで2月10日の米国株市場を先取り!

2020/02/10/03:02:27

 

★NY株式市場では、三指数が大幅下落したうえ、米長期金利が大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で三指数ともに大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。史上最高値圏で推移していたことで週末絡みの利益確定売りが強まった。また、新型コロナウイルス感染の拡大により世界景気への悪影響が改めて意識されて売りが広がった。1月米雇用統計が市場予想を上回る強い結果だったが、新型ウイルスの感染拡大による景気減速懸念の方が勝ったことになる。

 

NYダウは、5日SMAは上向きを維持したものの、10日SMAは横ばいとなった。5日AMAは25日SMAを上抜けゴールデンクロスとなった。そのため、5日SMAの28,996ドルがサポートとして意識される。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを上抜け上向きを維持していることから戻り基調は持続している。週末は史上最高値圏で推移したことから、好材料はスルーする一方で悪材料に反応する展開となり、利益確定売りが優勢となり下げ幅を広げた。イールドスプレッドは拡大したものの、割安感が出るほどは拡大していない。現在は割高感も割安感も出ていない。そのため、材料次第で上下に振れる展開になりやすい。

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.231%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%

              20/01/17‐▲3.018%

(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、

               19/8/5-▲4.102%

(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

・2月6日:▲3.306%⇒2月7日:予想▲3.411

 

2月7日のNYダウが大幅下落したうえ、米長期金利も大幅低下したがイールドスプレッドは前日比で大幅拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.231%から▲0.790%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井となった▲3.069%まで▲0.342%に接近した。19年4月25日の天井となった3.048%まで▲0.363%に縮小した。20年1月17日の天井となった▲3.018%まで▲0.393%まで接近した。NYダウが下落調整したほか、米長期金利も1.5%台に低下したことで、イールドスプレッドが拡大調整となった。

 

NYダウが大幅下落したことで株式益利回りは上昇した。また、米長期金利も大幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で大幅拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債券を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。注目された米1月雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想を上回る強い結果となったが、先日までの大幅上昇で週末を控えた利益確定売りが強まった。また、FRBが半年に1度議会に提出する金融政策報告書で『新型コロナウイルスの流行は米経済見通しへの新たなリスクで、世界市場を混乱させる恐れがある』と警告すると、新型肺炎による世界景気への悪影響が改めて意識されて売りが広がった。アップルやキャタピラーなど中国関連銘柄の下げが大きかった。

 

米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.625%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

              20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、

                19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%

・2月6日:▲3.384%⇒2月7日予想▲3.474%

 

S&P500が大幅下落したうえ、米長期金利も大幅に低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.625%から▲0.151%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.743%に接近した。19年4月25日の天井となった▲2.966%まで▲0.508に接近した。20年1月17日の天井となった2.990%まで▲0.484%に接近した。

 

 

米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.289%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、

              19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%

・2月6日:▲2.140%⇒2月7日予想▲2.217%

 

NASDAQが下落したうえ、米長期金利も大幅低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.289%から▲0.072%と平均値より縮小している分割高となっている。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲1.019%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.749%に接近した。イールドスプレッドは2.2%台へと広がった。

 

NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。『第2段階合意』に向けて米中間で協議される。そのため、今後も米中貿易摩擦に関する報道に振られる展開が予想される。また、中国発の新型コロナウイルスの感染が拡大してきた。一方で、新型コロナウイルスの治療薬開発で前進との報道もあり、先行きに明るさも見られる。2003年に発生したSARS発生後では、中国GDP第1四半期は11.1%だったが、第2四半期のGDPは9.1%に低下した。そのため、感染拡大の規模が大きくなると中国経済に悪影響を与え、NASDAQの上値も抑えられる。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数とも大幅下落したうえ米長期金利が大幅に低下したことで三指数ともに前日比で大幅拡大した。新型コロナウイルスの感染が拡大していることが改めて嫌気された。また、米国株が史上最高値近辺で推移していたことで、週末によるポジション調整の利益確定売りが下げを加速させた。現在は割安感も割高感もない状況であることから、上下どちらに振れても不思議ではない状態である。そのため、ウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で振れやすい。

 

※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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5分足で分かるドル/円欧米動向:5分足 リスク回避でも底堅いドル/円相場!

2020/02/10/03:01:55

 

★欧州市場朝方の取引では、前日からのドル高の流れが持続したが、ドル/円は米長期金利の低下を受け、109.90円前後でドルが上げ渋る展開となった。なお、欧州株は軟調に取引を開始した。NYダウが90ドル安に反落し、米長期金利も低下幅を広げるに連れ、クロス円が続落となり、ドル/円の上値も圧迫され下落調整となった。シンガポール政府が新型ウイルスに対する警戒レベルを引き上げたことでリスク回避の円買いが強まった。しかし、米長期金利がいったん下げ止まったことでドル売りが抑制された。

 

1月米雇用統計で、非農業部門雇用者数が予想を上回ったことが分かると一時110.00円付近まで値を上げたものの、失業率が弱い内容となったことでドルは失速した。ただ、株価の下落幅が縮小したことや、ドルが欧州通貨に対して堅調に推移したことでドルの買い戻しが入った。ペンス米副大統領が『英国にファーウェイ5G 一部使用決定が米英貿易交渉に影響を与える可能性』と述べたことことで、欧州通貨が弱含むに連れ、ドル/円でもドル買いが強まった。NYダウが一時320ドル超下落したことで円買い・ドル売りが小幅ながら入ったことで上値を抑える展開となった。

 

★欧米主要経済指標

・米・1月非農業部門雇用者数:前月比+22.5万人(予想:+16.5万人、12月:+14.7万人←+14.5万人)
・米・1月平均時給:前年比+3.1%(予想:+3.0%、12月:+3.0%←+2.9%)
・米・1月失業率:3.6%(予想:3.5%、12月:3.5%)
・米・12月卸売在庫改定値:前月比-0.2%(予想:-0.1%、速報値:-0.1%)
・米・12月卸売売上高:前月比-0.7%(予想:+0.1%、11月:+0.9%←+1.5%)

・米・12月消費者信用残高:+220.55億ドル(予想:+150.00億ドル、11月:+118.05億ドル←+125.13億ドル)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円は109.49∸99円のレンジ相場

・低調な独経済指標をきっかけにユーロ売り

・米英通商交渉を巡る懸念が高まりポンド売り

・シンガポール政府がウイルスの警戒レベルを引き上げ

・米2月雇用統計の失業率が弱い内容となると失速

・新型肺炎への拡大が世界景気へ悪影響との懸念

・VIX指数は14.96から15.47へ上昇

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東京ゴムRSS3の日足では戻り売り目線で対応!

2020/02/07/11:24:33

 

★東京ゴムRSS3の日足に、フィボナッチ級数の38日指数平滑線(EMA:赤線)62日EMA(青線)を使用し、MACD(パラメータ:38、62、9)を使って分析する。

38日EMAと62日EMAがレジスタンスやサポートラインとなることが多いことから、非常に相性の良い分析方法と言えそうだ。

現在ロウソク足は、38EMAと62EMAを下抜け両線とも下向きとなっており、下押しバイアスが強いことを示している。

また、MACDはパラメータが長いことから、小さな上下動は無視され大きなトレンドを描くよに動く。直近ではMACDがシグナルを下抜け両線とも下向きとなっていることから、下落トレンド入りとなっている。

まとめると、東京ゴムRSS3は下落トレンドに転換していることから、戻り売り目線となる。また、38日EMAと62日EMAが下向きとなりデッドクロスすると、MACDもゼロラインを下抜けすることになり、下落基調が早まる可能性がある。MACDが横ばいから上向きになるまでは、戻り基調では売り戦略となる。その際、38日SMAや62SMAが抵抗体となりやすいので注意深く見ていく必要ある。

ただし、ロウソク足が再び38日EMAと62日EMAを上抜けると、下落トレンドが終了して再び上昇基調となった可能性が高まるので、売り目線は終了となる。

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