★トルコ中銀は先週22日に、政策金利である1週間レポレートを9.75%から8.75%に引き下げた。市場予想の9.25%の引き下げより大きい利下げ幅で実質金利マイナス幅も更に拡大し、リラは底バイの展開となっている。さらに、中銀は追加利下げも示唆しており、金利面でのリラ買いの魅力は失われてきている。また、トルコ金融当局によるリラ買い・ドル売り介入にもかかわらず、対ドルに対して弱含みの展開が続いている。トルコ中銀の外貨準備高は減少傾向にあり、17日時点では前週比約20億ドルの減少となっている。それを見越した投機水のリラ売り仕掛けには注意が必要となる。そのため、米FRBとスワップ協定を結びたい方向であるが、格付け会社フィッチは先週スワップ協定が結ばれる可能性は低いとの見解を示している。
トルコリラ/円の日足では、一旦の下押しバイアスは軽減しており、5日SMA(赤線)も下向きから横ばい傾向となってきている。そのため、下向きの10日SMA(黄線)もゴールデンクロスするのか、それとも再び5日SMAが下向きとなるのか節目にきている。ただ、ロウソク足は5日SMAの下方に位置していることから、ジワリとトルコ安となってきた。
また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、低水準で底這いの状態となっている。
トルコリラ買いの材料が乏しい中、外貨準備高の減少傾向により投機筋に狙われやすい地合いとなっている。そのため、値ごろ感だけでのリラ買いは注意が必要となる。
★新型コロナウイルスの感染拡大により、経済・景気のファンダメンタルズの弱い新興国通貨であるトルコリラ/円(赤線)、南アランド/円(青線)、メキシコペソ/円(黒線)は下落の一途をたどっている。
特に2月19日以降の新興国通貨の下落の勢いが強まっている。
ただ、3月に入り一時戻る場面があったが、戻り売りとなり高値安値を切り下げる展開となっている。
それぞれの通貨で史上最安値を更新するも、戻り基調にはならず下値模索の展開が継続している。
新型コロナウイルスの感染縮小やワクチン開発など、根本的な原因が終息されるまでは新興国通貨は戻り売りになりやすい。
物の行き来が細る中、通貨安になると国内インフレ率が高まり、さらに景気悪化を招くという悪循環となりやすい。そのため、値ごろ感による新興国通貨買いは慎重にならざるを得ない。
★東京原油の日足で、1月8日直近高値45,320円と4月22日直近安値15,710円をフィボナッチ・リトレースメントと白銀比率で結んで分析する。
現在戻り上値を抑えているのが、23.6%戻りの22,698円となっており、上ヒゲロウソク足となっている。
また、1月8日高値45,320円を起点として2月21日高値40,290円を結んだトレンドライン(R1 )は将来的なレジスタンスとして意識される。しかし、現状は2月21日高値40,290円を起点として4月9日高値26,950円を結んだトレンドライン(R2)がレジスタンスとして意識されている。
R2と23.6%戻しを上抜けできると、もみ合い上限となっていた38.2%戻し27,021円がレジスタンスとして意識されそうな半面、23.6%戻しを上抜け出来るようならがサポートラインとして意識される。
まとめると、R2がレジスタンスとして意識され下押しする展開となっている。そのため、一旦戻り基調となったものの、上値の重い展開となっている。そのため、再び20,000円割れとなると、4月22日の安値を意識せざるを得ない。一方で、R2と23.6%戻しを上抜けした際は、3月10日から続いていた23.6%戻し‐38.2%戻し間でのもみ合い相場が予想される。
現状はR2がレジスタンスとなっていることから、投資判断は『売り』または『様子見』となる。ただ、20,000円近辺と低水準で推移していることから、戻り場面では大きな動きとなりやすいので注意が必要となる。
★NY株式市場では、三指数は全て上昇する展開となったうえ、米長期金利がほぼ横ばいだったことで、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。米国4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想外に上方修正されるなど経済指標が警戒されたほど落ち込まなかったほか、一部の州での経済再開を期待し買い先行となった。また、今週前半に急落した原油先物相場が続伸したことで投資家心理が改善し、買いが優勢となった。今週も、1-3月期の米企業決算発表も多くあり、今後も内容次第では乱高下しやすいので注意が必要となる。
今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は41.38から35.93へ低下した。VIX指数が再び低下してきていることから、リスク回避の動きがやや弱まってきている。ただ、未だにVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。今後の米経済指標は悪化の一途となることから、経済指標発表時の動きには注意が必要となる。
NYダウは、5日SMAの23,487ドルと10日SMAの23,606ドルがレジスタンスとして意識されていたが、上抜けに成功した。ただ、上値では2月12日高値29,569ドルと3月23日安値18,214ドルの半値戻し23,891ドルもレジスタンスとなっており、半値戻しが意識されている。現在は、リスク回避の動きが根強くネガティブな材料に強く反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が残っているだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。
NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P500:3.8%~4.0%台、NASDAQ:2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.599%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
20/01/17‐▲3.018%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/8/5-▲4.102%、
20/2/28-▲4.541%、20/3/23-6.017%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・4月23日:▲4.44%⇒4月24日:予想▲3.992%
4月24日のNYダウが続伸したうえ、米長期金利がほぼ横ばいとなったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.599%から▲0.607%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.234%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.110%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.549%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.025%下回った。米国4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想外に上方修正されるなど経済指標が警戒されたほど落ち込まなかったほか、一部の州での経済再開を期待し買い先行となった。また、今週前半に急落した原油先物相場が続伸したことで投資家心理が改善し、買いが優勢となった。市場では『来週に決算発表を控える主力の大型ハイテク株が業績期待から買われ、相場をけん引した』との声も聞かれ、一時310ドル超上げた。もっとも、新型旅客機『737MAX』の運航再開承認が遅れるとの見通しが報じられたボーイングが大幅に下落したことで、NYダウは下げに転じる場面があった。VIX指数は41.38から35.93へ低下した。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.961%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
20/01/17-▲2.990%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/8/5-▲4.002%、
19/8/15-▲4.179%、20/2/28-4.499%
20/3/23-▲6.222%
・4月23日:▲4.055%⇒4月24日予想▲3.989%
S&P500は上昇したうえ、米長期金利がほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.961%から+0.028%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.120%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.013%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲0.190%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲0.510%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.233%下回った。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.597%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/8/15-▲2.383%、
19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094%
・4月23日:▲2.755%⇒4月24日予想▲2.700%
NASDAQは上昇したうえ、米長期金利もほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.597%から+0.103%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.521%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.311%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.202%上回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.103%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.394%下回った。
NASDAQが上昇したうえ、米長期金利がほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。過去のイールドスプレッド上回っていることで、割安感は残っている。しかし、以前ほどの割安感は払拭されてきている。新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。
三指数のイールドスプレッドは、三指数がまちまちの動きとなったものの、米長期金利が低下したことで三指数は前日比で小幅拡大した。原油価格の反発や日銀が追加緩和を検討しているとの報道を好感し、買い先行で始まった。ただ、米医薬大手ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス治療薬候補『レムデシビル』の臨床試験の結果が失敗だったと伝わると、急速に伸び悩んだ。引き続き新型コロナウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。引き続き米国企業の1-3月期決算結果への警戒感も強いため、決算内容次第で上下に振れやすいので注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
★4月20日以降の東京金60分足では、心理的な節目の6,000円を目前にしてもみ合い展開が続いている。ただ下押しも限定的となっており、底堅さも意識される。引けにかけて雲の上限に沿ってじり高となった。雲の上限を上抜けて引けたものの、上値には24時間SMA(緑線)がレジスタンスとして意識される。
NY金先物市場は1725.40-1760.20ドルのレンジ相場となった。英独の経済指標が相次いで弱く、時間外では買いが先行した。もっとも昨日の高値手前では利益確定売りに頭を抑えられ、4月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)確報値が市場予想を上回ったことが分かると安全資産の金は売りに押された。そのまま戻り鈍く大引けしたが、先週終値比では2.2%弱の上昇となった。NY市場では利益確定を狙った売りが優勢となったほか、米国株式の上昇を意識した売りも観測された。
価格帯別出来高では、徐々に出来高の多い価格帯が切り上げってきている。6,000円がレジスタンスとして意識されていることから、上値では利益確定売りが入りやすく上値の重石となっている。一旦6,000円を上抜けすると、値動きが軽くなりやすい。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインがサポートラインとなり横ばいとなっていため、トレンドレスを示している。ただ、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%DがSlow%Dwo上抜け両線とも上向きとなっていることで戻り基調が継続している。
東京金の日足では、上向きの5日SMAと10日SMAの上方に位置していることから、上昇基調が継続している。週明けからも6,000円トライが継続する。NY金も週末の利益確定売りに押されたものの、1700ドル台は維持しており、底固めの動きとなっている。ドル/円相場は、5日SMAの107.60円台を挟んでもみ合う展開が続いているものの、徐々に上値が重くってきている。今週は日米欧の金融政策会合があり、上下に振れやすい展開となる。
心理的節目として意識されている6,000円に届きそうで届かない展開が続いている。そのため、上値の重さが意識される一方で、上抜けし時の売り方からの買い戻しによる踏み上げ相場の期待も残る。
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