FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで5月8日の米国株市場を先取り!

2020/05/08/09:52:36

 

NY株式市場では、三指数は全て上昇したものの、米長期金利が大きく低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割安)した。中国の4月輸出が予想外の増加に改善したほか、米国では半数以上の州で経済活動の一部再開が進展しており、市場ではリスク回避姿勢が後退した。米長期金利の低下も限定的となっていることもあり、三指数とも割安感は薄れてきている。そのため、リスク回避の材料が出ると利益確定売りが出やすい。また、米企業の業績下方修正により、PERが上昇しやすく割安感が薄まる。

 

今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は34.12から31.44へ低下した。VIX指数が30台で推移していることから、過度なリスク回避の動きがやや弱まってきている。ただ、未だにVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。VIX指数が20を割ってくると市場に落ち着きが出たことになる。米中関係の悪化懸念も出始めていることは、株式市場の売り材料になりやすい。

 

NYダウは、5SMA23,779ドルをわずかに上抜けたものの、10SMA23,989ドルがレジスタンスとなり上値を抑える展開となっている。ただ、下値では緩やかに上向きの25SMA23,485ドルが位置しており、サポートラインとして意識される。一方、212日高値29,569ドルと323日安値18,214ドルの半値戻し23,891ドルを下回ったことで、レジスタンスとして半値戻しが意識される。過度な割安感は払拭されてきており、戻りが早いことから一旦の下落調整があっても不思議ではない状態が続いている。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P5003.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P5003.8%~4.0%台、NASDAQ2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.423%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048

                20/01/17‐▲3.018

NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%20/3/23-6.017%

NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

56日:▲3.69257日:予想▲3.718

 

5月7日のNYダウは反発したものの、米長期金利が大きく低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.423%から▲0.705%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.508%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.384%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.823%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.299%下回った。中国の4月輸出が予想外の増加に改善したほか、米国では半数以上の州で経済活動の一部再開が進展しており、市場ではリスク回避姿勢が後退した。また、トランプ大統領が合意打ち切りを警告していた米中貿易協議が、早ければ来週にも電話会談が実施されることが報じられ大きく上昇した。アップルなど大型ハイテク株を中心に幅広い銘柄に買いが入り、一時420ドル超上昇する場面があった。ただ、引けにかけては原油先物価格の失速を受けてやや伸び悩んだ。VIX指数は34.12から31.44へ低下した。

 

10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.664%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%19/8/5-▲4.002%

                19/8/15-▲4.179%20/2/28-4.499

               20/3/23-▲6.222%

56日:▲3.46157日予想▲3.478

 

S&P500は反発したものの、米長期金利が大きく低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.664%から▲0.186%と平均値よりかい離していることで割高になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を▲0.391%下回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.524%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲0.701%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲1.021%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.744%下回った。

 

10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.351%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%19/8/15-▲2.383%

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094

56日:▲2.26257日予想▲2.286

 

NASDAQは上昇したうえ、米長期金利が上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.351%から▲0.065%平均値よりかい離していることで割高になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.107%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して▲0.097%下回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して▲0.212%下回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.517%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.808%下回った。

 

NASDAQが上昇したものの、米長期金利が大きく低下したことでイールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。過去のイールドスプレッドを下回ってきたことから、さらに割安感は払しょくされてきている。ただ、新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。三指数の中での割安感が払しょくされてきている。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が全て反発したものの、米長期金利が大きく低下したことで、イールドスプレッドは三指数ともに拡大した。中国の4月輸出が予想外の増加に改善したほか、米国では半数以上の州で経済活動の一部再開が進展しており、市場ではリスク回避姿勢が後退した。新型コロナウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。

 

PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

カテゴリー: ホットニュース

東京金60分足では120時間SMAがサポート!

2020/05/08/08:39:53

 

★4月27日以降の東京金60分足では、前日夜間取引から上昇基調が強まり一目均衡表の雲を上抜けする展開となった。ただ、引けにかけては上値が重くなったものの、120時間SMA(赤線)がサポートラインとなり下支えする展開となっている。引け間際に雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすい。

 

NY金先物市場は1683.90-1733.20ドルのレンジ相場となった。8日に発表される米4月雇用統計への警戒感が強い中、安全資産の金に買いが入った。4月米非農業部門雇用者数変化は2200万人減と、過去最悪の結果が予想されている。ユーロ安・米ドル高が一服したことや、米長期金利の低下を意識した買いが入り、1700ドル台に反発した後もう超動きを見せた。

 

価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯を上抜け回復したことから、買い方からの『やれやれ売り』を吸収する展開となっている。高値圏で出来高が膨らむかが相場のカギとなる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、レジスタンスとして意識されていたゼロラインを上抜けしており、シグナルとともに上向きを維持している一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、高値圏で%DがSlow%Dを下抜けしてきていることから、上昇の勢いはやや鈍化してきている。

 

東京金の日足では、25日SMAがサポートラインとなり下げ止まった後に上昇基調が強まった。5日SMAと10日SMAがレジスタンスとして意識されていたが、上抜けしたことで短期的な上昇基調を回復した。NY金は、米FRBのマイナス金利導入を織り込む形で米長期金利が低下しことや、米4月雇用統計発表を控えて警戒感が強まったことから戻り基調が強まった。為替市場では、上値を5日SMAや10日SMAがドルの上値を抑え、じり安傾向となっている。パウエル米FRB議長がマイナス金利導入には否定的な見解を示していることから、ドルの下値も限定的となっている。しかし、米国でもマイナス金利を導入するようなら、ドル売りが強まる可能性が高まり、東京金の重石となりやすい。

本日の注目点は、10日SMAの5,859円や5日SMAの5,824円を維持できるかにある。上値トライとなると、三尊天井の様相となる。

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5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米経済指標結果への反応は限定的!

2020/05/08/07:15:20

 

★欧州市場序盤の取引では、一部報道で『早くて来週にでも米中通商交渉の担当者が電話協議を行う』と伝わったことで両国間の関係が改善されることへの期待で、リスク選好による円売りが優勢になった。欧州市場では、主要株価指数が総じて強含んでおりリスク選好的な円売りが継続した。NY原油先物が26ドル台乗せ、NYダウ先物も300ドル超高に反発となる中、リスク選好回復を受けたドル安・円安の流れが持続した。前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも悪い結果となったが、比較対象するものもなく市場の反応は限定的だった。

 

NYダウが一時360ドル超上昇したことなどをながめ円売り・ドル買いが継続した。米長期金利が一時0.65%台まで低下したほか、米2年債利回りが一時0.1388%と過去最低を付けたことを受けて、全般ドルを売る動きが広がった。翌日に米雇用統計の発表を控え、様子見ムードが強まり106.20円近辺で売り戻しが一服し、106.30円前後で動きが鈍った。

 

★欧米主要経済指標

・米・1-3月期非農業部門労働生産性速報値:前期比‐2.5%(予想:前期比‐5.5%、10-12月期:+1.2%)
・米・1-3月期単位労働費用速報値:前期比+4.8%(予想+4.5%、10-12月期+0.9%)
・米・先週分新規失業保険申請件数:316.9万件(予想:300万件、前回:384.6万件←383.9万件)
・米・失業保険継続受給者数:2264.7万人(予想:1980万人、前回:1801.1万人←1799.2万人)
・米・3月消費者信用残高:‐120.44億ドル(予想:+150.00億ドル、2月:+199.18億ドル←+223.31億ドル)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は106.21-66円のレンジ

・トルコの外貨準備高枯渇への警戒感からトルコリラ売り

・英イングランド銀行は現状維持を決定でポンド買い

・米2年債利回りは一時0.1309%と過去最低を付けると全般ドル売り

・米新規失業保険申請件数が予想よりも弱い内容となったが反応は限定的

・VIX指数は34.12から31.44へ低下

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日経225は半値戻しを意識した展開!

2020/05/07/16:12:15

 

★日経平均株価の日足で、2月6日の直近高値23,995.37円と3月19日の直近安値16,358.19円を結んだフィボナッチ・リトレースメントと白銀比率で分析する。

徐々に上値・下値を切り上げながらじり高が継続している。ただ、半値戻りとなる20,176.78円がレジスタンスとして意識されており、4月30日に一旦上抜けしたものの戻り売りや利益確定売りに押される展開となった。

下値では38.2%戻りとなる19,275.59円や白銀比率の29.8%戻り18,634.07円が下値目途として意識されている。

NYダウでも半値戻り近辺でもみ合い相場となっていることから、日経平均でも同様の動きとなっている。

半値戻りは全値戻しと言われるが、一旦の戻り節目としても意識される。そのため、ここからの値動きが重要ポイントとなる。半値戻しの上値の重さが意識されると、再び下値模索の動きになりやすい一方で、一気に上抜け出来ると踏み上げ相場的な上昇になりやすい。

どちらにしても、相場の節目に位置していることには変わらない。

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方向感を欠くメキシコペソ/円の動向!

2020/05/07/13:49:02

 

★足もとでメキシコペソは原油価格や株価動向、投資家のリスク許容度など外部要因に左右される動きが続いており、明確な方向感が見出しにくい状況となっている。新型コロナウイルスの感染拡大抑制策の緩和を受けた経済活動の再開期待が相場を下支えしているものの、その勢いは力強さを欠いており、相場の持続的な買い戻しにはつながらず、方向感を欠いた値動きとなっている。

メキシコペソ/円のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1σ、±2σ、±3σ)日足では、バンド幅が縮小するスクイーズ状態が続いている。そのため、売買が交錯しており相場のマグマが溜まってきている。上値ではプラス1σがレジスタンスとなり、下値ではマイナス2σがサポートしている。

現在は一目均衡表の下に位置しており、上値は雲の下限がレジスタンスとして意識されやすい。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%DがSlow%Dを下抜けしているものの、横ばいとなっておりトレンドレスの状態となっている。

もみ合い相場が長く続けば続くほど、バンド幅が拡張するエクスパンションした時には大きな放れとなりやすい。2月後半からのエクスパンション時と同様の大きな放れとなりやすい。

徐々に雲の下限が近づいてくることで、上値が抑えられるのかが注目される。また、さらにバンド幅が縮小してくる動きになるかも注目点となる。

しばらくもみ合い相場が続くようなら、マイナス2σで買ってプラス1σで売るレンジトレンドが良い。しかし、いずれ上下どちらかに大きく放れるので、ストップロスだけは設定しておく必要がある。

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