FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 108円台の滞空時間短く上値の重さ確認!

2020/04/24/07:23:09

 

★欧州市場序盤の取引では、4月の独仏の予想以上の悪化をきっかけに、欧州株が軟調に推移する中、リスク回避の円買いが優勢となった。NYダウ先物がマイナス圏に沈み、下げ幅を100ドル超安まで拡大するなど、日米株先物のさえない動きも重石となった。欧州市場では、スペインで感染者が増加し、ユーロが全面安となった一方で、欧州株は上昇に転じたほか、NYダウ先物はプラス圏を維持する中、107.60円付近でもみ合う展開となった。NYダウ先物の反落や米長期金利低下を受けてドルはじり安となった。

 

日銀は新型コロナウイルスの感染拡大による経済の急速な悪化を受けて、27日の金融政策決定会合で追加金融緩和策を打ち出す最終調整に入ったとの報道を受けて円売り・ドル買いで反応した。しかし、108円台の滞空時間短く、3月米新築販売件数が市場予想を下回ったことでドルの重石となった。米FRBが金融支援支援策の範囲を広げることを検討との報道もドル売りを誘った。治療薬として期待されていた米のレムデシビルの初回治験に失敗との報道を受け、リスク回避の動きが意識され円買いとなった。引けに掛けて米国株が堅調となったことも後押しされ107.60円台まで反発した。

 

★欧米主要経済指標

・英・4月製造業PMI速報値:32.9(予想:42.0、3月:47.8)
・英・4月サービス業PMI速報値:12.3(予想:27.8、3月:34.5)
・英・4月総合PMI速報値:12.9(予想:29.5、3月:36.0)

 

・米・4月製造業PMI速報値:36.9(予想:35.0、3月:48.5)
・米・4月サービス業PMI速報値:27.0(予想:30.0、3月:39.8)
・米・4月総合PMI速報値:27.4(3月:40.9)
・米・先週分新規失業保険申請件数:442.7万件(予想:450万件、前回:523.7万件←524.5万件)
・米・失業保険継続受給者数:1597.6万人(予想:1673.8万人、前回:1191.2万人←1197.6万人)
・米・3月新築住宅販売件数:62.7万戸(予想:64.4万戸、2月:74.1万戸←76.5万戸)
・米・4月カンザスシティ連銀製造業活動:-30(-37、3月―17)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は107.29-108.04円のレンジ

・ユーロ圏景気の先行き懸念が高まり全般ユーロ売り

・EU首脳会議が支援策の合意なく終了でユーロ売り

・日銀が追加の金融緩和策の最終調整との報道で円売り

・米週次新規失業保険申請件数が442万7000件

・米FRBが金融支援策の範囲拡大を検討報道でドル売り

・レムデシビルの初回治験に失敗との報道でリスク回避

・VIX指数は41.98から41.38へ低下

カテゴリー: ホットニュース

トルコリラ/円の週足では下値模索の様相!

2020/04/23/12:38:36

 

★昨日トルコ中銀は政策金利である1週間レポレートを1%引き下げて8.75%にしたことを発表した。市場予想(9.25%に引き下げ)より大きい下げ幅を受けて、リラ売りが強まったが対円では過去最安値を前に下げ渋った。声明では、リラ安にもかかわらず原油安などによりインフレ見通しが好転していると指摘した。中銀の20年末インフレ予想8.2%を下回る可能性も示唆しており、早期の追加利下げも十分あり得る。

トルコでは新たな新型コロナ感染者数が約3000人増えましたが、増加幅は前日から1600人ほど減少した。今週中に感染者合計が10万人超えとなることは確実視されているが、主要31都市では本日から4日間のロックダウン(都市封鎖)に入るとされ、5月以降の感染状況改善につながるかもしれい。

 

中期トレンドを示すトルコリラ/円の週足では、13週SMA(赤線)26週SMA(青線)52週SMA(緑線)の全てSMAが下向きとなっており、下落基調が続いていることを示している。

また、13週SMAと26週SMAがかい離幅を広げ始めており、下落の勢いが強まっている。

ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)も%DとSlow%Dがかい離幅を広げて両線とも下向きとなっていることから下値模索の展開となっている。

2018年の8月17日週に付けた史上最安値15.30円の時は、価格は最安値に下落したもののストキャスティクスは下値を切り上げるコンバージェンスとなっていた。

史上安値は心理的な節目であって、下げ止まる根拠とはなりにくい。そのため、史上安値を下回ると下値模索の展開が本格化するので、注意が必要となる。また、今日からトルコは祝日に入ることから、流動性が低下するため、フラッシュ・クラッシュ的な動きには警戒する必要がある。

カテゴリー: ホットニュース

東京原油の戻り目途も限定的か!

2020/04/23/10:17:21

 

★昨日東京原油は大幅下落となり15,710円の安値を付けた。しかし、NY原油先物市場が、石油輸出国機構(OPEC)プラスの一部が非公式ながらもテレビ会合を開催したことが伝わり、追加減産への思惑の高まりから下げ止まる展開となったことから、東京原油も戻りを試す展開となっている。

ただ、3月9日の直近安値の20,940円が一旦の上値目途として意識されており、上値が重くなっている。5日SMA(赤線)、10日SMA(黄線)、25日SMA(青線)が下向きとなっていることから、これらのSMAもレジスタンスとして意識される。

一方で、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、低位で%Dが上向きとなってきていることから、戻り場面となっている。

まとめると、OPECプラスによる大幅減産の期待が高まったことで、買い戻しの展開となっているが、減産量が市場の期待を下回るようなら再び大幅下落となりやすい。

また、一部では経済活動の制限が緩和されてきていることから、先行きの原油需要の期待感が高まる。しかし、新型コロナウイルスの有効なワクチンなどは開発されていないことから、再び感染が拡大するようなら、経済活動が再び制限される展開となりやすい。

そのため、東京原油の戻りも限定的となりやすく、レンジ相場の下限の20,940円や5日SMA、10日SMA、25日SMAが上値目途となりやすい。

カテゴリー: ホットニュース

イールドスプレッドで4月23日の米国株市場を先取り!

2020/04/23/09:24:43

 

 

NY株式市場では、三指数は全て反発する展開となったうえ、米長期金利も上昇したことで、イールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。原油相場の反発で投資家のリスク回避姿勢が和らいだほか、米テキサス州など一部の州で経済活動の制限が緩和されたことが好感された。三指数ともに大幅反発したことで割安感が薄れた。さらに、13月期の米企業決算発表も多くあり、今後も内容次第では乱高下しやすいので注意が必要となる。

 

今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は45.41から41.98へ上昇した。VIX指数が再び低下してきていることから、リスク回避の動きがやや弱まった。VIX指数が高水準で推移していることからしばらくはボラタイルな動きが続きやすい。今後の米経済指標は悪化の一途となることから、経済指標発表時の動きには注意が必要となる。

 

NYダウは、下向きに転換した5SMA23,585ドルと緩やかに上向きと維持している10SMA23,592ドルがレジスタンスとして意識され上値を抑える展開となった。そのため、下押しするようなら下値目途として25SMA222,110ドルが意識される。さらに、212日高値29,569ドルと323日安値18,214ドルの半値戻し23,891ドルもレジスタンスとなっており、半値戻しが意識されている。現在は、リスク回避の動きが根強くネガティブな材料に強く反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が残っているだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P5003.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P5003.8%~4.0%台、NASDAQ2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.688%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048

                20/01/17‐▲3.018

NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%20/3/23-6.017%

NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

421日:▲4.221422日:予想▲4.077

 

4月22日のNYダウが大幅反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.688%から▲0.611%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.149%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.025%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.464%下回った。20年3月23日の6.017%から▲1.940%下回った。原油相場の反発で投資家のリスク回避姿勢が和らいだほか、米テキサス州など一部の州で経済活動の制限が緩和されたことが好感された。ムニューシン米財務長官は『米経済は夏の終わりまでには大部分が再開できる』との見通しを示した。トランプ米政権と議会が前日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた中小企業への追加支援策で合意したことも相場の支援材料となった。 引けにかけては上げ幅をさらに拡大した。VIX指数は45.41から41.98へ低下した。

 

10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲4.072%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%19/8/5-▲4.002%

                19/8/15-▲4.179%20/2/28-4.499

               20/3/23-▲6.222%

421日:▲4.277422日予想▲4.117

 

S&P500は反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.072%から+0.045%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.248%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を+0.115%上回った。19年8月15日の▲4.179%を▲0.062%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲0.382%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.105%下回った。

 

10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.679%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%19/8/15-▲2.383%

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094

421日:▲2.920422日予想▲2.772

 

NASDAQは反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.679%から+0.093%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.593%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.389%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.287%上回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.031%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.322%下回った。

 

NASDAQが反発したうえ、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。過去のイールドスプレッド上回っていることで、割安感は残っている。しかし、以前ほどの割安感は払拭されてきている。新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数が全てが反発したうえ、米長期金利も上昇したことで三指数は前日比で大幅縮小した。原油相場の反発で投資家のリスク回避姿勢が和らいだほか、米テキサス州など一部の州で経済活動の制限が緩和されたことが好感された。引き続きウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。引き続き米国企業の1-3月期決算結果への警戒感も強いため、決算内容次第で上下に振れやすいので注意が必要となる。

 

PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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東京金60分足では上昇基調維持も徐々に上値重い!

2020/04/23/08:11:22

 

★4月16日以降の東京金60分足では、雲の上限を上抜け120時間SMA(赤線)を上抜けしたことで、上昇基調は維持している。また、直近安値の5,719円を起点として5,786円を結んだトレンドラインの上方に位置していることも上昇トレンドが継続していることを示している。ただ、引けに掛けてロウソク足が小さくなっており、上昇の勢いは鈍化傾向にある。寄り付き後午前中に雲のネジレがあり、トレンドの反転や加速など相場の節目になりやすいので注意が必要となる。

 

NY金先物市場は1695.40-1742.40ドルのレンジ相場となった。原油相場は下げ渋ったがこのところの不安定な動きが嫌気され、投資家の資金は安全資産とされる金に向かった。また、ニューヨーク市場では主要中央銀行による追加緩和への思惑が浮上したことから、安全逃避の買いが活発となった。金先物は時間外から1700ドル台に乗せ、NY勢参入後も終始買い優勢のまま取引された。

 

価格帯別出来高では、高値圏で出来高が膨らんでいたことから、買い方からの『やれやれ売り』が持ち込まれている可能性が高く、上値の重石となっている。そのため、売りが一巡するまでは、もみ合う展開となりやすい。一方で、下値でも出来高の多い価格帯があり、上値が重くなると利益確定売りが出やすい。大きな戻りとなったが、上値で出来高が膨らむかが焦点となる。

 

MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方で勢いがなくなってきている。また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、買われ過ぎ過熱感が出ているなかやや上値をを切り下げる展開となっている。上昇基調は維持しているものの、徐々に上値追いの勢いが鈍化していることを示している。

 

東京金の日足では、一時5日SMAと10日SMAがレジスタンスとして上値を抑えていたが、一気に上抜けした。そのため、短期的には上昇基調が回復した。ただ、近くて遠い6,000円がレジスタンスとして意識されるため、接近時には利益確定売りや新規の売りが入りやすい。あらためて買い材料が必要となる。NY金は、主要中銀による追加緩和への思惑が広がり、1700ドル台で底堅い展開となっている。新型コロナウイルスの終息が見えないことから、今後も上下に振れる展開が予想される。為替市場では、108.00円がレジスタンスとして意識されており、上値の重い展開となっている。ただ、過度な円高にもならず107円台後半で推移していることから、東京金の下支えとなっている。

本日の注目点は、短期的に上昇基調が回復したことで再び6,000円トライとなり超えられるかが焦点となる。一方で、上値の重さが意識されると、再び5日SMAと10日SMAを下抜ける展開となりやすい。

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