★5月21日以降の東京金60分足では、雲の中で24時間線(緑線:日足では1日線)や72時間線(青線:日足では3日線)がレジスタンスとなりもみ合い相場となっている。先に雲のネジレがあることから、反転や加速など相場の節目となりやすい。
NY金先物市場は一時1299.40ドルまで売られた。週明け米国市場が休場となるため、この日はポジション調整的な売買が主体となった。しかし、米朝首脳会談が6月12日に開かれる可能性が残されているとの見方が広がったことから、リスク回避の金買いはやや後退した。また、スペイン政局の先行き不透明感からユーロが下落したことで金価格の上昇を抑える要因となった。
価格帯別出来高では、出来高の多い価格帯が集中しており、戻り場面では買い方からの『やれやれ売り』が入りやすく、上値の重石となっている。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインの上方からMACDとシグナルがデッドクロスして下落基調となっているが、ゼロラインがサポートラインとなることもあるので注意が必要となる。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、上値・下値を切り下げながら再び下落基調となっている。
東京金の日足では、5日線4573円、10日線4582円、75日線4576円、260日線4579円と4580円前後に集中しており、戻り場面で上値を抑えている。また、一目均衡表でも雲の下限や転換線9日4585円が上値を抑えている。転換線が下向きとなっており、短期的には下落基調を示している。イタリアやスペインの政局が先行き不透明感が強くなっており、ユーロが売られやすい地合いとなり金の上値を抑えやすい。また、米長期金利が低下傾向にあることで、日米金利差縮小となり円が買われやすく東京金にとって上値の重石となりやすい。下値では3月20日安値4438円と4月12日高値4672円の半値押しの4555円がサポートとして意識される。
★欧州市場朝方の取引では、米長期金利が低下に転じたほか、NYダウ先物が上げ幅を縮めたことを背景に売りが強まった。独5月IFO企業景況指数が下げ止まる結果になり、ユーロ買い戻しにつれドル/円をやや押し上げた。欧州株は全面高となり、NYダウ先物はプラス圏を維持しており、リスク回避的な円買いは後退した。ただ、株高にも米長期金利は2.96%台に低下したことでドル買いは手控えられた。米商務省が発表した4月耐久財受注速報値は前月比-1.7%と、1月来のマイナスに落ち込み、予想-1.3%も下回った。変動の激しい輸送用機除いた4月耐久財受注は前月比+0.9%と、伸びは予想+0.5%を上回り、3月+0.4%から拡大。GDPの算出に用いられる4月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)は前月比+0.8%と、3月-0.7%からプラスに改善。予想+0.4%を上回ったことを受け、ドル/円はもみ合いとなった。その後、『スペイン最大野党の社会労働党と、中道右派シウダダノスはそれぞれ、ラホイ首相の元側近が汚職事件で有罪判決を受けたのを踏まえ、ラホイ氏に対する不信任動議を準備している』との一部報道が伝わると、スペイン政治の先行き不透明感からユーロ売りが膨らんだ。ドル/円もユーロ売りにつれてドル売り・円買いにつながった。トランプ米大統領が『6月12日の米朝首脳会談の実現の可能性はまだある』と述べたことが相場の下支え要因となりドル/円は下げ渋った。米長期金利が低下幅を縮小したことが支えとなり戻り基調となった。その後は、メモリアルデーの前営業日で米債券市場が短縮取引となったため、市場参加者が減少し、ポジション調整中心の動きとなった。
『スペイン野党がラホイ首相への不信任動議を準備している』との報道が伝わり、同国の政局に対する先行き不透明感からユーロ円が下落すると、つれてドル売りが進んだ。米長期金利の低下も相場の重石となり、一時109.13円まで下押ししたが、トランプ米大統領が『(北朝鮮との)6月12日首脳会談の実現の可能性はまだある』との見解を示すと下げ渋る展開になった。また、米長期金利が低下一服となったことなども支えとなり、109.50円台まで下値を切り上げた。ユーロ圏では、イタリアに続きスペインまでも政局不透明感が浮上したことで、しばらくはユーロの上値を抑える要因となる。
★Tレート取引とは、ロウソク足が8日指数平滑線(赤線:Tレート)の上に位置していれば買い目線、ロウソク足がTレートの下に位置していれば売り目線となる。タイミング的には上抜け・下抜けした地点が売買タイミングとなる。また、レジスタンスとなり反落、サポートして反転した場合も売買タイミングとなる。そのため、Tレートを一旦上抜け・下抜けしたものの、再び下抜け・上抜けした場合はストップロスしてポジションを手仕舞いすることになる。
ただ、これだけではダマシも多いことから、20日単純移動平均線(青線)を加え売買シグナルの精度を上げる。
Tレートと20日線との位置関係がポイントとなる。Tレートが20日線の上に位置している場合は買い目線となる。また、Tレートが20日線の下に位置している場合は売り目線となる。
ロウソク足がTレートを上抜け、20日線とゴールデンクロスした位置が買い場となる。また、ロウソク足がTレートを下抜け20日線とデッドクロスした位置が売り場となる。
ただし、一旦ゴールデンクロスしても再びデッドクロスするか、その逆でデッドクロスしても再びゴールデンクロスした場合はストップロスしてポジションを手仕舞いすることになる。
また、Tレートの方向も重要なポイントとなる。Tレートが上向きから下向きに反転したり、下向きから上向きとなってきたら反転の兆しとみる。
加えて過熱感を示すストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)などを設定すると、遅行する売買シグナルより早めに過熱感が分かり、最大の利益を出しやすい。
過去の相場の検証をしてみると、①1月30日の場合は、Tレートを下抜けTレートが20日線とわずかにデッドクロスする寸前に相場が反転して上昇し、Tレートが20日線の上に戻った。しっかりデッドクロスするまではこのようなダマシが発生する。この時点でユーロ売りしていたならば、Tレートが20日線の上に戻ったことからポジションは一旦整理する必要がある。②3月13日の場合は、戻り基調のなか一旦Tレートと20日線を上抜けしたものの、Tレートと20日線がゴールデンクロスせずに再び下落基調となった。ただ、ストキャスティクスの%Kが低位から上向きとなったことで一旦は利益確定売りとなる。③4月6日の場合は、Tレートが20日線ゴールデンクロスしたことで買いのタイミングとなる。その後はTレートがサポートラインとなり、上昇基調が継続した。ただ、ストキャスティクス・スローではロウソク足は上昇しているにも関わらず、ジリジリと上値を切り下げるダイバージェンスとなったことから、早めの利益確定売りとなる。④5月2日の場合は、Tレートが20日線を下抜けしたことから売りのタイミングとる。その後もTレートがレジスタンスとなり上抜け出来ずに最終的には20日線がレジスタンスとなって大幅下落した。
現在のユーロ/円の日足では、Tレートが20日線の下に位置している。また、ロウソク足はTレートの下に位置している。さらに、ストキャスティクス・スローは%Kと%Dはやや過熱感が出てきているものの、下向きを継続していることから売り目線が継続している。もっとも、Tレートも20日線も下向きとなっていることで下落基調が継続している。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 1月 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |