FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/26/15:14:01

日経平均株価:万博開催地が大阪に決まったことを好感

2025年の万博(国際博覧会)開催地が大阪に決まり業績改善が期待できる建設株など内需関連株の買い優勢となった。海外短期筋の先物買いや中国・上海株などアジア株上昇も投資家心理の改善につながった。結局、前週末比165円高の2万1812円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:米年末商戦が好調なことからドル買い優勢

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅拡大に支えられ、一時113.29円まで上昇した。米感謝祭翌日の『ブラックフライデー』におけるネット販売での売上高が、過去最高を記録したこともドルの押し上げにつながった。午後は、株価をにらみながら113.20円を中心とした狭いレンジで取引された。週末に開催される米中首脳会談のイベントを控え、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、先週末の海外時間に下落した反動から利益確定などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.1350ドル近くへじり高となった。

 

豪州議会の不安定が続く:政治的リスクで豪ドルの上値も限定的

豪州では、24日に投開票された豪ビクトリア州議会(定数88)選挙で、与党・労働党が予想以上に議席を伸ばして大勝した。アナリストの間では、半年以内に行われる国政選挙を前に、自由党と国民党の保守連合にとって警鐘を鳴らす結果との指摘が出ている。 ビクトリアは人口が2番目に多い州で、今回の選挙は国政で連立政権を担う保守連合に対する有権者の支持を測るものと位置づけられた。 保守連合はターンブル前首相の議員辞職に伴い10月から連邦下院の議席が過半数に届かない少数与党となっている。

 

英国議会を通過するまでは合意なき離脱のリスクが残る

メイ英首相は、離脱協定と政治宣言案についての議会採決をクリスマスまでに取ると表明した。離脱強硬派の反発等により、現状は英下院の実質過半数320の賛成票を取り込むのは難しいとされている。ただし、『合意なき離脱』による経済的混乱への恐れは与野党の多くの議員が持っており、票の行方は今後メイ首相がいかに世論を見方につけることができるかにかかってきそうだ。

 

月末の米中首脳会談次第では来週の相場は波乱含み

『米中貿易戦争』は中国の景気減速だけでなく、米国自身の景気への影響も出始めている中、月末には米中首脳会談が予定されている。米国はこれまでに500億ドルの中国からの輸入品に25%、2000億ドルの輸入品に10%の関税を課すことを決定し、実施している。現在の米中首脳会談では、2000億ドルの輸入品を1月から25%に引き上げる予定を、現在の10%に据え置く一時『休戦』となるかが最も注目されている。ただ、最悪のシナリオとしては、米中首脳会談が物別れに終わり、新たに2670億ドルの輸入品に関しても果然を付加することである。その際は、一部の貿易摩擦緩和の期待感が剥落し、リスク回避の株安・円高地合いとなりやすい。

 

米2年債とドル/円相場:ドル反落リスクは時期尚早

1980年代以降の過去実績として、米2年債金利の前年比プラス化が維持されている限り、翌年もかけての利上げ継続とドル/円でのドル高トレンドが持続するパターンが繰り返されてきた。反対に米2年債金利のが前年比マイナスに転じてくると、翌年にかけての利上げ打ち止めとドル/円でのドル反落が遅行観測されてきた。昨年末の2年債金利は1.883%だったことから、現状ではドル反落リスクは時期尚早となっている。FRBなどの金融政策に敏感な2年債の金利が低下し始めると、利上げの打ち止めや休止などが市場に織り込まれ始め、その後遅行してドルが反落するパターン。

 

欧米イベント

○18:00   11月独Ifo企業景況感指数(予想:102.3)
○18:00   プラート欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○23:00   ドラギECB総裁、欧州議会で演説
○27日03:00   米財務省、2年債(390億ドル)入札
○27日03:30   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○20カ国・地域(G20)財務相代理会合、財務相ワーキングディナー(アルゼンチン・ブエノスアイレス、29日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/22/15:15:02

日経平均株価:全般ディフェンシブ株がけん引

前日の米株式市場でハイテク株高を好感した買いが先行し一時上げ幅を150円超に広げたが、世界減速懸念に売りが優勢となり一時下げに転じる景気動向に左右されない医薬品関連株への買いが全体相場を支えた。結局、前日比139円高の2万1646円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米国の感謝際を控え全般様子見ムード

ドル/円は、日経平均株価の上げ幅が一時150円を超えたことに支えられ、一時113.13円へ上昇した。しかし、FRBの利上げ打ち止め観測が浮上しており、上値を追う動きは限られた。その後は、日経平均株価の失速や中国株安をながめて持ち高調整などのドル売り・円買いが入り112.96円まで下げた。午後は、株価をにらみながら113.00円を挟んでもみ合いとなった。本日は米国が感謝祭で休場のため、積極的な売買は手控えられた。ユーロ/ドルは、1.1395ドル前後で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

混迷を深める欧州問題

欧州については、欧州委員会が本日、イタリアの2019年予算案に関する制裁手続きの開始を勧告する予定であり、今後の両者の対立再燃による金融市場への影響が改めて注目される。一方、ブレグジットをめぐっては、メイ英首相への保守党党首不信任の動きはまだ限定的にとどまっているようだ。ただ、スペインのサンチェス首相が、ジブラルタルに関する条項修正なければ英離脱合意案に反対する、と主張しており、ブレグジットの前途が混迷の度合いを増す可能性が懸念される。

 

来年にかけてリスク資産の圧縮の可能性も

経済協力開発機構(OECD)は21日、世界経済が急激な減速に見舞われた場合、中央銀行には手段が残されていないため、減税と財政出動が必要になるとの見方を示した。OECDは世界の経済大国が財政出動で協調する用意が必要と主張しているようだが、財政支出の拡大を好まない欧州と米国の立場は大きく異なっている。中国の対応が注目されるが、需要を創出するために大規模な財政出動を行うことはないだろうとみられている。 また、報道によると、OECDのチーフエコノミスト、ローレンス・ブーン氏はインタビューで、『(経済の)軟着陸の予定が実際はより急激な景気悪化となった場合は、協力が必要だ。マクロ政策の道具箱にはあまり武器が残っていないからだ』と答えている。市場関係者の間で2019年の世界経済は予想以上に減速するとの思惑がすでに広がっているようだが、『世界経済の先行きが不透明であることから、リスク資産を一定の水準まで圧縮する動きが広がることは不思議ではない』と指摘している。

 

米中貿易戦争が長引くと中国リスクをはらむ

米中『貿易戦争』が本格化した場合の経済効果は、圧倒的に中国に不利となるという。むろん、中国は金融・財政による政策総動員で景気悪化を回避すべく裁量的な金融緩和に加え、インフラ投資拡大や所得税減税など積極財政に踏み切り、人民元安を容認し米国の関税に伴う需要減少分を吸収している。中国は17年以降、経済安定化の一環として、①民間企業の債務削減(デレバレッジ)、②非効率な国有企業の改革—等に乗り出し、一定の成果を上げてきたが、トランプ政権が仕掛けた米中『貿易戦争』で景気が減速、否応なく政策転換を余儀なくされた。
もっとも、政策総動員による金利上昇が債務水準の上昇となって副作用をはらみつつある。国際決済銀行(BIS)資料によれば、中国政府の債務比率は対GDP比50%と現時点では危険水域とは言い難い。しかし、過剰債務体質は金利上昇に脆弱であり、5年程度で対GDP債務水準が300%を超える可能性が懸念される。米中『貿易戦争』激化はそうした債務比率上昇となって資本流出リスクを高め中国経済及び株価に試練となる。

 

米国にも貿易戦争の返り血が降りかかりつつある

米国経済及び米国株に米中「貿易戦争」激化の返り血が降りかかりつつある。18日閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)で通商問題を巡る米中の溝が改めて浮き彫りになり、貿易交渉への不透明感や住宅指標落ち込みが投資家心理を冷やし19日、20日の米ダウ平均はそれぞれ前週末比395ドル安、前日比551ドルの大幅安を余儀なくされた。特に、ハイテク株のシンボルであるアップル株が10月高値から下落率が20%を超え、高値から2割下落は『上げ相場』終焉、『弱気相場』の足音が忍び寄りつつある。アルファベット(グーグル)も7月高値からすでに下落率が20%に到達、米株高を牽引してきた『GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)』4銘柄すべてが『弱気相場』入りの様相を呈する。米WSJ紙(19日)電子版は『(アップルの)3機種の新製品全てで生産発注を減らした』と報じて前週末比の下落率が一時4%超へ広げ、フェイスブックやアマゾンも3-5%下落、ナスダック指数は前週末比3.0%安と急落し4月下旬以来約7ヶ月ぶり安値に沈んだ。

 

欧米イベント

○16:45   11月仏企業景況感指数(予想:104)
○17:15   7-9月期スイス鉱工業生産指数(予想:前年同期比6.2%)
○21:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(10月25日分)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:6.50%で据え置きと6.75%に引き上げで拮抗)
○24:00   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲3.0)
○23日01:30   バイトマン独連銀総裁、クノット・オランダ中銀総裁、ビスコ・イタリア中銀総裁が会合に参加
○23日02:00   メルシュ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23日05:55   サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○米国(感謝祭)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/21/15:18:16

日経平均株価:前日の米国株安を受けて軟調

前日のNYダウ551ドル安の大幅続落を受けて投資家のリスク回避姿勢が強まり売りが先行し、一時下げ幅が300円超へ広がった。しかし、半導体関連株などに押し目買いが入って下げ渋る展開となった。結局、前日比75円安の2万1507円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円の戻りも限定的

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ、112.93円までじり高となった。米長期金利が時間外取引で3.07%付近へ上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、心理的節目の113.00円に接近すると上げは一服した。午後は、日経平均株価や上海総合株価指数をにらみながら112.80円台を中心とした狭いレンジ内の展開となった。22日は、感謝祭で米国市場が休場となるため、積極的な取引は手控えられた。ユーロ/ドルは、欧州委員会が2019年度のイタリア予算案に対する最終判断を発表する予定となっており、結果を見極めたいとの様子見ムードが強まり1.13ドル台後半で動意は乏しかった。

 

エネルギー関連商品の急落はヘッジファンドへも影響

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版などによると、商品ファンドの『オプションセラーズ・ドットコム』がエネルギー相場で大きな損出を出し、創業者のジェームズ・コルディエ氏がユーチューブに謝罪するビデオメッセージを出した。11月第3週に天然ガスやWTI原油先物が急落する中、プットオプションを売る戦略が裏目に出た。ブルームバーグは全資産が失われたとしながら、推計でその額を1億5000万ドルと報じた。WSJによれば290名の顧客に影響が及ぶ可能性がある。オプションセラーズはCFTCに商品投資顧問業者(CTA)として登録されており、ホームページに残された記録から最低25万ドルから同ファンドに投資できる。WSJによればホームページの内容は全て削除されており、どのくらいの資金が費やされたかは不明。市場からは『恐らく天然ガスのオプションでレバレッジをかけて裸で売って運用資産を全て飛ばしたのだろう』との指摘がある。CMEグループによれば14日にエネルギー関連の先物・オプションの1日の取引量は510万3881枚となり、これまでの過去最高を更新した。天然ガス先物の建玉は160万2673枚で前日に記録した過去最高水準を連日更新した。オプションセラーズ・ドットコムの高リスクな取引がエネルギー相場の急変に影響した可能性があるのなら、足もとでエネルギー相場の高ボラティリティな展開が収束する余地があるのかもしれない。

 

カショギ氏の事件で再びトルコと米国の溝深まるとトルコリラの重石

トルコリラ/円は20.90円前後で推移している。昨日は約3%下落したトルコ株価指数を嫌気し、リラ円も21円前半から20.60円近辺まで急落した。欧州序盤にアルバイラク・トルコ財務相が『来月発表される10月経常黒字は過去最高になり、11月インフレ指標はポジティブ』との見解を示したが、リラの支えにはならなかった。トルコのサウジ領事館で殺害された反体制派カショギ氏の事件について、ムハンマド・サウジ皇太子が指示したかどうかにかかわず、トランプ米大統領はサウジとの関係維持を表明した。トルコは真相究明に努めており、トランプ大統領の態度にエルドアン・トルコ大統領が意を唱える可能性はある。トルコと米国間に再び溝ができるようであれば、トルコリラの重しにもなりそうだ。

 

欧米イベント

○17:00  10月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.5%/前年比5.1%)
○21:00  MBA住宅ローン申請指数
○22:30  9月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○22:30  10月米耐久財受注額(予想:前月比▲2.5%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○22:30  前週分の米新規失業保険申請件数(予想:21万5000件)
○24:00  10月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.1%)
○24:00  10月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.0%/年率換算520万件)
○24:00  11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:98.3)
○22日00:15   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○22日00:30   EIA週間在庫統計
○欧州委員会、伊予算案に対する最終判断
○米財務省2年・5年・7年債、インフレ指数連動2年債入札条件

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/20/15:25:51

日経平均株価:短期筋による先物への売りが重石に

前日のNYダウ395ドル安の大幅反落やハイテク株安が投資家心理を冷やし売りが先行した。昼休み中に上海株が下げ幅を広げて海外短期筋による先物への売りが増え現物株を押し下げた。結局、前日比238円安の2万1583円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は112円半ば近辺での値動き

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りや日経平均株価の下げ幅縮小に支えられ一時112.66円まで上げた。しかし、先週末に伝わったFRB当局者によるハト派的な発言で、米金利先高観が後退しており、上値を追う動きは限られた。損後は上海総合株価紙数の下落をながめて利食い見られ、112.60円を挟んでもみ合いとなった。午後は、株価をにらみながら112.50円台を中心にした狭いレンジでの展開となった。ユーロ/ドルは、1.14ドル台半ばで方向感に乏しい値動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

英国のEU離脱の課題や問題がポンドの上値を抑える要因

報道によると、英国のグレッグ・クラーク民間企業・エネルギー・産業戦略相は19日、英国の欧州連合(EU)離脱後の移行期間について、必要があれば延長を要請する可能性があると述べた。英国は2019年3月29日にEUを正式に離脱する予定だが、移行期間は2020年12月末までの期間となる。英BBCのラジオ番組でクラーク氏は『望めばわれわれの判断で要請することになる』と発言した。一部で指摘されている移行期間の2022年までの延長される可能性について否定しなかった。 なお、一部報道によると、アルトマイヤー独経済相は19日、英国のEU離脱を巡り英国とEUが合意した離脱協定案について、同案に反対する英議員がより受け入れやすい内容に修正するために再交渉することはない、と述べている。識者などは、アルトマイヤー氏の発言(見解)はメイ首相の政治的な立場を強化する可能性があると指摘している。ただ、英首相が交替しても離脱問題が解決されるわけではなく、英国のEU離脱に関連するいくつかの問題・課題がすみやかに解決される保証はないとみられている。外為市場では、ポンド相場の反発を抑える要因としてしばらくの間は意識されることになりそうだ。

 

 

欧州委員会は21日に伊予算案の見解を公表

欧州市場では、イタリア予算案を巡る混迷への警戒が続いている。巨額な財政赤字を計上する伊19年予算案に対し、EUの欧州委員会は21日に見解を公表する予定となっている。すでに16日には『欧州委が制裁を科す手続きに入るよう勧告方向』と報じられており、予算案の承認見送りや制裁、一方での伊政権の反発などがユーロ安やリスク回避の円高要因として注視される。その反面、伊予算案問題については、一旦の織り込みも進捗してきた。21日に欧州委が条件付きで承認したり、判断延期、欧州委と伊政権の一定の歩み寄りなどがあると、材料出尽くしもあってユーロが買い戻される余地をはらむ。

 

FRBの利上げ鈍化思惑や米長期金利上昇一服でリスク回避の動きも後退

米国では原油急落や中間選挙に伴うネジレ議会化と追加減税などの難航リスクがインフレと景気の下押し要因として警戒されており、今週はFRB幹部の発言や米国の経済指標などが注視されやすい。一方で米債金利の一旦の頭打ちは、裏表で米債価格ベースでの底入れと日本勢などによる米債押し目買いを後押しさせる。需給面でドルの下支え要因となるものだ。米10年債金利は前回、5月17日にかけて3.12%方向に上昇したあと、8月末にかけて金利低下と横這い化が続いた。当時のドル/円は5月30日の108.11円前後まで米債金利低下=ドル安となったが、その後は緩やかなドルの下限切り上がりとレンジ安定化へと移行している。同時にFRBの利上げ鈍化思惑や米債金利の上昇一服は、米国や新興国などの株価と景気の下支え要因となり得る。過度なリスク回避に歯止めを掛けることで、クロス円では外貨高・円安、あるいは円高歯止めを支援しやすい。

不安定な米国株から対中貿易交渉の一旦の妥協も

トランプ米大統領は16日、中国が米中の貿易不均衡を是正するため、142項目の行動計画リストを米側に提示したと語った。トランプ氏は『完成度が高い』と評価しており、中国がさらなる米中の貿易戦争を回避するために歩み寄った可能性がある。一方で18日に閉幕したAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議では、米中の対立応酬から首脳宣言の採択が断念されたほか、代理出席したペンス米副大統領は痛烈な中国批判を展開した。米国による中国からの一段の譲歩引き出し戦略もあり、11月末までは米国による追加制裁の示唆を含めた脅し恫喝のリスクが残る。その反面、米国では貿易摩擦懸念が株安と景気減速へと本格伝播しつつあるほか、中間選挙でのネジレ議会化を受けて、トランプ大統領が検討してきた追加減税などの景気刺激策には難航リスクが高まってきた。トランプ氏からすると、世論支持率で大事な『米国株の安定化』と『景気の改善持続』に対する配慮により、表向き自らの勝利と成果をアピールしながらも対中国貿易交渉での一旦の妥協余地は残されている。

 

欧米イベント

○16:00   10月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
○17:20   ロウRBA総裁、講演
○17:30   10月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.7%)
○19:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、カンリフBOE副総裁、ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、サンダース英MPC委員、議会証言
○22:00   10月ロシア失業率(予想:4.7%)
○22:30   10月米住宅着工件数(予想:122万5000件、前月比2.0%)
        建設許可件数(予想:126万件、前月比▲0.8%)
○24:00   バイトマン独連銀総裁、講演
○ブラジル(黒人意識の日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/11/19/15:14:46

日経平均株価:米中貿易摩擦の改善期待で買い優勢

前週末のNYダウが123ドル高の続伸や米中『貿易摩擦』改善期待から買いが先行し、一時上げ幅を170円強まで広げた。ただ、為替市場で1ドル=112円台の円高を嫌気した輸出関連株への戻り待ちの売りが重石となった。結局、前週末比140円高の2万1821円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:週明けは狭いレンジ内での値動き

ドル/円は、日経平均株価の反発に支えられドル買い・円売りが入り112.80円近辺まで上げた。しかし、週末に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、首脳宣言の採択が断念されるなど、米中通商問題の先行き不透明感から上値を追う動きは限られた。その後は、前週末に伝わったFRBメンバーによるハト派的な発言が意識され、米国金利の先高観が後退するなかで持ち高調整のドル売り・円買いが入り112.65円近辺まで押された。午後は日経平均株価や上海総合株価指数の動向をにらみながら112.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、予算案を巡るイタリア政府とEUとの対立を警戒したユーロ売り・ドル買いが持ち込まれ1.1395ドル近辺まで値を下げた。

 

原油高などで日本の貿易2ヵ月ぶりの赤字

財務省が朝方発表した日本10月貿易収支(通関統計)は4493億円の赤字となり、市場予想の700億円の赤字幅から拡大し、2ヵ月ぶりの赤字となった。自然災害で前月落ち込んだ輸出は増加に転じたものの、原油高に伴うエネルギー輸入額などが影響した。

 

ポンドは英国の政治動向をにらんで神経質な動きに

英国とEUは13日に離脱案について実務レベルで合意し、メイ首相は14日に緊急閣議を開いて離脱案について協議を行った。これまでに交渉が難航した要因であるアイルランドの国境問題は、新たな貿易協定が結ばれるまでは英国全体が暫定的にEU関税同盟に残ることで合意した。2020年7月まで貿易協定が結ばれなかった場合、英国内から北アイルランドに運ばれる品物について、EUの基準に見合っているかどうかを英当局がチェックすると定められた。閣議は離脱案について5時間にわたり協議し、最終的に承認された。 離脱案は25日に開かれる臨時のEU首脳会議で承認された後、英議会での承認待ちとなる。議会で否決されれば、『合意なき離脱』、内閣総辞職、再選挙というシナリオになる可能性もあり、メイ首相はこれから議会承認に向けて政治生命を賭けて与党内反対派の説得に取り組むことになる。先週、ラーブ英EU離脱担当相が辞任するなど、離脱案をめぐって与党からも『妥協しすぎ』と批判の声も多い。また、労働党やスコットランド国民党(SNP)も既に反対の姿勢を見せており、北アイルランド統一党(DUP)も合意内容に懸念を示している。これからは離脱合意に向けて、英国内の政治動向に睨んで、ポンドが神経質な動きとなりそうだ。

 

イタリアの財政問題も長引く可能性も

イタリアのデキマイオ副首相兼経済発展相は政府が2019年予算案を巡りEUの行政機関である欧州委員会との対話の用意はあるものの、欧州委はイタリアに対し成長てこ入れに向けた費用の削減を求めることはできないと述べた。同副首相は伊紙コリエレ・デラ・セラのインタビューで、『我々は無駄な支出を大幅に削減する用意がある。最終的には赤字拡大防止策の用意もある。しかし、今回の予算案に盛り込まれた大きな改革を維持する必要がある』と語った。また、政府が不動産の一部売却に同意するとの考えをあらためて示した。

 

米国債の売り越し幅が4月来の少なさ:米利上げ観測に変化も

16日にクラリダ米FRB副議長が利上げに慎重な姿勢を示したことで、米長期金利低下とドル安地合いとなった。米景気のピークアウト感が台頭しつつあり、13日時点の投機筋の米国債売り越し幅は33万枚と4月来の少なさとなった。まだ売り越しとなっているものの、米国の利上げ継続を前提とした取引は明らかに基調が変わってきた。先行き日米金利差の拡大を前提としたドル高市内路も懐疑的な見方が増えてきている。

 

欧米イベント

○18:00   9月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○19:00   9月ユーロ圏建設支出
○24:00   11月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:67)
○20日00:45   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、講演
○メキシコ(メキシコ革命記念日)、休場

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