FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2019/04/19/15:27:40

日経平均株価:市場参加者少なく買い一巡後は上値の重い展開

米個人消費の改善から、前日の米国株高や弱含みの円相場など外部環境の落ち着きを好感し、景気敏感株を中心に買いが先行した。米中通商交渉の進展期待に加え、個別で任天堂や同社の関連株が急伸したことも市場のムードを明るくした。ただ、イースター休暇入りで海外勢の動きが鈍っていたことや、週末を控えていることもあり、後場は様子見ムードが強まった。結局、110円高の2万2200円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:市場参加者少なく値幅が小さい

ドル/円は、イースター休暇で取引参加者が非常に少なく、東京市場の値幅も0.11円程度と動きのない展開となった。この後の海外時間でも流動性が低下してくるので、値動きは期待出来そうにない。ただ、突発的なニュースには警戒が必要となる。ユーロ/ドルは、一時1.1243ドルまでやや強含展開となったが、持ち高調整の範囲に過ぎない展開となっている。

 

昨日の欧米市場はやる気のない為替市場

昨晩はイースター休暇を控えている欧州勢と、週末はグッドフライデーでほとんど市場に参加する気がないNY勢にとっては、ユーロ/ドルやポンド/ドルの下抜けを狙った以外は何もすることのない相場となった。ドル/円も昨晩の米3月小売売上高や米新規失業保険申請件数が予想を大幅に上回る強い数字になったものの、112.02円までの上昇止まりとなった。一方で米4月PMI速報値が予想を下回る結果となったにも関わらず111.84円までの下押しで終わった。市場では『112.00円のオプションも消滅している』ことから、かなりのサプライズ材料がなければ動かない状況となっていた。ただ、今晩の欧米市場は市場参加者が少ないだけに、アルゴリズムの監視のもとフラッシュ・クラッシュが起きやすい環境下にあることには警戒が必要となる。

 

英国がEU離脱しても事業縮小や撤退は考えず

4月のロイター企業調査によると(4月3-15日、回答社数237社)、英国のEUら遺脱問題に関して、英国に関連する事業を行っている日本企業の9割が事業縮小や撤退は考えていないと回答した。サプライチェーンの見直しを検討している企業も16%にとどまり、EUの一般データ保護規制に対して準備を進めている企業は2割だった。また、『事業拡大』との回答は3%あった。

 

欧州系銀行の経営環境は一段と厳しく

巨象ドイツ銀行の負の遺産たるや膨大な規模に膨らみ、未だ処理できないままコメルツ銀行との合併観測がくすぶっている。再編を通じてリストラに踏み切るしか、信用回復の道はなく、それでもかつての最盛期の姿に復元することは出来ない。銀行業そのものが『斜陽産業』へと陥落しつつあるからだ。18年半ば、仏ソシエテ・ジェネラルと国境を越えた合併観測が浮上した伊ウニクレディトは、不良債権の重荷に青色吐息の経営が続くも合意には至っていない。不良債権比率こそ7.7%へ縮減したが、不良債権額が中核資本の8割を超える。貸し込む東欧で危機が起きれば、資本不足に陥りかねない。さらに、イタリアはポピュリズム(大衆迎合主義)政党が政権を担い、財政リスクが再燃すれば伊国債利回り上昇で伊系銀行は保有国債の毀損が進む。伊系銀行の国債保有比率は18年9月に45%へ拡大、金利上昇は多額の含み損に直結する。
英国EU(欧州連合)離脱問題がイタリア政権与党の欧州「懐疑派」を刺激、仏ソシエテとの再編はいよいよ困難視される。

 

米国の経済成長鈍化懸念を払拭する小売売上高結果

米商務省が発表した3月の小売売上高は前月比+1.6%と、ネガティブサプライズとなった2月の-0.2%からプラスに改善した。伸びは2017年9月来で最大を記録し、消費鈍化懸念が後退した。通常は年末商戦が活発化する12月の小売りが予想外のマイナスに落ち込み、下落率が2009年来で最大を記録したほか、2月分も再びマイナスに落ち込んだため、米国経済の成長鈍化懸念が一時浮上していた。
国内総生産(GDP)の算出に用いられるコントロールグループと呼ばれる自動車、建材、給油、食品を除く小売りは前月比+1.0%と、2月の-0.3%からプラスに改善した。市場予想の+0.4%を上回った。3月の貿易赤字が予想以上に縮小したことに加えて、1-3月期国内総生産(GDP)の成長を押し上げる材料となる。アトランタ連銀は17日に1-3月期GDPの成長予想を2.4%に引き上げたことに続いて、3月小売りの強い結果を受けて、さらに2.8%まで引き上げた。米銀大手JPモルガン銀も予想を従来の+2.1%から+2.9%へ引き上げた。

 

欧米イベント

○21:30     3月米住宅着工件数(予想:123.0万件、前月比5.9%)
        建設許可件数(予想:130.0万件、前月比0.7%)
聖金曜日の祝日(グッドフライデー)でインド、ドイツ、スイス、スウェーデン、ノルウェー、南アフリカ、英国、カナダ、メキシコ、ブラジルなど休場。米国は株式・債券・商品市場が休場。

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/04/18/15:26:02

日経平均株価:連休控え利益確定売りに押される

前日までの5日続伸で約4ヵ月ぶりの高値圏にあり過熱感が出ていた。そのため、米国市場のイースター連休を控え海外投資家の利益確定売りに下げ幅を広げ、一時下げ幅を210円まで下落した。結局、前日比187円安の2万2090円と6日ぶりに反落して終了した。4月第2週の海外投資家は1214億円の週連続の買い越しとなった。

 

東京外国為替市場:国内輸出企業からのドル売りが継続で上値重い

ドル/円は、高値圏が続いていることで国内輸出企業からのドル売り・円買いが継続的に入り、111.90円付近まで下落した。米財務省の為替報告書で日本の為替操作国再認定を警戒した動きもあった。午後になってもこの流れが続いたが、下押しが限られるとファンド勢のショートカバーやロングメイクなどでドルを買い戻す動きも見られ、111.90円前後で一進一退となった。ユーロ/ドルは、明日から始まる連休を前に持ち高調整のユーロ買い・ドル売りに押し上げられて、1.1300-05ドルに水準を切り上げた。

 

景気次第で消費増税の『再々延期』の可能性も

自民党の萩生田光一幹事長代行は18日のインターネット番組で、10月予定の消費増税について「次の6月の日銀短観をよく見て、これは本当にこの先危ないぞという所が見えてきたら、崖に向かってみんなを連れて行く訳にはいかず、そこは違う展開がある」と景気次第で消費増税の「再々延期」の可能性もあり得るとの考えを示した。

ちなみに4月ロイター短観では、製造業の景況感がさらに悪化した。DIは前月比2ポイント低下のプラス8と2016年9月以来の低水準に落ち込んだ。景況感の悪化は6ヵ月連続となった。中国経済の減速などの影響が色濃く出ている。非製造業DIは前月比2ポイント改善したものの、プラス24にとどまり2月に大きく悪化した後の反発力は弱い。人手不足に伴うコスト増などが足を引っ張っており、いずれの業種も全円までの勢いは見られない。

 

英国では新党ブレグジット党が支持率トップ

欧州連合(EU)が5月23日から26日に実施する欧州議会選挙に英国が参加する場合を想定した世論調査の結果が17日に公表された。発足間もない新党「ブレグジット(英EU離脱)党」が27%の支持を獲得した。メイ首相率いる与党・保守党を引き離してトップとなった。最大野党の労働党が22%の支持を集めて2位となり、保守党は15%で3位だった。調査会社ユーガブが15、16の両日、英国内の成人1855人を対象に調べた。
英国は3月末にEUから離脱する予定だったが、メイ首相が準備不足を理由に延期を要請した。EUが10月末までの先送りを決めたため、有権者の間で政府・与党に対する不満が高まっている。この状況で解散総選挙となると、保守党が惨敗する可能性が高いことから、自ら墓穴を掘る解散総選挙は回避されそうだ。

 

今晩ロシア疑惑総裁の報告書に関する質問に答える

米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、ウィリアム・バー米司法長官は米東部時間18日午前9時30分(日本時間午後10時30分)に記者会見を開き、ロバート・モラー特別検察官が提出したロシア疑惑捜査の報告書に関する質問に答える。司法省によると、約2年前にモラー氏を特別検察官に任命し、捜査を監督したロッド・ローゼンスタイン副長官も出席する予定となっている。バー氏は 400ページ近い報告書について、編集を加えたものを18日に公表すると言明している。バー氏と側近はここ3週間、報告書を精査して機密性の高い情報など一部を塗りつぶす作業にあたってきたという。

 

米国市場では3月小売売上高が公表

2月実績は前月比▲0.2%と減少した。食品や建築資材で落ち込みが目立った。3月については前月比+0.8%と、2月に減少した建材、食品、飲料店、電気製品の売上高が反動で増加するとみられている。雇用や所得閑居うは特に悪化していないことから、全体的な売上高はプラスとなる見込み。昨年12月は予想外に落ち込んだ(前月比▲1.6%)ことから、引き続き個人消費の動向が材料視される。市場の予想に沿う結果となった場合、株高・ドル高の相場展開となる可能性が残る。

 

米国市場では4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が公表

米4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(景況調査)は11.0と、3月の13.7をやや下回る見込みとなっている。今年2月には約3年ぶりにマイナスとなったことから、指標の下振れが警戒されている。

 

欧米イベント

○15:00   3月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○16:15   4月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:50.0)
○16:15   4月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.8)
○16:30   4月独製造業PMI速報値(予想:45.0)
○16:30   4月独サービス部門PMI速報値(予想:55.1)
○16:30   3月スウェーデン失業率(予想:6.6%)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:47.9)
○17:00   4月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:53.2)
○17:30   3月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.3%/前年比4.6%)
      英小売売上高指数(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.3%/前年比4.0%)
○21:30   2月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.2%)
○21:30   3月米小売売上高(予想:前月比0.9%/自動車を除く前月比0.7%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:20.5万件/172.0万人)
○21:30   4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:10.4)
○22:00   3月ロシア失業率(予想:4.9%)
○22:45   4月米製造業PMI速報値(予想:52.8)
○22:45   4月米サービス部門PMI速報値(予想:55.0)
○22:45   4月米総合PMI速報値
○23:00   3月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.4%)
○23:00   2月米企業在庫(予想:前月比0.4%)
○19日01:10   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○米司法省、トランプ政権のロシア疑惑についての捜査報告書公表
○米財務省2年、5年、7年債入札条件
○米債券市場は短縮取引(聖金曜日の前営業日)
○ノルウェー、メキシコ(聖木曜日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/04/17/15:25:06

日経平均株価:中国の経済指標改善を好感した買い

中国の経済指標が回復基調を示したことで投資家心理が改善し、海外短期筋の先物買いなどに輸出関連亜k部中心に幅広い銘柄が上昇した。一時上げ幅を100円超に広げた。ただ、上海総合株価指数の上昇が一服するなど積極的な買い材料に乏しく、買い手控えの雰囲気も広がった。結局、前日比56円高の2万2277円で5日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:上値では国内輸出企業のドル売り

ドル/円は、日米物品貿易協定交渉(TAG)の重要イベントを終えた安心感からドル買い・円売りが入り112.16円付近までじり高となった。ストップロスを狙った海外短期筋によるドル買いも押し上げ要因となった。しかし、高値圏では国内輸出企業のドル売り・円買いが継続的に持ち込まれ111.95円付近まで値を下げた。午後は、実需売りが一巡すると、111.90円台を中心にもみ合う展開となった。ユーロ/ドルは、午前中に発表された中国経済指標が予想外にも底堅さを見せたことで、ユーロ買い・ドル売りが入り1.1310ドル付近まで切り上げた。

 

市場の円安目処は112円台半ば:かなりの円安材料が必要

市場では『1ドル=112.50円近辺が節目として意識されている』との声が多い、アベノミクス後の円の安値(2015年6月の125.86円)と16年6月の英欧州連合(EU)離脱決定直後に記録した高値(99.00円)までの半値に当たる水準が112.43円にある。前回112円台後半を付けた昨年12月20日安値も112.60円だった。国内輸出企業は昨年に下げ止まった1ドル=112円台半ばを当面の円の下値目処とみて、指値の円買い注文を入れているもよう。そのため、円買いをこなして円が安値を更新していくにはかなり大きな材料と円売りのエネルギーが必要となる。

 

日3月貿易収支:対中輸出は9.4%減少

日本の3月貿易統計速報値は、貿易収支が5285億円の黒字となり、黒字は2ヵ月連続となった。対中輸出は1兆3046億円で9.4%減少した。内訳では金属加工機械や液晶デバイス、半導体等製造装置が減少した。財務省では、昨年3月が過去1番の水準であり、その反動もあるとしている。中国を含むアジア向け輸出は前年比5.5%減の3兆8099億円となり、中国向けの鉄鋼や韓国向け半導体製造装置などが減少した。一方、対米輸出は前年比4.4%増の1兆4157億円で、6ヵ月連続で増加した。1500-2000CCの自動車や建設用・鉱山用機械などが増加した。対米貿易収支は6836億円の黒字だった。対欧州連合(EU)輸出は銅7.3%増の8620億円で、英国向けのハイブリット車や建設用・鉱山用機械などが増加、ドイツ向け自動車などが減少した。

 

中国の3月経済統計では回復基調を示す

中国国家統計局が発表した3月の主要経済指標は、中国経済の意外な底堅さを示す結果となった。減速が見込まれていた1-3月期の実質国内総生産(GDP)は6.4%増と前期から横ばいで踏みとどまり、3月の工業生産高は前年同月比8.5%増と14年7月以来の高さだった。中国政府が打ち出した景気下支え策に加え、米中貿易摩擦も緩和方向で、企業活動が持ち直してきた。中国経済は当面1~3月期で底入れし、2019年通年では従来予想を上回るとの見方も出ている。

 

ECBの利上げは更に先延ばしの可能性も

欧州中央銀行(ECB)の複数の政策当局者は、中国の経済成長鈍化や貿易摩擦が続いていることから、ECBの経済見通しは楽観的すぎるとみている。ECB内の討議を直接知る4人の関係筋が明らかにした。関係筋よると、前週のECB理事会では、少数の理事が、今年後半に成長が回復するという以前からの予想に疑問を呈し、下方修正を繰り返しているECBの予測モデルの正確性を疑問視する声も一部からあがったという。
ECBは、経済成長率やインフレ率の予測を政策決定の際に重要な検討材料としている。予測をさらに下方修正すれば、現在は来年と予想されている金融危機後初の利上げがさらに遅れる可能性が高まる。

 

欧米イベント

○17:00   3月南アフリカCPI(予想:前月比0.8%/前年比4.6%)
○17:00   2月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○17:30   3月英CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.0%)
       CPIコア指数(予想:前年比1.9%)
       小売物価指数(RPI、予想:前月比0.2%/前年比2.6%)
○17:30   3月英PPI(食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.2%)
○18:00   2月ユーロ圏貿易収支(季調済/季調前)
○18:00   3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.4%)
○18:00   3月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.8%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   2月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比0.6%)
○21:30   2月カナダ貿易収支(予想:35億カナダドルの赤字)
○21:30   3月カナダCPI(予想:前月比0.7%/前年比1.9%)
○21:30   2月米貿易収支(予想:535億ドルの赤字)
○22:00   カーニー・イングランド銀行(BOE)総裁、講演
○23:00   2月米卸売売上高(予想:前月比0.3%)
○23:00   2月米卸売在庫(予想:前月比0.5%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○23:30   ラウテンシュレーガー欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○18日01:30   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○18日01:45   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○18日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○17-18日   3月ロシア失業率(予想:4.9%)
○インドネシア大統領・議会選挙
○インド(ジャイナ教マハビラ生誕日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/04/16/15:21:46

日経平均株価:景気敏感株に買いが入り相場を支える

前日の米国株の反落にも中国景気の回復期待を受け、景気敏感株の一部に海外投資家の買いが入り相場全体を押し上げた。ただ、新規材料に乏しく積極的な売買手控えムードが広がった。結局、前日比52円高の2万2221.66円と4日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円は111.95近辺でもみ合う展開

ドル/円は、国内輸入企業などのドル買い・円売りが入り112.04円までじり高となった。4月の豪準備銀行議事要旨で利下げが適切となるシナリオについて議論されたことが判明すると、豪ドル売り・円買いが波及して、111.90円付近まで軟化した。黒田日銀総裁が衆議院財務金融委員会に出席『日本経済は堅調で緩やかな拡大が続く』、『今後も政策の効果と副作用を比較考慮し適切に政策運営していく』などと発言したものの、相場への影響は限定的だった。午後は、新規材料もなく積極的な売り買いは手控えられ、111.95円付近でもみ合う相場となった。ユーロ/ドルは、1.1300ドル前後で方向感に欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国の輸出は弱含む基調変わらず

米中貿易摩擦を巡っては、合意が近いとの見方がある一方、世界経済を巡る不透明感が高まる動きも出るなど、中国にとって輸出の重石となることが懸念される。 今年は春節のズレが年明け以降の貿易統計のかく乱要因となり、3月の輸出額は前比+14.2%と上振れしたが、1-3月では同+1.4%に留まるなど弱含む基調は変わっていない。 米中貿易摩擦に伴いハイテク関連の輸出は鈍化が続く一方、アジアを中心に行き場を失った中国製品が雪崩れ込む動きが輸出を押し上げたが、先行きは世界経済の動向に揺さぶられる展開く可能性が高い。一方、3月の輸入額は前年比▲7.6%と4ヶ月連続で前年を下回るなど輸出以上に弱含んでいる。 米国からの輸入が大幅マイナスで推移するなか、米国以外からの輸入も弱含むなど幅広く鈍化している。

 

欧米通商交渉も開始の見込み

欧州連合(EU)加盟国は15日、米国と正式な通商交渉を開始することを最終承認した。通商交渉入りを巡っては、フランスの反発を受けて承認が数カ月遅れていた。
EU加盟国は、欧州委員会が提案した交渉権限を賛成多数で承認した。フランスは反対票を投じ、ベルギーは棄権した。 EUの執行機関である欧州委員会は、1)工業製品の関税引き下げを巡る方策と、2)製品がEUもしくは米国の基準を満たしていると企業が証明しやすくする方策について、交渉を始めたい考え。交渉開始にはEU加盟国の支持が必要だった。

 

米企業決算発表で一喜一憂

前週後半には米金融大手の決算が底堅さを示し、米国の株高とリスク選好の円安が後押しされたが、昨日はゴールドマン・サックスの決算を受けてNYダウがマイナス圏に沈むなど、米企業決算の結果に振れる展開となっている。米決算発表については、1)世界減速や昨年までの大型減税の剥落などによる減益リスク、2)減益リスクに対しての昨年10-12月の大幅株安での織り込み進捗、3)年初からの米株反発を受けた『収益見通し見合い』での割高過熱警戒の再燃、といった複雑な状況にある。4月後半にかけては個別企業の決算発表ごとに一喜一憂の不安定さが想定されるほか、日々の決算発表時点での市場センチメント(投資家心理)動向に市場反応が左右される地合いとなっている。

 

米4月NY連銀製造業景気指標では先行き不安も

米国の4月NY連銀製造業景気指数は10.1と、2年ぶり低水準に落ち込んだ3月3.7から予想以上に回復した。昨年12月来で最高を記録した。同時に、不安も残った。6カ月先予想での将来のビジネス景況指数は12.4と、前月の29.6から17.2ポイント低下した。そのため、3年ぶりの低水準に落ち込んだ。また、リセッション以降で2番目に低い水準となる。新規受注や出荷見通しも弱く、2019年の製造業は依然、苦戦していることが明らかになった。貿易摩擦に加えて、中国製造業の停滞などが影響している。 2019年の同指数の平均も6.6と、2018年の19.8を大きく下回ったままとなっている。また、FRBの様子見の方針を正当化する。

 

欧米イベント

○16:00   2月トルコ鉱工業生産(予想:前月比0.3%)
○17:30   3月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移2万件/失業率なし)
○17:30   12-2月英失業率(ILO方式、予想:3.9%)
○18:00   2月ユーロ圏建設支出
○18:00   4月独ZEW景況感指数(予想:0.8)
○18:00   4月ユーロ圏ZEW景況感指数
○21:30   2月対カナダ証券投資
○21:30   2月カナダ製造業出荷(予想:前月比横ばい)
○22:15   3月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.2%)
       設備稼働率(予想:79.1%)
○22:50   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○23:00   4月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:63)
○17日03:00   カプラン米ダラス連銀総裁、講演
○日米物品貿易協定(TAG)交渉(ワシントン、最終日)

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欧米タイム直前市場コメント!

2019/04/15/15:21:19

日経平均株価:欧米市場で広がったリスク選好の流れ継続

米金融機関の良好な決算や中国景気改善期待に12日の米ダウ平均269ドル高の大幅続伸を受け海外投資家の買いが先行18年12月4日以来4ヶ月ぶりに心理的節目2万2000円を突破した。欧米市場で広がったリスク選好の流れが日本株にも波及した。結局、前週末比298円高の2万2169円と大幅3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:111.95円を挟んだもみ合い相場

ドル/円は、良好な市場心理を材料に日経平均株価が高く始まりその後も堅調に推移したことが下支え要因となって、112.09円付近まで上昇した。しかし、年初来高値の112.13円が意識されると、次第に上値が重くなり、また単発的な輸出企業などのドル売り・円買いも加わって、111.95円前後まで値を下げた。仲値発表後は、海外短期筋の円ショートポジションが少ないためか円売りの勢いは限定的となり、112円を挟んだもみ合いの取引が続いた。ユーロ/ドルは、手掛かり材料難から1.1300-10ドル水準でもみ合う展開となった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

格付け会社ムーディーズは豪住宅市況について厳しい予想

先週発表された2月の豪住宅ローンは、市場予想の+0.5%や前回の▲1.2%を上回り+0.8%となった。豪住宅市場は豪経済にとって大きな問題であるため、市場予想を上回るのはポジティブサプライズだが、米格付け会社ムーディーズは今後の豪住宅市況について厳しい予想を新たに発表した。同社によると、今年の豪州全体の住宅価格は7.7%下落(1月は3%下落予想)するという。また、大都市圏での下落はより大きく、シドニーは9.3%(1月は3%下落予想)、メルボルンは11.4%(1月は6%下落予想)とそれぞれ下方修正した。予想より悪化した場合はには、消費が低迷し失業率が上昇することも示唆した。労働党政権が樹立された場合、その政策により住宅市場がより落ち込むリスクも指摘されている。5月18日に総選挙が予定されているが、世論調査では与党・自由党の支持率は2017年8月以来一度も野党・労働党を上回ることが出来ず、政権交代の可能性が高まっている。

 

今日から日米間の通商交渉開始:為替条項想定内

ムニューシン米財務長官は記者団に対して、15日から始める日米間の通商問題などに関する交渉で『為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる』と伝えた。通商協定に為替条項が盛り込まれた場合、特別なケースを除いて日本政府・日本銀行による円売り介入は厳しく制限される可能性がある。市場関係者や識者の間からは、『日本側は以前から関税分野などに限定して交渉したい考えだったが、米国側が交渉目的に為替を含めてきたことは想定内』との声が聞かれている。報道によると今回の会合には、茂木経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が出席し、4月下旬に開かれる可能性がある日米首脳会談に交渉内容を報告する。今回の会合で日米が関税や非関税障壁の撤廃について合意し、協定に盛り込んだ場合、実質的に日米間のFTAが誕生するとみられているが、日本経済にとってFTAは都合の良い話ではないとの指摘が出ている。FTAが経済活動などに与える影響については慎重に点検する必要がある。

 

米中貿易問題の次は欧米貿易問題激化懸念

先週9日にトランプ米政権が欧州連合(EU)からの輸入品110億ドルに関税を導入すると表明し、欧州委員会は、17日に報復関税として約200億ユーロの米製品への課税を発表すると示唆している。トランプ米政権は、中国との通商協議が合意に近づいていると示唆しているが、欧米通商協議は難航しており決裂の可能性が高まっている。欧州連合(EU)は、内憂としての英国とのブレグジット(英国の欧州連合からの離脱)交渉、外患としての米国との通商協議に遭遇していることになる。

 

ドイツの2019年は成長急減速の可能性

ワイトマン・ドイツ連銀総裁は、同国の2019年成長率が1%を下回る可能性があるとの見方を示した。貿易摩擦や英国のEU離脱を巡る不透明感が投資の重しになっていると指摘した。独連銀は昨年12月の時点で2019年の成長率を1.6%と予想していたが、ワイトマン総裁は国債通貨基金(IFM)が新たに公表した0.8%との予想について、妥当との見方を示した。これはドイツが昨年に続きユーロ圏経済の成長率を押し下げる可能性があることを示唆している。

 

英国では『ブレグジット党』の旗揚げで離脱は加速するのか

英国の欧州連合(EU)離脱運動を主導した英国独立党(UKIP)の元党首、ナイジェル・ファラージ氏が12日、新党『ブレグジット党』を旗揚げし、欧州議会選に出馬する意向を示した。 ファラージ氏は英コベントリーで開いた決起集会で支持者に対し、5月の欧州議会選に向けて優れたチームを結成していると述べた。 メイ首相が離脱再延期でEU側と合意したことを受け、各政党は欧州議会選への準備に乗り出している。政府は欧州議会選に参加せずに離脱することがなお可能としているが、英議会はメイ氏の離脱協定案をすでに3回否決しており、大半の党は欧州議会選への参加が必要になるとみている。同選挙は離脱を巡る国民投票再実施の意味合いを持つ可能性もある。
ファラージ氏は『残留派議会、残留派内閣、残留派首相』が全力で離脱の遅延や撤回を試みていると批判している。『ブレグジット党は欧州議会選での勝利が可能であり、再び英議会を恐れされることができる』と述べた。

 

欧米イベント

○15:30   3月スイス生産者輸入価格(予想:前月比0.2%)
○15:30   3月インド卸売物価指数(WPI、予想:前年比3.20%)
○16:00   1月トルコ失業率(予想:14.6%)
○21:30   4月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:6.7)
○16日01:00   ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○16日01:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16日02:00   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○16日05:00   2月対米証券投資動向
○日米物品貿易協定(TAG)交渉(ワシントン、16日まで)
○15-16日   3月ロシア鉱工業生産(予想:前年比2.3%)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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