FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/04/28/15:14:53

日経平均株価:好決算銘柄が下値を支える展開

朝方に安く始まった後に持ち直し、プラス圏に浮上した。その後もじりじりと上昇した。ただ、大型連休や重要イベントを控えて模様眺めムードが意識された。決算を発表したファナック、デンソーなどの銘柄が上昇し、相場の下支えとなった。先物に散発的に買いが入り、午後はやや上げ幅を広げた。結局、前営業日比62円高の2万9053円で小幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好の円売りでも109円を意識

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、108.95円付近へ値を上げた。日経平均株価がマイナス圏からプラス圏へ転じたことも、リスク選好の円売りを誘った。しかし、心理的節目の109.00円に接近すると上げは一服した。午後は、日経平均株価や米長期金利の動向を睨みながら、108.85円前後で取引された。NY時間に予定されている米FOMCの結果発表やバイデン米大統領の施政方針演説を前に、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.20ドル台後半で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

米トルコ間の関係悪化の警戒感は緩む可能性:アフガニスタン和平協議

バイデン米大統領が、第一次世界大戦中にオスマン帝国(現トルコ共和国)で起きたアルメニア人への殺害行為を『ジェノサイド(民族虐殺)』と認定したことについて、トルコ議会も強い抗議の声を上げている。エルドアン大統領も、米大統領の認識は両国関係を妨げるものだとし、認定撤回を求めた。ただ、エルドアン大統領は、6月に予定されている米トルコ首脳会談では『全ての意見の相違を話し合い、両国関係の新しいドアを開く』『見解の相違を脇に置き、将来的にどのような対応が取れるか検討しなければならない』と歩み寄る姿勢も示している。 米トルコ間の亀裂の深まりが危惧されているが、『まずは話し合う』という方向性が見え始めたことで過度な警戒感は緩みそうである。米側からも、(米政権が一刻も早く進めたい)アフガニスタン和平協議がトルコ無しでは成り立たないため、トルコへの圧力を強めることはできないとも予想される。

 

南アでは公務員との労働争議が暗礁に乗り上げる

南ア政府と公務員の労働争議も暗礁に乗り上げている。ムチュヌ公共サービス・行政相は、賃金交渉の解決について国民に訴えかけた。これに対し、労働組合は国民に共感を得ようとした大臣の行為について非難するなど、関係が悪化している。交渉がこのまま進まない場合はストライキの恐れがあり、南ア経済活動の停滞が懸念されてランド円の重石になる可能性がある。

 

米疾病対策センターはウイルスを巡る指針を改定

米疾病対策センター(CDC)は27日、新型コロナウイルスを巡る指針を改定し、ワクチン接種を完了した人はマスクを着用せず、散歩などの一部の屋外活動を安全に行えるとの認識を示した。屋外であれば、友人など複数の人との飲食や小規模な集まりも可能となる。同時に、スポーツイベントなどの屋外での大規模な集まりや、美容・理容室、映画館、ショッピングモールや礼拝施設などの屋内では引き続きマスクを着用するよう提言した。米国では先週の新型コロナ感染者数は前週比16%減と、2月以来の大幅な減少となった。

 

米インフレが一過性のものか不明:ジェフリー・ガンドラックCEO

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は米インフレについて、金融当局のエコノミストらが伝達しようとしているように『一過性』のものになるのかは不明だとの考えを示した。新型コロナウイルス流行に起因して低い数字となった2020年との比較を一因に、前年比での伸びは高くなるという米金融当局の見方には一理あるが、当局は自らの無制限な金融政策の影響を過小評価している可能性がある。ガンドラック氏は前年比での物価上昇率は最大4%になる可能性もあると指摘する。『インフレがこの先上昇し、一過性にとどまらず数カ月続くことを示唆する指標は多い。米金融当局がそうした見通しをどのように表現しようとするのか見守ることになろうが、彼らは推測している』と同氏は述べた。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催

FRBはFOMCで大規模な金融緩和を維持する見込みである。また、今年の強い回復を見込む一方で、新型コロナウイルス感染やワクチンで不透明感が強く、FRBの目標である最大雇用や持続的な平均2%のインフレ達成には程遠いと、慎重な姿勢を示す可能性が強い。一方で、ブルーンバーグが実施した調査によると、市場エコノミストの3分の2は、FOMCが予想されていたよりも早く、年内に緩和縮小の初期の警告をすることになると見ていることが明らかになった。一部のエコノミストは早くて、7月、または9月のFOMC、8月末に予定されているジャクソンホールでのFRBの年次シンポジウムでテーパリング計画が示唆される可能性を織り込み始めている。どちらにしても、4月会合以降、夏に向けてのテーパリングへの協議がECBと同様に過熱する可能性が指摘されている。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲3.5)
○15:45   4月仏消費者信頼感指数(予想:93)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○21:00   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○21:30   2月カナダ小売売上高(予想:前月比4.0%/自動車を除く前月比3.7%)
21:45   シュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○23:00   ラガルドECB総裁、講演
○23:30   EIA週間在庫統計
○29日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○29日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○バイデン米大統領が施政方針演説(日本時間29日午前)

 

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/04/27/15:14:55

日経平均株価:イベント前に様子見ムード強く上値の重い展開

前日の米ナスダック指数高が好感され、朝方は買い優勢で始まったものの、決算発表を見極めたいとのムードが引き続き強いほか、重要イベントを控えていることから、模様眺めとなった。日銀が金融政策決定会合で、現行の長短金利操作付き量的・質的金融緩和政策の継続を決定したと発表したが、反応は限定的だった。新型コロナウイルスの感染拡大も相場の重石になり、引けにかけて売りが優勢になった。結局、前営業日比134円安の2万8991円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:全般108円台前半でのもみ合い相場

ドル/円は、米FOMCを控えたポジション調整などのドル買い・円売りが持ち込まれ、108.39円付近まで上昇した。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの押し上げにつながった。ただ、108円台後半にかけては、大型連休を控えた国内輸出企業のドル売り・円買いオーダーが継続的に観測されていることもあり、上げは一服した。その後は、短期筋などの利食い売りも見られ、108.30円付近へ緩んだ。日銀が26-27日に行われた金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の現状維持を決定した。併せて公表された展望リポートでは2023年度の物価上昇率が前年度比+1.0%になる見通しが示されたものの、ドル/円相場への影響は限定的だった。午後は、日経平均株価や米長期金利動向を睨みながら、108.20円台を中心とした狭いレンジで取引された。ユーロ/ドルは、1.20ドル台後半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本の大型連休における円高仕掛けには注意

日本市場は4月29日前後から5月9日にかけて、大型連休が本格化する。日本の長期休場の場合、週明けを含めたアジア時間の早朝などの薄商い時に、わずか数分で急激に動く『フラッシュ・クラッシュ』などを狙った円高仕掛けが、ドル/円、クロス円で激化するリスクがある。しかも今年の場合、シカゴIMMの円の投機的な先物ポジションは、最新4月20日時点で差引き-5万9819枚のネット円ショート(円売り・ドル買い)になった。前週の-5万8312枚のショートから2週連続で円売り売り持ちが増加し、円のショート幅は2019年5月14日週の-6万1580枚以来という高水準になっている。円ショートの整理余地が、短期的な円買い戻しと円高の波乱リスクとして注視される。

 

トルコは29日からロックダウン実施

エルドアン統領は昨日、コロナ感染と死亡者の急増を抑えるため、29日から来月17日までとする全国的なロックダウン(都市封鎖)の実施を発表した。都市間の移動は厳しく制限され、学校は全てオンラインで授業が行われる。重要な買い物や緊急の治療を除いての外出も禁止とされた。一方、製造業や食料品関連は適用外となっている。大統領は(一時6万人を超え、現在は4万人割れ)新規感染者数を5000人以下まで減少させるとの目標を掲げました。今回のロックダウンでトルコ経済活動の停滞は足もとでは避けられないが、『制限強化やワクチン普及による感染抑制への期待は、リラにとってポジティブ』という見方が広がるかもしれない。

 

南アでは公務員との賃金交渉の進展見られず

国内の政治情勢で懸念されるものの一つとしては、先週末から始まった公務員との賃金交渉の進展がないことがあげられる。南アではインフレ率が上昇しているものの、昨年の1年は賃上げをせずに据え置かれたことで、賃上げがない場合は組合はストライキを行うことを示唆している。政府は財政赤字削減のために、賃上げを今年も抑えたい意向だが、どのような展開になるかを予想するのは難しい。なお、南ア発で注目が高まるのは来月7日のムーディーズ社の格付け見直しや、20日の南ア準備銀行(SARB)・金融政策委員会(MPC)まではない見込み。

 

米国では28日に、バイデン大統領が上下両院合同会議で演説

インフラ投資や気候変動対策、格差是正策などの政策アピールが想定されている。すでに前週には子育てや介護などの支援を軸とする『米国家族計画』の検討が報じられ、財源として富裕層を対象にキャピタルゲイン課税の最高税率を現行の20%から39.6%へ引き上げる方針が伝わった。引き続き増税問題は、米国の株安とリスク回避の円高要因として注視される。ただし、前週末23日の米国株市場では、キャピタルゲイン増税について過度な懸念の後退が見られた。税率引き上げは『ベースシナリオが28%』といったアナリスト分析が出始めるなど、『当初報じられたほどの引き上げ幅にはならないとの見方が広がった』。また、『増税の対象となる投資家が保有する株式が市場全体に占める比率は相対的に小さく、影響は限られるとの見方もあった』いずれにせよ、28日のバイデン氏演説は、米国の経済や株価にプラスの材料が出てくると、米国の株高やドル高、リスク選好の円安を支援する。反対に財源確保や格差是正として、増税への意欲が強く打ち出されると、米国の株安とリスク回避の円高というシナリオが想定される。

 

一部の米金融街大手から米国株に弱気コメント

S&P500指数は今年に入って最高値を更新しているが、一部の米金融街大手が上昇の一服を予想し始める中、投資家は利食い売りか継続保有かの決断を迫られている。最近ではゴールドマン・サックスのアナリストが21日、米成長率の第2・四半期ピークが株式リターン低下につながる可能性があると指摘。モルガン・スタンレーはこれに先立ち、株式が近いうちに逆風に直面すると警告。ドイツ銀行は今月、成長率が減速する中でS&P500が最大10%下落すると指摘。B of Aグローバル・リサーチは、年末時点の同指数が現在の水準を約8%下回るとの目標を維持した。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合が開催:結果は29日早朝

前回公表の声明では、『景気動向は、ワクチン接種の進捗も含め、ウイルスの拡大状況に大きく左右される。現在続いている公衆衛生の危機は、引き続き、経済活動、雇用、インフレにとって重荷となり、経済見通しへの深刻なリスクとなっている』との見解が表明された。その後、ワクチン接種は大幅に拡大しており、公衆衛生の危機的な状況は改善されつつある。ただし、物価見通しの早期達成の可能性は低いとみられており、金融政策の緩和的スタンスを長期間維持することが妥当との判断が示される可能性が高いとみられる。

 

欧米市場イベント

○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○16:30   3月スウェーデン失業率
○19:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:00   3月メキシコ貿易収支(予想:32.00億ドルの黒字)
○22:00   2月米住宅価格指数(予想:前月比1.0%)
○22:00   2月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比11.6%)
○23:00   4月米消費者信頼感指数(予想:112.1)
○23:00   4月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:22)
○28日02:00   米財務省、7年債入札
○28日05:00   マックレム・カナダ銀行(BOC)総裁、議会証言
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○南アフリカ(自由の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/04/26/15:11:27

日経平均株価:米国株高を好感した買いも上値の重い展開

前週末の米国株式市場では、新型コロナウイルスのワクチン接種が進展する中、好調な経済指標の発表を受けて景気回復期待が高まり、主要3指数が反発した。米国株高を受けた朝方のプラスから一旦マイナス圏沈んだものの、徐々に持ち直した。手掛かり材料に乏しく、もみ合いとなった。ワクチン接種が欧米に比べて遅れる日本では、米国株に対する見劣りを意識する声もある。企業決算が本格化しており、決算発表後の株価の反応に関心が寄せられていた。結局、前営業日比105円高の2万9126円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:欧州通貨に対してドル安に連れ円買いやや優勢

ドル/円は、日銀金融政策会合や連邦公開市場委員会(FOMC)などのイベントを控えた持ち高調整などのドル売り・円買いに押され、107.70円付近へじり安となった。欧州景気の回復を期待した欧州通貨・ドル安が波及した面もあった。午後も軟調地合いは続き、107.65円付近まで円を下げた。しかし、今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きも見られ、107.70円台を中心とした狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは23日に発表されたユーロ圏の経済指標が総じて好調で、欧州景気は底堅いとの見方から2ヵ月ぶりにユーロ高・ドル安となる1.2117ドル付近まで上昇した。

 

中国最大の不良債権受け皿会社は業績発表間に合わず

中国最大の不良債権受け皿会社で国有企業の中国華融資産管理は、2020年の業績を今月30日の期限までに発表できないとの見通しを明らかにした。同社を巡ってはこのところ社債のデフォルト(債務不履行)を起こすとの懸念が強まっており、投資家は神経を一層尖らせることになる。華融資産管理の発表文によると、業績公表前に確定させなければならない取引があるため、同社の会計監査人にはさらなる時間が必要だという。発表文は中国外国為替取引システム(CFETS)が運営する中国貨幣網のサイトに掲載された。華融資産管理は経営は安定しており、全ての業務が正常に運営されているとあらためて説明した。同社は3月31日に20年暫定決算の発表期限を迎えたが、同日までに発表できず、4月1日以降、同社株式は取引が停止されている。

 

トルコリラの重石が増える

トルコの『インフレ加速、経常赤字の拡大、新型コロナ感染状況の悪化とそれに伴う景気低迷など』は一朝一夕で解決できる問題ではなく、リラの重石となっている。今週発表される3月トルコ貿易収支も赤字幅の拡大が見込まれ、リラの重石になりやすい。エルドアン大統領による中銀への緩和圧力や、それに伴う中銀独立性への不信感もリラの弱さに繋がっている。そういった中、カブジュオール・トルコ中銀総裁は先週末、(国内で批判の声が高まっている)過去2年に1000億ドル以上も費やされたとされる為替介入を擁護する姿勢を示した。先週半ばにはエルドアン大統領がリラ買い介入の再開を示唆しているが、介入効果を疑問視する声は多く、外貨準備高への疑惑と枯渇懸念は高まる。 さらに、米国とトルコの関係悪化懸念もリラの重石である。バイデン米大統領は、第一次世界大戦中にオスマン帝国(現トルコ共和国)が行ったアルメニア人への殺害行為を『ジェノサイド(民族虐殺)』と表現した。トルコにとってはかなり神経質な問題であり、トルコ外務省はすぐさま非難声明を発表した。米国の新たな政権のもとで、両国の溝は広がりつつある。

 

南アでは利下げサイクル終了との思惑でランド下支え

先週発表された、3月の南ア消費者物価指数(CPI)は市場予想通りの結果となったが、再び南ア準備銀行(SARB)のインフレ目標レンジ(3.0%-6.0%)に戻した。ひと月でレンジに持ち直したことが好感され、利下げサイクルは終了したと思われ、ランド/円の下支えになる。 CPIでは、食品及びノンアルコール飲料が+5.7%、住宅及び公共事業が+2.2%、輸送が+3.8%、そのほかの商品サービスが+4%、また燃料価格が+2.3%となった。SARBはこの結果を受け、今年のインフレ率は目標とするレンジの中間である4.5%近辺になるとの予想を立てている。

 

メキシコでは炭化水素の改定案が可決

炭化水素法の改定案が下院で可決した。ロペスオブラドール大統領が署名すれば成立となるが、民間のビジネス環境の悪化につながるとして経済界から批判が相次いでいるにも拘らず、結局成立に持ち込んだことで国内の溝は深まるばかりである。あくまでも国営石油会社ペメックスを支援するための策としているが、国が民間企業の許認可を一時的に停止できるようになることで、民間への悪影響が大いに考えられる。

 

米FOMCでは金融政策据え置き:緩和策の解消を急がない姿勢

米連邦準備制度理事会(FRB)は27-28日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を据え置く見込みである。ワクチン接種ペースの加速、追加財政策、大規模金融緩和が奏功し2021年の経済は6.5%成長が予想されているほか、インフレの上昇を受け、早くて6月会合で緩和縮小の戦略協議が開始されるとの思惑も市場で浮上している。しかし、パウエル議長は、新型コロナウイル変異種感染やワクチン普及動向に依然かなりの不透明性があり、物価安定や最大雇用の目標達成には『程遠い』との考えを繰り返す可能性が強い。4月会合でも、経済が回復軌道にあっても、緩和策の解消を急がない断固とした姿勢が示される可能性が強く、ドルの上値を抑制すると考える。

 

欧米市場イベント

○17:00   4月独Ifo企業景況感指数(予想:98.0)
○21:00   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30   3月米耐久財受注額(予想:前月比2.4%/輸送用機器を除く前月比1.6%)
○22:00   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○27日00:30   米財務省、2年債入札
○27日02:00   米財務省、5年債入札
○ニュージーランド(アンザックデーの振替休日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2021/04/23/15:14:55

日経平均株価:引けにかけては押し目買いで下落幅縮小

米国株の大幅安を受けて、寄り付きから3桁の下落。節目の2万9000円をあっさり割り込んだことから下を試す流れとなり、開始早々に一気に下げ幅を400円超に広げた。しかし、売り一巡後は持ち直す展開になった。値上がり銘柄が比較的多かったことや、大型半導体株の下げがそれほど大きなものとならなかったことが安心材料となった。ただし、2万9000円台を回復したところでは戻り売りに上値が抑えられた。引けにかけては押し目買い意欲が強くなり下げ幅を縮小して終了した。結局、前営業日比167円安の2万9020円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:米長期金利上昇や株価下げ止まりでドル買い戻し

ドル/円は、前日のNY市場で伝わった富裕層を対象とした米キャピタルゲイン増税の報道を嫌気して軟調だった流れを引き継ぎ、107.80円付近まで下落し、約1ヵ月半ぶりのドル安・円高をつけた。日経平均株価の下げ幅が一時400円を超えたことも、リスク回避の円買いを誘った。ただ、107.75円付近がテクニカル的に重要なサポートとして意識されており、下げは一服した。その後は、米長期金利上昇や日経平均株価の下げ幅縮小を眺めたドル買い・円売りが入り、107.95円付近へ値を切り返した。午後は、米長期金利や日経平均株価を睨みながら、107.90円前後でもみ合い相場となった。ユーロ/ドルは、夕方に発表されるフランスやドイツPMI(速報値)を見極めたいとの雰囲気から、1.2025ドルを挟んでこう着相場となった。

 

住友生命はオープン外債を増加:為替リスクは高まる

住友生命保険は、一般勘定資産の2021年度運用計画で、為替リスクをとらないヘッジ付き外債を1000億円単位で減少させる一方、オープン外債は利回りがとれる国を中心に1000億円単位で増加させる。一方、国内債券は金利リスク削減のため、超長期債をメインに数千億円規模で残高を積み増す方針とした。22日に開催した21年度運用方針説明会で明らかにした。オープン外債については、1000億円単位での増加を見込む。『米国も金利が上がってくれば投資できるが、今の水準では為替リスクを取るのには見合わない。オーストラリアなど利回りを取れる国を探して投資したい』としている。

 

ECBは6月会合での金融緩和縮小への協議開始に期待集まる

カナダ中央銀行は21日に開催した金融政策決定会合において、先進諸国の中央銀行の中で初めて緩和縮小を開始した。このため動向が注目されていた理事会で、欧州中央銀行(ECB)はパンデミック資産購入プロブラム(PEPP)の縮小を協議しなかったと、ラガルド総裁は会合後の会見で明らかにした。市場は新たな見通しが発表される6月の理事会に焦点を移した。アナリストは欧州でも今後、ワクチン接種ペースが加速し、ロックダウンも解消されるため景気の見通しをおしあげ、さらに、ドイツの付加価値税(VAT)の引き上げがインフレ見通しの引き上げにも繋がり、6月会合では緩和縮小の時期などに関し、真剣な協議が開始されると見ている。 

 

欧州市場では4月マークイットユーロ圏製造業PMIが公表

3月実績は62.5だった。ワクチン接種拡大によってユーロ圏の景気回復時期は多少早まる可能性がある。雇用情勢が急激に改善する可能性は低いものの、新規受注の増加が期待されることから、製造業PMIは3月実績には届かないものの、2ヵ月連続で60を上回る可能性が高いとみられる。

 

『ジェノサイド』を巡ってトルコと米国関係の悪化懸念

複数の海外メディアが報じたところによると、バイデン米大統領は、第一次世界大戦中にオスマン帝国が行ったアルメニア人への殺害行為を『ジェノサイド(民族虐殺)』として正式に認める模様である。米上院は2019年に既にジュノサイド認定決議を可決していたが、当時のトランプ政権は決議を支持しなかった。
第一次大戦でロシアの敵側で参戦していたオスマン帝国は、キリスト教徒であったアルメニア人がロシアと結託し帝国打倒を企てていると疑った。1915年から17年頃に同帝国は、反乱鎮圧のためという理由でアルメニア人の強制移住(シリア砂漠を行進)や拷問などを行い、そこで大量の犠牲者がでた。アルメニア側は死者数が150万人にも達したと主張している。一方、トルコは戦闘や病気で亡くなったのは30万人とし、欧州のキリスト教国による『ジュノサイド認定』に強く反発した。チャヴシュオール・トルコ外相も今週に入り、米国が認定するならば対米関係の見直しに繋がると警告していた。

 

米国のキャピタルゲイン税巡る報道でビットコインも下落

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが下落している。情報サイトのコインデスクによると、ドル建て価格は日本時間23日午前に一時1ビットコイン=48,600ドル台と、3月上旬以来約1ヵ月半ぶりに節目の5万ドルを割り込んだ。今月に付けた最高値(約64,800ドル)から2割以上下落した。バイデン米政権がキャピタルゲイン課税を大幅に引き上げる見通しが伝わり、嫌気した売りが広がった。足元では5万ドル前後で推移。

 

米国市場では4月マークイット製造業PMIが公表

3月実績は59.1だった。ワクチン接種の拡大によって足元の企業景況感は改善しつつある。また、雇用拡大や新規受注の増加なども期待されていることから、製造業PMIは3月実績を上回る可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比1.5%/前年比3.5%)
○15:00   3月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比2.0%/前年比4.5%)
○16:15   4月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:59.0)
○16:15   4月仏サービス部門PMI速報値(予想:46.5)
○16:30   4月独製造業PMI速報値(予想:65.8)
○16:30   4月独サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:62.0)
○17:00   4月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:49.1)
○17:30   3月香港CPI(予想:前年同月比0.8%)
○17:30   4月英製造業PMI速報値(予想:59.0)
○17:30   4月英サービス部門PMI速報値(予想:59.0)
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:4.75%に引き上げ)
○20:00   菅首相、新型コロナウイルス対応について記者会見
22:45   4月米製造業PMI速報値(予想:60.5)
○22:45   4月米サービス部門PMI速報値(予想:61.9)
○22:45   4月米総合PMI速報値
○23:00   3月米新築住宅販売件数(予想:前月比12.0%/88.6万件)
○トルコ(国民主権と子供の日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/04/22/15:12:41

日経平均株価:押し目買いが活発化

前日の米国株式の上昇、ドル/円は108円を挟んだ動きで、VIX指数も心理的節目の20を下回る17台だった。また、前日に日銀がETF買いに動いたことも『買い安心感につながった』とされ、押し目買いが活発化した。さらに、東京や大阪などで緊急事態宣言発令の方向となり、『悪材料がでそろってきた』とされるほか、今日から始まる国内企業の決算シーズンを前に、事前のポジション調整がある程度一巡したとの見方も聞かれた。結局、前営業日比679円高の2万9188円と大幅反発して終了した。

 

東京外国為替市場:108.00円を挟んでもみ合い展開

ドル/円は、日経平均株価の大幅高を眺めたドル買い・円売りが先行し、108.14円付近まで上昇した。しかし、米長期金利が低下すると、ドル売りが強まって107.95円付近まで下落した。その後は、日経平均株価や米長期金利を眺めながら、108.00円を挟んだもみ合いが続いた。午後は、日米金利差縮小を意識したドル売り・円買いに押されて107.91円付近まで下落した。原油安を嫌気した資源国通貨に対する円高が波及した面もあった。ただ、前日の東京市場で付けた安値107.88円に接近すると下げは一服した。その後は、値ごろ感からドルを買い戻す動きが見られ、108.00円付近へ値を持ち直した。ユーロ/ドルは、今晩予定されているECB理事会を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いが入り、1.2030ドル付近へじり安となった。

 

欧州市場では欧州中央銀行(ECB)理事会を開催

金利上昇はユーロ圏の景気回復を腰折れさせるリスクがあるとの見解は当面変わらないと予想されることから、ECBは市場動向に応じて資産購入ペースを大幅に加速する方針を維持する見込みである。ただし、ワクチン接種拡大はユーロ圏経済に好影響を与えるとみられており、やや楽観的な景気見通しが提示される可能性がある。

 

ヘッジファンドの第1・四半期は21年ぶりの好成績

ヘッジファンド・リサーチ(HFR)のデータによると、3月の世界全体のヘッジファンド資産は3兆8000億ドル強に増加し、第1・四半期の運用成績は21年ぶりの高水準になった。第1・四半期の平均リターンは6%で、この間に2010億ドルが新規流入した。昨年同期は新型コロナウイルスのパンデミックが響き、総資産は3兆ドルを割り込んだ。暗号資産(仮想通貨)に投資するヘッジファンドは第1・四半期のリターンが120%に高まった。M&Aなどに賭ける『イベント・ドリブン型』投資のファンドのリターンは8.2%、株式専門ファンドは7.1%だった。資産増加規模はイベント・ドリブン型が854億ドル、株式投資が620億ドル、金利変動と債券の相対価値に基づく最低戦略を手掛けるファンドは390億ドルとなった。

 

トルコ中銀の為替介入に関する記載がない

過去2年間にリラが対ドルやユーロで売り込まれた際に実施された巨額な為替介入は、トルコ中銀や財務省のバランスシートに明確な記載がない。外貨売りリラ買い介入には特定の国営銀行が使用されたとされ、プロセスが不透明な中で不正への疑惑が高まっている。野党は『1280億ドルはどこに?』というスローガンのもと政権への攻勢を強めており、支持率低下に悩むエルドアン大統領にとっては早めに国民の疑念を取り除きたいところである。ただ、為替介入を進めた中心人物が大統領の娘婿だったということも人々が不信感を募らせている要因であり、今後も抗議の波が広がる可能性もある。また、エルドアン大統領は昨日、『トルコは、金利・インフレ・為替という悪のトライアングルと戦っている』『経済攻撃に対しトルコが黙っているはずはない』と発言した。持論である『物価低下のためには金利を引き下げ』を変えるつもりがないようであり、今後も中銀への金融緩和圧力が強まる。

 

ビットコインの大幅調整予想

グッゲンハイム・インベストメンツのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO)は21日、ビットコイン相場は『フロス(細かなバブル)が目立つ状態』で『大幅な調整』を見込むと話した。米経済専門局CNBCが報じた。ブルームバーグが引用して伝えた。同氏は『私が思うに、ビットコインは2万-3万ドルまで下げる可能性がある。これは50%の下落を意味するが、ビットコインで興味深いのは、このような下落が以前にもあったということだ』、『ビットコイン価格はいずれ40万ドルから60万ドルに達するが、下落局面はその長期的な強気相場における、ごく普通の動きの一環ととらえている』などと述べた。

 

カナダ中銀のまさかのテーパリング

カナダ中銀(BOC)がまさかの『テーパリング』の開始を表明した。そのため、カナダドルの急騰というビッグサプライズとなった。BOCと言えば、市場では『FRBの子分』みたいな位置付けである。親分がアクションを起こす前に、市場のサプライズを狙うような政策はこれまで行ってこなかった。そんな力学もあってか、BOCの会合では、通常、声明文の文言変更などが話題となる程度だった。アジア勢にとってはカナダドルのポジションをキープしている向きも少なく、『割とスルーすることが多い』のも事実だが、昨日は一気に主役の座に上り詰めることになった。『世界、カナダ経済の見通しが改善している』ことから、『債券買入れ額を週40億カナダドルから30億カナダドルに減額する』ことを表明した。加えて、現行の金利水準を維持する前提となっている『経済のスラック(緩み)が吸収される時期の見通しを2023年から2022年後半』に前倒しした。0.25%の利上げ時期が早まったとの憶測が台頭することになった。来週の27‐28日に予定されているFOMCに相当な注目が集まることになる。

 

米国市場では3月中古住宅販売件数が公表

2月実績は622万戸だった。3月については、在庫水準に大きな変動はないと予想されており、雇用情勢の改善や景気回復の影響はあるものの、2月実績を大幅に上回る可能性は低いと予想される。

 

欧米市場イベント

○未定   4月月例経済報告
○15:45   4月仏企業景況感指数(予想:95)
○20:00   3月メキシコ失業率(季節調整前、予想:4.20%)
○20:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:0.00%に据え置き)
○21:30   ラガルドECB総裁、定例記者会見
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:61.7万件/366.7万人)
○23:00   4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲10.8)
○23:00   3月米景気先行指標総合指数(予想:前月比1.0%)
○23:00   3月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.8%/年率換算619万件)
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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