FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2021/06/21/15:12:08

日経平均株価:前週末の米国株安を受けた売り優勢

前週末の米国株式市場では、ブラード米セントルイス連銀総裁のタカ派発言が嫌気され、米主要3指数がそろって大幅下落した。そのため、日経平均株価も朝方から幅広く売られ、大幅続落で始まった。NYダウ先物がマイナス圏で推移したことも重石となって、寄り付き後も下値を探る動きが継続した。グロース株もバリュー株も売られ、市場では先物主導の下げとの見方が出ていた。下げ幅は一時1100円を超える場面もあった。結局、前営業日比953円安の2万8010円と4日続落して終了した。4営業日で約1,400円超下落した。

 

東京外国為替市場:米長期金利低下でドル売り優勢に

ドル/円は、日経平均株価の大幅安を眺めたドル売り・円買いが持ち込まれ、110.00円付近へ下落した。米長期金利が低下したことも、ドルの押し下げにつながった。午後に入っても軟調地合いは続き、米長期金利が節目の1.40%を割り込むと、さらにドル売り・円買いが進んで109.72円付近まで下落した。ただ、この後の欧米株価動向や米FRB当局者の講演を見極めたいとムードもあり下げは一服した。値ごろ感からドルを買い戻す動きもあり、109.80円台を中心に推移した。ユーロ/ドルは、先週末のブラード米セントルイス連銀総裁からタカ派的な発言が報じられ、米FRBの利上げ時期が早まるとの観測を手掛かりとしたユーロ売り・ドル買いが一巡すると、1.1860ドル台で小動きとなった。

 

日本株の季節要因:配当金の再投資買いで底上げ支援

東証の株主総会調査によると、今年度のピークは6月29日で全体の27%が集中する見込みである。その前段階の6月16日から主要企業の株主総会が本格化しているため、7月上旬にかけては配当金の払い込みが続く。過去実績として日本株と為替市場では、季節要因として①配当資金を受け取った内外の投資家による日本株再投資、②個人投資家にとってのボーナス振込みとのプラスアルファでの消費刺激効果、③株主総会を踏まえた企業による自社株買いの実行、④外国人投資家による配当利益の部分的な本国送金を通じた円高抑制効果(ドル転やユーロ転など)が株高と円安の要因となるケースも見られてきた。結果、6月後半の株主総会から、配当資金の再投資が見込まれる7月前半から中旬までは、日本株の押し目買いや底上げが支援されやすい。

 

ニュージーランドの景気の底堅さを確認

ニュージーランドはワクチン接種に手間取るも感染封じ込めを追い風に経済活動の正常化が進んでおり、中銀は将来的な金融政策の正常化を示唆する動きをみせる。年明け以降は企業マインドの改善など景気回復を示唆する動きも影響している。1-3月の実質GDP成長率は前期比年率+6.76%と2四半期ぶりのプラス成長となるなど底入れの動きを強めている。幅広く内需の拡大が確認される一方、在庫投資による景気押し上げの懸念はあるものの、足下の企業マインドは製造業、サービス業ともに景気拡大を示唆する動きが続いており、先行きについても景気の底入れを促す展開が続くと期待される。 

 

ECBは戦略見直しで進展

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は20日、週末にフランクフルト近郊のホテルで開いたECB当局者会合で、ECBが気候変動対策で果たす役割やインフレ目標を巡る指針の見直しなど、戦略目標の再構築について『順調な進展』が得られたと述べた。ECBは昨年初めに政策枠組みの見直しに着手、今年後半の完了を目指しているが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)により作業に遅れが生じていた。週末に開いた3日間の会合は、この議論に弾みをつける狙いで、理事会メンバー25人が参加した。

 

リラの上値の重い展開は継続

先週は米金融当局者の中でタカ派色が広がっていることが先週明らかになり、外貨建て債務の割合が大きい新興国の負担増への懸念が高まっている。米金利の先高観が今後も強まると、リラの地合いの弱さから、国際金融協会(IIF)が示したドル/リラの適正価格(フェアバリュー)9.5リラが現実味を帯び始める。 また、先週のトルコ中銀・金融政策決定会合では、政策金利が予想通りに19%で据え置かれた。また、声明では前回『現行の金融政策を維持する』から『現行の引き締め的(tight)な金融政策を断固として(decisively)維持する』とタカ派な文言が追加された。もっとも中銀独立性への懸念を払拭することはできず、発表後もリラは上値を切り下げた。今週もエルドアン大統領やカブジュオール・トルコ中銀総裁の発言に警戒しながらの取引となる。

 

南アフリカの注目点

南アの経済指標は、今週は23日に発表される5月の南ア消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)に注目。今月は南ア準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)は行われず、次回は7月22日となっている。原油価格が高騰していることで、CPIなどに徐々に影響を与えることになるが、CPIの上昇スピードが速まった場合は、来月のMPCに向けて利上げ期待が出てくる可能性も否定できない。また、南アの懸念材料としては、ウイルス感染第3波の影響で、今週ロックダウンの水準がレベル3まで引き上げられたこと、依然として電力施設の故障などで電力の負荷制限(停電)が行われていること、公務員組合のストライキの可能性などがあげられる。

 

米国とメキシコ、カナダの陸路入国制限を1ヵ月延長:前向きな措置延長

米国とメキシコ、カナダは新型コロナウイルスの感染対策措置として昨年3月から導入されている陸路入国制限を7月21日まで1カ月間延長することを発表した。ただ、夏場の観光シーズンを前にこの措置は緩和されていく姿勢で、前向きな措置延長とされている。

 

欧米市場イベント

○19:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○22:30   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○23:15   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、議会証言
○22日04:00   ウイリアムズ米NY連銀総裁、講演

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/06/18/15:20:18

日経平均株価:終日値動きの乏しい展開

前日の米国市場では、米長期金利が低下し、株式市場ではハイテク比率の高いナスダックが上昇した。米ハイテク株高の流れを受けて半導体関連株や電子部品株が上昇した。一方、素材関連株や海運株などはさえなかった。日銀が金融政策決定会合の結果を発表したが、目新しい材料は見当たらず、反応は限定的だった。結局、前営業日比54円安の2万8964円で終了した。

 

東京外国為替市場:上値の重さが意識され一時110円割れ

ドル/円は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、110.20円台を中心とした狭いレンジで取引された。本日は実質的な五・十日にあたり、仲値にかけて本邦実需筋の動向が注目されたが、需給に大きな偏りは見られなかった。日銀金融政策会合の結果が発表され、大規模な金融緩和策の現状維持を決定した。新型コロナウイルス対応に向けた企業の資金繰り支援策については、期限を2021年9月末から2022年3月末に延長すると報じられたものの、予想通りの内容と受け止められ、市場の反応は限定的だった。午後に入ると、上値の重さを意識したドル売り・円買いが持ち込まれ、109.84円付近までじり安となった。ユーロ/ドルは、週末を控えた持ち高調整などのユーロ売り・ドル買いに押され、一時1.1895ドル近くまで下落した。ECB当局者からのハト派的な発言が相次いでいることも、ユーロの重石となった。

 

中国景気は一段の踊り場へ:家計消費は『二極化』の様相

年明け以降の中国景気は『踊り場』状態にあるなか、5月の鉱工業生産は前年比+8.8%と一段と鈍化するなど頭打ちしている。政策支援などが生産を押し上げる一方、インフラ投資の鈍化を示唆する動きもみられる。一方で小売売上高も前年比+12.4%と伸びが鈍化しているが、『持てる者』と『持たざる者』の二極化に加え、若年層で広がる『寝そべり』も影響している。また、固定資本投資は年初来前年比+15.4%と鈍化しており、設備投資が弱含む一方で不動産投資は堅調な動きが続くなど、規制強化が効果を挙げていない可能性がある。また、政府は環境重視姿勢をみせるも『笛吹けど踊らず』の様相もうかがえるなど状況は難しい。

 

トルコ中銀は予想通り金利据え置き:声明文はタカ派

トルコ中銀は市場予想通りに政策金利を19%で据え置いた。据え置きは3会合連続になる。声明は前回声明よりもタカ派と受け取られ、発表直後にリラ買いに振れる場面もあったが長続きはしなかった。今回の中銀声明では前回『現行の金融政策を維持する』から『現行の引き締め的(tight)な金融政策を断固として(decisively)維持する』とタカ派な文言が追加された。ただし、利下げを主張するエルドアン大統領の圧力は今後も強まることが予想され、リラの戻りがあまりにも弱いところをみると、市場は、週末に再び金融政策委員会(MPC)メンバーが更迭されることを危惧しているのかもしれない。

 

南アでは賃金凍結で公務員組合の対応が注目

南アの国内ニュースとして抑えておきたいのは、ムボウェニ南ア財務相が金融機関主催のイベントで『3年間は公共部門の賃金を凍結する』と発言したことである。マスコミを入れずに行われたイベントだったが、この発言はすでに南ア国内のメジャー報道機関に伝わってしまっている。昨年、与党アフリカ民族会議(ANC)が公務員の賃上げをすると発表していたこともあり、今後の公務員組合の対応が注目される。日本とは違い、インフレ上昇のもとでの2年連続の賃金据え置きは、実質賃下げということになるのでストライキの可能性も否定できない。

 

米6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想以上に低下

米6月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は30.7と、5月31.5から予想以上に低下し2月来で最低となった。主要項目である新規受注は22.2と、年初来で最低。6カ月平均の29.8も下回った。経済活動の再開を受けた需要の急増が一段落した可能性がある。雇用者数は30.7と、5月の19.3や6カ月平均の26.4を上回ったものの、週平均就業時間は20.1と、5月35.5から低下し、6カ月平均の28.9も下回った。一方、仕入れ価格は80.7と、1970年代以来の高水準を記録した。需要の伸びのペース鈍化で、今後、価格上昇が一段落する可能性もある。

 

FRBの資金吸収のリバースレポ取引額は過去最高額

米連邦準備理事会(FRB)が短期金融市場における資金吸収のための調節手段としているリバースレポ・ファシリティーの取引額が17日、7558億ドルと過去最高となった。金融機関がリバースレポを活用してFRBに資金を貸し出す動きが続いている。は15-16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、超過準備の付利金利(IOER)と翌日物リバースレポ金利をそれぞれ5ベーシスポイント(bp)引き上げると決定した。アナリストによると、IOERの引き上げにより、フェデラルファンド(FF)金利の実効レートは0.05%ポイント上昇し、レポ金利にも上昇圧力がかかるという。FF金利の実効レートは0.06%を維持しているが、IOERと翌日物リバースレポ金利はそれぞれ17日付で0.15%、0.05%に引き上げられるため、18日に変動する可能性がある。

 

欧米市場のポイント

○15:00  5月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.7%)
○15:00  5月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比1.6%/前年比29.0%)
○15:00  5月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比1.5%/前年比27.3%)
○15:30   黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
○17:00  4月ユーロ圏経常収支(季節調整済/季節調整前)
○イラン大統領選

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/06/17/15:13:19

日経平均株価:終値では2万9000円台を維持

タカ派的と受け止められた米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた米国株安の流れを引き継いで、朝方に安く始まった後も徐々に下げを拡大した。市場では、朝方の下げて始まった台湾や韓国の株価指数が下げ幅を縮めていることが投資家心理にプラスとの声があるほか、FOMC後の米長期金利上昇も『3月の水準ほどにはなっておらず、目先の株価への悪影響は限られるではないと』との見方もあった。結局、前営業日比272円安の2万9018円と続落して終了した。6月第2週の海外投資家は3週間ぶりに2263億円の売り越しとなった。

 

東京外国為替市場:ドル上昇一服で110.60円付近でもみ合い相場

ドル/円は、FOMCが想定よりもタカ派的な内容となり、米FRBの量的緩和縮小の時期が想定よりも早まるとの観測から一時110.82円付近まで上昇し、4月1日以来のドル高・円安となった。ただ、3月31日につけた年初来高値の110.97円が視野入りすると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、110.60円付近へ緩んだ。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、110.60円台を中心とした狭い値幅で取引された。今晩の米国株価動向や米経済指標を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、午前中に約2ヵ月ぶりの安値1.1984ドルを付けた反動から、利益確定などのユーロ買い・ドル売りが入り、1.2005ドル付近へ値を上げた。

 

中国発改委は豚肉価格の過度な下落で警告

中国の国家発展改革委員会(発改委)は16日、豚生体価格が過度に下落し続けており、6月7-11日までの豚肉価格と穀物価格の平均比率が5.88:1となったことを受けて、価格安定のために政府の行動が必要になる『レベル3』の状態に入ったと警告した。養豚農家による大量の出荷や冷凍豚肉の輸入拡大、季節要因による需要の低迷などが原因であるとし、豚肉の生産能力を合理的な水準に維持することを要求した。また、発改委は次の段階として、豚肉生産と市場の価格トレンドを注視し、備蓄を適宜調整し、豚肉市場の円滑な運営を促すとした。『信報』が16日伝えた。

 

材木価格の高騰で住宅建築にも影響

世界的に木材価格が高騰する『ウッドショック』の影響が広がっている。木材価格の高騰が顕在化し始めたのは今年3月頃からである。米国での新築住宅の増加に加え、新型コロナウイルスの影響から回復した中国でも木材需要が伸びたためだ。米国では製材価格がこの1年で3~4倍に値上がりした。世界的なコンテナ不足で輸送費も上がった。その影響は国内需要の6~7割を輸入に頼る日本を直撃した。輸入材が品薄となり、国産材にも波及。木造住宅の柱などに使う集成材はこの半年ほどで2割値上がりし、夏場には2倍になるとの見方も出ている。

 

フラジャイル5の体質の今と昔:FRBのテーパリングへの影響

FRBが前回、テーパリングを決めたのは13年12月である。その時に注目を集めたのが『フラジャイル5』という、通貨安に直面しやすい『脆弱な5カ国』である。対外債務残高や外貨準備高の少なさ、経常収支の赤字の大きさやインフレ動向などから、投資家に売りの『狙い撃ち』をされやすい国を米モルガン・スタンレーが判断した。インド、インドネシア、トルコ、南アフリカ、ブラジルが該当する。その5カ国が年月を経てどう変化してかである。まず、外貨準備高では、13年の平均と21年の直近までの平均を比較した。インドは13年と比べて2倍になった。6月初旬には6000億ドル(約66兆円)に達した。インドネシアは1.4倍となった。一方、ブラジルは5%減少した。厳しいのはトルコで、外貨準備高は500ドルを下回り、13年の半分以下に減少している。経常収支でも同様の結果がみられる。13年当時はいずれも経常赤字が続いていた。しかし、インドでは20年、経常収支が黒字に転じた。南アも黒字化した。ブラジルは依然として赤字に沈むが、13年から4分の1の規模に縮小するなど改善が見られる。インドネシアは赤字が続くが四半期ベースでは黒字化するタイミングであり、体質には変化もみられる。一方、トルコは経常収支の改善が続き、19年には黒字になったものの、20年には再び赤字になった。トルコは引き続き狙い撃ちされやすい。

 

米FOMCでの変化の兆しが市場の動揺を誘う

2023年の中央値が1回の利上げに上方修正されることは、市場では大方予想していたが、それが『2回の利上げ』までに引き上げられたことでネガティブサプライズとなった。3月時点では11人いたゼロ金利予想がたったの5人に減少した。2022年のチャートをみると、14人いたゼロ金利予想が11人にまで減少した。つまり、9月のドットチャートでは、あと2人が利上げ予想に変更した暁には、来年2022年の利上げ予想に転じる可能性も出てきたことで、市場が浮足立ったのも納得がいく。パウエルFRB議長も現在のインフレは一時的とはしながらも『FRBの予想以上に上昇し持続する可能性がある』との見解を示した。テーパリング議論についても、『次回会合から進展具合の評価を始める』ことを示唆した。加えて、今回のFOMCでは、O/Nのリバースレポ金利を0.00%から0.05%、超過準備の付利を0.10%から0.15%へとそれぞれ5bp引き上げている。日々の金融調整のレンジを0.00-0.10%から0.05-0.15%に微調整を行ったということになった。細かな点ではあるが、上方向へのシフトということになった。

 

米国の利上げ時期を前倒し:ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは16日付けリポートで、本日のFOMCの発表を踏まえ、最初の引き上げ時期を従来の24年1~3月期から23年7~9月に変更した。ただし、その可能性については、50%を若干上回る程度とみている。財政支援が薄れるにつれ、インフレ率が予想より低くなったり、成長率が減速したりすることで、上昇が簡単に脱線する可能性があるためとした。

 

欧米市場イベント

○16:00   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○16:30   スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○18:00   5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.0%)
○18:00   5月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比0.9%)
○18:00   4月ユーロ圏建設支出
○20:00   4月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比99.7%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:19.00%で据え置き)
○21:30   4月対カナダ証券投資
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:35.9万件/343.0万人)
○21:30   6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:31.0)
○21:30   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○23:00   5月米景気先行指標総合指数(予想:前月比1.3%)
○23:00   エルダーソンECB専務理事、講演
○18日01:30   ビスコ伊中銀総裁、講演
○ユーロ圏財務相会合(ルクセンブルク)

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/06/16/15:12:44

日経平均株価:米国株に連れて軟調地合い

前日の米国株式市場では、インフレ高進が示されたほか、5月小売売上高が予想を超える落ち込みとなったことで、主要3指数がそろって下落した。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表や米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見を前に、積極的な売買は手控えられ、日経平均はマイナス圏でもみ合い展開となった。結局、前営業日比150円安の2万9291円と3日ぶりに反落して終了した。信用評価損率は11日申し込み時点でマイナス7.9%と、前の週(マイナス8.33%)からマイナス幅が0.43ポイント縮小した。改善は4週連続となった。

 

東京外国為替市場:イベント待ちで110.10円前後でもみ合い相場

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、110.51円付近まで小幅に上昇した。ただ、前日の欧州市場でつけた高値110.17円が意識され、追随する動きは見られなかった。その後は、短期筋による利益確定などのドル売り・円買いも見られ、110.10円を挟んでもみ合いとなった。午後に入っても、110.10円前後で方向感に乏しい値動きが続いた。米FOMCの結果発表を前に、様子見を決め込む市場参加者が多かった。ユーロ/ドルは、1.21ドル台前半で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本の米国債保有は拡大

米財務省が15日発表した4月の対米証券投資統計によると、米国債保有額は首位である日本が1兆2770億ドルと、前月の1兆2400億ドルから拡大した。2位の中国は1兆0960億ドルと、前月の1兆1000億ドルから減少した。海外投資家による米国債投資は495億7000万ドルの買い越し。買い越しは2カ月連続となった。前月は1188億7000万ドルと過去最高の買い越しだった。

 

コモディティは間もなくピークに達する可能性:クレディ・スイス証券

クレディ・スイス証券では、マルチアセット・ポートフォリオにおいてコモディティの利益確定を決定したとしている。力強い政策支援とそれに関連した経済の加速を受けて、コモディティは数年ぶりの最高値に達し、力強い回復を拡大してきた。しかしCSでは、現在は一時的な低迷の可能性を示唆する兆候がみられていると指摘している。バルチック海運指数は5月初旬にピークをつけており、物流のボトルネックは緩和されているようにみえるとコメント。農産物セクターなどでは一部短期サイクルの供給対応が進んでいるとのこと。コモディティ価格は前回の強気相場でつけた高値に近い水準に近付いており、CSでは利益を確定しリターン見通しを「中立」に変更している。

 

ECBの隠れテーパリング:PEPPの買い入れペース半減

ECBは10日の理事会で向こう3ヶ月のパンデミック緊急資産買い入れプログラム(PEPP)の買い入れペースを維持する方針を決定。決定後で初の週次買い入れ額は前週から半減し、3月に買い入れ強化を決定して以降の平均を大きく下回った。今回は償還が多かったことも影響した模様だが、夏場に向けて債券発行額が少なくなることもあり、今後も資産買い入れペースが伸び悩む可能性がある。

 

南アでは19日からロックダウン水準引き上げ

本日の南ア市場は青年の日の振替休日で休場となっている。昨日はラマポーザ南ア大統領がロックダウン水準の引き上げを発表した。19日から開始されるが、これによりアルコールの販売は本日を含めた祝日を除き、月曜から木曜の10時から18時に制限される。ただし、許可を得ている飲食店では21時まで飲酒が許可される。また、22時から翌4時までは外出禁止令が発令され、集会も屋内50人、屋外100人に制限されない。南アでの感染第3波は深刻ですが、これまでのところランド相場への影響はほぼない。

 

本日は米・露首脳会談が予定

本日は、スイス・ジュネーブでバイデン米大統領とプーチン露大統領の会談が予定されている。冷戦後では最悪とされる両国関係の行方は、米国とロシアの間の立ち位置で悩むトルコにとっても重要となる。関係改善ともなれば、米国が懸念しているトルコの露製地対空ミサイル配備について、なんらかの解決に繋がるかもしれない。

 

米国市場では連邦公開市場委員会(FOMC)会合

バイデン大統領が提示している大型インフラ投資計画に増税案は含まれていない可能性があることから、米国経済の失速に対する警戒感は低下しつつある。ただし、大規模な財政支出によって政府債務は拡大しており、国債利回りの上昇が警戒されていることから、今回のFOMC会合では金融緩和策の早期縮小の必要性について議論される可能性がある。FOMCの声明は、金融緩和策の早期縮小について慎重であることを示唆する内容となる可能性が高いとみられる。

 

米FOMCの意思決定に対して二つの焦点

米FOMCの意思決定に対して、焦点となっているポイントは二つあり、『テーパリング議論の開始』と『ドットチャートの上方修正』である。ドットチャートでは、3月時点で2023年末がゼロ金利のままだった中央値が、利上げ方向に引き上げられるとの思惑が高まっている。3月時点で、18人中ゼロ金利を予想していたメンバーが11人だった。中央値が引き上がるには、その中から2人以上が金利引き上げを予想すれば変化が見られる計算になる。これまでの発言などからその可能性が高いと判断している向きが多くなっている。一方、テーパリング議論の開始については、『よく分からない』といったところである。ただ、昨日にFedのNYがあるアナウンスとして、『6月22日、24日にMBSの売りオペを少額で実施する』とのことである。その理由としては『FOMCからの予想される政策支持などに対応するための予行演習』として実施する模様である。6月2日にも国際売りオペの予行演習も行っており、それに続くテストがアナウンスされることになった。売りオペの準備が実際の実務を行うNY連銀で進められていることが確認できる。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比1.8%)
○15:0    CPIコア指数(予想:前年比1.5%)
○15:00   5月英小売物価指数(RPI、予想:前月比0.3%/前年比3.3%)
○16:00   5月中国鉱工業生産(予想:前年比9.0%)
○16:00   5月中国小売売上高(予想:前年比13.6%)
○17:00   エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
18:00   デギンドスECB副総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○21:30   5月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比3.5%)
○21:30   4月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.9%)
○21:30   5月米住宅着工件数(予想:163.0万件、前月比3.9%)
         建設許可件数(予想:173.0万件、前月比▲0.2%)
○21:30   5月米輸入物価指数(予想:前月比0.8%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○17日01:00   5月ロシア鉱工業生産(予想:前年比10.5%)
○17日03:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:0.00-0.25%で据え置き)
○17日03:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○17日03:30   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○17日06:30   ブラジル中銀、政策金利発表(予想:4.25%に引き上げ)
○米ロ首脳会談(ジュネーブ)
○南アフリカ(青年の日)、休場

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欧米タイム直前市場コメント!

2021/06/15/15:11:51

日経平均株価:円安進行と海外勢の買い戻し

前日の米国株式市場でのナスダック高やドル/円が110円台で円安に振れていることが好感され、値がさハイテク株や自動車株を中心に買い戻しが先行した。市場では円安が追い風となったほか、海外勢の買い戻しで地合いがしっかりした。トヨタが初の1万円台を付けた。結局、前営業日比279円高の2万9441円と続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:110.10円を挟んでもみ合いに終始

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、110.15円付近まで値を上げた。日経平均株価が上げ幅を200円を超えたことも、リスク選好の円売りを誘った。ただ、今晩発表される5月米小売売上高などの経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、上値を追う動きは限られた。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、110.10円を挟んでもみ合いとなった。午後は、新規の手掛かり材料に乏しく、110.10円前後で方向感に欠ける値動きが続いた。今日から始まる米FOMCのイベント控え、様子見ムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.2125ドル前後で小動きに終始した。欧州勢待ちの様相となった。

 

米国株を過去11番目の大幅売り越し

BofAセキュリティーズは15日付の顧客フローのリポートによると、1週間に米国株を30億5000万ドル売り越した。2週間ぶりに売り越しに転じたことになる。この週は5月諸費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったものの、長期金利が低下して主力ハイテク株が強い中、S&P500指数が史上最高値を更新して週間で0.41%高となって3週連続で上昇した時だった。主体別動向では、ヘッジファンド(HF)が18億3500万ドルの売り越しで、3週連続の売り越しとなった。機関投資家は9億9200万ドルの売り越しで、5週ぶりに売り越しに転じた。個人投資家は12億6400万ドルの売り越しで6週連続の売り越しだった。企業の自社株買いは10億4100万ドルで、3週ぶりに10億ドル台を回復した。傾向としてはS&P500指数が史上最高値圏にある状況下、自社株買いを除く主要3主体が全て売り越しとなった。規模としては約2ヵ月ぶりの大幅売り越しで、同社が2008年から集計を開始して以来、11番目の大きなものだった。

 

トルコと米国首脳会談では前向きな姿勢は評価

注目されたエルドアン・トルコ大統領とバイデン米大統領の直接の会談では、どちらも建設的な話し合いができたと会談後に述べている。しかしながら両国間で最大の懸案事項とされる露製地対空ミサイルについて、トルコの導入方針に変更なしが伝えられたことが明らかにされた。米トルコ首脳会談は期待されたほどの関係修復とはならなかったが、多くの課題を今後どのように進めていくかを巡り話し合われたようである。解決までは時間がかかる問題や、そもそも落しどころが全く見えない難題もあるが、両国の『前向きな姿勢』は評価できる。 

 

南ア経済は底入れが確認:感染拡大なら状況一変の可能性も

南ア経済は、商品市況の底入れが景気押し上げに繋がる一方、電力不足に伴う計画停電が足かせとなる展開が続くが、1-3月の実質GDP成長率は前期比年率+4.62%と3四半期連続のプラス成長となるなど底入れが確認された。ただし、家計消費や政府消費が景気を押し上げる一方、世界経済の回復にも拘らず外需は弱含み、企業部門の設備投資も低迷している。足下の企業マインドは一段と改善するなど景気の底入れを示唆する一方、感染が再拡大する『第3波』の兆候が出るなど状況が一変する可能性も出ている。

 

米国の期待インフレ低下で実質金利の低下抑制:ドル支援に

米国では期待インフレの急上昇が一服となり、低下に転じている。為替相場では名目金利の押し下げを通じてドル安要因となる一方、昨年や今年4-5月は期待インフレの上昇が実質金利を低下させ、全般的なドル安に作用しきた(実質金利=名目金利-期待インフレ率)。その意味で足元の米期待インフレ低下は、前週での名目金利の急低下一服とあいまって、実質金利の低下抑制や上昇、連動したドル高の要因として注視される。前週末11日に公表された米6月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値では、『1年先のインフレ期待』が4.0%となり、前月の4.6%から低下した。『5年先のインフレ期待』も2.8%と、前月の3.0%から低下している。背景としては供給制約や資源高などによる物価急上昇の一旦の織り込みや、特殊要因による一時的な物価上昇との安心拡大、ワクチン普及と経済制限の解除などによる先行きの供給制約緩和の期待感などがある。

 

米国市場では5月小売売上高が公表

4月実績は前月比横ばいだった。新型コロナウイルス対策の一つである現金支給の効果が薄れていることが要因となった。3月実績は上方修正されている。5月については、現金支給の効果が薄れていることから、前月比でやや減少する見込みである。ただ、貯蓄は高水準を維持していいることから、経済活動の再開によって個人消費は6月以降、やや持ち直す可能性がある。5月小売売上高は前月比-0.4%と、4月の0.0%から伸びは大きく鈍化する見通しである。マイナスへの転落が嫌気され、GDPの下方修正への思惑から株売り・ドル買いの要因になる可能性もある。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00   2-4月英失業率(ILO方式、予想:4.7%)
○15:00   5月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.5%/前年比2.5%)
○15:45   5月仏CPI改定値(予想:前月比0.3%/前年比1.4%)
○17:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○18:00   4月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済150億ユーロの黒字)
○19:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○20:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○21:15   5月カナダ住宅着工件数(予想:27.00万件)
○21:15   ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
○21:30   5月米小売売上高(予想:前月比▲0.7%/自動車を除く前月比0.2%)
○21:30   6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:22.0)
○21:30   5月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.6%/前年比6.3%)
      食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.5%/前年比4.8%)
○22:15   5月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.6%)
          設備稼働率(予想:75.1%)
○22:50   パネッタECB専務理事、講演
○23:00   6月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:83)
○23:00   4月米企業在庫(予想:前月比▲0.1%)
○24:00   ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○16日01:00   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)改定値(予想:前年比▲1.0%)
○16日05:00   4月対米証券投資動向
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○米・欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

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